今週の『GIANT KILLING』#212
2011.06.19 23:04
すいません、毎度のことになってますが、大幅に遅れての更新となりました。
リーグ戦第20節の山形戦の後半ロスタイム。
夏木が倒されたことによって得たPKを王子がゴール左隅に決め、ETUが土壇場で再びリードを奪うことに成功した瞬間まで、先週号では描かれました。
そこから、今週号はどんな物語が描かれていきますでしょうか?
・・・
王子の蹴ったボールがゴールに突き刺さり、王子が左の人差し指を立て駆けだした瞬間・・・
主審の試合終了を告げるホイッスルが鳴り、試合は2-1でETUの勝利が決まります。
その頃、ETUの勝利を願っていた者たちは、ラストプレーでの劇的勝利に喜びを爆発させ、試合を戦った選手たちは、誰もがゴールを決めた王子の下へ駆け寄っていました。
「さすがPK職人!
何考えてるかわからないっぷり日本一――!」
世良のそんな言葉にも、今日のところは誉め言葉だと受け取っておくよと、笑顔で応じる王子。
そんな王子の姿にクレームをつけたのは、ファールを受けてPKをゲットした夏木。
まず褒めるなら自分を・・・と主張する夏木ですが、周りの選手たちの反応は、夏木さんだったらPK外してた気がするなど、実に正直なものでした(笑
そんな周りの反応に、何も答えられずにいる夏木は、このPKのチャンスを得たそもそものきっかけは、あいつの突破であったと認め、右サイドをドリブルで切り裂いて決定的なパスを送ったガブリエルの方に視線をやります。
誰かに肩車をされ、周囲に手を挙げて応えるガブリエル。
そんなガブリエルに、宮野は、デビュー戦で残したインパクトの大きさを伝え、さらに、同じデビュー戦という意味で殿山にも言葉をかけようとしますが・・・、殿山の姿がどこにも見当たらず。
・・・と思ったら!
ガブリエルに肩車をしていたのが、殿山本人だったのでした・・・。
・・・そんなじゃれ合いもありつつ、選手たちは、それぞれ、思い思いに試合の健闘を称え合っていました。
・・・
一方、ゴール裏から試合を見守っていた、スカルズの羽田は、山形戦を“格下”相手とはいえ、難しい試合展開のゲームをモノできるようになった、チームの成長を感じていました。
そして、今後の上位争いへ加わることについても、大きな手応えを感じていました。
・・・
勝利を収めたETUとは反対に、ホームで敗れ、悔しそうな姿を見せていたのは山形の選手たち。その中には、PKを与え退場になったメンデスの肩をポンと叩くケン様の姿もありました。
そして・・・
「負けましたよ タッツミー」
試合に敗れた側の指揮官となった佐倉は、達海に対し声をかけていきます。
「俺の勝ちだ サックラー」と返した達海に対し、佐倉は、試合について振り返るコメントをしていきます。
試合途中でプランを立て直したにもかかわらず、試合に敗れ、最終的にはすべてが噛み合ってETUが勝利を収めたこのゲームについて・・・
「ひらめきとしたたかさ…
やはり今のETUは
現役時代のあなたのプレーイメージを具現化したようなチームですね」
そう結論付けて、佐倉は達海に話します。
それに対し、誉められてるんだ何だかわかんねーなと返す達海。
すると、佐倉は、さらに言葉を続け・・・
「だからこそ嬉しかった
タッツミーのプレーに影響されて
指導者を目指した私にとって
自分のやりたいサッカーで
タッツミーのサッカーと全力でぶつかれたことは
前回引き分けたことよりも嬉しいんです
いや 本当に何よりも嬉しいのは
憧れのタッツミーに敗れたという事実に
心底悔しがっている自分がいることです」
と、達海に伝えます。
そして・・・
「いつか! いつかきっと!
逆にあなたに与えられるような
そんな監督になってみせます」
と、宣言する佐倉。
そうして、その場から立ち去ろうとする佐倉。
すると、達海は・・・
「サックラーがオールスターん時
ケンケンなら何かやるって信じてたからだ
何ややりそうだなーってやつをピッチに残すやり方は
サックラーからの影響だよ
あんたはもう とっくにそういう監督だよ」
という、言葉を返し、後ろ向きに手を挙げながら立ち去っていきます。
そんな達海の言葉に、ただ感激しているといった様子を見せる佐倉でした。
・・・
場面は変わり・・・
試合後のミーティングのため、選手にかける言葉を考えながら、ロッカールームへと向かう佐倉。ふとそこに、モンテビア山形の社長がいることに気付きます。
佐倉は大事な一戦を落としてしまったことについて、社長に謝罪しますが、社長は逆に、見応えのあるいい試合だったじゃないかという言葉を返します。勝てれば選手も自信になっただろうけどねということも認めてはいましたが。
そんな社長の言葉に、佐倉は、勝てなかったのは自分の責任であり、自分にもっと指導者としてのカリスマ性があれば、選手たちも聞く耳を持ってくれて、戦術理解度も高まるんですが・・・と、うつむき加減に話します。
しかし、社長は、佐倉のことをただ真っ直ぐに見つめ・・・
「一歩ずつ進めばいい 覚えているかい佐倉
君が自分を監督にしてくれと直訴して来た時に私に渡したチーム改革案…
その中にいつか攻撃的なサッカーをするというプランが書かれていたことを
君のチーム作りは順調じゃないか
胸を張りなさい佐倉」
と、励ましの言葉をかけていきます。
その言葉に、前向きさを取り戻した佐倉は、社長にお礼の言葉をかけ、ロッカールームに入っていきます。
「みんなよくやった!
敗れはしたがいいチャレンジだった!
大事なのはそのチャレンジ精神であって・・・」
強い言葉で、選手たちに声をかけ始めた佐倉でしたが・・・
「何がよくやっただー!!」
「カード1枚残しやがって!」
「交替遅くないスか!」
などと、選手たちの反撃にあい・・・
「勝つ気あんのか! 全力でやったのかベンチは!」
と、逆に選手たちに追求されてしまう始末!
さらには、メガネが曇ってたんだな拭いてやれよ・・・と、“社長がそばで見ているのにもかかわらず”お約束の選手たちの監督いじりという展開になっていったり・・・。
しかし、負けた悔しさを滲ませる選手たちは、選手同時でミーティングをしようという流れになっていきます。そんな中・・・
「あんたも来ますか?」
そう小森に声をかけられる佐倉。
「…… …行く」
メガネを取られ、少々情けない姿で力弱く(?)、答える佐倉。
そんな佐倉の姿が、選手たちの笑いを誘い・・・
山形のロッカールームは、笑い声で包まれていきます。
(気づいてないだろうがな佐倉…
お前が監督になってから
このチームには笑い声が増えたのだよ
これはお前の立派な才能なんだよ)
ロッカールームでのやり取りを見て、そんなことを社長が思ったところで・・・今週はここまでとなります。
■ 私的雑感
長く続いた山形戦も、とうとう今週で完結しました!
なんだかんだで、結構な時間を割いて描かれたなーと思います。
今週は、王子がPKを決め、勝負が決した後の描写が描かれていきました。
まず全体の感想から言うと、ETU側から見ても、山形側から見ても、明るく前向きで笑顔でいられる、とても素敵な山形戦のフィナーレだったと思います。こういう読後感の良さは、好きだなぁ。
※
まずは、勝利後のETU側の描写についてですが・・・
まぁ、とにかく試合に勝てて良かった良かった。
試合描写が長かった分、勝利もひとしおですねー。
PKを決めた直後の(1ページ2コマ目)王子の様子なんかを見ても、これまでのクールとはちょっと違う何かがあるように思えてきます。
本当、ものすっごくプレッシャーがかかるシーンの中、よくPKを決めてくれました。
・・・うんうん、トラップミスっちゃったけど、PKゲットのファールを得たナッツのことも存分に誉めてあげなきゃねー(笑
まぁ、ナッツは、良くも悪くもナッツらしい(笑
右サイドを切り裂き、決定的なラストパスを送ったガブ君も素晴らしかったです。確かに、ガブ君の見せたいくつかの突破も含め、デビュー戦としては上々の活躍だったと思います。
もちろん、殿山君の方も、小森の持ち味を消しつつも、自分の持ち味は発揮して、チームの勝利に貢献したと思います。
そして、このふたりのお約束の描写にも笑ってしまいましたね。
宮野も、途中出場して、前線を上手くかき回していたと思うし、今季初スタメンとなった佐野も頑張った。コシさんも、よくチームを引っ張ってくれた。
クロ&スギは、山形の若手快速2トップに手を焼く場面もあったけど、彼らからはゴールを守りきりました。ガミさんは、1ゴールは奪われたけど、主に守備面で活躍し、ケン様相手にも奮闘しました。
・・・ごめん、この試合のキヨのプレーは、ちょっと思いだせないけど、セリーは、前線で絶妙な飛び出しを何度も見せ、らしからぬ落ち着いた先制ゴールも決めてくれました。
あとは、今週は描写がなかったんですけど、途中でレッドカードを受けて退場してしまった堀田。
結果として、退場になってしまったけど、クレバーなプレーで攻撃の組み立てに貢献し、後々の後半の瀬古の失速させる結果ももたらしました。何より、退場になっても、チームのためにできることをしようとする、そんな姿に心打たれました。
まぁ、とにかく、ピッチで戦った選手たち以外のメンバーも含めて、みんなでもぎ取った勝利だったと思います。
長いリーグ戦、常にチームのいい状態ばかりが見られるとは限らないけど、これからシーズン終盤に向けて、上位へと進出していくためのいい弾みになってくれると信じています。
次は、一体どんな試合を私たちに見せてくれるのか楽しみですね!
※
試合後の、タッツミーとサックラーのやり取りもまた良かったです。
これは、山形のロッカールームでのシーンにも言えることなんですが・・・
要は、本人がどう思っていようが、すでにサックラーはひとりの監督として、すでに認められているんだよっていう・・・、そんなところを感じさせてくれるシーンに心震える思いがしました。
山形のロッカールームのシーンでも、お約束のサックラーいじりの場面は素直に笑ってしまいました。けど、それだけじゃない、サックラーが今のモンテビア山形というクラブに欠かせない人物になっているんだという部分を、社長の視点から描いていってるのがまた良かったなと思いました。
個人的にも、選手としての才能はなかったかもしれないけど、それでもサッカーが諦めきれず大好きで、遠回りをしてでも監督の道を目指していき、それを具現化させていった・・・、そんなサックラーのような人物は心から応援したいなって思います。
クラブの規模は小さいかもしれないけど、クラブの目指す方向性の軸はしっかりしている。
もちろん、道のりは決して平坦なものではないけれど、今ある基盤があれば、山形は、シーズン終盤に向けて面白い存在になっていくのではないでしょうか。リーグ戦が終わった時、どのあたりの順位にいるのか、本編で直接語られることはないかもですが、その動向は気になるところですね。
少し、話はそれましたが、タッツも負けず嫌いな部分は見せるけれど、相手の認める部分は認める。そういうのって、素敵じゃないですか。
サックラーが言ってた、「やはり今のETUは現役時代のあなたのプレーイメージを具現化したようなチームですね」って言葉も、そうなんだろうなぁって思いました。
今度この2人が再開するのは、いつのことになるのでしょうか。
またいつか、この2人が絡むところを見てみたいなって思います。
※
あとは、箇条書きにて。
- 「さすがPK職人!」はともかく、「何考えてるかわからないっぷり日本一――!」は、なんかよく分からないけど、セリーひでぇw
- ガブ君を引きずり降ろそうとする宮野。さり気に、そっちの方が殿山君に負担がかかってるように見えるw
- いくら、2部を3位で上がってきた山形とはいえ、順位的に近い相手を“格下”と言ってしまうのは違うと思う。チームの成長、手応えを感じる部分には同意ですけどね!
- ちなみに、羽田の言ってる、4戦連続ドロー回避という発言は間違いです。過去4戦の成績は古い方から、△△○△で、単行本で修正されるかな。
※
さて、来週以降の展開についてですが・・・
新展開が始まるということで、次はどんなお話になっていくのか。
試合描写に入って行く前に、何かあるかなーぐらいのイメージを持ってはいますが、まぁ、現段階では何とも言えないので、とりあえず、次号の発売を待つとしましょう!
コメント
コメントありがとうございます。
数字的にも7試合負けなしぐらいなら、実際にもあり得る話なので、
まだまだ無敗記録を続けられると信じています!
・・・と言っても、こういうところでコロッと負けたりするのも
ジャイキリにはあり得る話なので、油断はまったくできないですね(笑
この山形戦は、夏季キャンプの成果の真価が問われた試合だったと思うのですが、
そこを紆余曲折を経ながらも勝利できたので、
チームにこれまで以上の手応えを与えたのではないでしょうか。
タッツミーにとっても、サックラーの存在は、大きな刺激になったと思うので、
そういう意味でも、今までの中で最も収穫があった試合と言えるかもしれませんね。
ここから、さらにタッツミーがチームをどのように発展させていくのか。
この先の成長を見守っていくのが楽しみです。
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