今週の『GIANT KILLING』#197
2011.02.03 22:46
最新単行本18巻は、絶好調発売中です。
コミックの売り上げランクなんかを見ても、本当に絶好調だなぁというのを感じます。
リーグ戦第20節の山形戦。
1-0とリードした状況で前半を折り返したETU。
ハーフタイムを終え、今週から後半の展開が始まっていきます。
・・・
場所は、ETUのクラブハウス。
クラブハウスにあるテレビには、後半がキックオフされようとしているETUvs山形の中継が映し出されていました。
クラブハウスでは、今回山形遠征に参加できなかったメンバーたちが揃って、みんなで観ているわけですが・・・
その中で、矢野が、自分と同じ控え組であることの多い宮野に対し、声援を送っていました。そんな矢野の対し、ひとりを挟んで熊田が言葉をかけていたりしています。
そんなふたりに挟まれる形で試合を観ている椿は、山形の後半のキーマンとなるであろう小森のプレーについて、前半はほとんど目立ってなかったと言うものの、キックの精度は高く、あの人にボールを持たせるのはなんだか危険な気がする・・・と、心の中で思っているのでした。
・・・
そうして、主審のホイッスルが鳴り、後半が始まっていきます。
ETUと山形、両サポーターがそれぞれ、自分の応援するクラブに対し声援を送っているシーンが描かれています。
そして、1点のリードを許している山形の選手たちは、自分たちを鼓舞する言葉を発していました。
ベンチの佐倉は、どこかでチャンスがあるから落ち着いていけと、選手たちの戦いを見つめ・・・
「2点だ…!
何としても2点取ってこの試合勝つんだ…!!」
この試合の勝利に、強い意欲を見せていました。
ピッチの中では、さっそく小森にボールが渡ろうとしていました・・・
が、ボールを受けて前を見た瞬間、小森はボールを後ろに戻してしまいます。
そんな小森のプレーを見て、瀬古は、もっとチャレンジしていこうぜという言葉をかけます。しかし、小森の内心は、自分にプレッシャーのかけてくる村越のプレーを嫌がっていました。
・・・
場面は変わり、記者席から試合を見つめる山井記者と藤澤さん。
「山形はメンバー変更どころかポジションも替えてないのか
てっきりメンデスを一列上げてくるかと思ったんだがな
これで後半戦えると思ってんのか?
ハーフタイムに何してたんだ佐倉は」
と、少々言い過ぎなぐらいなことを言ってしまう山井。
それに対し藤澤さんは、赤崎に替えての宮野の投入したETUの効果的な選手交代について述べています。
まぁ、山井記者は、ETUの勝ちに賭けているからいいのだそうです。
とにかく、1点を奪わなければならない山形。
山井記者は、現状の山形の中盤はあまりに頼りなく、ならば自信を持った新しい形のプランがあるのだろうかと、お手並み拝見といったスタンスを試合を見つめるのでした。
・・・
話は、再びピッチの中へと戻っていき・・・
2人で挟み込んで世良からボールを奪ったケン様。
そこから攻撃に転じていく山形ですが、佐倉は小森にもっとボールを前で受けるよう指示を送り、その通りに小森も前へ走っていきます。
そして、一度メンデスにボールを戻すケン様。
そこからすかさずメンデスが、低いライナー性の速いボールを小森に送っていきます。
・・・が、ちょうど小森のボールが入る、そのタイミングを村越が狙っていて、村越の激しいプレッシャーにさらされた小森はボールを失いそうになってしまいます。
そこに達海が宮野に挟んで奪いに行くよう指示を出し、ETUがボールを再奪取できるかといったところで、瀬古がフォローに入り、小森からボールを受けようとします。
・・・が、さらにその動きを読んでいたのが堀田。
堀田は、マイボールにすると、追いかけてくる瀬古から逃げるように少しドリブルしてボールを運び、早いタイミングで前線の夏木のところにクロスを送っていきます。
そして、夏木は、マッチアップするメンデスと無理に仕掛けることなく、シンプルにヘッドで王子にボールを落とし、その王子はダイレクトでシュートを狙います!
・・・しかし、ゴール左上枠内に飛んだシュートは、山形のGK・野村が左手一本でセーブし、惜しくもETUの追加点ならず。
「ははっ 今のはキーパーを誉めるべきだね」
と、王子はいつもと変わらず余裕の表情。
逆に、シュートを打たれた側の野村は、球際を厳しく行けと味方を叱咤し、それに気合いを入れて応えようとする瀬古。
・・・今の一連のプレーをベンチから見ていた佐倉は、まるで自分たちが小森にボールを集めることを知っていたかのようなETUの選手たちの動きに、信じられないといった表情を見せていました。
・・・一方、ETUベンチの達海は・・・
「はっ やっぱり小森にボールを集めてきやがったか
俺の読み的中! 恐れ入ったかサックラー」
と、自信満々の笑みでそう話していました。
そんな達海の言葉を受けて、松ちゃんは、実は達海の読みを半信半疑の思いで聞いていたことを打ち明けていました。
達海は、そんな松ちゃんに逆襲をしつつも、今回の山形戦におけるやり方を語り始めていきます・・・。
前回対戦時、やり辛かったを感じたその理由についてあれこれと考えていたという達海。
それは、ひたすらに自陣に引く山形を崩すのがやり辛かったのか・・・?
それは何か違う気もしてたという達海。
その次に達海が着目したのが、オールスター時に佐倉が話していた“サッカー観が似てる”という言葉。
相手に合わせたカウンター主体のスタイルは似ているとはいえ、それは“サッカー観”とは言わないだろうと言う達海。
そんな時、達海にとってヒントとなったのが、5番の選手はミスも多かったがプレーが印象に残っているという椿の言葉でした。
「それからもう一度山形の試合をチェックしたら
確かに小森のプレーは光っていた
はっきり言って
こいつを攻撃の軸に据えたらチームは変わる… とも思ったね
それに気付いたらやっとわかった
向こうがこれまでやってきたのはチームとしての初期の段階…
俺が前回やり辛いと思った理由は
山形ってチームはもっとできるんじゃないかっていう違和感……
ここの能力が研ぎ澄まされることで
どんどんチームが強くなるんじゃないかっていう怖さだよ
これまでの形はあくまでベース…
サックラーの目指している形はこの先にある
…… けどね
この試合では俺がそこまで進ませない」
こうして山形、もとい“サックラー”のチームプラン全貌を明らかにし、それを阻止することを明言して、試合を見つめる佐倉の姿を映したところで・・・、今週はここまでとなります。
■ 私的雑感
今週は、タッツミーからすれば・・・
「俺の読み的中! 恐れ入ったかサックラー」
まさにその言葉の通りの内容となりました。
別の言い方をすれば、ETUを欺けたかと思っけど、実はタッツミーという名のお釈迦様の手の中であったといったところでしょうか。とはいえ、その背景には、山形というチームのポテンシャルを感じてもいて、最大限のリスペクトも感じることができるかなと思います。
個人的には、山形がやり方を変えてくることに対して、ETUの選手たちが少し戸惑いを見せるかなぁって思っていたのですが、そんな私の心配なんぞ何のその、選手たちは頼もしいプレーを見せてくれました。そのあたりに、ETUのチームとしての成熟も感じて、ニヤリとしてしまいます。
まぁ、“小森システム”と言っても、攻撃がすべて小森を経由することが分かってしまえば、すべてを抑えきれるかどうかはともかく、対応すること自体はそれほど難しいことではないのかなとも思います。
けど、小森のプレースタイルをきっちりスカウティングしているであろうタッツミーは、小森を抑えるためのポイントをコシさんに伝えて、それにコシさんが応えるプレーしているところは(逆を言えば、小森は自分の持ち味をコシさんに出させてもらってない状態で、コシさんは小森にボールが入るところによく睨みを利かせている)さすがではないかと思います。
ETUからすれば、効果的なカウンターも発動できてますし、極めて順調な後半の立ち上がりと言えるんですけど・・・
う~ん、逆に順調すぎる感があるのが気になってしまうなぁ(苦笑
バッキーも前半は目立っていなかったけど、小森の持たせるのは危険な感じがすると言ってますし、サックラーがこのまま終わってしまうとも思えないし、万が一にも小森もハートに火がついてしまったら・・・とも思うし、何より山井フラグが立ってしまってますからねぇ・・・
タッツミーとしては、山形のステップアッププランについて理解できているし、それをさせないための策も立ててあるぜといったところですが(とはいえ、その背景には山形を覚醒させてしまった時の怖さをも感じさせるもの)、順調といってもまだ後半が始まったばかりでフットボールは何が起こるか分かりません、これからの試合の動向をもう少し見守ってみるとしましょう。
※
あとは、箇条書にて。
- 「落ち込んでいるアナタも!!」、「覚えられないアナタも!!」、「息子と上手くいってないアナタも!!」・・・、今週号のモーニングに掲載されている、18巻の広告が面白かったです。
- 今さらですが、バッキーの気になってた人の正体は、やはり小森でした。
- 山井記者の物の言い方にはちょっと不快なものが・・・。口が悪いだけなのはわかってるけどねぇ・・・。
- 山形からすれば、いかにして小森にボールを集めていくのか。そのためにどう工夫を凝らしていくのかが気になるところ。
- 堀田→ナッツ→王子の流れでの攻撃の形はキレイだったなー。特に、いぶし銀のプレーをこの試合見せ続ける堀田が良いです。けど、あのコースにシュートを打って、セーブされてしまったのだからしょうがない。けど、ここで点を奪えていたら的なことにならないことを願う。
- 松ちゃんもいじられるために、あえて余計なひと言を言ってるんですよね、わかりますw
※
さて、来週以降についてのお話ですが・・・
小森システムは、タッツミーにお見通し。
策を読まれているという事実に対し、サックラーはそれにどう抗っていくのか?
ETUを応援する立場の視点からすれば、本当にもう今のままでいいんです。
でも、このまま終わるとも思えなくて・・・
うん、まぁ、どうなるか分からない以上は、ジャイキリという作品を、ETUと山形の戦いを素直に楽しんでいようと思います!(笑
とりあず、来週号はどんな展開になっていくのか、楽しみです。
タグ : GIANT-KILLING
コメント
コメントありがとうございます。
>観てる人間は負けグセがまだまだ抜けていません(笑)
そうそう、今のETUに負ける要素は見当たらないのに、
試合がこのまますんなり終わるわけないだろう、
俺たちのETUがこんなにあっさりと勝てるわけがない!
的な思考がどうしても抜けないんですよね(笑
それでもやっぱり、ストーリー的にも何かが起こると思うんですけど、
最終的にETUが勝ってくれればというところでもあるので、
この先どんな試合が展開されていくのか、
楽しみに見守ってきたいです。
コメントありがとうございます。
ランク王国、懐かしいですね~。
以前、よく見ていました(笑
単行本18巻は、オリコンのコミック週間ランキングだと、
2週連続で2位になっていますね(私の知る限りベスト記録)。
推定累積売上部数も2週で20万越えで着実に伸びていて、
ジャイキリもずいぶん売れっ子になったなぁと、
しみじみと実感します。
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堅守の山形がいろいろ仕掛けられるチームになっていくのかな~なんて思うとワクワクしますが…ドリさん、バッキー抜きでやっぱり勝ってしまうETUなんですかね…今のところETUが負ける要素って感じないですが…やっぱり何かあるんだろうかって観てる人間は負けグセがまだまだ抜けていません(笑)