今週の『GIANT KILLING』#194
2011.01.13 23:22
まずは、先週話にあった、ツジトモ先生のサイン会の話です。
場所は、1月29日14時から東京池袋・芳林堂書店 コミックプラザで行われるそうですが、前回同様、書店で整理券の予約が必要になっています。
サイン会の詳細については、モーニング公式サイトのリンクを貼っておくので、参加希望の方はそちらで詳細を確認してみて下さい。そちらで、18巻の表紙画像も見れるので、併せてチェックしてみて下さい。
(参考リンク:『ジャイキリ』最新⑱巻発売記念、ツジトモサイン会開催決定!)
ちなみに言うと、私は、29日は日程的に問題ないし、是非とも参加したいところではあるのですが、物理的に整理券の予約ができない状況になってしまうと思うので(仕事の昼休みとかじゃ無理ですよねぇ・・・)、見送ってしまうことになると思います。・・・残念だけど、しょうがないですね。
・・・
それと、ツイッターでひっそりと公開していて、すでに見てくれた方もいらっしゃると思うのですが、ETUのこれまでの全試合の出場選手リストというのをまとめて画像化してみたので、興味のある方はこちらよりどうぞ。先週そのことを書こうと思ってたのですが忘れてました(苦笑
後々もう少し見やすいように改良したいと思っているのですが、とりあえずの暫定版として、あくまで参考程度に捉えてもらえればと思います。もし、何か記述ミスなどあるようでしたら、私の方までご連絡いただけるとありがたいです。
リーグ戦第20節の山形戦。
攻めても攻めても得点できないETU。
それどころか、少しずつ山形に押し返されてるといった状況でしたが・・・
清川のロングボールを受けた世良が、冷静にゴール左隅に流し込み、なんと先制したのはETU!
・・・となったところで、今週はその続きからになっていきます。
・・・
世良のゴールによって先制したETU。
その時間軸を少し戻してみますと・・・。
「うん! よしっ…
メンデスはナツさんがひきつけてる…
… そんでもって…
このひと(※大倉のこと)意識が自分より前に向いている…!
いける…!」
世良は、集中して守り続ける山形の最終ラインに、かすかなスキがあることを察知していました。
一方同じ頃、堀田からのボールを受けた王子は、周囲の状況が“いい形”になっていることを察し、丸岡のチェックをさらりと受け流して、背後をオーバーラップしてきた清川へヒールパスを送ります。
そして、王子からのパスを受けた清川は、世良とのアイコンタクトによって、山形の最終ラインの裏へロングボールを送り・・・
世良が、左足のインサイドで落ち着いてゴール左隅に流し込み・・・、こうして、ETUの先制ゴールが生まれていました。
「うおっ しゃ――――っ!!」
右手を強く握りしめ、ゴールを決めた世良は、その喜びを露わに。
そして、世良の先制ゴールに、アウェイの地まで応援にやってきたETUサポたちも大喜び。
そしてそして、ETUのクラブハウスから見守っていた、ベンチ外の選手たちも大喜び・・・となっていましたが、席を立って喜ぶ選手たちに、テレビが見えないだろと松葉杖で小突くもあったり・・・(笑
ゴールを決めた世良と、それをアシストした清川。
2人の意識がぴったりと一致したからこそ生まれたゴール(もちろん、その前の流れも素晴らしいのですが)に、お互いが喜びを分かち合おうとしますが・・・
世良は、夏木や赤崎たちに・・・
清川は、村越や黒田たちに、それぞれつかまってしまいなんて場面も。
後藤GMに永田会長・副会長、有里も大喜び。
そして、本当に試合中眠っていた達海も、松ちゃんにその報告を受け、かすかに喜びらしきものを見せるものの・・・、やっぱり、後半に備えすぐさま眠りについているのでした。
その一方で、悔しさを滲ませているのが山形側の人々。
佐倉は、自分たちにとって良い流れである中での失点に、ぬかった、完全に我々の油断であったと、後悔しているようでした。
その後悔の気持ちをさらに強めたのが、最終ラインが本来の自分たちの戦っているポイントより少しずつ前へ出ていることに薄々気付いていたにもかかわらず、修正を施さなかったことでした。
いかなる時も引いて守り続けることを徹底してきたのが山形のサッカー。
ETUが試合序盤から、リスクを恐れず全力で攻め続けてきたことによって、いつも以上に集中し良いリズムで守り、時に効果的なカウンターも見せていた山形。
いつも以上に自分たちのサッカーがはまり、手応えを感じ、前向きになってしまったことによってスキが生まれ、これまで徹底されていたはずの規律と秩序が乱れてしまった・・・。
記者席から試合を見つめる、山井と藤澤さんは、大まかなところ、そのようなことを話していました。どれほどまでが、達海の筋書き通りであるかは分からないともしていますが。
その真意はとにかく、世良のゴールによって、自力での攻撃力に劣る山形に対し、引いて守ることができるようになったETU。この試合、圧倒的有利な立場になったと言う山井ですが・・・。
・・・
場面は変わり、山形の速いカウンターをなんとか凌ぎ続け、先制することができたことに、額をぬぐって安堵の表情を見せていたのは黒田でした。
黒田は試合前のミーティングで、達海から、人数かけて攻めたいから山形のカウンターに基本2人(黒田と杉江のCB2人)でなんとかしてと、踏んでる場数が違うってとこガツンと見せつけてやれと、少々無茶ぶりとも言える指示を受けていたとのこと。
具体的な指示も出さず、先制するまで失点ゼロで乗り切ったことを、「感謝しろよこのボケ監督――!!!」と、黒田はベンチの方に目をやりますが・・・
黒田の視界に入ってきたのは、達海がのんびりをあくびをしている姿。
そのあまりもの予想外の監督の行動に、信じられないといった様子を黒田は見せていました。
なんとか先制することに成功したETU。
その1点を奪う道のりは、ETUの選手たちにとって決して簡単なものではなかったようです。
中盤で地味にETUの攻撃の組み立てを担ってきた堀田も、さすがにくたびれた様子でしたが、それでも、チーム全体が集中を切らさなかったのは、達海の言葉が効いたのかもな・・・と考えていました。
その言葉とは・・・
「とにかくゴールマウスを割るために頭も足も全力で動かせ
なかなか結果が出なくてしんどくてもやり続けろ
そんでこんだけは覚えとけ
0-0のスコアの状態なら攻めてる側より
守ってるやつらのほうが絶対に辛い
お前らよりも山形の連中のほうが間違いなくしんどいんだ」
・・・というものでした。
そして、堀田は・・・
「ここからは俺達のペースで試合を進めさせてもらうぞ…!」
と、試合に対する手応えと確信を感じ始めていました。
・・・
そうして1点を先制することにしたETUは、これまでの攻撃一辺倒のをやめ、無理をせず引いて守るやり方に変えたようです。
そのETUの戦い方に対し、“前半は”これでいいだろという反応を示す山井。
「がっぷり組み合ったいい前半だったけどよ
最後の最後で差が出たな
これはチームとしての能力の差か
それとも
両監督の采配の差か
果たしてどっちかね」
・・・こうしているうちに、前半終了のホイッスルが鳴り、ETUが1点リードのままハーフタイムを迎えたところで、今週はここまでとなります。この続きは、また次週。
■ 私的雑感
今週は、セリーのゴールの全貌が明かされることとなりました。
面白い。やっぱり面白いなーって思いながら読んでました。
まずは、セリーのゴールシーンの全貌について。
こうしてゴールまでの流れを見ていると・・・、実際問題として狙い通りにいけるかというのは絶対じゃないと思うんですけど、それでも、ETUは、しっかり意図した狙いを持って戦っていたことがハッキリとしましたね。
狙いを持っていたと言っても、具体的に“ここを狙え!”というポイントをタッツが授けたわけでもなくて、なんて言うのかな、全体としてのチームの意図はあるんだけど、選手個々がそれぞれしっかりと機転も効かせている部分もあるというか・・・
セリーだけでなく、キヨにしても王子にしても、それぞれが同じ絵を頭に描いたからこそ、それらが噛み合ったからこそ奪えたゴールで、そういう意志統一、連動性が感じられる描写が良かったと思います。
要は、試合の全体像を考えながら意図をくみ取って動けるようになった、夏季キャンプで取り組んできた成果がひとつ出たんじゃないかなっていうのを感じました。
セリーのゴールまでの動きは、やっぱりセリーらしくないというか(笑)、(私的にはセリーはガムシャラなイメージが強い)、冷静に周囲の状況を観察してそこを突いて、ボールを受けても冷静に流し込む・・・まるで堺さんのようなゴールだなと私は思ったのですがいかがでしょうか。
あと思ったのは、ゴールというひとつの結果が得られるまで、自分たちの戦い方を信じてやり続けたこと、しんどいところもあったけど、そこまでやり切った選手たちに拍手を送りたいということです。
それを支えたのが、タッツミーが選手たちに贈った言葉。
個人的には、守る側の方が絶対に辛いとは言い切れないかなって思うんですけど(それは、選手をモチベートするためにそう言ってるだけかもしれないし、そのあたりの本音は分かりません)、前向きな言葉でやる気を高めるタッツのやり方はいいなと思います。
あと、少し山形側からの視点で見ていくと・・・
いかなる時であっても、しっかりと引いて守って戦い続けるのが山形のサッカー。
けれども、ETUが全力で攻めて続けることによって、山形の長所を最大限に発揮させ、手応えを感じさせることで気持ちを前向きにさせてそこにスキを生じさせる、気持ちを乗せすぎるがゆえに頑なに守り続けてきた規律・秩序さえも破壊させてしまった・・・(そういう時って、多少気にかかったとしても、まぁいいかってなってしまいますよねぇ)、そのやり方にすげぇーなと思いました。
何も相手の弱点だとか、苦手としている部分を突くだけがすべてじゃない。長所であっても行きすぎればスキを生じさせることができる、好事魔多しなんて言葉もありますが、そこが面白いなって思います。
・・・とは言っても、山井記者の言う通り、どこまでが筋書き通りかは分からないんですよね。
筋書きは必要だけれど、かといって絶対的に筋書き通りにいかない、それがフットボールというもので、だからこそ面白い。
そのあたりは、先週も書いてますが、その前のケン様の決定機が決まっていれば、試合の流れはガラっと変わっているはずで・・・、サッカーの持つ偶発性の面白さをジャイキリはサッカーマンガの中に上手く採り込んでいるなって思います。
※
あとは、箇条書きにて。
- 単行本&ムック本の広告ページに吹く。
- 今週は、あらすじページが復活!
- 松葉杖で熊田や鈴木を小突いてるドリさんに吹いた。
- セリーとキヨが喜びを分かち合おうとしているにもかかわらず、分断されてしまっている描写にも吹く。
- 松ちゃん、タッツのことは、後半のこともあるから、ゆっくり寝かせてあげてw
- クロの描写にも吹く。けど、クロとスギは、チームがリスクを負って戦う中、よく頑張ってくれてると思います。この戦い方をするには、亀井ではなくて、コンビネーション的な意味も含めて、クロ&スギしかいないと、私は考えます。
- ・・・んで、結局、宮野投入の話はどうなったのでしょう?
※
さて、来週以降の展開についてですが・・・
恐らく、ロッカールームでのシーンになっていくと思うんですけど、そこでどんなものを見せてくれるのか。
確かに、試合の流れとしては、ETUにとって理想的だと思うけど、サックラーがこれで終わると思っていないんで、密かに堀田の手応えを感じてる描写はフラグになりそうだと思っているので、ここからの展開が楽しみ・・・なような、怖いような(笑
まぁ、どちらにしても、早く続きが読みたいですね。
タグ : GIANT-KILLING
コメント
初めまして
どうもはじめまして。
コメントありがとうございます。
あくまでひとりのサッカーファンの視点(解釈)で書いているので、
すべてが正しいってわけでもないですし、
ひとつ参考程度に捉えてもらえればと思います。
misaさんの疑問について、要点だけを書きますと、
山形は、勝とうとして自分たちの意識で前に出てしまったのではなく、
本来なら自陣に引きこもり続けた上で勝とうとするところを、
ETUのサッカーによって自然に前へと引きずり出されてしまい、
そのスキを突かれてしまった・・・そんな感じです。
普通だったら、試合中のチームの状況や対戦相手との力関係などに応じて、
全体の布陣を前へと押し上げるところなのですが、山形のサッカーは、
あくまで自陣に引きこもった上で、相手に攻めさせといて、
そのスキを突いて少人数(管野、丸岡、ケン様など)のカウンターで
得点を狙うといったスタイル。
自陣に引きこもり続けながら、一瞬のスキを突いて勝利を狙うサッカーをするチームです。
けど、自分たちのスタイルがハマりすぎてしまったがゆえに、
気持ち的にもチーム全体がつい前がかりになってしまい、
結果として自陣から“引きずり出されてしまった”という見方が正しいのかなと思います。
また自分たちの戦い方に抜群の手応えを感じしまっていたから、
ちょっとした心の緩みが生じ、サックラーなんかは、
前に引きずりだされてしまっていること、
本来あるべき規律と秩序が乱れてしまっていること
自体には気付いていたんだけど、調子良いがゆえについ見過ごしてしまった・・・
そんなところではないかと考えています。
もし、分かりにくい、どうしても納得できない部分があるようでしたら、
お手数をおかけしてしまいますが、再度コメントください。
少しでも、ジャイキリを楽しむための手助けができたなら幸いです。
私自身はサックラーなみに運動神経がなかったせいか(笑)、今までスポーツ自体に関する知識を学ぼうとすることがなかったものですから、こういうサイトがあることはジャイキリの世界よりリアルに感じられてとてもありがたいです。
これからもジャイキリ感想楽しみにしてます。
個性を潰すことなく自然体でまとまっているチームは魅力的だなと思いました。
今週は山形戦後半、アジアカップとワクワクします(笑)
そう言っていただけると嬉しいです。
今後もよろしくお願いいたします。
>あこさん
ゴールひとつ奪うまでにはこれだけのプロセスを経ているんだ・・・
そういった部分をしっかりと描いているところが良いなぁと思ってます。
個性を潰すことなく自然体でまとまっているチームは魅力的
という言葉には、まったくもって同意です。
そこが、今のETUの一番いいところだと思います。
ジャイキリの続きも楽しみですが、
アジア杯の日本代表の戦いも楽しみですよね。
次は、開催国のカタールが相手で、自力では日本の方が上だと思いますが、
完全アウェイの環境下での戦いは厳しいとも思うので、
なんとか勝利してほしいなと願っています!
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いつもジャイキリの感想楽しく読ませて頂いています。
私自身はサッカー素人なのでふれてぃすたさんの感想を読んで
「それってこういうことだったのか!!」
といつもうなっております。
今回の話を読んでみて#186でタッツミーが言っていた
「わかってんのかい? サックラー
このスポーツは自陣に引きこもってりゃ勝てるなんてルールは無いんだぜ?」
という言葉を思い出しました。
結局この言葉の通りに勝とうとして自陣からだんだん出てきてしまったところを突かれちゃったということなんでしょうか。