今週の『GIANT KILLING』#193
2011.01.06 23:17
今週は、週刊モーニング2011年6号になるのですが、ジャイキリの連載が2007年6号からスタートしたということで、今号から連載が5年目と突入しました。
連載初期と比べて、個人的にジャイキリの楽しみ方はだいぶ変わってきたのですが、連載が始まって4年経った今でも、依然として私が大好きなサッカーマンガであり続けることには、なんか変わりありません。
今後も、自分が思いっ切りジャイキリを楽しんでいる限り、このままのテンションで今週のジャイキリを更新し続けているつもりでいますので、よろしければ、また今年も一緒に楽しんでいただければ幸いです。
・・・ということで、まずは速報です。
モーニング本誌を読まれている方は、すでにご存じの方も多いと思いますが、1月下旬、東京都内にて、ツジトモ先生がサイン会を実施されるそうです。
とは言っても、詳細は次週、7号にて発表されるとのことで、とにかく、今は続報を楽しみに待つとしましょう。
ジャイキリ18巻&ムック本のvol.04が、1月21日発売となりますが・・・
18巻の初版限定ステッカーは、コータたち子どもサポーターのフラッグだそうです。
そして、extra vol.04の方では、いよいよETUのレプリカユニフォームをはじめとした、アディダスとのコラボ企画の記事が掲載されるそうです。
アディダスとのコラボについては、最初は秋って話で、そこから少しばかり時間が経過してしまっていますが、個人的にもすっごく楽しみにしているものなので、早く情報を知りたいという気持ちでいっぱいです。
単行本にムック本、どちらも楽しみなので、早く発売日が来てほしいですね~。
リーグ戦第20節、アウェイでの山形戦。
スコアは0-0のまま。
試合序盤から攻勢に出ていたETUでしたが、堅い山形の守備陣を崩せず、徐々に攻め手を失いつつあったところ、逆にカウンターからケン様にクロスバー直撃の決定的チャンスを作られてしまいます。
しかし、そんな状況なのにもかかわらず、肝心のタッツミーは・・・
「うー… 駄目だ松ちゃん
俺眠すぎて頭働かないや」
とか、言ってしまっている始末。
果たして、監督がこんな状態で試合の行方はどうなってしまうのか、・・・といったところから、2011年のジャイキリの連載は始まっていきます。
・・・
「やっぱりさ…… 人間寝ないと駄目だね」
と言う達海。
そんな達海の言葉に、松ちゃんをはじめたとした、コーチングスタッフたちは何も言えず。
ここ2日くらい、山形戦に備えて作戦を練っていたという達海は、どうやらそのツケが今になってきているようです。
そうして、試合の流れがETUに不利になりそうな状況にもかかわらず、危機感の欠片もなくあくびをした達海は・・・
「5分寝させて」
そう言って、本当に寝ようとしています。
さすがに、この達海の行動には、コーチングスタッフも衝撃を受けざるをえません。
特に松ちゃんは、激しくうろたえ、ケン様のバーに当たったシュートがいかに山形のチームを盛り上げ、それがETUにとって危機的な状況であることを必死に訴えます。
・・・が、その松ちゃんの思いも空しく、達海は相変わらず眠たそうなまま。
そんな達海の態度に、松ちゃんを頭を抱えて嘆きます。
さらに、このふたりの考え方の温度差を決定付けることとなかったのが・・・
「…… そんなにまずい状況?」
という達海の言葉。
そんな達海の言葉に・・・
「まずいですよ ふふ……
眠いって言ってる本人がそんな事口走っちゃってる時点で……
もうまずさ100%ですよ ふふ……」
松ちゃんも、あまりもの状況に、とうとう壊れかけそうになっていきますが・・・
そうしたところに、達海は、今の状況に対する自分の見解を述べ始めていきます。
「でもさぁ
あまりにも想定外の展開になってたら
さすがに俺だって眠くなってないんじゃない?
自信あるわけじゃないけど……(この時、あくびをする達海)
ま…… 後はピッチのあいつら次第だ
あいつらがこの状況を俺と同じように捉えてくれてるかどうか」
そう言うと達海は・・・
「…… それを信じて
後半に備えて俺はちょっと寝るよ 起こしてね」
と、松ちゃんがうろたえるのも何のその、そう言い残して、やっぱり眠ろうしているのでした。
・・・
場面は切り替わり、記者席から試合を見つめる、山井記者&藤澤さん。
「山形ペースだ」
そう言った山井は、その示すものとして、先程までよりETUがボールを回している位置がETU陣内寄りになっていることを指摘します。
それは、山形のプレッシャーが、ETUを自陣側へと押し返しているから。
逆にETUは、攻撃が段々と単調になってきているとの見解を示す山井。
その大きな要因となっているのが赤崎のところでテンポを狂わされてしまっていること。
ETUの攻撃の仕掛けの部分を担っていた赤崎は、その役割に固執し自滅をした。それは、山形によって上手く誘いこまれたとも受け取れる・・・と、さらに深く状況を分析していく山井。
それでも、ETUは工夫を凝らして攻めようとはしているものの、テンポが悪いちぐはぐな攻撃になってしまっている・・・
「正直言って 今のETUから得点の気配は感じられないね」
それが、今の現在の、山井が導き出した答えでした。
そんな山井の言葉を聞いていた藤澤さんは、山井の言うことに心の中で大まかに同意していました。
しかし、それに十分納得しきったわけもなく、でも何かが足りないと考えを巡らせていく藤澤さん・・・。
そうして得た答えは、サイドからの崩しとか、セットプレーなどの、物理的な攻撃のバリエーションの話ではなく・・・
「今のETUに足りないのは……
達海が率いるチーム独特の…… 相手を出し抜く感じ」
どちらかというと、雰囲気的なものが、これまでいろんなことを起こしてきたETUの状況と比べて足りない・・・、そう感じているようでした。
それは、試合にビジョンを持っていないからなのか、それともそのスキを窺い続けているのか・・・、まだそこまでは、判断しかねているようです。
・・・
そして、話はピッチの中へと移っていき・・・
清川が世良にスローインを入れるものの、すかさず激しいプレッシャーを世良にかけ仕事をさせない山形。
このプレーを見た山形のキャプテン・大倉は、チーム全体が高い集中力を持って、しっかりと戦えている現状に、強い手応えを感じていました。
「守備的過ぎるだの点が取れないだのずっと言われてきたが……
問題は質だ……!
いくらシンプルなスタイルでもそれを研ぎ澄ましていけば……
俺達はここまで質の高いサッカーができるんだ……!」
しかし、その大倉の確信に満ちた表情にメンデスは何かを感じ取ったらしく、大倉に声をかけようとしていきますが・・・
ちょうどそのタイミングに、メンデスに声をかけていったのが夏木でした。
「へっ! よそ見して余裕か!? メンデス
俺を見くびってんじゃねえぞ
今俺んところにドンピシャにボールが入ってたらゴール決めてたぜ!?
勿論そんなボールなかなか来ねえけどな!」
・・・挑発のつもりが、なぜかちょっぴり傷ついてしまっていた夏木の言葉に対し、メンデスは、その言葉そのものこそ理解できなかったものの、その意志はしっかりと感じ取ったようで・・・
『「無謀」を「勇気」だと履き違える者には
幸福が訪れないことを教えてやらねばなるまいな』
と、伝わらぬ言葉で言い返します。
そのメンデスの意志は、夏木にも伝わったようで、お互いに火花を散らせる2人。
・・・
場面は切り替わり、今度は、山形ベンチ内の佐倉を映していきます。
佐倉は、今の試合状況を、守りながらも主導権を握るという、まさに自分たちにとって理想的な展開になっていると感じ取っていました。
しかし、さらに考えを巡らせる佐倉は、まだ心の中で何かが引っ掛かっているようでした。
ETUの手がすべて出切っているのか判断できない今の状況下で、(この試合のゲームプランの)次なるステップに進んでいいのかどうか、相手が達海だけに、まだ確信が持てないでいました。
そんなところに、戸辺コーチから、ETUが宮野のアップを急ピッチで進めているとの報告が届きます。
その報告は、佐倉にとって読み通りの展開だったようです。
宮野と言えば、これまでETUの右サイドハーフの控えとしてプレーしてきた選手。
佐倉は、達海が宮野を久々にベンチメンバーに入れてきたことで、赤崎には夏場の連戦続きの影響からくるスタミナ面の問題があることを確信していたようです。
前回の対戦でも、セットプレーのチャンスを作るきっかけとなった仕掛けるプレーを見せた赤崎。赤崎こそが、この試合のETUのストロングポイントで、その赤崎を交代させようとしているということは、それはETUからすれば歯車が狂っている状況。
「もう迷う必要はない…… チャンスだ……!!」
ETUにとって想定外の状況が起こったと確信した佐倉は、自分たちに大きなチャンスがやってきたと考えるのですが・・・
そんなところで、ピッチの中では、清川が前線に向かってロングボールを入れていきます。
そのボールは、最前線でボールを待つ夏木へ・・・ではなく、その後方から飛び出してきたある選手へと渡ります。
その選手とは、背番号20番・世良恭平。
夏木&メンデスの頭上を越えた清川からのロングボールをペナルティエリア内右サイドで受けた世良は、左足のインサイドで冷静にボールをゴール左隅へと流し込み・・・
なんと、いともあっさりとETUの先制ゴールが決まってしまったところで・・・今週はここまでとなります。
■ 私的雑感
えっ・・・えぇーーーーーーーーー?!
決まったの、決まっちゃったの?
セリーのゴールが決まってしまったんです・・・よね?
(キヨがボールを蹴る16ページ目の最終コマをチェックし直して・・・)
うん、大丈夫だ、オフサイドじゃない。
ボールが蹴られたところで、山形の最終ラインと並んでるETUの選手らしき人物がいるから、サッカーマンガにありがちな、次に週になってみたらオフサイドだったなんてオチはない・・・はず!
(16番と書かれたちょい左下のあたりに、腕と足っぽいのが見える・・・、相変わらず芸が細かすぎるw)
いやぁ、ジャイキリってすげぇわ。
そして、ジャイキリって本当わからんわ(笑
試合の流れ的にも山形のものへと移っていってるところで、話の導線的にも、試合は後半勝負を思わせるようなものを見せておいて・・・、結局は、最後の最後で、いともあっさりとETUが先制してしまうんですもん。
・・・けど、フットボールってそんなもんなんですよね。
見る人が見たら、なんて不条理なって思われるかもしれないですが、フットボールなんてそんなもんです。本当何が起こる分からない、でも、だからこそ面白い。
それにしても、セリーは、落ち着いてよく決めてくれました。
左足のインサイドで決めたシュートのフォームは、王子のように美しいものだなぁって思いました。なんか、セリーらしくないないですけどね(笑
そして、どっちかというと、左サイド寄りでのプレーが多いセリーですけど、この時は右サイド寄りにいてくれて、いい飛び出しを見せてくれました。本当によく動いて献身的にプレーしているんだな・・・、このあたりは、セリーらしさを私は感じます。
キヨからセリーへの流れ、今週号を読み返してみると、11ページ目の段階でキヨからセリーにスローインが渡るシーンがあって、もしかすると、これが地味なフラグだったのか?(笑
ETUを応援する側からすれば、嫌な流れになりそうなところをスカッとさせてくれるゴールで魅せてくれた。そういった意味でも、今週は素晴らしかったです♪
・・・・とはいえ、あのゴールは、実は何かしらの作戦があったものなのか、あくまで偶発的に起こった要素なのか、そのあたりの真相は気になるところです。そのへんは、来週明らかになるのでしょうか。
一方で、山形側の視点から見れば・・・
先週号のケン様の決定的シーンがあって、スタジアムの雰囲気も盛り上がって、確かな手応えを感じてプレーをしていたけれど・・・
大倉のシーンもそうですし、サックラーもそうですよね、手応え(自信)を感じすぎてしまったことで、逆に、何か見えないところで緩んでしまった、スキができてしまった部分があったのかもしれないですね。
大倉のシーンに関しては、きっとメンデスもその微妙な良からぬ空気を察してたと思うんですよ。だから、声をかけて・・・、きっと引き締めをはかろうとしたはずです。
けど、ナッツの挑発を受けて、(とはいえナッツの意図したのと違うところでですが)結果としてメンデスも乗せられてしまって・・・、そう考えると、さり気にナッツもナイスアシストだったのかもしれません(と言っても、ナッツとしては、メンデスを打ち破ってゴールを決めないと気が済まないでしょうけどね)。
それと、もうひとつ思ったのは、やっぱり決定機を逃してしまうことが命取りにもなりかねないというサッカーの怖さですね。
ケン様のシュートシーンは、山形のさらなる流れを引き寄せるもののように思えたけど・・・、いや、実際に同様のシーンに出くわしたら十中八九山形の流れになっていくと思うんですけど・・・、でも実際には山形のゴールは決まらず逆にETUに決められてしまった。これが現実。しかし、もし、あそこでケン様が決めていたら、試合はまったく違った展開になっていたはずで・・・。
確かに、タッツの作戦が発動する時とか、漫画的に都合よく話が展開されていくって部分もあるんですけど、でも、サッカーってスポーツの持つ偶発性をサッカー描写の中に上手く織り込まれていて・・・そこが、私がジャイキリのサッカー描写で好きなところのひとつで面白いなって思います。
※
あとは、箇条書きにて。
- タッツミーは、本当に寝る気なんか。それにしても、松ちゃんのうろたえすぎだw 今年も松ちゃんは、私たちを楽しませてくれそうですね。
- 松ちゃんのあのアクションぶりをリアルで見てみたいw 先日、この試合のモデルのスタジアムであるナクスタに高校サッカーを観に行って来たんですけど、私はあるチームのベンチ裏付近で観ていたイメージもあって・・・、あんな感じなのかなってなんかその光景を想像してしまいましたw
- ナッツとメンデスのマッチアップも、今後見応えあるものになりそうで楽しみ。メンデスの言わんとしてるところは、分かるような気がします。けど、そこを失うと、ナッツらしくなくなってしまう部分でもある。
- 今週のサックラーの心理描写とゴールシーンへの流れは、監督が主人公のジャイキリではありますが、結局のところどんなに監督が策を巡らせようとも、フットボールは相手ゴールにボールを蹴り込めばOKなだけだっていう、いたってシンプルなスポーツであること“も”思い起こさせてくれました。
※
さて、来週以降の展開についてですが・・・
ETUがあっさりと先制してしまったことで・・・
来週以降どうなってしまうんでしょうかねぇ?(笑
サッカー的には、守備的な山形が先制されてしまったことで、この後サックラーがどのように出るのか、試合としては面白くなったと思うし、興味を持って観察してみたいなと思うところでもあります。
果たして、山形は、とりあえずはこのまま守備をベースとした戦い方を続けるのか、1点を取り返すために攻撃的になってくるのか。サックラーのプランBに注目です。監督同士の戦いが面白くなっていくのはここからだと思います。
それと、ETU側で興味があるのは、宮野のアップを急がせていたということ。
これも、実はガブ投入のためとか、サックラーを欺くためとか、何かしらのフェイクだったりするんじゃないかなって、最初は思いながら読んでたんですけど・・・、これもETUが先制できたことで(余裕が少しできたことで)、このあたりのプランに変更が出たりするのかなど、どうなるのかが気になります。
以前も書きましたけど、ジャイキリって、その試合良くないプレーがあっても、その試合中に名誉挽回となるようなシーンが描かれることって多くて、やっぱり交代させずにザッキーのいいところも今後描いていくのかなぁ? けど、ザッキーはかなりのレベルで消耗もしてるし・・・。
個人的には、今までのETUにいないタイプのプレーヤーである、ガブ君のプレーを見てみたいなって気持ちが強くあります。
そういう気持ちもあるし、ここで本当に宮野の出番が来て、亀井の時みたいに、ここでいいプレーを見せてアピールする・・・なんてところを見たいし、そんなところが見れるなら私はきっとワクワクしてしまう。
けど、ザッキーにも、このままいいとこなしで終わってほしくなって気持ちもあって・・・、まったくもって贅沢なことを書いてやがるな我ながら思ってしまうのですが、でも、自分はETUってクラブが好きで応援しているって視点でジャイキリを読んでいるから、本当どれもみたいというのが偽りない本音なんですよ。
タッツ的にも、後半に向けて何かありそうに思うんですけど、それも先制してしまったことでどうなっていくのか気になります。藤澤さんが言う部分の描写も見てみたいし・・・。それと、今後は逆に先制してしまったことで、山形側の違う何かを呼び起こしてしまわないだろうか・・・という部分も気になりますね。
・・・まぁ、実際にはどのように話が展開されていくのか、私には分かりませんが、ETUの戦いぶりを楽しみに見守ってきたいです。そう、来週もみんなでジャイキリを楽しんでいきましょう!
タグ : GIANT-KILLING
コメント
自然と応援したくなる選手ってどこかしら魅せてくれますね…マンガでも実在の選手でも(笑)
コメントありがとうございます。
ほんっと、ジャイキリってすげぇーって思いますよね(笑
そういったありそうな事象を物語の中に織り交ぜつつ
かつ、ドラマティックに魅せてくれるから本当にすごい!
この先どうなってしまうのか。
きっとこのままでは終わらないと思うんですけど、
いい意味で予想を覆すものを見せ続けてくれるだけに、
先の展開がすごく楽しみです。
>あこさん
コメントありがとうございます。
セリーのゴールは、素晴らしかったです。
ゴールシーンは、本当に思わずガッツポーズしてしまうほど
嬉しく思ってしまいます。
この感覚こそが、自分がジャイキリを読んでいて、
一番好きなところです。
まさかの展開でしたね・・・
いける!と確信した直後に世良のゴールが決まった瞬間は
ちょっと気落ちしてしまいました。
ETUと山形の試合では、すっかりサックラー目線で見ておりました。
コメントありがとうございます。
サックラー視点で見てると、そうなりますよね。
けど、こんな展開も、ガミさん風に言えば、
「フットボールなんてそんなもんだぞ?」
といったところでしょうか(笑
ただ、サックラーもこのままで終わるとは思えないので、
ここからどんな采配を見せてくれるのか、楽しみであります。
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ホントジャイキリすげーわ
ジャイキリというテーマの漫画で格下との戦いをこんなリアルに描けるのは驚きですよ
これから格上チームの慢心とかそういう感じの流れになるのか、こっちの予想を覆す展開になるのか楽しみです