今週の『GIANT KILLING』#188
2010.11.18 23:21
リーグ戦第20節、ETUvs山形。
ETUは、相手を揺さぶり攻撃を仕掛けていこうとするも、山形のよく集中して守っている堅い守備を切り崩すことができず、ここまで0-0で試合は経過。
今週のジャイキリは、ETUが攻撃を仕掛けて、堀田のシュートが山形の8番・瀬古にブロックされてしまった、先週のラストの続きから描かれていきます。
・・・
堀田のシュートをブロックした瀬古は、「おっしゃあ!!」と両手でポーズをしながら次のプレーへと移行しています。
そして、シュートブロックされたこぼれ球を拾ったのは、山形の5番(左サイドバック?)・小森。
そこに、速攻を仕掛けさせてなるものかと、すかさず村越がチェックに行きますが、先程シュートブロックした瀬古がここにも顔を出しワンツーの壁役となったことで、かわされ小森をフリーにしてしまいます。
そして、小森は、一気に前線へロングフィード。
精度の高いボールが前線に送られ、そのボールを今度は(マークする黒田と並走する)丸岡へ通ります。
「よし…!
いい動きだしが出来た…!
色々雑念に捉われてたけど…
この感じが掴めれば… 僕はこの試合… きっとやれる…!!
ケンさんがそう言ってくれたように…!!」
雑念を振り切り、迷うことなくボールを受けるため前線を走る丸岡は、小森からのロングフィードをトラップすることなく、ダイレクトでシュートを狙います!
・・・しかし、丸岡のシュートはクロスバーを大きく越えていきます。
直接ETUゴールを脅かすシュートではなく、しかも丸岡がシュート後、転げたこともあり、ゴール裏のETUサポたちの一部は丸岡のプレーに安心感(失点の危険性がない)を抱いていますが・・・
達海と黒田に佐野といった面々は少々厳しい表情を見せ、記者席の山井記者と藤澤さんも今の攻撃は山形にとって大きな意味があるものだという見解で一致していました。
この一連プレーを見た山井は、枠を外れたものの、抜群のスピードと味方のロングフィードをそのままシュートに持っていくそのセンスはなかなかのものと丸岡のプレーを評価。さらには、このプレーによって、黒田の警戒心は増し、逆に丸岡は次は切り返しを使うなどの有効な攻撃の選択が増えるだろうと話します。
左の菅野も含めて、総合力がそれほど高くないにしても、思い切りのいい選手はそれだけで相手を脅かすことができる。つまりは・・・
「攻撃パターンがいくら限られているとはいえ…
その中でうまく選手の能力にフィットしたサッカーをしてるのかもな…山形は」
山井は、山形のサッカースタイルをそのように評していました。
さらに山井は話を続け、先程からハードワークを見せ、山形の堅い守備を形成することに貢献している瀬古についても、効いてる存在として挙げていました。
もともとスタミナや対人能力には長けていたという瀬古ですが、現在のようにこれほどまでの存在感を示すようになったのは、佐倉が山形の監督に就任したころからだと話す山井。
「なかなかやる男からしんねえよな佐倉は
そもそも達海が現役時代国内で名を馳せた選手だったのに対して…
佐倉はまったくといっていいほど…
プレーヤーとしての経験が無いんだからな」
と、これまで似た者同士としてきた達海と佐倉の相違点についても山井は挙げて話していました。
・・・
場面は変わりまして、ETUのクラブハウス。
クラブハウスのある一室では、今回山形遠征に参加できなかったメンバーたちに笠野さんが、一緒になって試合をテレビ観戦していました。
そこでは、今回は出場停止によって遠征に参加できなかった椿が、矢野や熊田といった先輩たちに妬まれたり、いじられたりなんかしていました。
もしETUが山形の堅守を切り崩せず負けてしまったりなどしたら、(ETUの攻撃のバリエーションのひとつを担う)椿にも責任があるのではないか、その時はどう責任を取るのか・・・なんてことを言って、椿を困惑させる熊田。これには、笠野さんも影で苦笑い。
そんな熊田の意見に対して、言葉を返してきたのは緑川でした。
中から外からと、相手を揺さぶって攻撃を仕掛けているETUに、山形の守備陣はどんどん消耗していると思うぜと言う緑川。
その言葉に矢野も同調。
ウチのパスワークは試合ごとに向上している気がするし、前回の山形戦も攻めまくって得たセットプレーで得点を・・・といったことを言いかけたところで、何かを思い出したアクションを見せる矢野。
「ホラ まだあっただろ?
ウチのストロングポイントは」
と、矢野の反応に、ETUにはまだ仕掛けのバリエーションがあることを示唆する緑川。
・・・といったところで、試合への話は戻り、ピッチでは中盤でボールを受けた堀田が右サイドへとパスを送っていました。
そこでパスを受けたのは赤崎。
藤澤さん曰く、前回の山形戦でETUの得点のチャンスを作ったのは彼とのこと。
パスを受けた赤崎は、マッチアップする小森のことを大したことないと思いながらプレーしていました。
シュートを狙う選択もできそうだったものの、“小森が間合いを大きく取りすぎている”ことから、この試合でも前回対戦時と同様のことを求められていると考えたことから、縦へとドリブルを仕掛けていく赤崎。
ファールするならしてこいといったスタンスでプレーする赤崎に対し、センターバックの中野に声をかける小森。
赤崎は、小森をドリブルで抜いたものの、その縦への動きをカバーリングしていた中野までもは抜くことができず、タッチラインへとクリアされてしまいます。
中盤のパスワークからサイドに振っての赤崎の仕掛け・・・。
表面的には、惜しいプレーのようにも見えますが、緑川は何かを考える表情を見せ、達海は佐倉に対して何か苛立ちのようなものを見せています。
そして、素晴らしいカバーリングを見せた中野のプレーを褒める佐倉。
そんな佐倉に声をかけた戸辺コーチは・・・
「憧れの達海監督を
今日こそ出し抜けそうじゃないですか?」
と声をかけ、その言葉に対して、ただ無言でかつ自信に満ちた表情でETUベンチを見つめる佐倉・・・を映したところで、今週のジャイキリはここまでとなります。
■ 私的雑感
今週は、もう少し話が動き始めてくるかなと思ってたんですが、まだそういう段階ではありませんでしたね。
ETUは何とか揺さぶって仕掛けていこうとしてるんですけど、決定的に崩すことができない。それどころか山形がしっかりと対策を練った守備をしているところ、サックラーの手腕の部分を垣間見せ、山形側から見て順調に試合が経過していることを示した回だったと思います。
で、見ていて面白いなと思うのは、タッツミーがこれまで名古屋戦や大阪戦などでやってきたようなこと、スキがあるように見せて意図的にそこを使わせるといった手段を、今回はそれをサックラーにやられているということです。
ザッキーの仕掛けが封じられたシーンがまさにそれ。
小森は、(ザッキーに仕掛けさせるために)わざと間合いを広くとって、ザッキーが縦へと勝負してきたところで、CBの中野と連携してしっかりと守る。
前回対戦時は、ザッキーのプレーがきっかけでフリーキックを得てスギが得点したわけですが、ザッキーとしてもそのイメージが頭にあるし、マークがゆるくて相手にスキがあると思っているからそこを突いていこうと考える。けど、当然サックラーだってそこの対策はしてきてるぜってことですよね。
ただ、この試合、ETUの右サイドハーフには、ザッキーだけじゃなくてガブがいる!
ということで、この先、まだどうなっていくか分からないですが、ETUの右サイドの攻撃という点においては、ザッキーよりも変幻自在な仕掛けができるであろう心強いジョーカーがいるわけで(山形にとってもデータの一切ない選手で簡単には対応できないはず!)、話を面白くできる要素はETUにもあるなってことで、ここは着目しておきたいなって思います。
もしこのまま、山形の牙城を突き崩せないままでいるなら、ザッキーをサイドバックに置きガブと右サイドで組ませて、より攻撃的に戦うなんてこともあるかもしれないですね。
山形は、堅い守備を見せる一方で、カウンターからひとつ丸岡がフィニッシュまで持っていく攻撃の形も作っていきました。
小森がロングフィードを送るシーンのコマ割りなんかは、(『ANGEL VOICE』では、まる1ページ使ってよくやってますが)、なかなか斬新で面白かったと思います。ツジトモ先生のダイナミズムを感じさせてくれる描写はいいですよね~。
最後はらしいところも見せましたが、丸岡のプレーも敵役ながら良かったと思います。丸岡もまたシンプル・イズ・ベストのプレースタイルを見せてくれますね。
山形はひとつフィニッシュの形作れたということで、攻撃にリズムが生まれ始めていないか、ETUファンの立場から見るとちょっと心配ではあります。この描写が今後の試合に何か変化を及ぼしていくのか、ここも着目しておきたいです。
個人的に思うのは、カウンターの局面だと、山形の攻撃は脅威になっていきそうですが、カウンターのスペースを消すなど、ETUが守備の意識を強めたサッカーをすれば、それは十分に応対はできるんじゃないかなということ。
けど、今回タッツミーは相手の長所を消すサッカーではなくて、自分たちから仕掛けていくサッカーをここまで展開させている。
ということで、最初ある程度自分たちで仕掛けていく(そこで点が取れればもうけもの)→山形に攻撃のリズムができはじめたら意図的に引き攻撃のエネルギーを減退させてETUが逆に押し込まれ始めてると相手に錯覚させる→そこで逆に乾坤一擲のカウンターでゴールを狙う・・・全体的にこんな試合プランなのではないかと考えてみました。山形の堅守を攻めてごり押し続けてこじ開けるって展開もそれはそれで面白そうではありますが。
もちろん、試合なんてものはそうそうプラン通りに進んでいくはずもなく、タッツミーの言うところの“頭ん中よりスゲーこと”がどのように起こって試合を面白くしていくのか。このあたりも何か見せてくれると思うので楽しみなところです。
まぁ、実際にどうなっていくでしょうかねー。
まだまだ試合前半、とにかくタッツミー(&サックラー)には全体通した何らかのゲームプランがあるはずで、この先どんなものを私たちに見せてくれるのか本当楽しみですね。
※
あとは、箇条書きにて。
- 分かってはいたけど、今週はアレがなくてちょっぴり残念。
- 先週、瀬古がやたらと目立つなと思ってたら、そういうことだったのか。それにしても、ガッツポーズしながらのプレーはうっとうしい(笑
- 毎週恒例化してた、サックラーの和む描写が今週はないぞ!
- サックラー、ほとんどプレーヤー経験がないことがタッツミーとの違いか。その描写が何か今後の布石になるのでしょうか?
- 時間の都合でこっちに書いちゃうけど、遠征メンバーに入れなかった選手たちみんなが一緒に試合を観ているシーンがETUらしくて好きだなぁ。バッキーの丸刈りは想像してちょっと吹いた。
- あ、ドリさんもそこにいらっしゃったんですね(失礼)。
- そっか、ドリさんは試合途中で交代しちゃってるから、バッキーがETU最長時間出場なんですよね。
- 堀田が地味だけどETUの中盤でしっかりとゲームメイクし続けているシーンが良いですね。
※
さて、来週以降の展開ですが・・・。
全体的には、山形が順調な試合運びをしているといった印象を受けるここまでの展開ですが、ここからどう試合が変化していくのか。
先週とかも書いてますが、まずは、試合が動き始めていくシーンが、ちょっとせっかちかもしれないですが早く見てみたいですね。とにかく続きが気になるので、早く先の展開が読みたいな・・・ということでまた来週~。
タグ : GIANT-KILLING
コメント
ご期待に添えなくて大変申し訳ないのですが、
人気投票の件について、記事を書くつもりはありません。
というのも、この件はうちのブログで扱うことではないと思いますし、
私個人としても、あまり興味・関心のないことなので。
例えば、これがコミック版イナイレに限定した話だったら、
また話は変わってくるのですが・・・。
個人的に、あの人気投票の騒動については、
作品にまったく興味のない人たちが面白がって
五条さんに投票したりしているのなら、
それはやっぱり感心できないことです。
純粋にイナイレが大好きで、
自分の好きなキャラに投票している子供たちが
本当に気の毒でしょうがないなって思います。
私は個人的に、自分の好きなキャラが人気投票の結果がどうであろうと、
あまり気にしないタイプの人間なので
(自分がそれを好きであることには変わらないですから)、
別に誰が1位であろうと問題ありません。
というか、自分も大きなお友達なので、余計な干渉もしたくもありません。
ただ、ひとりのイナイレ視聴者としては、
純粋にファン全体の中でどういう結果になるのか知りたいという
気持ちはありますが。
まぁ、まだ投票の締め切りまで1ヵ月残されていますし、
最終結果がどうなるのか、今は静かに見守っていくとしましょう。
本当に次が楽しみでしょうがないです
アーカイブの方も含めて、
コメントありがとうございます。
モーニング本誌の方が版も大きいですし、
単行本よりもサックラーの表情をしっかり見れますよね。
また、モーニング本誌は、単行本に収録されない部分もあったりするので、
これはこれですごく大切なものだったりもします。
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そのことに関する記事もよろしくお願いします。