今週の『GIANT KILLING』#181
2010.09.30 23:23
ジャイキリアニメは、ひとまず終了となりましたが、原作の方は変わらず続いていきますのでよろしくお願いします。
リーグ戦第19節ETUvsウィッセル神戸。
依然として1点のリードを許していたETUでしたが、ついに清川が同点ミドルを決まり・・・!
今週は、清川のシュートがゴールネットを突き刺した直後の描写から始まっていきます。
・・・
清川のゴールが決まり、一瞬沈黙に包まれるスタジアム。
そして・・・
「…… いやっ… たぁ――――!!!」
待ちに待ったETUの同点弾が決まった喜びで、隅田川スタジアムは大いに沸き上がります。
そして、ゴールを決めた清川は、ベンチにいるETUの選手たちに呼ばれて、
バチッ、バシッ、バスバス、ドカ、バチーン・・・
みんなから愛情溢れる(?)手荒い祝福を受けます。
・・・
ようやく同点に追いつくことに成功したETU。
記者席から試合を見つめていた藤澤さんは・・・
「攻め込まれてる左サイドに気を取られたぶん……
逆サイドへのケアがおろそかになったわね…… 神戸
……というよりは
サイドチェンジされたら危ないとわかっていながら…
神戸は左サイドを重点的に守らなければならなかった
……というほうが正しいか
それだけETUの右サイドにの突破力には勢いがあった…
(椿を見て微笑む藤澤さんの描写を挟んで・・・)
好不調のムラッ気はさておき
好調時の椿にはいよいよ圧倒的な存在感が出てきたわね
いい加減その才能で…
1試合だけじゃなくリーグの話題をかっさらうほどの
活躍を見せなさいよ…! 椿!
そして私に… そろそろあんたの記事で稼がせなさいよ!」
ETUのゴールシーンを分析しつつ、その原動力となった椿の確かな成長・活躍を、チラリと本音を見せつつも感じ取っていました。
・・・
さて、ETUが同点に追いついたとなれば、この勢いに乗じて逆転といきたいところ!
スタンドのサポーターたちやベンチ外のETUの選手たちは、逆転劇を期待し、精一杯声援を送っていました。
そして椿も、きっと悔しい思いで戦列を離れたであろう緑川のことを思いながら、この試合の勝利を胸に秘めていました。
さらに椿は、自分を応援してくれる人たちのことも思い・・・
「俺は俺らしく…
最後まで勝利を目指してプレーするんだ!
そして… その結果許されるのなら……
俺は大好きなこのチームでの連続出場を……
一試合でも…… 一分でも長く伸ばして……
ETUの勝利のためにピッチに立ち続けていたい……!」
という決意でもってプレーし始めていました。
しかし、世の中皮肉なもので、神戸の16番・細川をスライディングで止めた椿は、ファールを取られてしまいます。・・・しかもイエローカードのおまけつき。
リーグ戦前半のうちにすでに3枚のイエローカードを受けていた椿。
このイエローによって通算4枚目となってしまい、次節山形戦は累積警告による出場停止ということに・・・。
この何とも締まらない展開に、ETUベンチはガッカリ。
そして、何よりも、ついさっき立てたばかりの目標がいきなり途絶えることとなった椿本人が膝を落としてガックリ。
・・・と、そんな不要なオチもついたところで、主審の笛が鳴り試合終了。結局は、逆転することはできず、1-1の引き分けで終わりました。
・・・
この試合をテレビ観戦していた、佐倉を始めとするモンテビア山形の選手&コーチ陣。
これで6試合連続で負けなし(3勝3分)ということで、この結果はETUが好調であることを認めざるを得ませんねと、佐倉に問いかける山形のコーチ。
試合を見終わって、どこか充実した表情ともうかがえる佐倉は・・・
「いや…
それでこそやり甲斐があるというものじゃないか」
と、答えます。
さらに話を続け、山形は昨季2部リーグを3位で抜けて今季から1部に昇格した、つまりは1部リーグのチームすべてが自分たちよりも上ということになるが、その中でも自分たちは十分に戦えていると言う佐倉。
それはなぜか・・・?
「それは挑戦者であるという自覚を否が応にも持っていることで
誰一人ぬかることなく規律を持ったチームプレーができているからだ
そのようなメンタリティで戦っているからこそ
勝利した時の喜びは確かな自信へと変わる
打ち負かす相手が強大であればあるほど
我々は飛躍的に自信に満ちたチームへと進化していけるんだ」
と、選手&コーチ陣に説明する佐倉。
さらにさらに、佐倉は話を続けようとしますが、その話を遮ったのはケン様でした。俺たちがそこそこの順位でやれているのは、監督の采配が素晴らしいからだと言うケン様は・・・
「俺達は佐倉の指示を頑なにも持ってプレーしているだけだ
今の俺達があるのは君のお陰だ佐倉
次のゲームもよろしく頼むよ佐倉監督」
満面の笑みで佐倉をねぎらいます。
そんなケン様の言葉に顔を真っ赤にしてしまう佐倉は、じゃあ次も頑張ろうと、さっきまでのシリアスな表情はどこへやら、しどろもどろに話を終わらせますが・・・、そんな佐倉の姿に、選手たちはどこか頼りなさも感じているようです。
・・・
場面は、隅田川スタジアムへと戻ります。
ETUの選手たちは、試合終了後、応援してくれたサポーターたちに向かって挨拶をしていました。
引き分けで終わってしまったものの、ここ6試合負けもなく、内容的にも悪くないということで、ゴール裏全体の雰囲気としては、ポジティブな空気が漂うものとなっていました。
そんな中、最終的にチームが勝てなかったことでコータは、キョーコちゃんへ報告するには微妙だなと考えているようでしたが・・・
そんなコータのそばにいるテッタが何かに気付いたようです。
・・・そこには、コータたちのもとに歩み寄ってくる椿の姿がありました。
そして、目の前でやって来た椿は口を開くと・・・
「…… あ… ありがとう!」
コータたちに向かって、お礼の言葉を述べたところで・・・、今週はここまでとなります。
■ 私的雑感
あ~、今週のジャイキリも最高だー!
本当、あらゆる感情が刺激されるというか、感情的に良い意味で振り回されっぱなしでした。でも、この感覚がたまらない(笑
- キヨのゴール後の描写に熱くなり、そして、ゴール後のキヨの扱いに笑う。
- 藤澤さん視点から描かれたバッキーの成長にニヤリとする。
- 2を踏まえて、復活したバッキーがやってしまったオチに苦笑い。
- 完全に流れを引き寄せたけれどドローで終わった結果に悔しくもあり、こういう試合で勝たせてもらえないところがジャイキリらしいのかなと。
- 山形サイドの描写に今回も和む。
- 椿の「ありがとう!」発言にガチで泣く。
今週のジャイキリを読んだ感想を順に追って簡単にまとめると↑のような感じになります。今週は、いつになく上手くポンポンとテーマが頭の中に浮かんできたので、この6つを順番に語っていこうかと思います。一応、私の一番のメインとしては6なので、時間のない方は6だけでも読んでやってください。
1.キヨのゴール後の描写
先週のラストで、キヨのゴールの余韻を残したところでの引きということで、今週はその続きの描写を楽しみにしていたのですが、やっぱりゴール後の沸き上がるスタジアムの描写には胸が熱くなりました。
ボールがネットを突き刺し、自分がゴールを決めたことを認識し始め、「…… いやっ…」からページをめくって、「たぁ――――!!!」っていう描き方がまた良かったです。
そして、沸き上がるスタジアムの雰囲気と喜びを爆発させるキヨに気持ちが熱くなったところで、ベンチに呼び寄せられたキヨが味方から手荒い祝福を受ける(笑
あらゆる効果音を駆使して叩かれるキヨに笑ってしまいます。
これもひとつの愛情表現ですよね。
それだけ愛されてるってことさ。
・・・まぁ、最後に叩いた2人あたりは、ちょっと嫉妬を含んだ感情が込められていたかもしれないですけどね(笑
こういうところにも、ETUのいいチームの雰囲気が伝わってきていいよなぁ。
キヨは本当にナイスゴールでした。
“まさか”だなんて、本当に失礼な話ですよ!(笑
2.藤澤さんの視点から見えたもの
サイドチェンジされたら危ないとわかっていながら左サイドを重点的に守らざるを得なかった・・・
この藤澤さんの視点が好きだなと思いながら読んでいました。
その言葉の時点で、バッキーの存在が効いていたんだなというのを感じさせてくれたので。
まだまだ試合ごとのムラが大きいことも藤澤さんの言葉が示していますが、それでも、着実に成長を見せているバッキー。この藤澤さんの描写は、バッキーの心理描写を描いた試合シーンとは違った意味で、ニヤリとさせてくれるものがありました。
最後は、しっかりとオチをつけていましたが、まぁ、きっと、近い将来藤澤さんのもとには、バッキー関連の原稿の依頼が殺到する日が来るでしょう。そんな様子も、いつかジャイキリを読み進めていくうちに見てみたいですね。
3.復活したバッキーがやらかしてしまった・・・
せっかく、立ち直っていいところを見せたバッキーでしたが、細川へのスライディングはファールとなり、さらにはイエローカードを提示されて、次の山形戦は出場停止に・・・。
バッキーがドリさんのこと、サポのことを思う描写というのは、熱くさせてくれるものがあったんですけど、で・す・け・ど、その描写があまりに行き過ぎた時点で、なんか嫌な予感がするなと思ったら・・・これですよ!
バッキーは、自分の思いが強くなりすぎて、コシさんの言葉が完全に頭の中から消え去ってしまったのかもしれませんね。
あー、なんてこった。
ここでも、やっぱりこういうオチがつくんだなと、このシーンばかりは苦笑いせずにはいられませんでした。藤澤さん視点のの描写にニヤリとしていただけになおさら・・・。けど、本人も相当ガックリきてるので、あまり言うのはやめておきましょう。一番ガックリきてるのはバッキー自身でしょうから・・・。
よりによって、サックラー率いる作品的に重要度の高そうな山形戦にバッキーが出場停止という理由で出られない展開になるとは・・・。やはり、ジャイキリという作品、油断ならないというか、ツジトモ先生もやってくれるなーと思いました。
けど、バッキーが出られないということは、代わりに違う選手にチャンスが訪れるということで、これはこれで違うドラマに期待してみたくもなりますね。
相手がタッツミーに近いタイプのサックラーということで、バッキーの代わりは、もしかすると、(昨季山形と同じ2部に所属していたとはいえ)福岡時代にあまり出場機会のなかったであろう(データがなさそうな)殿山君になるかもしれませんね。もし、殿山君にチャンスがあるなら、ガブも同時起用される・・・、そんな可能性もあるかなぁなんてちょっと考えてたりします。
話がちょっと違う方向に進んでしまいましたが、いずれにしてもバッキーがいないので、山形戦は、ちょっと違ったものが見ることができそうで、そういう意味ではポジティブに楽しみにしていたいなと思います。
バッキーは、しばらくの間、出番なしになるかもですが・・・。
4、ETU側すれば悔しいドローという結果
選手たちは頑張ったけど、試合の流れを完全に引き寄せただけに、ドローという結果は、やはり悔しいという気持ちの方が強く出てしまいますね。
ここまできても勝たせてくれないというのは、これもジャイキリらしさでもあるのかなぁと。
ですが、試合としてはポジティブでいられるものでしたし、チーム全体が着実に底上げされていることも実感できる。数字としては、非常に厳しいでしょうが、逆転優勝の可能性もまだ完全にゼロではないはずなので、ここからETUがどれだけ上がっていけるのか注目していきたいところです。
5、今回も和ませてくれた山形サイドの描写
まぁ、言葉のとおりです(笑
ケン様が、ケン様が今週も素敵すぎる。
サックラーとのやり取りは、見てるこっちが恥ずかしくなってくるわ!
サックラーの言葉を見てると、山形というチームは、個々の力はそれほどでもないけれど、みんなが自たちの立場をよく理解し、チームのために一丸となって献身的に戦っている・・・、そんな印象を受けます。
何にしても、サックラーがETUをどのように分析して、試合に臨もうとするのか。
そんなサックラーの采配もそうですし、個性的な山形のキャラたちが試合でどう私たちを楽しませてくれるのかということも含めて、リーグ後半最初の山場になりそうな山形戦がどうなっていくのか楽しみです。
6、椿が言った「ありがとう」に思う・・・
今週、すでにいろんな感情に転がされ満足度がこれまでで十分に高かったんですけど、あのラストを見た瞬間、一気に感極まってくるものがあって泣いてしまったんです。
バッキーが決定的なシュートを外してしまい下を向きそうになった時、誰よりも最初にバッキーを後押しする言葉をかけたのがコータでした。
そんなコータの言葉に呼応するように、他のサポーターがバッキーを後押しする言葉をかけていき、それが羽田のツバキコールへとつながって、ゴール裏全体に広がっていく・・・この流れに心が震える思いがしたと#179の雑感でも書きました。
バッキーもまたコータの言葉がきっかけで、サポたちのことを強く意識し絶対に勝ちたいって思うようになったわけじゃないですか。
コータたちの言葉(サポート)は、確かにバッキーの気持ちを後押しした。バッキー自身もそれを自覚している。だから、そんなコータにバッキーが自分の感謝の気持ちを直接伝えに行く・・・。そんな選手とサポーターの関係性は、本当に素敵なもので、その心の中にある想いというのを想像するだけで胸がいっぱいになれますね。
あと、どう言えばいいのでしょうか。
“ありがとう”という言葉そのものは、感謝やお礼の気持ちを表す言葉として、日常的によく使われるものではありますが・・・
いざ、面と向かって、心を込めて言う“ありがとう”は、なかなか言えないもの。
その“ありがとう”は、すごくシンプルな言葉だけど、いやシンプルだからこそなのかな、これほど心に深く響いてくる言葉はないと思うんですよ。それがすごく良かったんだと思う。
だから、最後の1ページの描写だったんですけど、その言葉の持つシンプルさがより一層私の心を感極まらせているんだと思います。本当、不思議なほど心に深く浸透する感じがしたんですよね・・・(自分の中では今までにない初めての感覚)。何度読み返しても、あのシーンを思うだけでうるうるときてしまって、まぁ、今日はいろいろと大変でした(苦笑
先日のアニメ最終話でも泣きましたし、最近ジャイキリによく泣かされるなぁ・・・。あの展開は、私にとっては不意打ちでした。ツジトモ先生恐るべし。
あともうひとつ思ったのは、バッキーは、あの子供たちがカレーパーティーのビラを配ってる時に飛びついてきた子たちだということを覚えているのかなということ。もし、そのことも覚えているうえでの感謝の気持ちだとしたら・・・、私はもっと泣いてしまうかもしれませんね。
今週もジャイキリは、本当にどこを切り取っても面白かったんですけど、私にとってはその中でもラストのあのシーンが一番琴線に触れるものでした。
今週のジャイキリも思いっきり楽しめました。
私としては、そんな思いっきり楽しませてくれるジャイキリという作品に携わってるすべての方々に、“ありがとう”の言葉を伝えたい気持ちでいっぱいです。
※
さて、来週以降の展開についてですが・・・
まず、コータたちに声をかけたバッキーの描写がどうなっていくのか。
あの言葉だけで泣けてしまったわけですが、その後、両者の間でどんな言葉がかわされるのかすごく楽しみです。また泣かされちまうのかな~?(苦笑
そして、山形戦に向けた描写がどうなっていくのか。
来週号のモーニングは、表紙&巻頭カラーということで、表紙のデザインもどんなものになるのかワクワクしてます。あとは、巻頭カラーは、ジャイキリムックのプレビューになるようです。あと、プレゼントもあるようなので、また来週のジャイキリも楽しみに待つとしましょう。
タグ : GIANT-KILLING
コメント
わざわざコメントまでありがとうございます。
ただでさえ、今週のジャイキリも最高だなぁって思いながら読んでいたのに、
ラストのあれは、本当反則ですよね(笑
あのシーンで引きというのもズルいと思いますね。
バッキーが近づいてくる時の、驚きの中にも緊張している子供たちの表情が、
バッキーの「ありがとう!」によってどう変化していくのか、
それを思うと来週もまた泣かされてしまうのかなと思ってしまいます。
でも、すごく楽しみです。
きっと子供たちにとっても、一生に忘れることのできない出来事になるんでしょうね。
今はだいぶ落ち着きましたが、このあたりの話を単行本で読んだら、
私も号泣しちゃうんだろうなぁって思います。
藤澤さんは、今までにみたことないくらい、自然な笑みを浮かべていましたね。
これは何かのフラグになるのでしょうか?!(笑
それでは、よろしかったら、また今後もよろしくお願いします。
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ツイッターのほうで更新楽しみにしていたものです(笑
毎回楽しく記事読ませていただいてます。
今週のジャイキリも全部おもしろかったです。
でも最後本当に感動しましたね!素敵すぎました!!
不意打ちすぎました。もう、ズルイとまで感じてしまいます。
私も読んだとき涙がぶわっと…本屋で読んでいたのでこらえるのが大変でした。
でもサポーター達の横断幕や椿コールとか、最近あったアニメ最終回のチラシ配ってる椿に駆け寄るコ―タたちとか、いろんなことを思い出したらやっぱりぶわっと…(ノ_・。)
あぁ、単行本で読んだときは号泣確定です(笑)
全然関係ないんですが椿を見て微笑む藤澤さんが、かっ、かわいい。あんなに可愛かったでしたっけ(←おい)数少ない女キャラなので気になってしまいました。有里ちゃんに肩を並べてきたな!と勝手に…w
それでは乱文失礼しました。