今週の『GIANT KILLING』#176
2010.08.26 23:58
最新単行本17巻は、いつも通りのスケジュールではありますが、10月22日発売となるそうです。
今回はの初版限定ステッカーはどんなものになるのか。
楽しみではありますが、とりあえず続報を待つとしましょう。
リーグ戦第19節、ETUvsウィッセル神戸は前半を終了し、ブルーノのゴールによって0-1とアウェイの神戸がリードしています。
そして、今週から後半が描かれていくことになります。
自陣でボールを持つ堀田は、センターサークル付近にいる王子へロングパスを送ります。
神戸の選手もすかさず王子を潰しにかかろうしますが、雨の日で気分が悪いという王子は、相手に寄せられることを嫌がり、素早く前線の夏木へとパスを送ります。
先程の堀田といい、今の王子といい、濡れたピッチコンディションの中でも2人はパス精度の高さを見せつけてくれます。
王子からのパスをしっかり足元に収めた夏木は、そこから前を向こうをしますが、神戸の2番がしっかりマークに付き前を向かせてもらえません。・・・そうしてもたついているうちに、神戸の6番の選手もやって来て、前を向くどころかどうにもボールをキープしきれなくなった夏木は、赤崎にボールを戻します。
しっかりと逆サイドを見ていた赤崎は、左サイドフリーでいる世良に大きくサイドチェンジ。
パスを受けた世良は、チェックに来た神戸の(右サイドバックと思われる)14番と対峙しながら仕掛けるためのタイミングを探ります。
そして、縦へと勝負を仕掛ける世良でしたが、何と世良の仕掛けと同じタイミングで椿がオーバーラップ。
椿の思わぬ上がりに驚いた世良は、結果相手にスキを見せることになってしまい、神戸の14番に止められてしまいます。そのこぼれ球が上手く椿のところへ転がるものの・・・、ボールを足元に止めることができず(ちょうど足を出したところにたまたまボールが来て当たってしまったという感じ?)、タッチラインを割ってしまいます。せっかくのチャンスを潰してしまう、非常に残念なプレーでした。
自分の突破を邪魔される形となった世良は、当然のごとく椿に文句を言います。
ボール受けに来てるなら声くらい出せ、上がってくるにしてもタイミングが遅い、俺はサイドに開いているのだから内側を追い越していけ・・・などと。
そんな世良の言葉に対し素直に謝る椿。
世良も椿が反省していると受け取ったのか、これ以上不満を言うことはせず、ボランチの時はちゃんとそういう動きが出来ていたのだから、SBといっても難しく考えずいつも通りやれよと声をかけていました。
・・・
こんな風に展開されている試合を見つめているETUベンチの達海たち。
松ちゃんは、前半速いサッカーでやり合いながらも、1点を先制した後は守りに入り、後半はラインを下げてしっかり守備を固めてくる神戸のサッカーを・・・
「おもちゃをねだる時だけパパ大好きといいながら…
買ってもらった途端態度を翻す…
ウチの子供達のようじゃないか――――!!」
と、例えていました。
そんな松原家の事情はよく分かりませんが・・・(笑
神戸の戦い方について達海は、決して守りきろうとするために引いているのではなく、すでにETUは交代枠を2つ使っていることなどからも、状況が自分たち(神戸)に有利であることを理解した上で、余裕を持ってETU(達海)のやり方を見極めていると分析。冷静かつ的確な采配を見せる神戸の監督を(そんな状況許している今の戦況を)、達海は気に入らないようです。
・・・
ピッチの中では試合が進んでいます。
緑川に怪我をさせてしまったブルーノがボールを持つと、ブーイングを浴びせるETUサポーターたち。
そんなサポたちの反応に、緑川を怪我させたその責任は自分にもあり、(サポたちは何も言わないけれど)自分も本当はブーイング受ける立場にあると感じる椿。
・・・と、試合中にそんなことを考えていたら、そのボーッっとしているスキを突かれて、神戸の7番に突破を許してしまいます。
慌てて神戸の7番を追いかける椿。
黒田も神戸の7番の突破を止めるために走りますが・・・
ETU陣内左サイドに深く進入した神戸の7番は、後方から走り込んで来た11番にマイナスのパスを送り、11番は7番のパスをダイレクトでシュート。
しかし、ここは、後半から途中出場となった佐野が右手一本でナイスセービング!
なんとかコーナーキックへと逃れます。
周囲から祝福され、ピンチを救った佐野のプレーは素晴らしかったものの・・・、SBにポジションを移した椿のところから決定機を作られてしまったためか、達海は少々渋い表情をしているようにも見えます。そんな椿本人も、バツの悪そうな表情を浮かべていました。
そして、椿が見せる綻びを神戸の監督が見逃がさず、勝負を決するためにさらに攻勢に出ようとする神戸は、FWの新堂という選手を投入するため準備にかかります。
それに対して、ETUは何かできることはあるのか・・・?
・・・
場面は変わりまして、この試合を記者席から見つめる藤澤さん。
新堂を投入して、つかみつつある試合のペースを確実なものにしようとしている神戸に対し、ETUは、ゲームも天候も荒れ模様のこの試合まだ何があるか分からず、さらなるアクシデントの可能性を考えれば、最後の交代カードはリスク回避のため試合終盤まで使えない。
・・・となれば、選手たちが自分たちの判断でどれだけこの状況を打開していけるかがポイントだと分析しています。
特に椿に対しては、不慣れなポジションとはいえ、あなたはそんな冴えないプレーをしていていいわけ? と、少々厳しい視線を送っています。
そして再びピッチの中へと話は戻りまして・・・
椿に対して声をかける清川。
清川は、黒田とも話し合い、サイドバックの左右を入れ替えようと指示します。
椿は右利きで、本来清川が左サイドバックでもあるため、そうする方がいいだろうと自主的な判断での入れ替えのようです。
さらに清川は、亀井のフォローだけは忘れないこと、攻撃の時は村越や赤崎の位置をよく見ろよとアドバイスし、椿を右サイドへと送り出します。
ポジションを変えるため右サイドへと向かう椿は、自分がチームの足を引っ張っていることを、このポジションチェンジによって確信し、自身へのふがいなさを感じていました。
そうして、右サイドにポジションを移す椿。
そんな椿に声をかけたのは村越でした。
「随分とつまんええ面(ツラ)してんな椿」
ハーフタイム中、緑川に対して責任を感じている椿の様子を見ていた村越は、依然として試合の流れに乗れないでいる椿へ、どんなメッセージを送るのか・・・といったところで、今週はここまでとなります。
■ 私的雑感
今週は、さらに続くバッキーの苦難の巻・・・か。
なんかこう、すべてが上手く噛み合ってくれない。
バッキーは、シーズン当初に比べれば、川崎戦にしても東京ダービーの時にしても自ら前向きに持っていけるようになったところを見せ、着実に成長はしていると思います。荒削りだけどガムシャラな姿勢を見せたその2試合では、確かな可能性を感じさせてくれました。
けど、今回は・・・
やはり、ドリさんを怪我させてしまったというのが、相当こたえていそうですね。だから、ガムシャラになりきれず、それなりにやっているつもりでも、セリーと動きが重なってしまった時のように、結果中途半端なプレーになってしまっているんだと思う。で、結局上手くいかないから、どんどん自信を失いネガティブになっていってしまうという・・・。
夏季キャンプではSBをそこそこにこなしていた部分はあるけれどまだまだ実戦での絶対的な経験値が足りない・・・、セリーが言ってるようなポジションが変わって難しく考えてしまっているという部分や神戸の監督が指摘するSBとしての自信という要素も多少はあるのでしょうが、話の根本はそこではなく、やはり前に向きたくても向けないほどに受けた心のダメージという要因が一番大きいのではと感じました。
以前よりは、間違いなく成長している。
けど、人間の根本的なメンタルの部分というのは、そう簡単に変えられるわけでもありません。そういう意味でポジティブとネガティブを繰り返しながら成長していくという描写は、“また椿か”と思われる方もいらっしゃるかもしれないですが、私はこれでいいと思ってます。
とはいえ、このままで終わってしまうんじゃ、あまりにつまらない。
ドリさんに対して負い目があるのなら、その想いをピッチの中で示すべきです!
今回は自力で前を向くのは難しそうですし、ハーフタイム中バッキーの心情を大まか察しているであろうコシさんがどうバッキーの心をどう動かしていくのか、来週すぐにそれが描かれるかはわからないですが、このあたりは注目して見ていきたいなと思ってます。
※
今週読んでいて、すごく感心したのが、クロとキヨが話をして、要は選手たちの自主的な判断によってサイドバックの左右の描写を入れ替えたという描写です。
今週は、バッキー回ではあったのですが、その中で、チームが着実に成長を見せているんだなという描写があって良いなーと思いながら読んでました。自主的なポジションチェンジに対するタッツの反応は描かれてなかったですが、タッツはああいうのをすごく評価するんじゃないかと思います。
この試合、キヨが右サイドバックでスタメンだったのは、こういう狙いもあったのかもしれません(笑
ただ、個人的には、キヨが右サイドバックでどんなプレーをするのかという描写も見たかったんですけどね。それは、また別の機会のお楽しみということにしておきます(この先描かれる保証はどこにもないですがw)。
※
あとは、箇条書きにて。
- やはり王子様は雨の日がお嫌いなのですねw
- セリーがドリブルで仕掛けるシーンって初めて見たような?
- バッキーがセリーを追い越すシーンは、最初のコマのイメージだとすぐ背後を行ってるのかと思ったら、実際は案外空いてたんだなと。
- バッキーのタッチを割ったプレーは、(悪い意味で)最もため息が出る類のプレーだと思う。
- こんなところで再び松ちゃんの子供たちの姿を見ることになるとは。・・・なんか切ねえ。
- アニメ観た影響が大きいのだと思いますが、クロがサイドに釣り出されるシーンは、ハウアーに決められた大阪戦を思い出しました。
- 佐野のナイスセーブと、「普段から気持ちを切らさず準備してた賜物だぞ!!」って松ちゃんの佐野への言葉に胸が熱くなりました。佐野さん、これまで頼りないとか思っていてすいませんでした。
※
さて、来週以降の展開についてですが・・・
まずは、バッキーが今ある苦難をどう乗り越えていくのかというテーマ。コシさんが、どんな言葉をかけていくかというのも含めて、そのプロセスに注目してきたいです。
今回、神戸の監督は、非常に的確な采配をしてくる人ですし(名前は出てきてないけど、タッツのことをそれなりに知ってる人っぽい感じ)、ギリギリの戦いになっていくんだろうなと思います。
先週でも描かれていることですが、交代カードもすでに2枚切って、当面は今ピッチに立ってる選手たちに頑張ってもらうしかありません。バッキーは苦しんでますが、他の選手たちの状況は決して悪くはないので、みんなでカバーしあいながら一丸となって戦っていいゲームを見せてほしいです。もちろん、バッキーの復活にも期待してます。
来週はどんな展開になっていくのか、来週は何かきっかけになるものが見られればいいなと思いつつも、1週間後を楽しみに待つとします。
タグ : GIANT-KILLING
コメント
コメントありがとうございます。
ドリさんを怪我させてしまったということで、
さすがに今回は、気の沈み方が激しいですね・・・。
けど、これが新たなきっかけになってくれると信じています!
セリーは、年上の選手にはとことんかわいがられていますが、
バッキーに対しては先輩らしいところを見せていましたね~。
今度はザッキーあたりに、“ちっちゃくてもお兄ちゃん”なところを
示してやってほしいなと勝手に思ってます(笑
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バッキーはすっかりへこんじゃって、ちょっと心配です。コシさんがどんな言葉をかけてくれるのか気になります。願わくは、その言葉が覚醒の第2段階のきっかけになってくれるといいなと思います。しかし今回はキヨもセリーも好感度を上げましたね。セリーはちっちゃくてもお兄ちゃんだったんだね~って思いました(^o^;)