アニメ『GIANT KILLING』#14・感想
2010.07.04 23:36
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ジャイキリアニメ#14では、名古屋グランパレス戦後日のエピソードを描いた内容となっています。
構成としては少々変則的なものになっていてまして、コータ、ヨシオ、テッタの子供3人組のエピソードに、吾郎、シゲの古株サポーターのエピソードが描かれた原作6巻#48の話の中に、本来ならもっと序盤に描かれているべき原作1巻#7の有里メインのエピソードが挿入されながら描かれていくといったものになっています。原作の2話分(+シーンの追加あり)を消化しています。
今週は、シーンの追加があったり、やむを得ずアレンジされてしまった部分がありますが、全体としてはイメージ的に原作ベースに近い形で描かれていたのではないかと思います。個人的には、楽しめたしわりと好印象を受けた回でした。
今週は、小さく話を区切ることもできますが、大きく分けると、子供3人のエピソード、古株サポ2人のエピソード、有里のエピソードと3つにできるので、その分類ごとに感想を書いていきます。
□ イキイキとしていた子供たちの描写
原作でも、子供たちの描写はとてもイキイキと描かれていますが、アニメでも同様に子供たちはとてもイキイキとしているな~と思いながら観ていました。
名古屋戦後日、ETUがようやく今季初勝利を飾った試合のレポートが載っているフットボールダイジェストを求めて本屋にダッシュする姿というのは、とても微笑ましいものがありました。
原作でも笑ってしまった、子供たちがみんなでお金を出し合って雑誌を買おうとするんだけど、全然お金が足りてないシーンは、やっぱりアニメでもあの微妙な空気っぷりに笑ってしまいましたね。なんでこんな貧乏なんだってセリフが特に笑えます。
しかも、アニメだと原作以上に子供たちはお金を持っていないという・・・。
特に6円しか持ってないコータが切ねえわ・・・。
そして、あのフットボールダイジェスト。
さりげに表紙のデザインがビミョーすぎるわ・・・とか思いながらも、よく表紙を見てみると、表紙を飾っていたのはヒラガン(=平賀、大阪ガンナーズ所属、今後登場予定)だったことに気付きました。さりげに細かいな。
もうひとつ、3人組のエピソードといえば、サインをもらいにETUの練習グラウンドに行くお話。
子供らしいちょっと生意気な言動は、やっぱり微笑ましく思いながら観ていたのですが、王子のサインを狙っていることを話すテッタのシーンで、原作にあった王子が「アハハハハ」とサインをせずにその場をさわやかに去って行く描写がアニメでは再現されてなかったのが残念でした。個人的には、是非ともアニメで観てみたかったんですけどね。
練習場のシーンでは、原作で吹いて、きっとアニメでも吹くだろうなと覚悟をしていた黒田ファンの3人組には・・・やっぱり吹いてしまいましたね!
「渋いぞクロちゃーん!」
って・・・。
そんなセリフまでもが用意されていると思わず、私的にかなりツボにはまっていました。
子供たちは、相変わらず怖そうだと言ってましたが、確かに見た目もコワモテ風ではありますが、それとはまた違った怖さがあるとも言えるあの3人組。
予定通りいけば、あの3人組の再登場があるはずなので、今後の密かに楽しみにしておきたいと思います(笑
□ メンバー勧誘に励むゴローさん&シゲさん
名古屋戦で江戸前応援団を復活させる気満々となった、八百屋のゴローさんと電気屋のシゲさんが、メンバー勧誘のために動くエピソードが、追加シーンも含めて描かれていきました。
全体的に良かったと思ったのですが、ひとつ個人的にどうしても気に入らなかったのが、なかなかメンバーが集められない現状に・・・
「いっそのことスカルズと合体しちゃうとか」
というセリフをゴローさんに言わせてたことです。
確かに、実質スカルズと険悪なのは、シゲさんだけではあるんですけど、名古屋戦であれだけ江戸前応援団を復活させたいって意気込んでたゴローさんに、そんなセリフを言わせないであげてほしかったかなぁ。ちょっと適当すぎる感がしました。
ゴローさんたちは、勧誘その1の場面で、原作だとその時点で仕事に戻るので、勧誘を続けていくアニメとは違うんだなぁと思っていたら、勧誘その2を経て、吾妻橋の追加シーンのところで仕事に戻ろうとしてました。仕事に戻ろうとしたとはいえ、時間的にもう夕方・・・、さすがにちょっとサボりすぎだったのでは?(笑
それと、こう思ったのは私だけでしょうかね・・・(原作読んでる方限定の話)
有里が倒れた後の医務室。
有里はドクターと後藤に帰るよう諭され、医務室から吾妻橋の場面に切り替わった後に・・・
ゴローさんとシゲさんが腰掛けているシーンが映って、「あんたたちのシーンなんかい!」と、思わず突っ込んでしまったのは。
すみません、ゴローさんたちは何も悪くないっす。
でも、原作の流れ的には、医務室のシーンから有里が仕事を取り上げられて憮然としてるシーンがくるわけで、その流れイメージが頭の中に強くあったので、あの展開には不意打ちを喰らった感があったんですよ。なので、あのシーンでは、自分のイメージとのギャップで素で突っ込んでいる自分がいました(苦笑
□ ようやく描かれることになった有里のエピソード
1巻#7で番外編的なものとして描かれた有里のエピソードが、ここでようやくアニメとして観ることができました。ここまでなんとなくアニメでは扱いが悪かったようにも感じられた有里ですが、それを取り戻すかのごとく今週はこれでもかってぐらいに堪能することができました。
その中でも触れておかないといけないのは、有里が過去を思い出し、達海を呼び出して写真を撮るエピソード。
原作とアニメでは季節が変わってしまっているがゆえ仕方がない部分ではあるのですが、原作だと雪が絡んだエピソードだったはずが、アニメでは桜が絡んだものになっていて・・・、それが私にはちょっと残念でした。やっぱり、私は雪の方が良かったなぁ。
それと“隅田川の奇跡”というネーミングが勝手についていたり、原作では時期を特定していないのにアニメでは達海のデビューイヤーになっていたりなど、そういう改変も個人的には微妙に感じてしまうものでした・・・(苦笑
ですが、そのシチュエーションは残念に思いましたが、夜のグラウンドで有里が過去の思い出を語り始めたり・・・
「こんな情熱注げて感動できる職場……
どこ探したって見つからないわよ」
と言ってた、達海とのやり取り全般そのものは、すごく良かったと思います。いい意味でアニメの演出が効いてましたしね。
そして、さりげにアニメの方が好きなのが、「お前もフットボーラーならそんぐらい覚えとけ」達海に言われた後の有里のリアクション。原作だとそのまま向き合ったまま有里が言葉を返すのですが、アニメでは達海がその場を去ってしまい、その後に・・・
「…… 偉そうに…」
と、そっと言う・・・。
あの演出は、アニメの方が私は好きですね。
今回の有里のエピソードは、最初スルーされてしまったときどうなってしまうのかと思ってましたが、アニメでも観ることができて良かったです。
□ その他のお話
あとは箇条書きにて。
- 浅草寺のシーンであった、鳩の描写がひっそり好きだったりします。
- ETUの練習シーンで、豪快に世良がシュート外してたのに、松ちゃんのセリフと併せて笑ってしまった。
- 広報部長さんは、原作以上に娘のグチを言いすぎだろうw
- アニメでも腰にタオル巻いた世良の姿を見ることが出来るとはw
- 有里が倒れたときの「死んだー」は、さすがにないだろうと私は思ったのですが・・・
- 追加シーンで吾郎さんが誘った人は誰なんだ?w
- どうせなら、“ガシガシ”っていうジャイキリでよく使われる言い回しは残してほしかった。
※
さて、来週以降のお話ですが。
来週は、いよいよ背番号11がアニメ初登場となりますね!
初登場シーンのアレとか、今から絶対笑うだろうなって思ってるんですけど、アニメではどのように描かれていくのか楽しみにしています。
タグ : GIANT-KILLING
コメント
コメントありがとうございます。
某クロちゃんを想像してしまうというコメントは、
他の方からもいただきましたが、違う意味で吹きますよね(笑
有里の回想シーンの試合は、相手のユニフォームの色的に
ダービーっぽい感じはします。
デビューイヤーといっても、タッツが高卒か大卒かも分からないですし、
何か曖昧さが残ってしまっただけのような気がします。
(有里の年齢等考慮すると大卒で、10年前はプロ3年目ぐらいだったと見るのが妥当でしょうか)
タッツミーのあのセリフはいいですよね。
フットボーラーという言い回しには、ジャイキリらしい心憎さを感じます。
びっくり!!
はじめまして。
びっくりです、このブログ。
わたしもジャイキリ大好きなんですが、ここまで鋭く考察されているとは...。
有里とのエピソードシーン、わたしもマンガの方が好きです。
アニメを見て、あのシーンはやっぱ「シーズン前」でないといけないと改めて感じました、んで、桜で誤魔化されちゃいました。
わたしのブログは、ジャイキリを読んで勝手に想像した内容を載せていますが(まだはじめたばかりで記事数が少ないですが)、よろしければ遊びに来てください。
ではでは
どうもはじめまして。
コメントありがとうございます。
有里のあのエピソードは、“桜よりも雪の天宮杯だから意味がある”
という見方をされる方が多いみたいですね。
原作ファン的に。もちろん、私もそうですが。
それと、ブログの方を拝見させていただきました。
ボールの話とか、ユニフォームの話とか・・・
ETUをリアルサッカーの視点から面白く見ていらっしゃるなと思いました。
また遊びに行くと思うので、よろしくお願いします。
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「渋いぞクロちゃーん!」の後、声が高い方のクロちゃんを想像してしまい、違う意味で吹いてしまいました。
削られたと思っていた有里ちゃんの熱血広報っぷりが堪能できました。
達海が活躍した過去の試合回想の出だしは「あの試合」かと思いました。(後藤さんがいないから考えをすぐ改めましたが)普通に○年前の東京ダービーで良かったと思います。
「90分間全力疾走できる選手がいるわけねえだろ 何でもバランスが大事なんだ お前もフットボーラーならそんぐらい覚えとけ」というセリフにはフットボールに関わる人、全てがフットボーラーという達海の持論が込められていてとても好きです。