今週の『GIANT KILLING』#169
2010.07.01 22:32
ジャイキリの最新単行本16巻は、今月23日発売予定となっていますが、今週号のモーニングに16巻の宣伝ページがありました。
その宣伝ページは、見るだけで内容が思い出され何とも言えない気持ちになってきますが・・・。楽しみとは言えないのですが、辛い過去を乗り切りためにも早いところ単行本でも読んで消化してしまいたいという気持ちでもあります。
そして、その7月23日には、ジャイキリのムック本、GIANT KILLING extra vol.2も発売になるようです。
ムック本第2弾は、ゲキサカのETUサポクラとの連動企画も用意されているなど、前回はサッカー色の濃い内容でサッカーファン以外にはあまり評判が良くなかったですが、今回はそのあたりもある程度改善されてきそうです(正直、extraはサッカーファン向けに特化して、純粋な原作ファン向けには、ファンブックみたいのを発売すればいいと思うんですけどね・・・)。
そのうち詳細がモーニング本誌や公式サイトでもアナウンスされると思うので、情報が入り次第また取り上げていきたいと思っています。
そしてそして、モーニング公式サイトと言えば、ジャイキリの新しい壁紙が追加されています。
夏季キャンプでの、セリーがGKをやってたときのカラーページを壁紙にするという発想がさりげにすごいと思います。興味のある方は是非チェックしてみて下さい。
(参考リンク:『GIANT KILLING』新作壁紙、さらに追加!)
最後に、ジャイキリグッズサイトでは、ETUサポーターTシャツ(スカルズ仕様)の販売がスタートしています。すでにタオルマフラーが販売されていますが(近々、マフラーストラップも販売されるはず)、興味のある方はデザインも含めてリンク先をチェックしてみて下さい。
(参考リンク:ETUサポーターTシャツ 販売スタートしました!)
リーグ戦第18節、FC札幌vsETU。
試合は、後半20分をすぎて1-1の同点。
左サイドに流れた王子からパスを受け、中央をドリブルで駆け上がろうとしていく椿。左サイドからは、ここぞとばかりにオーバーラップしていく熊田の姿もあり・・・、ETUはこのチャンスを活かすことができますでしょうか。
・・・
センターサークル付近から、札幌陣内へドリブルで駆け上がっていく椿。突破力のある椿のドリブルを警戒する札幌のディフェンス陣は、なんとか振り切られ突破されないよう応対しようとしています。
しかし、左サイドを駆け上がっていく熊田の姿をすでに確認している椿は、自ら突破を仕掛けることはせず、シンプルに熊田にボールを預けます。
左サイド、札幌陣内深くまで持ち込んで行く熊田。
そんな熊田に夏木はボールを呼び込もうと声をかけますが・・・
(一方、スタンドでは山井記者が「いいクロス入れろよ熊田――!!」と言ってる描写も)
熊田の選択は、いったん切り返し、右足でニアサイドに走り込んで来た上田へパスを出します。
パスを受けた上田は、縦へのコースを札幌の3番・キシに切られていると見ると、ゴールを背にした形でターンをし、左から中央方向へ切れ込んで行きます。
強引に行くと潰されるぞという、誰かの声が聞こえてくる中・・・
「若いからって…
何でもガムシャラに行くと思うなよ!!」
と思う上田は、強引に突破をはかったりシュートを打つようなことはせずに、ゴール正面、後方から走り込んできた赤崎へパスを送ります。
そのままダイレクトでミドルシュートを狙うのにはもってこいのシチュエーションかと思われましたが、赤崎は、直接シュートを狙わず、さらに右足アウトサイド、しかもノールックでパスを送ります。
「ここまで皆でお膳立てしたんだ 頼んますよホント」
そう言う赤崎の視線の先にいるのは、ペナルティエリア内右サイド寄りの位置で、フリーでパスを受けていた夏木。
そして、夏木は、右足を思いっ切り振り抜いてシュート!
・・・シュートは、ゴールポストをかすめながらもゴールの中に!
夏木のゴールで、ETUは逆転に成功します。
ゴールを決めた夏木は、ゴール裏のサポーターたちの下へ行き、拳を突き上げ大ジャンプ。
「見たか―――っ!!! 久々のエースの大仕事!!
皆俺のこと誉めろ誉めろ――っ!!」
と、喜びを見せる夏木でしたが、少々調子に乗りすぎているようで・・・
「何どフリーでポストかすめてんだよ」(赤崎)
「危なかったっスよ!! 普通に決めてくださいよ!」(上田)
と、シュートも狙えたけど、お膳立てをするというプレーを選択した2人に厳しくドカドカと突っ込まれてもいました。
一方スタンドでは、今のゴールシーンを冷静に振り返っている藤澤さんの姿がありました。
ゴール前、ETUがパスワークで札幌を完全に切り崩してからのゴールに、まるでボードで掲げたメッセージを体現したような形になったと・・・。
スタンドで試合を見つめる、ETUのベンチ外の選手たちも、ETUの逆転ゴールを心からはしゃぎ喜んでいました。
そのあまりものはしゃぎっぷりに、「またこの可愛い子ちゃんに哀れみの目で見られちまうぜ」と、注意を促す笠野さん。そして、藤澤さんは、再度、選手たちの厳しい視線を受けることに・・・。
(一方、試合は再開され、流れをつかんだETUに更なる追加点を期待するスカルズたちの描写)
そんな藤澤さんに対して、矢野が口を開きます。
「俺達は誰一人 ベンチに入れなくて楽しくないわけないんスよ」
スタンドからこんなボードを掲げてる姿は確かに情けないかもしれない、けど、ベンチに入れなかったとしてもそのメンバーたちなりにやれることがあると主張する矢野。
「俺達に今できるのは
こうやってピッチで闘ってる仲間にエールを送ること…
すなわちそうなることが・・・」(矢野)
「チームが一丸となって戦うってことなんス!!」(世良)
矢野のセリフの一番おいしいところを乗っ取った世良。
言ってる内容自体は達海の受け売りということもあったようですが、結局のところ、矢野がカッコいいように映ってしまうことが何よりも気に入らなかったようです。
そして、セリフを乗っ取られてしまった矢野は、達海のやることに納得した今はもう自分の意見にもなっていると考えを持っているみたいです・・・。
まぁ、とにかく、これらベンチ外の選手たちの言動が、夏キャンプの成果なんだよと言う笠野さん。
そして、笠野さんは、夏季キャンプ後、ETUの練習グラウンドであった、とあることを例に挙げようとしています・・・。
選手全員を集めた達海。
達海がキャンプによって伸びた選手たちを誉めようとする中、いつも通り自己アピールに余念のない夏木に対し・・・
「最近いいよな上田なんか
このままいけば夏木ぐらい追い越しちゃうかもな」
という言葉を返す達海。
「ど… どういうことスかー!!」と、予想通りのリアクションを見せる夏木に対し・・・
「はっ なんだよ喜べよ
俺はチャンスだって言ってるんだぜ?」
と、言う達海。
その言葉の意味をはかりかねている夏木の表情を映したところで・・・今週はここまでとなります。
■ 私的雑感
よっしゃー、逆転ゴールが決まったぁ!
ガミさんのボール奪取から始まったETUの攻撃。
ガミさんから左に開いた王子へパスが送られ、王子は中央を駆け上がるバッキーにワンタッチではたく。
しっかり周囲が見えているバッキーは、左サイドをオーバラップする熊田へパスを送り、敵陣深くまでボールを運んだ熊田は一度切り返して、右足でニアサイドに入ってきた上田へパス。
ペナルティエリア内でボールを受け、慌てがちなりそうな状況でも上田は落ち着いてました。
コースを塞がれていると察するや、ボールを奪われないよう、相手DF(ゴール)に背を向ける形でターンし中央方向へ向き、ゴール正面、後方から駆け上がってくるより体勢のいいザッキーに打って下さいと言わんばかりのパスを送る。
正直、私はここでザッキーが豪快にミドルを・・・と思っていたんですけど、もうひとつ札幌ディフェンスを揺さぶるんですよね。ザッキーは、右足のアウトサイド、しかもノールックで右方のフリーでいるナッツにラストパス。
そして、ナッツがゴールまで至近距離で相手がまったく対応しきれてない状況ではあったんだけど、思い切り右足インステップで振り抜きシュート。それがゴールネットを突き刺し、ETUの逆転ゴールが決まる!
いやぁ、ゴール前、華麗なパスワークで札幌ディフェンス陣を完全に崩し切った形でのゴールは、ちょっとだけ誉めすぎかもしれないですけど、先日のワールドカップ決勝トーナメント1回戦、スペインvsポルトガルの得点シーンを彷彿させてくれるものでした。
誤解を恐れずに書けば、ツジトモ先生の描くゴールシーンにしては、今回ちょっと分かりにくいというか華麗なパスワークぶりが美しく表現し切れてなかったように思いますが、、実際にこのシーンを目の当たりにしたら、「すっげー」と思わず声に出してしまうような素晴らしいゴールシーンだったと思います。
最後のナッツのシュートは、一番最初に読んだ当時、ポストに当たっていて、さりげにやばかったんじゃね? と思いながら読んでいたら、案の定ザッキーと上田君にまでドカドカとやられていて笑ってしまいました。
まぁ、先程挙げたスペインのゴールシーンだって、ビジャも一度は相手GKにボール当ててりますから。もし、あれでナッツが外してしまったりしたら、きっと素で(瞬間的な感情の昂ぶりによって)「このバカ!」と口走ってしまったと思うのですが・・・(苦笑・でもあの至近距離でフリーでシュート思いっ切り打って外しちゃったら・・・ねえ?)、とにかく決まってくれて良かったです。
んで、もうひとつ、ゴールにつながった形も素晴らしかったのですが、このゴールは(実際にボードのメッセージそのものがどれだけの効果を生んだかは分からないけど)スタンドにいる選手たちも含めた、“みんなで戦い、みんなの想いが集結したゴール”といった意味でも素晴らしいゴールだったと思います。そう思った瞬間に、グッとくるものがありました。
ゴールを喜ぶスタンドの選手たちの姿も良いものですが、「おっ ガミさんがこっちに手振ってる」というピッチ側からの反応もしっかり描かれていたことがまた良かったですよね。みんなひとつになれている、ETUのチーム状況の良さを改めて実感することができて、またここでニヤリとしてしまいました。
ゴールが決まりETUに1点が入ったという物理的な意味だけではない、それ以上のいろんな素晴らしさを感じることのできたゴールシーンだったと思います。
※
スタンドでのシーンが今週も良かったなと思います。
先程書いたETUの逆転ゴールに喜んでいるシーンもそのひとつ。
そして、笑ってしまったのが・・・
「チームが一丸となって… 戦うってことなんス!!」
矢野のセリフを乗っ取ったセリーの1コマでしたね。
セリーは、“自分を差し置いて”、他人の受け売りでカッコつけようとする矢野が許せなかったんでしょうかね。
そんなセリーに対し、矢野は矢野で「納得してるんだからもう俺の意見だろ」という言い方をしていたりして、さらに笑わせてくれました。
このやり取り、タッツの受け売りを言おうとしてたとはいえ、選手の口からベンチ外であってもチームのために自分たちにやれることをしようという、その意思表示を見せてくれたことが何より嬉しく思っていました。
やっぱり、試合に出たいという願望はあるはず。
それでも、チームのために自分にできることを精一杯やろうとする。
先週も書いたことですが、やっぱりETUっていいチームだよなぁ。
好チームが必ずしも好結果を残すとは限らないというのがサッカーの常ではありますが、少しでもチームのために戦おうとする想いが結果へとつながりますように。
※
さて、来週以降の展開についてですが・・・
「これがウチの夏のキャンプの成果なんだよ」
ということで、キャンプ後の練習グラウンドの回想シーンの様子が描かれていくことになりそうです。
上田を褒めちぎるタッツに動揺が隠せないナッツですが(ごめん、でもそのお約束的な展開に笑ってしまう)、チャンスだって言うタッツミーはこの後どんな言葉をかけていくのか。来週もまた楽しみです。
タグ : GIANT-KILLING
コメント
コメント&情報ありがとうございます。
綱本先生は、ジャイキリ原案者らしいコメントをされていますね。
こういうところで、お姿を拝見することができて嬉しく思います。
綱本先生も、このワールドカップでいろいろとインスピレーションを得たのではないかと思うので、いつかまた新しいサッカーマンガの原作を手がけてほしいなーって思います。
今回、赤崎と上田が詰め寄った瞬間ゎオチが読めたというか、
一緒になって脳内突っ込みしてました!わら
ここのところ10年前の回想やオフのキャンプとあって
久しぶりに夏木らしさが懐かしく感じます(pq*´3`*)わら
最近読むのがホント楽しいですね!!
ところで
上田のポジションゎ世良と同じく左サイドハーフなんでしょかね?
完全に夏木の存在を忘れていたので、
上田の1トップだと思ってましたけど(´yy`*)ぁは
ナッツのあれは、一緒になってドカドカやりたくなりますよね(笑
なんだかんだ言っても、ETUのFW陣の中で一番得点力があるのは
ナッツだと思うんで、シーズン後半はゴール量産を期待しております。
上田のポジションは、一応FWってことになってると思うんですけど、
王子様が守備をサボるでしょうし、
セリーのように守備の時は左サイドのスペースを埋めるような感じ
なのではないかなと推測しています。
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いつも楽しく拝見してます!
ご存知かもしれませんが、今回のW杯での日本代表について
サッカー関係者のコメントとして綱本将也さんのコメントが
載っている記事がありました。
「監督」に焦点をあてた内容になってます。
ご参考までに・・・
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/sports/soccer/409888/