今週の『GIANT KILLING』#167
2010.06.17 21:32
リーグ戦第18節のFC札幌戦は、相手のシュートのコースが変わり決まってしまうという、ETUにとって少々不運な形で札幌に先制点を許してしまいます。
その後、ETUは巻き返していくことができますでしょうか?
・・・
札幌の選手から出されたパスは、亀井の裏のスペースにレジナルドを走らせようとしたものでしたが、ここは黒田がしっかりとカバーリング。ピンチを防ぎます。
この試合、これまでも何度かこのような展開があったようで・・・
「亀井テメエ
何度先輩の俺に尻ぬぐいさせてんだ
俺のことなめてんのかオラ――!」
と、黒田は亀井に対してご立腹の様子。
一方で、スタンドのサポーターの一部は、好プレーを見せたに対し黒田コールをしつつも、相手に狙われ続けている亀井よりもベンチ入りしてるなら杉江を出してほしいという本音を口にしていました。また彼らはデビュー戦の上田をスタメン抜擢したことについても挙げ、達海の采配に少々疑問を投げかけています。
そんな一部のサポータたちに対して・・・
「選手がピッチで闘ってる今…
お前らのすべきことは無駄口を叩くことなのか?」
と、静かな怒りを見せる羽田。
その言葉に彼らは慌てて、ETUコールを再開。
とはいえ、そんな羽田も開幕戦の磐田戦同様、アンラッキーな形で先制を許した後、相手の勢いに防戦一方となっている試合展開に、彼らの気持ちも分からないわけでもないと、ある程度の理解を示しています。
しかし、羽田は、このまま磐田戦と同様、失点を重ねていく展開が再現されることはないだろうと考えていました。
なぜなら、磐田戦の時とは違い、ビハインドを追った状況下でも、選手たちから焦りは感じられる、余裕を持っているように思えたから。しかし・・・
「それが吉と出るか…
凶と出るのかはわかんねえのがサッカーだけどな…」
とも付け加える羽田は、もうしばらく試合を静観する構えでいるようです。
そして、王子もまた無理に前線にパスを送るようなことはせず、バックパスをしたり、前線を様子を窺っているようでした。
・・・
前半35分が経過したところ。
スタンドで試合を観ている山井は・・・
「はあ――っ 頼むぜ達海――
こんなんで負けたら自滅みたいなもんだぜ――?」
と、早いとこ、この状況を打破してほしいと願っているかのような態度を見せていました。
その様子を見た、帽子の記者は、そんな山井の姿を面白いなーと思いながら見つめていました。
(あんなに例年やる気のなさ全開だった山井さんがこうも感情を揺さぶられ…
恋愛中の乙女のようになるとは)
そんな今年の山井の態度の変化に、達海の周囲に与える影響力は他とは一味違うな考える帽子の記者。そんな達海だからこそ、おかしなことはしないと思う・・・、それが帽子の記者の心の中の本音のようです。
その一方で、自身の右前方で、何やらキョロキョロと後ろを振り返っている藤澤さんに対しては、少々厳しい態度を見せていました。
その藤澤さんは、ETUの選手たち(一部スタッフ含む)が掲げているプラカードのことが気になっていて、試合に集中できない状況となっていました。
普通では考えにくい、プラカードに文字を書きピッチ内の選手にメッセージを送るというやり方に、どうしてそんなことをしているのか、とにかく訊きたくて訊きたくてしょうがない衝動に駆られる藤澤さん。
・・・と、藤澤さんは、選手たちの一角の片隅に笠野さんの姿を見つけ、「しめた……!」と喜びを見せていました。 (けど、その後の様子は現段階では描かれていない)
・・・
依然としてピッチの中では試合が進められていく中、今度はFC札幌の監督の心理描写。
1点を先制し、その後も優勢に試合を進めていることに満足気の札幌の監督。
今年のETU戦は、カップ戦の緒戦こそ1-0で勝利したものの、その後は、1-3、0-4と立て続けに敗れ、特に3回目の大敗ではチームの自信を失うほどの一戦になってしまったと振り返っている札幌の監督。
中断期間は、チームを降格圏内から立て直すために、懸命に練習に取り組んできたという札幌。
そして、中断明け緒戦のこの試合には、自分たちのすべてを懸ける意気込みで臨んでいる札幌。
「わかるか達海…
この試合に挑む我々のモチベーションは
お前達のものとは天と地ほどの開きがあるのだ!
そこまでの決意がないお前達に勝利の女神は微笑まんよ!」
と、自分たちのことをなめてかかっていると思い込んでいる札幌の監督は、この試合の勝利に自信を持っているようです。
・・・しかし、ふと立ち上がってベンチから出てきた達海の目は、勝負に対して力強い意志を持っているものでした!
「そこだ!! 奪え亀井!!」
強く発した達海の言葉が伝わったのかどうかは分かりませんが、ここでレジナルドに渡りそうになったパスを亀井が強気なプレーでインターセプト!
その勢いのまま、亀井は自らボールを持って前進して行きETUのカウンターアタック。
CBの亀井の上がりに、札幌の中盤の選手は素早く潰そうとしますが、亀井は、王子にパス送ります。
そして、いい頃合いと言う王子は・・・
「身の丈に合った口説き方をしないと
女のコが落ちる前に自分が疲れてしまうものさ」
という例えを出し、とにかく早く(札幌のディフェンスラインの)裏に出せとがっつく夏木、上田の様子見ながら・・・
「結局男は余裕があるほうがモテるって話だよね」
と言って送ったパスの先にいたのは・・・村越でした!
ペナルティエリアの正面やや外、フリーでボールを受けた村越は、一瞬にしてゴールを突き刺すような強烈なミドルシュートを決めて、ETUが同点に追いつきます!
PSMの東京ヴィクトリー戦の時とは違って、自信に満ちた表情で静かに右手を突き上げる村越。
この同点ゴールにETUベンチも喜びを見せているところで・・・
今週はここまでとなります。
■ 私的雑感
今週は、ETUが本領を見せ始める様子が描かれていく回でした。
今週は、まず何と言ってもETUが同点に追いついたあのゴールですよね!
亀井のインターセプトからそのまま自ら持って上がり王子へとつなぐ。
その王子は、一直線にゴールに向かって走るナッツ、上田の2トップ・・・にではなく、この2人の動きによって空いたバイタルエリアへ走りこんできたコシさんへパスを送り・・・
そして、コシさんがドッカーンと強烈なミドルを決める!
王子のラストパスの描写から、ページを開いてのネットを突き刺すコシさんのゴールシーンには、ちょっとびっくりしたのですが(シュートまでもうワンクッション何か描くと思っていたから)、鳥肌立ちましたし、思わずガッツポーズをしてしまったというものです。
それでまた、シュート後のちょっと余裕ありげ、けど、強い意志を感じるガッツポーズがまたカッコよかった!
PSMの東京V戦で見せた感情を爆発させるシーンとは、また違ったカッコよさがそこにはありましたね~。いやぁ、コシさん最高っす。シビれました!
ゴールにつながるカウンターの場面でも、ナッツ、上田の後方から上がっているコシさんの描写もひっそりとあって良かったと思います。特に、17ページの2コマ目の王子の肩付近に微妙に描かれてるコシさんらしき選手がいて、こういう細やかな描写もいつもながらしっかりしていて感心してしまいます。
王子は「余裕があるほうが・・・」と言ってますが、でも、あのがっつく2人のFWが最前線で目立ってたからこそ、相手DFを引っ張り注意を引き付けてバイタル付近が空き、コシさんがフリーでシュートが打てた・・・と、私は思っていたいです(笑
そして、このゴールシーンばかりでなく、その起点となった亀井のインターセプトにも触れないわけにはいきません。個人的には、コシさんのゴールも素晴らしかったけど、こちらのプレーの方がいろんな意味でその意義は大きいものだったと思ってます。
亀井のプレー、良かったですよね。
クロにはビビっていてもプレーは強気!(笑
(クロはあんな言い方してるけど、あれもクロなりのハッパのかけ方なんだよね?w)
レジナルドへのパスをインターセプトしてから、自らボールを持って上がっていく行く亀井の気持ちの入ったなプレーは本当に素晴らしかったです。
この試合でもサポに(相手から)狙われてると言われてはいましたが、市原戦の二の舞を演じてなるものかという気持ちがあることはすでに十分に伝わっていたわけで、怯むことなく自分を貫いたことがあのプレーにつながったのだと思います。いやぁ、決して作中出番が多いわけじゃないですけど、彼の成長を感じさせてくれますよね。
本当、亀井のあんなプレーを見ることができて嬉しかったなー。
これだけも、十分大満足できます。
亀井は、まだ試合経験が多いとはいえないですし、相方(この試合はクロ)に頼ることもまだ多々あるかと思いますが、今後の亀井がすごく楽しみになる今回のプレーでした。
・・・ということで、とにかく、ゴールにつながったすべてのプレーが素晴らしかったですね!
※
そして、今週さりげに話題になってそうなのが、“恋愛中の乙女のよう”と帽子の記者に表現された山井記者でしょうか(笑
私には、期待しているようにも見えるけど、なーんか冷めたようにも見えていた先週でしたが、山井記者にとっては、自分からあーだこーだと口にすること自体、それまでとは違うっていう見方をするべきなんですね。
考えてみれば、前年のETUもナッツが怪我で長期離脱するまでは、そこそこに戦えていたような感じでもあったので、それがなおさら山井記者をあのような言動にさせたのかなぁ。まぁ、どちらにしても、この同点ゴール、その後の展開によって、山井記者がどんな態度を見せてくれるのか、ある意味これも今後の楽しみのひとつになりそう・・・です?
そして、藤澤さんの話。
あの帽子の記者の藤澤さんを見る目がこれまた厳しいですね。そういえばこの記者、名古屋戦の前、藤澤さんの書いた記事を作文レベルと酷評してた人だったんだっけなぁ。
ですが、実際にスタンドであんなことが繰り広げられてると知ったら、藤澤さんじゃなくても気になって気になってしょうがないんじゃないかと思います。
この先どうなるか分からないですけど、藤澤さんはかっさんを見つけたことですし、近々これをやらせた意味などが明らかになりそうですね。その描写も楽しみです。
それと、ふと、どうでもいいことを思ったのですが、矢野の持つ“る”だけ極端に高く上げていたのは、かっさんの姿を隠すためだったのでしょうかね?
そして、ガブが今週もプラカードを掲げてなかったのは、日本語が書けないからなのでしょうか?
※
あとは、箇条書きにて。
- 羽田はいいこと言ってたなと思います。ETUの選手たちは、キャンプで得た自信があるんだろうと思う、先制されてもしっかり地に足をつけて戦えていたわけですし。でも、「それが吉と出るか… 今日と出るのかはわかんねえのがサッカーだけどな」という言葉はまったくその通りで、サッカーは単純に力の強いものが勝つとは限らない。結果として同点に追いつくことができたし、実際にそうなる可能性は十分高かったのだろうと思うけど、サッカーには絶対はありません。もしかしたら、彼らの余裕が結果に結びかないかもしれないし、もしうなってしまったら、それこそ山井記者の懸念してた通りの展開になってしまったかもしれない。そうなる可能性もゼロじゃないということ、どんな素晴らしいことをしていても結果が伴わなければ、どういう方向に転んでしまうかわからない、そのことを忘れてはいけないのだと思う。けど、そういう不確定要素あるからこそサッカーは面白い。それがやられた当事者側ならたまったもんじゃないわけですけどね。
- 札幌の監督さんの描写があったのが良かったと思います。それぞれのチームにそれぞれの立場があってそれぞれの戦いがあるってことですね。もし、自分が札幌の監督の立場で、相手が自分たちをなめてかかってきた考えたとしたら、この場面は「よし、チャンスだ!」って考えたようにも思いますが。
- 熊田と上田の人物紹介が欄外にあったのはよかったですが、上田の番号が違っていました。いつ修正されるのか、地味にチェックしておきたいなと思います(嫌なヤツだなw)。
※
さて、来週以降の展開についてですが・・・
同点に追いついたETUが、この後どんなサッカーを魅せてくれるのか。最終的には、圧勝という展開になりそうな予感も私はするのですが、さてどうなりますでしょうか。
あとは、先程も書いた、同点に追いついたことによって、山井記者を始めとして周囲はどんな反応を示してくれるのか。それと、あのプラカードについても気になりますよね。来週がまた楽しみです。
タグ : GIANT-KILLING
コメント
反撃の一発
亀井の攻めるような守りからボールを奪取
王子が様子を伺いながら起点となり
村越がミドルでどーん!
クールな表情でガッツポーズ!
太腿まで鳥肌が立ちました。
プラカード組の下段1番左のメガネを掛けた彼が気になります。
前回を見直してみると、1人だけ揃いの服ではなさそうですし・・・
コメントありがとうございます。
あれは、確かに前髪具合的にもガミさんにも見えますね。
コシさんは余裕があったとはいえ、
あの距離のシュートをよく決めてくれたと思います。
本当、どっかーんと爽快なシュートでしたねー。
来週は、どうなるか分からないですが楽しみです。
>くらはしさん
コメントありがとうございます。
クロは、どれだけ吠えているかが調子のバロメータなような気もします(笑
狙われていようが怯むことなく強気の姿勢を貫き結果に繋げた亀井のプレー、
コシさんの強い自信を感じるガッツポーズは、本当にカッコよかったですね。
こういうシーンは、何度でも見たいです。
プラカードを掲げてた左下の人は、
#30でクロが移籍をほのめかしていたことを松ちゃんに報告していた
トレーナー(?)の方かと思われます。
徳さんもそうですが、選手たちばかりでなく、
ああいうチームスタッフも参加しているというのは、
チームの一体感をより強く感じることができていいなぁって思います。
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今週の一番は、コシさんのナイスシュートでした。
すっかりだまされました。
私、遠目の姿で石神(ガミ)さんだとばっかり思っていました。
なんでこんな前に?と思っていたら、ミズノスパイクで
コシさん!?
でどっかーん
あれよあれよと同点に!!
とても気持ちよかったです。
前半終了前に追いついたというのもいいですね。
さて、来週はどうなる??