【新連載】サッカーの道を諦めた少年が夢を受け継ぎ再び動き出す『1/11 じゅういちぶんのいち』第1話雑感(バレなしver)
2010.07.21 01:42
すでに発売から2ヶ月が経過してるのですが・・・(苦笑 ジャンプスクエアの増刊として新創刊されたジャンプSQ.19(エスキューイチキュー)にて、『1/11 じゅういちぶんのいち』(作者:中村尚儁)という作品の連載がスタートしました。
ちょっといろいろあって、記事にするのが遅くなってしまいましたが、第1話を読んだ雑感をつらつらと書いていきます。
ストーリーに沿ったネタバレ感想という形で書いていたのですが、記事が恐ろしく長文になってしまっているので、バレ要素を含まないものと、バレ前提にした感想、ふたつに分けることにします(まだ後者が書き上がってないってのもありますが、その方がベターだと判断したので)。
バレ要素を含んでいないので、記事はたたみません。
連載第1話はサッカーの道を諦めた主人公がとある少女と出会い、その少女との出来事がきっかけで再びサッカーの道を歩み始めるまでを描いた、作品全体で見ればプロローグになるであろうエピソードが描かれていきます。
「読切的な終わり方ですが・・・」と、作者の中村先生が巻末でコメントされていますが、まさにその言葉通り、ひとつの読みきり作品として読ませることのできる、非常に完成度の高いものに仕上がっています。
この作品について、私としては、まずストーリーの内容について一切の情報を入れてない、頭の中をまっさらにした状態で読んでもらった方がいいと思うんですよ。
なぜかというと、まずは自分自身でひと通り物語を読んで「あぁ、そういうことだったのか」と、話の内容をひと通りを理解してから再び読み返すと、また違ったものが見えてくるからです。
あー、でも分からない、私はよく察しの悪い人間だと言われるタイプだから(読み切り型の1話とも思ってなかったというのもあったと思う)、そのように読めたのかもしれません・・・(苦笑
ただ私が読んだ感想として言えることは、私は本気で泣けてしまったということです。
そして、記事を書くためのメモを作るため、再び作品を読み返した時、結末を知っているからこそ見えてくるものがあって、また違った意味で泣けてくる・・・。読み返して、理解を深めるほどに泣ける第1話だなと思います。
とはいえ、内容のよく分からない作品をいきなり読めと言われても困ってしまうというか、「それを知るために今この記事を読んでるんだよ!」という一面もあると思うので、とりあえず、ネタバレ要素を完全に切り離した純粋な作品の特性のことをこの記事で、物語については深く語っていくのはネタバレverの記事で(近いうちにあげます)・・・というスタイルで書かせてもらうことにします。
※
『1/11』を読んで思ったのは、中村先生は動きのある画(サッカー描写)を描くのが上手いというわけではないですが、逆に物語の作り方、見せ方は上手い方だなーということでした。絵柄からしても、後者向きといった印象を受けます。
今回、サッカー描写として描かれていたテーマは、短く要約してしまえば、“どんなに優れていても個人プレーしかしていなければ怖くない、サッカーは11人でやるスポーツで味方を使うことで自分の個人技も活かすことが出来る”というごくありふれたもの。
それでも私に面白いと思わせてくれたのは、物語の見せ方が上手いからで、伏線の使い方重ね方といったものが非常に緻密に計算されて作られていて、それらが無駄なく効率的に配置されていたからだと思います。
サッカー描写でワクワクするものだとか、熱血的な王道ストーリーで胸を熱くさせてくれるだとか、ちょっとしたコミカル描写で笑わせてくれるだとか・・・そういった特性はありません。
決して派手さはないんだけれど、登場人物のの心情というのがすごく丁寧に描かれていて、じわじわと温かな気持ちにさせてくれて、そして最後は・・・ここではネタバレなので書きませんが、決意を新たにサッカーへの道を進むことを選んだ少年の人間ドラマという視点として、私はとても優れた作品であると思いました。
ただ、ひとつ心配なのは、1話でクオリティの高い読み切り風に仕上げてしまったことで2話以降、1話と同じぐらい心揺さぶってくれる物語にしていけるのかといったところ。
サッカーマンガとしてまだまだ未知数な部分も多いのですが、私としては、単純にこれまでいろんな作品の1話を読んだ中では、かなり好印象を持った作品であることには間違いないので、2話以降も大きな期待を抱いています。
とりあえず、ここまで読んで『1/11』に興味を持ったなら、今からだと難しいかもしれないのですが、ジャンプSQ.19の方を探してチェックしてみて下さい。
あとは、ネタバレverの記事の方で書きます。
そこでは、もっと話の内容に踏み込んで、どういう描写に心揺さぶられていったのかというところを書いていければと思っています。
コメント
私もほぼ同感です
コメントありがとうございます。
この読み切り作品としての完成度の高さは異常ですよねー。
決してサッカー描写で魅せるタイプではないものの、
これだけ泣かせてくれる作品を全力で取り上げないわけにはいきません!(笑
全部読み切ってみれば、すべては壮大プロローグ。
ここからどういうことをテーマに話が展開されていくのか、
私も想像がつきません。
純粋にサッカーマンガとしての面白さは、
今後もそれほど期待できないかもしれないですが、
サッカーストーリーとしてソラを中心とした人間ドラマには期待しています。
第2話以降も楽しみです。
まだ本屋さんで売ってますか?探してみます
次号が8月19日発売なので理屈的には置いてあるはずですが、
創刊号は5月19日発売で2ヶ月過ぎてしまってるので、
コンビニや一般書店だと探すのが難しいかもしれません。
ジャンプスクエアの増刊なので、
ジャンプスクエアに似てますが違う雑誌ですので要注意です。(
(↑間違えそうになった自分のことを棚に上げている)
作品は、サッカー描写を楽しむためのものではないので
嗜好に合うか分からないのですが、その物語にはガチで泣けてしまったので、
興味があれば、是非とも作品に触れてみてほしいです。
本屋さんをめぐってみてなかったら漫画喫茶で捜索してみます
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少なくとも第一話の面白さは、サッカー漫画としての面白さではないんですよね。だから、ふれてぃすたさん的には、レビュー対象外なのかな、と思っていたのですが、こうして感想を読ませて頂けたことを嬉しく思います。