アニメ『GIANT KILLING』#08・感想
2010.05.24 00:05
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ジャイキリアニメ#08では、黒田がサッカーテニスの参加を拒絶し練習グラウンドから立ち去った後、原作とは違って公園での黒田と杉江のやり取りから始まり(原作だと、すでにスタジアムでのやり取りとなっている)、ジャパン杯予選リーグ第2節の札幌戦、コーナーキックから失点を喫してしまったところ、原作の4巻30話の残り半分~33話までが描かれていました。
今週は、達海のやり方に反発し、移籍さえもほのめかしていた黒田はどうなってしまうのか・・・というところが主な見どころとして描かれていきました。
今週も、ごっそりカットされてしまったエピソードがあったんですけど、全体的にはいい感じのペースで話が進んでいったのではないかと思います。
※
まず、始まっていきなりのシーンで、アニメと原作のロケーションが違うことに驚きました。
原作では、最初からホームでカップ戦の清水インパルス戦(時間軸としては、リーグとカップの違いがありますが、2週連続で隅田川スタジアムで同じ清水と対戦)をスタンドから観戦しているはずなのですが、アニメでは、最初に公園でのやり取りがあって(内容そのものは原作と一緒)、その後でスタジアムでの話になっていくいうこと形に置き換えられていました。
この原作とアニメの違いを、他の人はどう思ったのだろう?
そんなことを思いながら観ていました。
私の見方を書きますと、杉江の「試合に出られないことのほうが痛い」というセリフを考えると、試合に出たいけどチームのために戦えない、けど試合は目の前で展開されている・・・、その悔しさをより強調させるためには、公園よりも原作通り最初からスタジアムの方が良かったのでは? ・・・という気持ちがありました。
とは言っても、アニメのあれもあれで悪くはないかなという気持ちもあって(メリハリをつけるためには、違うロケーションの方がベターなのかもしれない)、黒田が叫んだときの鳩のバサバサだとか自転車引いてたおじさんの演出とかもアニメならではで良いんですよね。
まぁ、それよりも気になったのは、公園とスタジアムどちらのシーンでも2人ともまったく同じ格好をしていったってことなんですが。
多少の違いはありましたけど、全体的に黒田の問題解決までの流れは、比較的原作と同じような感じのペースで描かれていたんじゃないかなと思います。私もいつも通り、原作のシーンを思い出しながらアニメの方も観ていました。
杉江にしても、緑川にしても、ETUの中でも冷静沈着系のキャラが、いい味を出していたのではないでしょうか。
あ、でも、杉江は、PKのシーンでちょっと熱いところを見せていたしたけどね(笑
あと、黒田&杉江に関する話としては、カミナリラーメンの親父さんが、これまたいいキャラを見せていたんじゃないかと思います。
切り替えの話への持っていきかたは、やっぱりちょっと強引かなと私は思ってしまうのですが、この場面もいい意味でアニメ効果が上乗せされていた場面だったと思います。
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今週描かれたところで、きっと原作を読まれている方なら気になったであろう部分は、現在のETU最大のサポーターグループのユナイテッド・スカルズと古株サポーターの江戸前応援団の対立話がバッサリとカットされていたことではないかと思います。
このあたりは、原作でもまだ問題解決はされていないこともあって、その先があるのかが不明なジャイキリアニメではカットせざるを得なかったのかなと感じています。
けど、この新旧サポーターの対立話というのは、ETUというサッカークラブを取り巻く群像劇を描いていくにあたって、すごく大切なものとして考えられる要素なだけに、仕方がないとはいえ、アニメでスルーされてしまうのは残念に思います。
まぁ、でも、シゲさんが選手を野次るところなので、カットでもよかったのかなぁ・・・。うーん。
他にもスカルズと江戸前応援団とか絡むシーンがカットされているため・・・
「もっとコエーもん(=奥様)乗り越えてここまで(=札幌)来たんじゃねーか!!」
という、個人的に原作で好きだったコミカルシーンがアニメで観ることができず、それも残念なところでした。
そういえば、コミカルシーンと言えば、札幌戦で黒田が相手のロングボールをクリアした後、「いやー 危ねえ危ねえ」と言ったあとに、密かに清川が「焦ってたんじゃん」とツッコんでいたシーンがあって笑ってしまいました。
個人的に、ジャイキリのコミカルシーンが好きなので、アニメでもなるべく再現してほしいです。ジャイキリアニメ初期に比べれば、コミカルシーンを意識してくれている気がするのですが。このあたりは、アニメ主体のファンはどう思うのか。私のような考えの人間とどのようにバランスを取っていくのか。テンポが悪いと捉えられてしまうのなら、カットも仕方なしか・・・。
※
あとは箇条書きにて。
- 「意味わかんねえ」(黒田)というセリフまでに妙に間が空いていたのに逆に笑ってしまった。
- 清水戦。清川からのパスを世良が落とすシーンは強くボールを蹴りすぎだろうと思った。
- 視認性を良くするためか、ユニフォームの前側の番号がやたらと大きい時があるのですが・・・ごめんなさい、あれ、個人的にダサく見えます。
- 王子からのヒールパスを奪われる椿。「どうしたんだい?」と王子が椿に声をかけてますけど、アニメだと王子がスタスタと歩み寄って肩に手をかけています。原作だとその歩く様子がカットされ、一気に肩に手をかけているコマがるためにワープしてるように見えるな・・・と、原作読んでずっと思ってました。というか、それぐらい王子はご立腹されていると思ったんですよねw
- ドリさんがエリア外でボールをタッチしてるシーンは、一枚絵にしないで、普通にアニメーションさせた方が良かったように思う。
- アニメで観て、清水はホームユニだったんだなとふと気付く。
- PKを与えてしまった亀井の「そんな」というセリフがなんかツボだ。アニメの亀井は少しデフォルメ系キャラになっているという印象。
- ドリさんの元清水という設定が生きていて良かった。
- 原作の時はまったく意識してなかったんですけど、札幌のホームのモデルはアルウィンだったんですね(あれ、アルウィンで合ってますよね?)。
- 札幌戦で、黒田と杉江が戻ってきても、ディフェンスラインが高く保たれているようになったはずなのに、エリア内に2人が残っているのが・・・。これは原作通りなんですが、アニメでは歩いて前に上がっているようにしてほしかったかなと思う。
- 羽田のサポたちを煽るセリフは結構カットされてますね。
- 札幌戦の失点後、黒田が石浜に「上を見て歩け」などの原作にないセリフがあったりましたけど、これってアドリブだったりします?
※
続く#09では・・・、まずアレが描かれるようですね。
新旧サポの対立をカットした時点で、アレもカットされるものだと思ってましたが・・・。アニメではどのように描かれていきますか。
あとは、かつてETUを指揮し、2部に落としてしまった不破率いる名古屋グランパレス戦の話へと移っていきます。あのトリオをアニメで見るのが楽しみ。
名古屋戦は、個人的にも大好きな話のひとつなので、アニメではどのように再現されていくのか、試合シーンは、まぁちょっと・・・ではあるのですが(でもそれは想定内さ!)、楽しみにしたいと思ってます。
タグ : GIANT-KILLING
コメント
コメントありがとうございます。
>熱心なETUサポーターなら、観客席にいる黒田と杉江に
>気が付かないはずが無いから不自然・・・
これは原作読んだ時、私も思ってたりしました(笑
それでも、スタジアムでの話にした方がベターだったと私は考えてますが・・・。
王子のあれは、静かな怒りだからこそ怖い!
石浜のは、あの表情具合も含めてよかったですよね。
新旧サポの対立話については、来週経過を見てみたいと思います。
バス囲みの話は、テレビ的にはあまりよろしくない部分もありそうですが、あれをカットされちゃうと後藤さんの泣けるエピソードも見られないってことになってしまうので、描かれることになりそうでホッとしてます。
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目の前で試合をやってるのに、試合に出られない不満と苛立ちで
クロが吠えたことに意味があったと思います
子供には伝わらない(ビビって泣くくらいの)クロの熱さが
表現できていて、いい場面だったと思うのですが・・・
(子供を泣かしたことが問題だったのかなぁ)
熱心なETUサポーターなら、観客席にいる黒田と杉江に
気が付かないはずが無いから不自然・・・
というのが公園に場面変更した理由ではないかと思います
王子の「プレシーズンマッチの失敗…まだひきずってるんじゃなかろうね」の
「なかろうね」に静かな怒りが込められていて、見ているこっちもビビりました
クロにヘッドロックされた石浜の「暑苦しいッス クロさん」と
言いたそうな困った表情がツボでした
スカルズとシゲたち…新旧サポの対立のことは
次回にまとめてやるんじゃないかな・・・と思います