今週の『GIANT KILLING』#158
2010.04.08 23:57
時間もないので、サクサクいきます。
最新単行本14巻は、4月23日、来週金曜日発売です。
今週号のモーニングには、広告も掲載されています。
4月4日よりNHKBS2とBShiでジャイキリのアニメが始まりました。
アニメ#01の感想はこちらより。
こちらの本編ほどではないですが、一応毎週書いていくつもりでいますので、そちらの方もよろしくお願い致します。
夏季キャンプの2日目。
ETUvs港経済大学の練習試合中。
港経大相手に、不慣れなポジションでのプレーを余儀なくされ、またミスターTが弱点を突かせている影響もあり、苦戦を強いられるETU。しかし、その中にも徐々に何かをつかみ始めたETUの選手もいるようで・・・?
今週はどんな展開が待ち受けていますでしょうか。
・・・
20分を1本とした練習試合の1本目。
残り1分ほどで1本目が終了しようかというところで、有里のことを呼び寄せる達海・・・ではなくてミスターT(←わざとじゃない、普通に間違えそうになっただけw)。
有里を呼び寄せたミスターTは・・・
「もうすぐあのプロの人達…
大学生と引き分けて暗ーい顔になるから
その表情バシーッと押さえといて」
と、ここぞのばかりにシャッターチャンスを有里に教えてあげます。
「なっ…」
「なっ…」
「なにを――――………!!」
とは、ETUの選手たちのリアクション。
その中でも黒田は、ミスターTのふざけた言葉に、お前の思うとおりの展開させてなるものかと、FWとしての自分がどのように動けばいいのか、つまりは自分のやりにくいタイプのFWについて考え始めます。
-テクニックを活かして狭いエリアでも突破してくるような奴とか……
「へっ そんなの別にやりづらくねえよ」
-じゃあ何だ… DFラインと駆け引きをして裏へ素早く飛び出してくる奴か?
「はっ その程度の奴……
俺がマークに付いたらひねり潰してくれるわ!!」
「……」
「駄目だな俺!!
完全に頭がDF脳になっちまってるよ!!」
・・・かつて、“ゴール前の黒豹”(自称)と恐れられていたという男も、すっかりその鋭さを失い黒猫となってしまったようで、結局は何もできないまま自分へとパスを中井にカットされてしまうという始末。
しかし、ここから本領発揮。
本来のDFとして、前線から果敢にボールを奪いに行き、マイボールにすることに成功。
ボールを拾った石神は堺へとパスを渡します。
パスを受けた堺。しかし、港経大の守備陣形は整えられていて、そこから仕掛けていくことができないでいましたが・・・
「堺さん!」
ちょうどそこにタイミング良くオーバーラップしてきたのは左SBの椿。
椿はトップスピードで左サイドを駆け上がり堺を追い越すと、ちょうどタイミングよく堺からパスが供給され、一気に左サイドを打ち破るETU。
そして、椿は中央で待ち受ける杉江をめがけてハイクロスを送ります。
ETUがスピードに乗った攻撃で一気に左サイドを崩し、中央にクロスを入れたことで、対応の遅れた港経大の守備陣の上から放たれた杉江のヘディングシュートはゴールネットを揺らし、何とかETUを1点を先制します。
ちょうどこのタイミングで1本目が終了。
ゴールを決めた杉江の元に、アシストをした椿は駆け寄ろうとしますが、練習試合ぐらいでみっともないと黒田に怒鳴られてしまいます。
そんな様子を見ていた、ミスターTはちょっぴり残念・・・そう?
そして、終了間際にプロとしての意地を見せつけられる形となった港経済大学の選手2人は、やっぱりプロは違うという話をしていましたが・・・
「そんなことないぜ」
そこに声をかけてきたのは・・・、なんと中井でした。
「別に最後のワンプレーでやられただけだろ
俺はそこまで力の差は感じなかったぜ
むしろやれる
俺が今ETUに加入しても十分チームの中心になれる確信は得たぜ」
と、何とも強気な発言をしています。
・・・そんなところを、たまたま通りがかって聞いてしまった黒田と夏木が大人気なくムキになって抗議。
「フ…フン
やれるもんならやってみて下さいよ」
それに対して、さらに強気というよりも生意気な言葉を返す中井。
「な…なんて生意気なイガグリ頭だ!
口のきき方も知らねえのか!! このイガグリ野郎!」
そんな中井の態度に、やたらと“イガグリ”という言葉を強調して怒る夏木でしたが、それには何とも返答に困っている黒田でした。
・・・
そんな黒田と夏木の様子を見た杉江は、みっともないのはどっちなんだよ・・・と苦笑いし、椿に話を振っていきます。
そんな椿は、大学生に大したことないと思われたのなら自分にも責任があると、サイドバックで思うようにプレーできなかったとしきりに反省。
そんな椿に声をかけたのは、本職のサイドバックである石神でした。
「お前はCBが不安定な中で守備に気を配りながら
20分ていう短い時間で1アシスト記録したんだぜ?
上出来だっての
はっきり言って普段俺がやってる時よりいいね!」
と、椿のプレー振りを褒める言葉をかける石神。
・・・とは言っても、やっぱり反省しきりな椿。
そんな椿に対して、「俺なんて参考にすんなよ 適当にやってんだから」と言いつつも、「まあ俺が上がる時に気にしてんのはよ……」と、椿にアドバイスを送り始める石神(実際に何を言ったかのまでは描かれてません)。
一方で、先程の中井の態度に対してか、今の大学生は大人をなめてる、甘やかされて育ってると口にしている黒田・・・に、恐れ多くも何か声をかけたがっている世良。
世良の側には緑川もいて、言わないと練習試合の意味がないし、甘やかされるの嫌いらしいから気づいたことを言ってやれと世良に言います。
恐れ多くも、口を開いた世良は・・・
「黒田(クロ)さん…
杉江(スギ)さんとの距離が遠かったっス
1人でなんとかしようとして2トップが効果的じゃなかったっス…
だからクロさんになかなかボールも入んなかったし…」
1本目の黒田のプレーについて指摘します。
当然のごとく怒り出した黒田は(もちろん、世良もそれを怖がっていた)、お前だったよく似たようなことに・・・と反論していきますが、だから今後は気をつけます、後ろから見てそれがよく分かりましたとも言う世良。
そんな世良の言葉に冷静になった黒田は、自分も普段と違うポジションを経験したことによって、得られるものがあったな・・・ということを考えていました(この間、世良は黒田に捕まったままでしたw)。
椿と石神、黒田と世良に限らず、試合の1本目が終わり、あらゆるところで選手たちがさまざまな意見交換をしている風景がそこにはありました。
そして、達海のキャンプの目的の答えを最も理解していそうな緑川と杉江はお互いにこんなことを話していました。
「選手間が入れ替わることで得る発見てのは
間違いなく視野も広げてくれる
それはつまりプレーの幅が広がることにつながって……
ゆくゆくはチームとしての戦い方にも柔軟性が出てくるよな」(緑川)
「達海さんは急造チームのスキをガンガン突いてきた
それに対して持ち場の人間は必死に対応しなきゃいけないんだけど
本当に大事なのは… その周りの人間の対応…
この場面はフォローに行くべきか任せるべきか
仲間はどう思っているのかどうしたら上手くいくのか
仲間のことを理解してないとそういう判断はすぐにはできない」(杉江)
そして、さらに杉江は、技術のある選手が揃っているチームよりも個々の技術はそこそこでもチームとして共通意識がしっかりしてるチームのほうが強い、それは達海も似たような考えだろうと言っています。
だからこそ、変なコミュニケーションを取らせたり、ポジションをシャッフルさせたり・・・
「俺達選手間の相互理解を高めようとしてるんじゃないですかね」
と、現段階では、今回のキャンプの目的をそのように捉えているようです。
一方で達海は、選手たちのやり取りの様子を離れたところから見て、そろそろ気付いた選手も出てきてるかな・・・と考えつつも、次の仕掛けについて考えを巡らせているようでした。
「笠さん あいつらアップさせといて そろそろ出番だ」
と、笠野さんに声をかける達海。
“あいつら”とは一体誰・・・? ものすごーく気になるところですが、この続きはまた来週となります。
■ 私的雑感
練習試合の1本目は、ETUが終了間際にスギがヘディングシュートを決め、1-0とリードして終了。ETUはかろうじてプロの面目を守ることができましたね。
タッツミーが有里にシャッターチャンスと言ったのは、選手たちにはっぱをかけるためか、はたまた単に面白がっていた・・・のか?(笑
どちらにしろ、得点へと繋がった形は、ポジションは違えど、それぞれの特色を活かしたものとなっていて良かったんじゃないかと思います。
黒豹はFWとしてはさっぱり不発でしたけど、前線からの守備で中井からボールを奪い、その後ガミさんから堺さんへと繋ぎ、そこにちょうどタイミング良くバッキーが左サイドオーバーラップを仕掛け中央にハイクロス、そしてそれをスギが高さを活かしヘディングで決めETUがゴール!
すごくいい形で点が取れたんじゃないかと思います。
こんなシーンをもっと見てみたいですねー。
※
最後のプロの意地を見せ付けられ、“さすがはプロ”と思う港経大の選手たちの中で・・・
「そんなことはないぜ」
と言ってたのは・・・、な、中井・・・だと?
中井はもっと素朴系のキャラだと思っていたのになー。
なんか、嫌な感じのヤツだぞ・・・?(笑
いやぁ、まぁ、でも、実際にいいプレーしていますし、それぐらい強気であってもいいんじゃないですかね。
「むしろやれる
俺が今ETUに加入しても十分チームの中心になれる確信は得たぜ」
お~、頼もしいじゃないですか!
シーズン後半から、ETUに加入してもらいましょうよ!
中井がETUに加わったら、ある意味さらにカオスなことになりそうですが(笑)、2本目以降の彼のプレー、そして本当にETUに加入することのなっていくのか、このあたりも楽しみに見守っていきたいです。
※
このキャンプのおけるタッツミーの狙いは何なのか。
その答えに一番近いところにいそうな2人、ドリさんのスギの会話がありました。
「選手間が入れ替わることで得る発見てのは
間違いなく視野も広げてくれる
それはつまりプレーの幅が広がることにつながって……
ゆくゆくはチームとしての戦い方にも柔軟性が出てくるよな」
「達海さんは急造チームのスキをガンガン突いてきた
それに対して持ち場の人間は必死に対応しなきゃいけないんだけど
本当に大事なのは… その周りの人間の対応…
この場面はフォローに行くべきか任せるべきか
仲間はどう思っているのかどうしたら上手くいくのか
仲間のことを理解してないとそういう判断はすぐにはできない」
“チームとしての共通意識がしっかりしてるチームのほうが強い”
キャンプでは、選手間の相互理解を高めようとしているのではないか・・・と。
私も大まかそんなところなのかなぁと思いながら読んでいますが、ドリさんは「最終的にどういう狙いかはわかんねえけどよ」とも言っています。
今示されているもの、それはそれでいいと思うのですが、タッツミーの狙いには、それよりももっと深い私たちをアッと言わせる“何か”を見てみたいようにも思います。
※
先週、ドリさんがセリーに対してアドバイスを送っているというシーンが描かれていましたが、今週はガミさんとバッキーの描写がすごく良いなぁと思って読んでいました。
本当、ガミさんのマイペースっぷりには笑ってしまいますね。
「普段俺がやってる時よりいいね!」とか、「俺なんて参考にすんなよ 適当にやってんだから」とか、ガミさんのキャラだからこそできるものだと思います(実際には、適当なようで適当な部分もあるのでしょうが、しっかり考えてる部分もあるんじゃないかと思う)。
年上の選手が年下の選手に対していい意味で声をかけて、アドバイスを送って、成長させていくという構図はすごく理想的でいいなぁ。
バッキーのサイドバックは、スピードが活かせて、上がったり下がったりするスタミナもある、ああやってプレーをみるといいなーと思ってしまいますけど、パスセンスにも優れていますし、中央を縦に切り裂いていくプレーが私は好きなので、やっぱり私はセンターハーフでプレーしてほしいなと考えます。でも、オプションとしてはアリですよね。
※
あとは、箇条書きで・・・
- レギュラー番号だけど、ここまで158話、ずっと空気な存在あり続ける4番。ベンチ入りとかしたことあるのかなぁ。
- スギのヘッドが強烈すぎる!
- ナッツは全国のイガグリを敵に回したな!
- 吉田さんは一体何をしているのだろう?
- 15ページ目からのクロとセリーの描写がさりげに細かい。
※
さて、来週以降についてですが・・・
1本20分の練習試合の1本目が終わり、来週は2本目の様子が描かれていくことになるんだろうなと思います。
そこで気になるのが、タッツミーの言っていた“あいつら”の存在。
“あいつら”とは、一体誰のことなんでしょうかね?
個人的には、トップチーム入りを目指す、サテライトやユースなどの選手だったりしたら面白いかなーなんて考えてますが・・・。
まだ練習試合の1本目、ETUのチームとしては良い方に回り始めそうな感じになっていますが、このまま終わるとは到底思えず、次にタッツミーが何を仕掛けてくるのか、楽しみに見ていきたいです。
ETUの方は、次はポジションや選手がシャッフルされてしまうかもしれないですが、相互理解を深めようとしていく中で何を見せてくれるのか、こちらも楽しみに見守っていきたいですね。
そうそう、来週号のモーニングの巻頭カラーにパッカくん登場ということで、こちらの方も楽しみです。
タグ : GIANT-KILLING
コメント
コメントありがとうございます。
顔の形のおにぎり型具合も尋常じゃないですよね!(笑
クロや椿、世良、杉江そのほかETUの選手の意識が
試合前と今で
早速変化しているところがいいですね。
達海の目論見が一部が見えてきて
コミュニケーションの向上
他のプレイヤーの動きをイメージすること
などがでてきています。
達海の宿題がこれだけではないようですね。
次の仕掛け「おまえら」と呼ばれる方々に授けられているのかなあとわくわくしています。
いつもコメントありがとうございます!
チームの成長のプロセスを見ていくというのはいいですよね~。
成長のためのきっかけを少しつかみ始めたETUですが・・・
キャンプはまだ始まったばかり。
タッツミーがこのまま終わらせるはずもないだろう・・・
ということで、用意されている次なる刺客がどんな手段で
ETUの選手たちを混乱に陥れるのか。
それはさらなる成長のプロセスにつながっていくって思うと、
今後の展開が楽しみでワクワクしてきますよね。
“あいつら”の正体も気になるところです。
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