今週の『GIANT KILLING』#149
2010.02.04 22:25
今週のジャイキリは、表紙&巻頭カラーです!
せっかくの機会ですので、単行本派の方も今週はモーニングを購入してみてはいかがでしょうか?
それと、今シーズンもジャイキリシートが継続されるようです。
詳しくは、再来週2月18日発売の週刊モーニング12号に掲載されるとのことです。
いよいよイングランドのクラブから、達海獲得の正式オファーが届き・・・
今週号は、どうなっていきますでしょうか。
・・・
クラブハウスの屋上から、大の字に横になって空を見つめる達海は何を思うのか・・・。
さて、場所は、ETUのクラブハウス。
そこには、津川会長と香田、営業担当(私がずっと広報部員だと思っていた、永田兄弟と折り合いの悪かった人)、そして、笠野GMがいます。
津川会長は、営業部によって、イングランドのクラブから達海獲得への正式オファーの書面が届いたことを聞かされ、笠野さんのことを追求しています。
(営業部員は少々バツの悪そう表情を見せていますが)それに対し、特に悪びれる様子もなく、会長には前科がある(フランスからのオファーを勝手に断ったこと)ので、順序立てて後で話そうとしただけですと言う笠野さん。
津川会長は、微妙に引っかかるところがあった様子にも見えましたが、海外からのオファーも達海の名が世界に広まっている証と捉えれば喜ばしい話に聞こえなくもないとし、笠野さんにオファーの断りを入れたのかを訊ねます。
「達海と話します」
「これから達海と話して決めます」
そのように返答する笠野さん。
すると、少し表情を変えた津川会長は、達海が出たいと言ったら面倒になるだけだから、変な気をもたせず早く断れ・・・という旨のことを言います。それに対しては・・・
「面倒にはなりませんよ
達海が出たいと言ったら出すだけですから」
と、答える笠野さん。
その話を聞いた津川会長は、机をバンッと強く叩き、ふざけるのもたいがいにしろ、お前の仕事は達海をETUに引き止めておくことだろうと激昂します。
それには、「いえいえ 違いますよ」と返す笠野さんは・・・
「俺の仕事は
おかしくなってる今のETUを健全な状態に戻すことです」
と、飄々とした表情で言います。
「健全…?
お前は達海抜きでETUが成り立つとでも思っているのか…
ここまで観客動員が伸びたのは誰のお陰だ!!
私と達海の努力を…… お前は何だと思っとる!!」
「会長は達海に要求しただけだ 一緒になんか戦っていない
あなたはただ達海のプレーを見ていたいだけのテレビの前のファンと同じだ
クラブってもんは スタッフが一丸となって一歩一歩前に進んでかなくちゃならない
誰かが強引に歩みを進めたところで 必ずどこかで歪みが生じる
楽な道なんてありゃしないんです
会長はクラブの規模をでかくしたいみたいですけど……
そこにあるのは野心だけだ
あんたのやり方には… 愛がないんだ愛が」
・・・と、津川会長と笠野さんはお互いに言い合います。
・・・
話し合い(言い争い)がひと段落ついたようで、クラブハウスから外に出てきた笠野さん。笠野さんは、津川会長から一発パンチをもらってしまったようです。
そして、笠野さんは、屋上で寝そべっている達海に声をかけます。
他愛のないやり取りから始まった2人の会話でしたが・・・
「以前話した所から正式にオファーが来たぞ達海」
と、話は本題へと入っていきます。
イングランドからのオファーは、達海が怪我をしていることも知っている、なぜか(というか、リチャードの仕業でしょうが)人間性も高く評価していて、プレー面以外でもチームに中になって欲しいと、笠野さんの感覚だけでいうと、これ以上にないってくらいの好条件のオファーだとのこと。
しかし、達海は、自分が今考えることはそんなことじゃないと答えます。
「笠さん…… 俺は考えが甘かったよ
俺がいい加減にやってたせいでETUはこんなことになっちまった
皆で楽しくなんて思ってたけど… それじゃ駄目だ
俺はもっと真剣に… チームのために意識変えてさ……」
と、達海が言いかけているところで・・・
「嫌われ者でも演じてチームをまとめるか?」
話を遮る笠野さん。
笠野さんの考えは、達海とは違っていて・・・
「なあ達海 お前は十分よくやってたよ
いい加減そうに見えながらチームリーダーとしてもよくやってた」
と、達海に言葉をかけます。
先日の東京ダービーの話を引き合いに出し、仲間に厳しいことを言うのではなく、自ら気付くように考える余地を与える達海のやり方を評価する笠野さん。
「今のETUは楽しそうにプレーするお前の姿に
周りが惹かれていって出来ていったチームなんだ
お前がそれをやめちまったら
達海猛というプレーヤーまでもが大切な何かを失っちまうよ」
さらに笠野さんは、達海のいい部分、達海の本質的な魅力を語りかけ・・・
たくさんの影響を周りに与え、クラブを発展させた達海自身は何も悪くない、悪いのはそれに甘えた連中であると話します。加速度的に成長していく達海と共についていこうとせず、自分の仕事を達海の才能に背負わせてしまい、結果的に依存してしまったことがいけないのだと。
かくいう自分も深刻な事態には何もしておらず、ただの傍観者と同じだったと、自身の言動にも適切でなかったことを素直に話す笠野さん。
「今のままじゃETUはお前を食い物にしてお前も組織も駄目になる
お前まで一緒に沈むことはない
お前は俺たちの光なんだよ達海
変わらずガキみたいに夢中になってボールを蹴ってよ…
俺たちを照らしてくれ ETUは俺が守る
だからお前はこのクラブを出ろ達海……」
・・・こうして、笠野さんが達海にETUを出るようにアドバイスをしたところで、今週はここまでとなります。
■ 私的雑感
今週は、表紙&巻頭カラーでした。
表紙は、今描いている悲しき過去の未来にあるもの・・・として、あえてああいう絵を持ってきたのかなーと思いました。タッツミーの表情もいいですし、個人的には気に入っています。
カラーページの方は、かっさんと津川会長の対比の部分が印象的でしたね。こういうのも、カラーページだからこそできる表現ですよね。まぁ、単行本だとモノクロになってしまうのですが・・・。
※
「だからお前はこのクラブを出ろ達海……」
とうとうここまで話が進みましたね。
んー、感想・・・感想、今週もなかなか上手く言葉が出てきません(苦笑
今回は、かっさんがメインキャストになっていますけど、津川会長とのやり取りにしても、タッツミーとのやり取りにしても、かっさんの発言についてはいろいろなことを考えました。同意できる部分もあれば、そうでない部分もあるという・・・。
タッツミーに移籍を薦める発言をしたことについては、これは先週書いたことの延長になりますけど、タッツが移籍するにしてもしないにしても、チームの崩壊が必至となっている状況下ではベターだったのかなと思います・・・。
でも、そうなる前に、十分食い止めることは可能なはずだったんだけどなぁ・・・。
その話は今回は置いておくとして、タッツミーはタッツミーで、自分の今までのやり方に迷いを感じていて・・・、そんな姿を見ているのは切ないものがありました。そこで、かっさんがタッツミーを労い、タッツの魅力・本質に触れ、自分を見失わせないように言葉をかけた部分は良かったと思います。かっさんには、深作にも声をかけて上げてほしいですね。
ただ、「悪いのはそれに甘えた連中だ…」「共に成長していこうとせず」という言い回しをしている部分については、#145の5ページ目で松本、横山、狩野の描写を見ているだけに少々気分は複雑なものがありましたが・・・。
津川会長とのやり取りについては、強引に歩みを進めたところで必ずどこかに歪みが生じると部分は私もそう思います。津川会長がクラブを大きくしたい背景にあるのは野心だけだというのにもまぁ同感。
津川会長は、タッツミーが好きなのは分かるし全面的に悪い人ではないんだろうとも思うけど、(これは以前も書きましたが)やっぱりETUというクラブに対する愛情が感じられない。形はどうであれ、もう少しクラブへの愛情の部分があれば、もう少し違う見方もしてあげられるんですけどね・・・。結局、野心の部分が見え隠れしてしまうので、言っていることそのもの否定はしきれないけど、詭弁でしかないように私には感じられてしまう。
まぁ、かといって、愛があったとしても、それが必ずしもクラブを適切な方向に導くとは限らないのが現実だったり・・・。ちょっと書きにくいですけど、かっさん自身がそれを証明してしまているのではないかと。
それに、津川会長のビジネス主体の考え方も全面的に否定できるものでもないんですよね。ETUのような赤字を補填してくれる親会社いないようなクラブであれば、いかに営業利益を追求していくかという観点も大切だと思いますから。サッカーに詳しくない、クラブへの愛情が深くないからこそ見えるもの、できることというのもあるはず。
なので、改めて思うのは、かっさんと津川会長の間を持つ人がクラブの中にいてくれればなぁ・・・ということですね。
かっさんは、タッツに「津川会長のいい部分を活かしてくれれば」と言われているわけですし、本当ならかっさんの方から歩み寄ってバランス取るように働きかけていくべきなんだと思います。そう考えると、今週のかっさんの津川会長に対する態度は、人間感情というのもありますし気持ちとして分からないわけでもないけど、GMという立場からすれば感心できない部分です。
私は、かっさんの目指すクラブ作りのスタイルが好きなので、かっさん側に肩入れしてあげたいところなんですけど、厳しい言い方をしてしまうと、かっさんには才能を見る眼や人徳・人情はあってもGMとしてクラブをまとめるだけの力量が不足していたのかもしれません。
同じこと二度書きますけど、かっさんと津川会長の考え方のバランスを上手く取れる人物が誰かいてくれたら、展開はまったく違ったものになっていたのではないかと考えてしまいます。
※
さて、来週以降の展開についてですが・・・
チームを出るようにアドバイスをしたかっさんに対して、タッツミーはどんな反応を示していくのか・・・。
最終的などんな決断をするのかは、すでに分かっていることですが、それに至るまでのプロセス、タッツミーが何を思ったのかという心理的描写をどのように描いていこうとするのかに注目していきたいです。
あとは、タッツ移籍後の暗黒時代を支えていくことになる、コシさんやスカルズのメンバーたちの思いというのが気になってます。というか、スカルズに関しては、このままだとあまりに描写が薄すぎるので、何かしらは描かれるんじゃないかと思うのですが・・・。
まぁ、いろいろあって、頭の中が上手く整理できていないままなのですが(苦笑)、今週はここまでにします。それでは、また来週。
タグ : GIANT-KILLING
コメント
コメントありがとうございます。
そうですね。
分かっていることとはいえ、いざそれが現実のものとなると・・・
何とも言えない、悲しく切ない気分になってしますね。
かっさんについては、今週いろいろ書きましたけど、
過去は過去として、かっさんには現在のETUで頑張ってほしいです。
過去編は、タッツミーがETUを去ることになるエピソードに、
その後のタッツとETUの経過を簡単に描いて終わると思うので、
あと2~3回ぐらいで終わるのではないかと、私も考えてます。
様々な要因が重なって、ETUが今の状態になったと考えると、本当に何とも言えない気持ちですね。今の状態を招いたクラブはもちろんですが、ゴロー達が来れなくなったことと、スカルズを立ち上げることになる人物が入ったことにより、古参サポとの摩擦が起きるなどで微妙な空気になったETUサポ達も…。
本当に何となくですが、笠さんとタッツミーのやりとりを見ていて、タッツミーが後々になってETUの監督に戻ってきた理由が少し分かったような気がします。その辺も後々語られかとは思いますが…。
コメントありがとうございます。
ETUを崩壊へと導いた複数の要因のうち、
せめてどれかひとつが違った方向に進んでいたら・・・
過去編を読んでいて思ってしまいます。
やっぱり、タッツミーとしても、あの状態でETUを去ることは
相当な無念があったはずです。
その思いが、ETUと似た雰囲気を持つイーストハムの街へ引き寄せられたり、
何も言わずとも監督として東京に戻ってしまう序盤のエピソードに
つながっていくのだろうなぁと。
そのへんのタッツの心理描写も見てみたいなと思います。
ここからは、タッツミーがETUを去るという一番泣いてしまいそうな
エピソードが描かれていくと思うのですが、
これも今週号表紙のような未来につながっていくもののひとつとして、
しっかりと見守っていきたいなと思っています。
笠さんがタッツミーを守れなかったと言っていたこと、
タッツミーが監督になったときのチーム内外の反応から、
「チームを裏切って出て行った」という方向に
津川会長が仕向けて行くのではという気がしています。
いずれにせよ明るい結末ではないと思いますが、今後が気になりますね。
どうもはじめまして。
コメントありがとうございます。
ETUの中でマスコミと一番近しい関係なのは津川会長だと思うので、
津川会長が自分に有利となるような情報をリークしてしまうことは
あり得る話なのかもしれません・・・。
かっさんとの関係は、完全に拗れてしまっていますし。
とはいえ、そこまでする人じゃないと思っていたいですが・・・。
1巻(#3の冒頭)を見ると・・・
「あいつはリーダーとしてチームを引っ張っていく立場を
一度放棄したんだ」
と、羽田が発言していることから、
いかなる理由があろうとも(会長うんぬん関係なく)、
スカルズ側はタッツミーがETUを出てしまったという絶対の事実がある時点で
許せないほどに腹を立てていると思われますが。
(逆に、非難に変に言い訳せず受け入れるタッツミーは潔くカッコいいと思う)
そのあたりの経緯についてもハッキリと語られているわけではないので、
「タッツミーがETUを見捨てた、裏切られた」
と思うまでに至るサポたちの心理描写というのを、
残り少ない(であろうと思われる)過去編の中で、
描いていってくれたらなぁと思います。
今後の展開が気になるところです。
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過去編はあと2回くらいかなと予想。