今週の『GIANT KILLING』#144
2009.12.24 21:46
2週間ぶりの今週のジャイキリです。
10年前の東京ダービーは、前半成田に先制点を許すも、後半達海のゴールで同点に追いつき1-1といった状況。達海の足の具合が気になるところですが、村越がピッチに送り出され、試合の流れはETUのもの。再びETUのチャンスになろうとしている場面から今週号は始まっていきます。
・・・
東京V陣内でボールを保持するETU。
初観戦の羽田たちをこの東京ダービーに連れてきたとあるETUサポーターは、これまでゴール裏を盛り上げてきたけれど、子供が生まれる予定で気軽にスタジアムに来れなくなってしまうゴローたちのためにも、この試合なんとか勝利してほしいと心から願っていました。
ゴール正面、ペナルティアーク少し手前までボールを運んできたETU。ETUの9番・エベルトンは、右サイドから中央へダイアゴナルに走りパスを呼び込みますが、ボールを持つ松本は、エベルトンの元いたスペースへ駆け上がってきた村越にパスを送ります。
パスを受けた村越は、迷わずミドルシュートを打ちますが、ボールは枠内に行っているものの、GKにセーブされてしまいます。そのこぼれ球を東京V拾い、今度は東京Vのカウンターへ・・・。
そんな状況に、慌てて戻ろうとするETUの選手たち。
達海も自陣に戻ろうとしますが、左膝に痛みが走り、思わず膝をついてしまいます。
そうこうしている間に東京Vは、ETU陣内にボールを運び、成田にパスが入ります。
成田は、すかさずチェックに来たETUの6番・横山を冷静にかわし、そのままドリブルでETU陣内に進入してきます。
この時成田は、達海との世代交代についてなど、内情も知らず無責任なことを書き続けるマスコミ(ニュアンスとしてちょっと言いすぎな表現をしたかも)に対しての反発心を抱きながらプレーしていました。
「俺が必死にで手にしたプライドや経験は……
そんな簡単に手放せるほど… 軽いものではないんだ…」
しかし、プレーでマスコミたちを見返したいという思いが強く作用しすぎてしまったのか、ボールを長く持ちすぎてしまった成田は、ETUディフェンス2人に挟まれてボールを奪われてしまいます。
今度はETUのカウンター。
素早くパスワークでつなぎ、攻め上がっていきます。
この状況に思わず舌打ちをした東京VのGK。
しかし彼はこの時、達海が足を引きずり気味であることに気付きます。
左サイドから東京V陣内にボールを運ぶ田中は、前線に達海とエベルトンの2人がいることを確認。
ここで、東京VのGKは、先程の足を引きずる達海の状況から、エベルトンを警戒するようにコーチングしています。
そして、エベルトンもボールをくれを言わんばかりに走っていますが、田中は、右サイドフリーでパスを要求するジェスチャーをしている達海の姿を見つけ、達海の方にパスを送ります。
達海は、足が痛むのか一瞬苦痛そうな表情を浮かべ、トラップ時にも体勢が流れ気味になってしまいます。
そこに、エベルトンを警戒するあまり、達海とのマークの距離を空けてしまっていた曽根が慌ててチェックに行きますが・・・
「まーだわかってないのかい
フットボールってのはさ 騙し合いのスポーツなんだってば!!」
達海は、左足で切り返し曽根をかわすと、そのまま右足を振り抜きシュートを放ちます!
スタジアムにいる多くの人々がボールの行方も注目する中、東京VのGKに触れることなくゴールネットを突き刺し・・・、ETUが達海のこの日2得点目で逆転に成功します!
シュートを決めた達海は、その場で大の字になって寝そべります。
そこにすかさずチームメイトたちが祝福にやって来て・・・(笑
達海のゴールによって、選手もコーチングスタッフもサポーターもフロントも・・・
隅田川スタジアムは、ETUの勝利を願う人々の歓喜と熱狂に包まれていました。
・・・
ETUの逆転ゴールに沸いていたスタジアムから、時間と場面はガラリと変わりまして・・・
都内某所(?)にて、日本代表メンバー発表の記者会見が行われていました。
この記者会見に参加していた、現在のETU番記者である山井記者は、日本代表監督(外国人)に、強化試合で監督が試そうとしていること、期待している選手について訊ねます。
「今回は全体的に若い選手を試していこうと思ってます
そして期待しているという意味では
前回のリーグ戦で素晴らしい働きをしていた達海猛…
彼にその中核を担ってもらおうと考えてます」
・・・と、代表監督が答えているところで、今週はここまでとなります。
来週は、またもや合併号なので、続きはまた再来週です。
■ 私的雑感
逆転のタッツゴール来たー!
足の状態がすごく心配なのですが(というか、状況からして曽根をかわすような瞬発的な動きができるのかという疑問は正直あるんですけど)、ゴールシーンは素晴らしかったです。
やっぱり、あの無声で時間が流れていくのがいいですよね。
ある意味言葉よりも伝わってくるものがあると思いますし、想像力をかき立てられるので本当にたまらない。
無声の演出は、これまで何度もありますが、今回はシュートシーンからその後のサポやETU関係者たちが歓喜するまでの一連の流れすべてを(ここまで長く)無声を貫いたことはなかったと思います。
また・・・
「フットボールってのはさ 騙し合いのスポーツなんだってば!!」
と、曽根をかわしていくタッツミーもカッコよかったですね!
セリフで言ってること自体は、よく使われる言葉ではありますが。
タッツはあのように言ってますけど、痛みがあったというのは確かな事実のはずです。ですが、相手GKがそれを見抜いてコーチングしてマークが薄くなったと判断するや、フリーになった自分にパスを要求し、ゴールを決めてしまうタッツミー。
「会長に言われなくたってチャンスがあれば当然狙う
ヴィクトリーをぶっ倒すためにね…」
と、#137でタッツミー自身が言ってますが、ヴィクトリーに勝つためなら、本当に足が痛くても、それさえも利用し、機転の効いたの判断力でゴールへとつなげてしまう・・・、その勝負事に対する執念は素直にすごいなと思いました(見た目上は怪我と見せかけてのフェイクなので、やり方としては好まない人もいるだろうなとも思いますけどね)。
もしかしたら、本当に途中から演技だったのかもしれないんですけど、私は、田中から受けたパスをトラップしきれず身体が流れてしまっていた描写などを見ても、痛みを抱えたままプレーしていたのではないかと考えています。
ゴールを決めてその場で寝そべるタッツミーは、自分の持てる力を出し切った、タッツミーの素直な感情を表現しているのではないでしょうか(さりげに、空を飛ぶ鳥のコマが効いてると思う)。
この一連のゴールシーンの描写は、素晴らしかったと思います。
でも、ひと通り読み終わって、記事更新のためにいろんなことを考えていると、やはりこれよりの先の展開の方が気になってしまって、複雑な気分にもなってしまいました・・・。
※
あとは、箇条書きにて。
- 今週だけで二度もパスをもらえず囮に使われてしまったエベルトンのことは、忘れないであげていようと思う。
- 「わけわかんねーこと好き勝手言いやがって……」と#139でタッツミーが言ってますが、成田もまた違った意味でタッツと同じような思いをしているってことですね(それは誰にでも少なからず当てはまるだと思いますが)。今週の成田は、気持ちやプライドの強さが逆に作用してしまったといった感じでしょうか。
- 山井記者は、サッカー誌ではなくスポーツ新聞の記者だったんですね・・・と思ったけど、当時と今とじゃ状況が違うのか。当然のことですが、若いですね。
- タッツゴールのシーンで、羽田たちの様子は描かれませんでしたね。今後の彼らの動向が気になります。
- ゴローさんたちのことを思ってたETUサポ、今はどうしているんだろうか・・・。
※
さて、次回以降についてですが。
タッツミーに強く期待を込めた発言をしている代表監督のシーンでのヒキは何を示すものなのでしょうか(再び代表話になる?)。
試合後のタッツミーの様子などが描かれていないので、怪我がどうなっているのかも分からないし(代表に選んでいるということはプレーができる状態だとは思う)、かっさんや津川会長、羽田たちのことも気になります。
続きが気になるところで、また1週間空いてしまうのが読む方としては辛いところですが(休載なく連載を続けているツジトモ先生たちには、ゆっくりとして頂きたいです)、これまでの流れを整理しつつ再来週を待ちたいと思います。
タグ : GIANT-KILLING
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