今週の『GIANT KILLING』#142
2009.12.03 23:21
※今回の記事は、コメント欄も併せて読んでいただければと思います。
今週号のモーニングに、ジャイキリとソニースタイルがコラボした広告が掲載されています。
内容は、タッツミーやバッキー、王子など、ジャイキリの登場人物のイメージに合わせて、ソニー製品を紹介するというスタイルが採られています(使われているイラストが描き下ろしではないので、絵柄が明らかに違う部分があります・・・特に有里と後藤さんw)。
あぁ、なるほど。1巻#7で有里が使っていたデジタル一眼レフはソニー製だったんですね。そういえば、ETUのクラブ事務所で使っていたパソコンもVAIOだった記憶があります(ちなみに、私のPCもVAIOで、デジカメとTVもソニー製・・・と、無駄にアピールしておく)。
こういったものは単行本では見れないものなので、普段は単行本派の方でも、興味のある方は、今週号のモーニングをチェックしてみてはいかがでしょうか。
・・・
それと、先週、13巻の発売日が来年の1月23日と書きましたが、正しくは1月22日でした。訂正してお詫び申し上げます。
今週もETUの過去編、10年前の東京ダービーが描かれていきます。
後半に入り、ようやくチームとして機能したいい攻撃ができるようになってきたETU。まずは、同点に追いつくことができるのでしょうか。
・・・
右サイド東京V陣内深くまでボールを運ぶ、ETUの9番。
ETU9番は、突破を試みるも、東京Vの意地がそれを許さず、達海の指示もあり一旦ボールを後方に戻します。
そのボールは、ハーフウェイラインを少しすぎた右サイドよりのところに位置取っていた達海のところまで戻ってきます。そこから達海は、左サイドフリーでいる8番・田中に大きくサイドチェンジ。
パスを受けた田中は、ゴール前にクロスを入れますが、ゴール前走り込んでいた10番・松本はあと一歩及ばず合わせることができません。ですが、ゴールこそ奪えていないものの、試合の流れは完全にETUのものになっています。
達海が引き気味でプレーすることで、動きが良くなり始めたETU。
そんな達海の様子を見て成田は・・・
「エースとしてのエゴを捨て
チームのためにプレーすることを選んだか…
……いや
それがお前の考えるエースとしての在り方なのか… ……達海」
と、自身との価値観の違いを考えるようになっていました。
一方でその達海は、後半に入りチームメイトたちがいきいきとプレーし始めたことによって、試合をすごく楽しんでいるように見えます。
まるで鳥にでもなったかのようにピッチ全体を見渡せ、敵味方両方の動きがすんなりイメージできるという、自分自身の好調さもしみじみと実感していました。
・・・しかし
突然、達海の左膝に痛みが走ります。
動きを止め、戦慄の表情で左膝を見つめる達海・・・。
・・・
その頃、スタンドから試合を見つめる津川会長は、後半に入りETUが相手より多くのチャンスを作れるようになったと考える香田の問いかけに対して、(後半のETUがいいことは否定しないけど)達海の“個の力”が目立っていないことに強い苛立ちを感じていました。このままでは、存在感で成田に劣ってしまうと・・・。
そんな、苛立っている津川会長に対して、達海は自分が主役じゃなくてもいいという考えの持ち主であること、そして、達海のプレーの素晴らしさの本質(地味だけど、周囲を活かすために地道なプレーも繰り返している献身性)について解説し始める笠野さん。
「会長は目立ってこそのエースだとお考えかもしれませんが……
俺からしたら現時点で達海のほうが
日本には欠かせない選手になっていると思いますがね…」
そんな笠野さんの言葉に・・・
「私だってそう思っとる!
だからこそ我々がその魅力を伝えていかねばならんのだ!」
と言い返す津川会長に、笠野さんも苦笑い。
ですが、ピッチの達海には・・・
「それでいいぜ達海…
お前は自分らしくプレーしてくりゃよ…」
心の中で、達海にそうつぶやく笠野さん。
けど、その達海は・・・。
・・・
そんな間に、ETUが東京Vのボールを奪いカウンター。
センターサークル付近から、一気に前線の9番にパスが通ります。
パスを受けた9番は、相手DFと1対1、ゴールから少し距離がある場面ではありましたが、躊躇なく右足を振り抜きシュートを狙います。・・・しかし、ボールはゴールポストを叩きます。
その跳ね返ったボールを、東京Vの4番がクリアしようとしますが、そうはさせじと松本が詰め、クリアボールを足に当てます。
そのこぼれ球を、17番・狩野がミドルシュート・・・も、東京VDFのブロックにあいます。そして、ゴール前は混戦模様となり、なかなかシュートに持ち込めないETU。
「お願い…!
誰か… 誰か打って――!!」
この状況に思わず叫んでしまう有里。
再び、ペナルティエリアやや外の正面の位置。
ボールがこぼれたところに現れたのは達海!
達海の蹴り込んだボールは、ゴールを突き刺したところで・・・
今週はここまでとなります。
■ 私的雑感
き、決まった・・・!
けど、それよりも、タッツミーの膝の状態心配です・・・。
タッツミーが怪我が原因で現役を引退するという事実を知っているだけに、とうとうこの瞬間がきてしまったのかという・・・、嫌な意味での鳥肌が立ってしまいました。あぁ、私の中では、この東京ダービー中にこの話はこないと思ってんだけどな・・・。
最初の違和感の段階ならまだしも、その後のシュートはかなり無理をしたと思われ、そのことが事態をより悪化させることになってしまったかも・・・と、今の段階では思ってしまいます。来週号の冒頭では、倒れて動けなくなっている姿すら、頭に浮かんでしまいました・・・(実際どうなるか分からないですけどね)。
予想だにしないところでネガティブなことが起こるというのも大きなショックを受けますが、こういう、“いつか訪れる”と分かっている中でその瞬間が来るというのも、また、違った意味での辛さがありますね。
特に、タッツミーが左膝に違和感を覚える前、「まるで鳥にでもなった気分だよこりゃ…」って、ゆったりと周囲を見回して自分の調子の良さを肌で感じていたわけじゃないですか。あの鳥がいてピッチを俯瞰しているシーンが、私はすごく好きだったのになぁ・・・。その場面を見ているから、泣きそうな気分になる。
“好事魔多し”という言葉ありますが、自身の好調さを肌で感じている最中での悲劇というのは、『Jドリーム』の本橋さんの話が思い起こされます。あの話も泣けますね・・・。
さすがに、今回ばかりは、シリアスな展開になってしまいますよね。
セリーやナッツの時みたいに、笑い事にしちゃいけないけど、大事なことにならなくて良かったね・・・ということならいいんですけどね。でも、今の私には、正直どうやってもその絵が描けません。
「お願い…! 誰か… 誰か打って――!!」
・・・という、有里のシーンも単体で見るとすごくいいんですけど、その先の展開と考えると、これもつらいものがあるなぁ・・・。
※
今週の津川会長を見て、この人はまたこんなこと言って・・・と思っていましたが(苦笑)、かっさんがいいことを言ってくれていましたね。そして、その後の津川会長の反応が何気に良かったです。なんだかんだ言っても、いい人・・・なの・・・かもしれない。そう思いたい。
この当時のタッツミーは、多少の身内びいきがあってタッツのスタイルをよく知る笠野さんがタッツミーを上と見ているのは当然として、実際のジャイキリワールドのサッカーファンの中ではどんな評価がされているのかが気になります。
・・・
ここからは、チラシの裏。
これまでの私のイメージだとタッツミーは、モッチーのようなプレースタイルに、王子のような自由奔放さ、ムラッ気を併せ持った選手といったものでした。ポテンシャルはかなり高いものがあるけど、ムラッ気からその力をコンスタントに発揮できず、一瞬強い輝きを放ったけど、結局は代表に定着し切れなかった・・・という感じのもの。
けど、実際に10年前のタッツミーを見ていると、大人としての振る舞いに難はあるものの、ピッチの中でムラッ気は見られないし、むしろ成熟した知性を持ち合わせています。
実際にはムラッ気もあったのかもしれないし、苦労した部分も多かったと思うんですけど(単に描かれていないだけで)、タッツミーの完全無欠“すぎる”ように見えてしまう描写と、実際の自分の中にあったイメージとのギャップを消化しきれず、違和感を覚えているのかなと考えています・・・。
まぁ、そういうのも、今週号の描写で一気に吹っ飛んでしまいましたけどね・・・。
それと、成田の考えるエース論についても思うところがあるのですが、それは他に機会があれば・・・。
※
先週のジャイキリについては、あれこれご意見をいただきました。ありがとうございます。
ちょっと時間的な都合で返信はできないですが(ひとつひとつ返していくと時間がかかてしまいそうなので)、いろいろ参考になる意見もあったり、嬉しいコメントもしていただりなど、本当に感謝という言葉では言い表せないほど感謝しています。
私は、私なりに感じたものを言葉で表現していくことしかできないですが(自分の語彙力がアレすぎて表現しきれないこと多々ですが・・・orz)、今後も何かございましたらよろしくお願い致します。
今の過去編については、いろいろ思うところがありますけど、ひとまずツジトモ先生がこのシリーズを描き切ってから、また考えてみたいと思います。全体を見ないと、見えてこないものも多いですもんね。
※
さて、来週以降についてですが・・・。
とにかくタッツーのことが心配です。
正直、今はそれしか頭にないです。
もし、タッツがこの試合これ以上出られないとするなら、他の選手たちがどんな戦いぶりを見せてくれるのか。せめて、この試合は意地を見せてほしいと願いますが、チームの求心力となっているタッツミーを失い、一気に後半の流れが崩れ去る可能性も十分ありそう。
早く続きを知りたい気持ちもありますが、ある意味では見たくないな気持ちもあったりして、複雑な気分のままこの1週間を過ごすことになりそうです。
タグ : GIANT-KILLING
コメント
コメントありがとうございます。
あぁ、そうですね。
どこかをかばって別な箇所を・・・というのはよく聞く話ですが、
なんだかんだで右足首は慢性的に悪かったのでしょうね・・・。
「この試合で 羽田くんがサッカーの魅力にハマってETUサポに」という
エピソードがうまくまとまらないと思うんですが…。
#137で羽田くんとその仲間が初めてのサッカー観戦ということで出てきた段階で、
ということは、この試合は観客から見たら普通に良い試合で、何か悪いことが起こるとしたら
観客からは見てても分からないレベルで起きるんだろうな、と思ってました。
ジャイキリの先の展開ってあんまり予想できないので
(補強話になるのかと思ったらいきなり10年前に飛ぶとか…)
いつも次回の予想とかはほとんどせずに次号を待つだけなんですが、
なんとなく
来週は「羽田くん視点のこのゴール前の攻防~達海のシュートまで」
から始まるんじゃないかなーと思いました。
コメントありがとうございます。
>「この試合で 羽田くんがサッカーの魅力にハマってETUサポに」という
>エピソードがうまくまとまらない
あー、まったくおっしゃる通りですね。
自分でも、前にさんざんそのへんの話をしておきながら、
そのことは完全に頭の中から消し去られていました。
・・・落ち着け自分(苦笑
いつかこういう時が来るという絶対の事実と、
本文にも書いた、『Jドリーム』の描写のイメージが重なって、
負の感情に支配されてしまったのかもしれません(苦笑
タッツミーがいなくても、王者相手に劇的な逆転勝利をおさめることが
できたなら、羽田たちがサポになるきっかけとしては十分だとは思うのですが、
現在の彼らのタッツミーに対する感情的な態度を見ると、
やはり、タッツミーのプレーに魅入られるのだと考えます。
ですが、タッツミーが左膝に違和感を覚えた時の表情具合からすると、
あの時点で結構まずい状態になっていると自覚したように思えるんですよね。
(「あれ? 何かが変だな」っていうちょっとしたものという反応ではないと思う)
まぁ、どちらにしても、全力でプレーできる状態とは思えず、
これが悲劇の始まりであることには変わりないのだろうなと思います・・・。
ラストのタッツミーのゴールシーンは、妙にあっさりと決まった感があるので、
次号でその経過をじっくり描くというのはありそうですね。
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