『LOST MAN 6』 / 草場道輝
2009.12.02 20:31
※ネタバレとなりうる要素も含んでいますのでご注意ください
「僕もマツモトも結果を求める思いは同じ!!!」
今回は、中澤佑二選手が帯に登場している、『LOST MAN』第6集の感想です。
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物語の舞台は、フットボールの本場イングランドへ!
マツモトたちの次なるターゲットとなるクラブは、世界的ビッグクラブであるプレミア“ム”リーグのマンUことマンチェスター・“ユニオン”(他の巻にはないのに、この巻には「※この物語はフィクションです(以下略」の表記があって吹いてしまいました)。
今回の第6集では、そのマンUへの加入を目指す話が描かれていきます。 物語が本格的な動きを見せるという巻ではないのですが、今後の布石となる描写がちらほら見られ、毎週の連載(この記事を書いてる時点で、7巻の終盤に収録されるあたり)を追いかけている私からすると、いいタイミングで振り返ることができるものになっていました。
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私の『LOST MAN』評は、“『ファンタジスタ』と比べるとサッカー分は少ないけど、草場先生の描くサッカー描写もコメディ描写もどっちも好きだー!”というものですが、今回もそれにたがわぬ面白さでした。
まず、今回はヒロインっぽさを見せる場面もありますが、コメディ要員としていつも私を笑わせてくれる詩乃さんが最高です。
カーリー(ブラジル編にも登場していた某華道家っぽい人)とのやり取りも好きなのですが、やっぱり、連載雑感の時にも書きましたけど、神父&シスターと出会うきっかけになるあのトラブルの件が単行本で読み直してもツボでしたね~。
草場先生の描くこのへんのノリが好きな人は、今回も期待していいと思います。
詩乃には、笑いの神が宿ってますね(笑
そんな詩乃が私は好きです。
そして、試合の描写がメインの作品性ではありませんが、やっぱり草場先生は面白いサッカー描写を描いてくれます!
マンUに加入するため、トライアウトを受けたマツモトは、一次選考を通過し最終テストに臨みます。 今回のマツモトのポジションはボランチ。しかし、そのポジションには、マンUの不動の司令塔アルバート・シンプソンという選手がいます。
このトライアウトでのマンUの本命は、右ウイングのマリオ・ミッコリ(マリモッコリ)。
100mを9秒台で走るという(!)ミッコリの裏のスペースに抜ける才能は、現在のマンUにはいないタイプで獲得を狙っているとのこと。
すでに“デキレース”の様相を呈した最終テストで、マツモトは仮想マンUとして構成されたチームのボランチ(=仮想シンプソン)として紅白戦に臨みます。
この“デキレース”という事実を知った詩乃は、試合のハーフタイムにテストを受けるのをやめるようにマツモトに言いますが・・・
「最後の最後まで何が起こるかわからんのがフットボールちゃうんか!!」
と、詩乃の助言を拒否し、試合の後半へ臨むマツモト。
もちろん、マツモトもそのまま終わるわけがなく・・・
シンプソンのコピーとしてマンUのサッカーにフィットすることを証明した上で、マンUが必要としているミッコリとの相性の良さ(その段階では、シンプソンには見せられないもの)をアピールしていきます。
このシンプソンとは違う部分をアピールするマツモトのプレー。
狭いスペースに絶妙なタイミングでパス出しをするマツモトのプレーには、『ファンタジスタ』のような匂いを感じ取ることができたかなと思います。
『LOST MAN』依然として、試合描写がメインとなる作品性でないのは確かなのですが、イングランド編は、イングランドサッカーの文化や雰囲気にも触れられた描写もありますし、これまでのシリーズの中では一番サッカー描写が面白くなっていると、私は感じています!
ヨーロッパのサッカーが好きな方(特にプレミアやマンU好きな方)、初期の頃の『LOST MAN』を読んで合わないなと思った方なんかは、今一度作品に注目してみてもいいと思います(それでも、合わない人には合わないのでしょうが・・・)。
あと、巻末のおまけまんがが面白かったです。
草場先生のそっち路線のサッカーマンガも読んでみたいなー。
読み切りでもいいので、いつか実現させていただきたいものです(笑
※
さて、続く7巻では、引き続きイングランド編が描かれていきます。
マツモトは、無事マンUに加入することができるのでしょうか。 そして、『LOST MAN』という作品の核心部分に、少しずつ迫っていく展開に注目です。
■ 掲載
第48話~第57話
週刊ビッグコミックスピリッツ2009年26号~36・37合併号
トライアルの合否を告げる電話が鳴るところまで収録
タグ : LOST-MAN
コメント
コメントありがとうございます。
草場先生というと、どうしてもミカン顔が頭に浮かびますよね(笑
私は、5巻が出る頃、スピリッツで本田圭佑選手との対談企画で
初めてお顔を拝見しましたが、まったく同じことを思ってました。
サカダイの方は、まだチェックしていないので、
明日本屋に行く時見てきます。
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ミカン顔しか知らないから「ああ、こんな顔なんだ」と思いました