今週の『GIANT KILLING』#137
2009.10.29 22:39
今週号は、表紙&巻頭カラーです!
後日、モーニングの公式サイトで壁紙化されるかもしれないですが、巻頭カラーは、いつも見られるというわけではありませんし、普段は単行本派の方も、せっかくなので購入してみてはいかがでしょうか?
最新単行本12巻は、現在発売中です!
単行本の感想は、こちらになります。
そして、ジャイキリシート12月開催分の募集要項が掲載されています。
柏vs川崎、神戸vs磐田の2試合のみの募集となりますが、興味のある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
(参考リンク:「GIANT KILLINGシート」でサッカーを体験しよう! 12月開催分の募集開始です。)
リアルJリーグも残り4試合。
リーグ上位は、いつながらの混戦模様ですが、残留争いは、すでに大分の降格が決まり、柏、千葉も残り4試合で勝ち点差9以上で非常に厳しい状況となっています。
昨年驚異的な残留力を見せた、綱本先生の応援する千葉は、もはやここまでなのか・・・。柏も、ジャイキリと関わりが深いクラブですが・・・。
自分の応援してるクラブが優勝争いに絡めそうにないのは残念ですが、ひとりのサッカー好きとして、毎年混戦模様を見せるJリーグの優勝争いがどうなっていくのか、非常に興味深いところです。
それと、ジャイキリ連載後にある、“蹴球魂+1”という月1の連載。
今回は、解説者の金田さんが取り上げられていました。
やっぱり良いプレーをできるだけ探して伝えようよ、っていうのはすごく……今ちょっとそれは薄れてるかもしれないですけど(笑)。
という金田さんの言葉に、私の方が笑ってしまいました。
金田さんの解説は、感情的にもなるけれど、良くない部分は良くないと指摘しますし、地上波の解説としては、すごくバランスのいい方だと私は思ってます。あー、どこかの飲み屋のおやじ状態になっている某解説者も、せめて解説をきちんとしてくれていればなぁ・・・
ジャイキリは好きだけど、サッカー(中継)を見てもよく分からないという方は、よろしければ目を通してみてください。
話の輪郭が少しずつ見え始めてきたETUの過去編。
今週も続いてきます。
・・・
夜の練習グラウンドにひとりいる達海に、声を掛けた笠野さん。
照明設備がなく、一面しかない練習場という環境の中(自前の練習グラウンドを持つだけでも・・・という見方もありますが)、戦う選手たちへの感謝の気持ちを達海に伝える笠野さん。
それと当時に、津川会長が、フランスから来たオファーを独断で蹴ったにもかかわらず、勝手な美談をメディアにでっちあげたことを達海に詫びます。
さらに笠野さんは、津川会長対策として、選手獲得のオファーは、すべて強化部に第一報が届くように手を打ったことを達海に伝え、諦めず次のチャンスを目指すように言葉を掛けます(達海が海外志向が強いことを前提とした言葉)。
しかし、達海の反応は・・・
「俺がいつこのクラブを出たいって言ったよ 笠さん」
というものでした。
達海は、笠野さんの“垣根を取っ払ったクラブ作り”、みんなの意見を募り、そのいい部分を活かしてクラブを発展させていこうとするやり方に共感を示し、また、一緒に戦うチームメイトやサポーターといった仲間たちもいい連中で、ETUのことを気に入っているということを笠野さんに伝えます。
「だから笠さんが会長のいい部分を活かしてくれりゃ
俺はそれでいいよ」
メチャクチャなスケジュールで取材などを入れてくる津川会長に対しては、頭に来ることもあるようですが、それもクラブのためであり、それはそれで割り切っているという達海。
それでも、笠野さんは、プレーに集中できる環境を整えることを達海に約束しようとしますが・・・
「いいよいいよ 笠さんに任す
俺は笠さんが拾ってくんなきゃプロになれなかったかもしんないんだしさ……
俺の方こそ感謝してるよ」
と、笑顔で返す達海。
笠野さんの方も、達海がそう返す以上、何も言いようがないといった様子の表情を見せ、夜のグラウンドの場面は終わります。
・・・
場面は変わり、隅田川スタジアム。
ETUvs東京ヴィクトリーの東京ダービーのために、スタジアムは多くの観客で埋まっています。
「よぉ――し!! 因縁の東京ダービー!
絶対負けらんねえぞ!」
ゴール裏で、リーダーシップを取ろうとする吾郎。
しかし、黒い帽子をかぶったひとりのサポーターが、そこに割り込み、話し掛けてきます。
黒帽子のサポーターは、吾郎とシゲの子供がもうすぐ生まれることを心配する言葉をかけ、そうなったら、この面子で応援できなくなってしまうな・・・ということを言います。吾郎は、「時間作ってちゃんと来る! 子供連れて応援するって!」と全力で否定していますが・・・。
そして、黒帽子サポは、「とにかくこの大一番は思いっきり盛り上げようぜ!」と言い、さらに彼は、人を集めてきたと言います。数人居た若者たちの中には、初めてスタジアムに来たと言う、のちのユナイテッド・スカルズのリーダーとなる羽田の姿がありました。
・・・
スタジアムに選手たちが入場し始める中・・・
「ゴール狙えなんてね…… 人に言われてやるもんじゃねえ
会長に言われなくたってチャンスがあれば当然狙う
ヴィクトリーぶっ倒すためにね…」
夜のグラウンドのシーンを思いながら、いつもは飄々としているのに、勝負事になると目の色が変わる・・・達海の選手としての本能を感じながら、その様子を見つめる笠野さん。
最後は、少し気の抜けた(ように見えてしまうw)チームメイトに対して、気持ちが入った表情を見せる達海のシーン。
いよいよ東京ダービーがキックオフされようか・・・と言ったところで、今週はここまでとなります。
■ 私的雑感
今週号は久々の表紙&巻頭カラーでした!
表紙は、セピア調の中に、ユニフォームを着たカラーのタッツミーが映えて、素晴らしい出来になっていると思います。タッツミーのカラーでのユニフォーム姿というのは、今後そう見られるものではないと思いますし、貴重なものとなりそうですね。
それと、ゲキサカのサポーターズクラブ広告がカラーページにありましたね。いつの間にか、会員数が15000人まで到達していたとは・・・。すごいなぁ。
ゲキサカは、いろんな企画で、いつも楽しませてもらっています。
ひとつ不満があるとするなら、ETUのサポクラなので、内容がETU限定なのは仕方ないことだと思えるのですが、チームデータのフロントやチームスタッフのプロフィールを、もう少し充実させてほしいかなぁなんて思っていたりします(有里のこととか、もっと知りたい人も多いと思うんだ!)。
ツジトモ先生のインタビューが、冬に公開予定とのことで、ツジトモ先生がどんなことを語ってくれるのか楽しみにしています。
※
さて、今週号の本編の感想です。
もう少し、波乱含みの展開になるかと思いましたが、そういう感じではなかったですね。
タッツミーは、津川会長に不満を持っていることは確かだけど、それ以上に、今のフットボールを楽しめる環境が気に入っていて、かっさんへの感謝の気持ちの方が強いんだなと読んでいて感じました。
かっさんとしては、タッツは選手としてかなりポテンシャルを秘めていますし、もっと上を目指させてあげたい、もっと自由にフットボールを楽しめる環境を作ってあげたいって考えているんだと思います。
だから、不満がありながらも津川会長を受け入れ、自分を気遣うところを見せるタッツに複雑な思いがあるものがある(最初からそういうことを意識させたくなかった)・・・13ページ目の表情からはかっさんのそんな心情を感じ取りました。
津川会長に関しては、かっさんの立場から見れば、周囲を気遣わず独断で勝手に物事を推し進めていく津川会長のやり方に、批判的になるのは当然のことだと思います。私自身も、津川会長のようなやり方は、あまり好きではありません。
ですが、津川会長なりの立場・考えというのもあると思うので、そのあたりの多面性をどう描いていくのか。そういったところがジャイキリという作品の見せどころのひとつだと思っているので、もう少し経過を見ていきたいです。津川会長は、サッカーに詳しくないとは言ってるけど、好きではないとは言ってないので・・・その部分が明確になるまでは、津川会長を心のどこかで信じていようと思います。
※
今週、もうひとつ興味深かったのは、ETUのサポーターたちの描写。
羽田(と、スカルズの中核メンバーたち?)が、初めてスタジアム観戦するというシーンが描かれていました。
もうすぐ奥さんの出産で、スタジアムを(この時のゴローさんの気持ち的には一時的に)離れようとしているゴロー&シゲさんと、初めてスタジアム観戦し、これがETUサポへの道の第一歩になるであろう羽田たち。
若葉と古い葉が重なり合ったわずかな時間・・・
『Jドリーム』にもあった、ユズリハの話が頭に浮かびました。
こうして、ゴローさんたちとスカルズは、一瞬だけ重なって、すれ違っていくんですね・・・。それなら、羽田はゴローさんたちを知っていて、ゴローさんは羽田を知らない(覚えてない)という展開も合点がいきます。・・・けど、この話も、どこか切ないものがありますね・・・。
羽田たちは、この試合でタッツミーに魅せられて、ETUサポになっていくんでしょう。彼らがフットボール、ETUに魅入られるようになっていく瞬間というのも、作品としての大きな見せどころだと思うので、このあたりの描写にも期待したいです。
※
さて、来週以降についてですが・・・
このまま、過去の東京ダービーの描写へと進みそうですね!
タッツミーが大物相手に、どんなプレーを私たちに見せてくれるのでしょうか。
きっと、タッツミーは、何かをやってくれるはずなので楽しみです。
それほど長く描くことはないと考えていますが、タッツミーの他にも、コシさんや後藤さん、選手入場シーンでタッツの後ろにいる15番の黒人選手あたりがこっそり活躍を見せてくれることにも期待したいです(笑
タグ : GIANT-KILLING
コメント
コメントありがとうございます。
かっさんと津川会長の関係は、永田兄弟と不破の対立関係と同じように、ただ理想とする方向性が違っているだけ・・・だと、私も思うんですよ。どれがETUにとって合っているのか、正しいのかは別問題として、人によって理想とする方向性に違いが出てくること自体は、ごく自然なことだと思います。
ただ、お互いに考えが違っても、相手を尊重し協調していこうとする意思があればいいのですが、この両者の場合は、理想とする形があまりに真逆ですし、津川会長もワンマン体質な方なので、その溝が埋まることはなかったのでしょうね・・・。ここから先、すでにひび割れた状態から、完全に砕け散っていく過程を見ていくことになるのかと思うと、ちょっと気が重くなりますが、これもETUのひとつの歴史として、見守っていきたいと思います。
過去話については、私も初期の段階から構想にあったものではないかと思ってます。私自身もずっと気になっていた部分ですし、『GIANT KILLING』という作品にとっても、すごく重要なエピソードになると思っているので、ここをどのように描いていくか注目しています。
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笠野さん、津川会長、きっと方向性が違うんですよね
笠野さんは地元に密着した今の環境を大事にし、
選手には自由にのびのびやって欲しい、
でも、津川会長からすれば「現状維持は悪」
どうやって集客を増やすか、クラブを大きくするか、
彼なりに必死なのでしょう(ここは想像ですが)
それぞれが良かれと思ってやっていること、
別にどちらが悪いというワケではなく、
お互いが尊重しあい、結束してやっていけるのが理想ですが、
どうも深い溝があるようなのが気になりますね
余談ですが
マンガも人気商売ですから、
単純で分かりやすいストーリーの方が好まれるハズ
そういう意味では、ここ最近のジャイキリは
話の真相がなかなか見えなくて、どうにももどかしい。。。笑
カッコイイ選手が出て、試合がバンバンあって、
主役チームがガンガン勝ちまくる方が、
手軽に人気が取れるマンガになるんでしょうけど、
それだけじゃ突っ込んだ話は書けませんし。。。
今、ツジモト&鋼本氏が書かれていることって、
きっと本当は書きたかったことだけど、
読み手にすぐには伝わりにくく、連載当初に書ける話ではなかったので、
ずっと暖めてきて、人気が出て落ち着いてきた今だからこそ、
書ける話なのでしょうね
手っ取り早く人気を取るか、書きたい話を書くか、
漫画家にとっても悩みどころだと思います
方向性の違いでいえば、ゴローさんと羽田も
ちょっとのボタンの掛け違いなんでしょうけど、
考えされられますよね