今週の『GIANT KILLING』#134
2009.10.08 22:11
今週は、時間の都合で短めにまとめます。
代表戦も見ないで更新しますよー(笑
(気が散るので、流し見もしません)
最新単行本12巻は、10月23日発売です。
毎度お馴染みの初版限定ステッカーは、「ETUサポーターズフラッグ!」だそうです。
なんだかんだで、12巻の発売まであと2週間ほど。
どんなデザインのステッカーになるのか楽しみですね。
それと、先週書き忘れていましたが、ジャイキリシートの11月開催分の締め切りが、明日10月9日までとなっています。応募するつもりで、まだの方はお忘れなく。
(参考リンク:「GIANT KILLINGシート」でサッカーを観よう! 11月開催分の募集開始です。)
旅人・笠野さんとの再会を果たした達海。
今週号は、先週号のふたりのやり取りをひとまず置いておきまして、達海が選手としてETUのユニフォームを着ていた頃の話が描かれていきます。
場面は、隅田川スタジアム。
試合は、10年以上前のとある日に行われた、ETUvs湘南。スコアは1-1。
ETUの選手がファールを受け倒され、ペナルティエリア外左45度付近でフリーキックを得るETU。
ゴール裏のETUサポーターも、絶好の位置からのフリーキックに色めき立ちます。
・・・が、老若男女入り混じる過ぎてるETUのゴール裏のサポーターたちの応援はバラバラ。
そこで、若かりし頃の吾郎は、「ゲット ゴール E・T・U」と、なんとかみんなの声を合わせようと試みるのですが、他のメンバーから「この外国かぶれめ!」とケチをつけられてしまいます。
それどころか・・・
「EーTーU あそーれ EーTーU」
と、勝手に応援を仕切られてしまい、さらには、周囲もそれに同調し始めてしまいます。
これには、吾郎もシゲも苦笑いといったところですが・・・
「あいつは こんな声援でも力に変えてきてくれるからな」
と、フリーキックのチャンスに期待を寄せる吾郎。
そのボールをセットするのは、当然、背番号7・達海猛です!
湘南のGKは、達海が直接ゴールを狙ってくることを強く警戒し、壁に入っている3人の湘南の選手に指示を送っています。しかし・・・
「ねーねーねーねー あのさー
カベ低くない? いいの? それで」
と、壁に入った湘南の選手に向かって声を掛ける達海。
「先週の俺のシュート見てないか
こんぐらいの位置からギューンて巻くの蹴ったんだけど
あん時はちょっと(カーブが)かかり過ぎてポスト叩いちゃったんだけどさ
曲がり具合と落ちっぷりは半端なかったね
俺コツつかんじゃったからさー そんぐらいの高さだったらいける気するんだよね」
と、揺さぶりをかける言葉で相手を惑わせようとする達海。
それに対し、湘南のGKは、「あいつの言うことなんて聞くな!!」と檄を飛ばしますが、完全に達海の雰囲気に呑まれてしまっている様子の3人。
フリーキックの笛が吹かれる前、周囲の緊張感が高まっていく中・・・
「とっとと決めちまえよ達海 お客さん待ってんぞ」
スタンドから試合を見つめていたのは、GMだった頃の笠野でした。
ピイッ
レフェリーの笛が吹かれ、助走を始める達海。
壁の3人は、達海の言葉に惑わされ、思いっきりジャンプしますが・・・
達海は、地を這うような速いボールを蹴り、相手GKが一歩も動けないまま、ボールはゴールの中へ!
後半ロスタイム直前での、“ETUの星”達海のゴールに、スタジアムは歓喜の渦に包まれます。こうして、試合は2-1でETUが勝利を納めることとなりました。
・・・
場面は変わり、10年以上前のETUクラブ事務所のとある一室。
そこには、取材のため達海のことを待つ記者がいるのですが、肝心の達海はまだその場にやって来ません。
姿を現さない達海に苛立つ、当時は広報だった永田兄(←当時は、会長ではないのでこのように表記)は、待ちぼうけを喰らっている記者に頭を下げています。
一方で、その記者は、達海のルーズさには慣れているようで特に気に留める様子もなく、この当時の成長著しい達海について話し始めます。
「エースとしてチームを牽引しながらも
日本代表でもいよいよ欠かせない存在になってきてますからねー
記者の間では 次のW杯は達海を軸に据えたチームで挑むべきだって話も出てますよ」
と、当時の達海は、相当高い評価を受けている存在のようです。
それに対し、永田兄は半分嬉しそうにしながらも、「試合の時以外は本当にだらしない奴で…」なんて言ったりしていましたが・・・
「そうですか? 聞きましたよ
昨シーズン海外クラブからのオファーがあったにも拘らず……
ETUのこと考えて…… 自ら断ったって話
いやー美談ですよね――
チームを愛するが故のエースの決断
内面的にも十分魅力的な選手ですよ 達海選手は……」
という記者の言葉を聞くと、表情は一変。
その話を誰から聞いたのかと、記者に問う永田兄。
「会長ですよ 津川会長が言ってました
非公式なオファーだったから記事にしないでくれと念を押されてしまいましたけどね」
と、答える記者。
情報を漏らした相手が分かり、永田兄は何を思うか・・・。
ここで、取材をほったらかしにして医務室で寝ていたという達海を、永田弟が連れてきます。
達海の態度に怒りを露にする永田弟に対し、達海はあんまり暴れるとズレるだのズレないだのの話をしていますが・・・
永田兄は、達海のことが津川会長の口から記者たちに伝わり、広まっていることに強い懸念を抱き始めます・・・。
・・・
「あ 会長さんだー こんにちはー」
ETUのスクール生たちから挨拶され、人の良さそうな笑みを浮かべる口髭を生やした津川会長と思しき人物が姿を見せたところで、今週はここまでとなります。
■ 私的雑感
物語は、タッツミーがETUで選手としてプレーしていた時代の過去話へ・・・。
前半部分は、当時のサポーターの様子や、“サッカーはだまし合い”と言わんばかりのプレーを魅せる現役時代のタッツミーを描いた話。後半部分は、ETU崩壊への序章を匂わせる描写(過去編の核心部分)が描かれていました。
前半部分は、面白かったですね。
タッツミーの心理戦の仕掛け方が笑えます。
意識を上の方へと向けさせといて、壁の下をぶち抜くタッツのフリーキックはカッコよかった!
想像することしかできないけど、スゲーシュートだったと思います。後半ロスタイム直前での勝ち越しゴールというのも熱い!
それと、何よりタッツがすごくフットボールを楽しんでいるのを感じられるところがすごくいい。
この頃は、まだ万全の状態でプレーできていたのかなぁ・・・。
ただ、タッツのゴールは素晴らしかったですが、湘南のGKは、タッツの直接FKをあれだけ警戒していたにもかかわらず、壁3枚というのは少ないような・・・(4枚でも5枚でも、みんなタッツの罠に引っかかってしまったのでしょうがw)。
それと、ETUゴール裏のカオスぶりにも笑ってしまいました。
「あそーれ」って・・・
あるものが頭の中でリピートされまくって困る(苦笑
ETUの応援は、実際にあったら他クラブのサポからネタにされそうですが、これはこれでETUらしくていいんじゃないかと思います。
・・・確かに、この時代の雰囲気を見ていると、この時代の情景を忘れられない人たちの気持ちが分かるような気がしますね。
※
さぁ、そして、後半部分は、緊迫感のある展開になってきました・・・。
永田会長の前任者と思われる、津川会長という人物。
一見、人が良さそうに見えますけど・・・まぁ、トラブルとなる根源は、“悪意”からくるものだけとは限りませんしね・・・。
ポイントは、津川会長のどこに問題があったのだろうかということ。
永田兄が、「そんな風に広まっているとは…」の発言が、私としては気にかかります。何か、真実は違うところにあるようにも受け取れるので。
まぁ、津川会長の言ってることが真実だろうが、偽りであろうが、クラブ内部のことを勝手にポンポンとメディアにリークしてしまうのは大問題ですけどね!
そして、最終的にタッツミーは、海外へ移籍することになる、これは絶対の真実です。
タッツミーが移籍をすることになった理由、自らの意志で決断したのか、チームを出ざるをえない状況となってしまったのか。なんとなく、タッツミーがこの騒動の犠牲者となってしまっているようにも考えられるし・・・。うーん。
どういう理由であるにしても、とても悲しい展開が待ち受けているんだろうなぁ・・・。
そう思うと、胸が締め付けられるような気分です。
なんか、全然文章がまとまっていないのですが(苦笑)、来週号は、今週の続きが描かれていくと思うので、ETUの過去を静かに見守りたいと思います。ひと通り、事実関係が見えてくるまでは、コメントのしようがないので。
・・・ということで、また来週。
タグ : GIANT-KILLING
コメント
コメントありがとうございます。
本当、タッツミーのプレーはいやらしいですよね(笑
もっとプレーを観ていたい。いつか機会があれば、0-2からタッツミーのハットトリックで逆転したという天宮杯の試合の話も(できれば読み切りという形で)読んでみたいです。
多分、津川元会長が崩壊のきっかけになっているとは思っていますが、不破vsETUのフロントや江戸前応援団vsスカルズの関係のように、津川氏を一方的に責めることはできない“何か”があるんだろうなとも思ってます。これが、タッツミーを高い移籍金のために勝手に移籍させようとしていた・・・とかいうなら、容赦なく文句言いますけどね(きっと、そうではないんだろうなぁ・・・)。
サポーターの視点ということでは、ゴローさんたちだけでなく、羽田の視点からも描いてほしいです。羽田も、タッツミーに大きな期待を寄せていたはずですから・・・(だからこそ、“裏切られた”という感情が出てくるわけですし)。
過去編は、『GIANT KILLING』という作品にとっても、すごく重要なエピソードになってくると思うので、ここをどう描いていくのか、ツジトモ先生たちの手腕に注目したいです。
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タッツミー、そして永田(兄)、笠野さん…ETUの暗黒期の一歩手前の時に起きた話だけに、やたらリアルでしたね。今後、ETUが津川代表との温度差からどうなって行ったのか、タッツミーと笠野さんに何が起きたのかも、これから明かされてゆくであろう過去に興味は尽きませんね。
今回の回を見て、ETUが崩壊した(まだ津川会長のせいとわかったわけじゃあないですが)と同時に、サポーターも崩壊していったんだなぁ…と思うとなんかちと切なく、悲しい気分になった回ですね。そこの所も、今度はゴロー視点で語られるんでしょうが…。