『MAGiCO 3』 / 佐久間力
2009.08.05 23:24
※ネタバレとなりえる要素が含まれていますのでご注意ください
「こんな選手と一緒にサッカーできたら最高に楽しそう。
僕も魔法(マジコ)を使いたい!」
と、帯にて中村憲剛選手がコメントしている、『MAGiCO』3巻を読んだ感想です。
高校総体神奈川県一次予選、海老名東高校と対戦している2回戦は前半、 海老名東の10番・別所が直接フリーキックを決め、撫高は先制を許してしまいます。
その後、蔵希もマジコ・“ガット ハーボ”を繰り出し、相手ゴールに迫りますが、 これまでPK以外の失点がないという、海老名東のGK・糟谷が守るゴールを破れず、結局0-1のまま前半終了。
過去に別所との間に何かトラブルがあった光のプレーも精彩を欠いたまま、 ハーフタイムを迎えるところから3巻は始まっていきます。
※
熱血的な王道ストーリーと蔵希の魅せる“マジコ”が面白い『MAGiCO』。
佐久間先生も徐々に慣れてきているのか、作画の力強さも増し、良くなってきているように感じます。
3巻の見どころは、試合の決着がつく海老名東戦の後半。
光と別所の過去を知ったカトパンは、光に言葉をかけます。
「オレたちは11人しかいないんだ
オレもお前も他の者もみんな代わりはいない…
だからと言って絶対に退場にするなと言うわけじゃない
全力を出し切っての結果ならオレたちは誰も責めたりはしない!
結果を恐れるな 思いっきり行け!」
これによって光は、過去を振り切り、撫高サッカー部として前進していく、 この場面が好きでした。
そして、撫高は、まずは同点に追いつくために反撃を開始していきます。
糟谷からゴールを奪うために、ひたすら“ガット ハーボ”を打ち込んでいく蔵希。
ただ闇雲に同じマジコを使い続けるのではなく、ボールに回転を加えてみたり、
クロスボールをダイレクトに打ってみたりなど、技を変化させながらゴールを狙っていきます。
そして、ついに糟谷によってロックされ続けた鍵ををこじ開けることに成功!
「オレの魔法(マジコ)は進化するんだよ!」
同じ技を変化、進化させ、あくまで真っ向勝負で挑み続け打ち破っていく蔵希の姿勢。 そこが、熱くさせてくれましたね。
同点に追いついてからは、光と同様、過去を振り切り前進し始めた別所を中心に、あわや失点(結果オフサイド)という場面もあったりましたが・・・
「絶対勝―――つ!!!」
最後は、別所との競り合いから、マジコ・・・ではなく、ダイビングヘッドでゴールに押し込んで逆転。
ありきたりではあるけれど、勝利のために執念を燃やすというのは、それもやはり、熱くさせてくれるものだと思います。
あと見どころと言えば、3回戦の話も出てきますが、新キャラ・片倉哲平の登場ですね。
なぜゆえ、U-15代表だった男が、廃部の危機にあるような撫高にいるのかよく分かりませんが (少年マンガのお約束に突っ込んではいけないのですよ?w)、サイドバックでありながら、優れたパスセンスを持つという哲平の活躍は4巻でのお楽しみです。
それと、見どころというか・・・、“カトパン=偽プジョル”とネタにされてるのには笑ってしまいましたね。
リアリティ路線のサッカーマンガではありませんが、登場人物たちが魅せる熱さ、リアリティ路線ではなくてもサッカーに大切なもののひとつである“閃き”の要素はある作品だと思うので、(現段階では、プッシュしたいというよりは、あくまで個人的には好きというニュアンスではありますが)興味のある方はチェックみてはいかがでしょうか。
まだまだ、伸びしろはあるように感じるので、これからに期待してます。
※
さて、次の4巻では、3回戦の湘南育英戦が描かれていきます。
「パスのコースは無限だよ」
たとえ縦のパスコースが消されていようとも、ボールに驚異的なカーブをかけパスを通し、高度な技術とサッカーセンスにより、最小限の働きで一瞬だけ輝きを放つことから、“閃光の司令塔”と呼ばれる脇坂直人がいる湘南育英を相手に、撫高はどんな戦いを見せてくれるのでしょうか?
4巻は、今冬に発売されるとのことです。
■ 収録
STAGE8~STAGE11
月刊少年ライバル2009年4月号~7月号
蔵希が哲平と出会うところまで収録
タグ : MAGiCO
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カトパンいい事言うねぇー
しかしこの巻は新しいマジコは二つだけ?
マジコを楽しみにしてるから少し残念…
でもマジコも進化するってこともわかったので良しとします(笑)