今週の『GIANT KILLING』#124
2009.07.23 22:32
単行本11巻は、本日7月23日発売です!
感想の方は、もう少しお待ちください。
今週号のモーニングに、11巻のカラー広告があります。 11巻の表紙を加工ものなのですが、これはこれでなかなかカッコいい出来になっているので、普段は単行本派の方も興味があればチェックしてみてください。
ETUのメインスポンサーである大江戸通運の副社長(近々社長就任が予想される)に対して、大口を叩いてしまった達海。
「是非とも試合にお越しくださいな 俺達のことを知りたいならね
楽しみに待ってますよ お偉いさん」
・・・達海の言葉に対して、副社長の反応は描かれることはありませんでした。
・・・
場面は、ETUのクラブ事務所。
先日撮影した、大江戸通運の企業ポスター(チェック用の試作品)を眺めている後藤に、声をかける広報部長。
「いやいや今の子達は格好良いですよ スタイルもいいし
私らの頃と比べるとえらい違いですよ ねえ副会長」
と、広報部長は、話を振りますが、何やらお怒りでいらっしゃる様子。
副会長は、広報部長の言葉に若干気に障るところはあったことは肯定はしつつも、それ以上に、大江戸通運の副社長に対しての達海の発言に、「戦国時代なら切腹もんの失態」とキレています。
副会長の言葉に、後藤は、達海は決して挑発的な意味で言ったわけではなく、あくまで純粋な達海のサッカー観からくるもので、チーム作りに自信があることをアピールしたもの・・・とフォロー。
それでも、副社長は納得できずズラズラと何かしゃべってますが・・・
会長は、今日のオールスターで、ETUの選手がMVP獲るくらいの活躍でもしてくれたら、少しはスポンサーさんへの顔向けが出来るってもんだけどな・・・ということで、ここから話の本編へと入っていきます。
・・・
リーグジャパンのオールスターは、東西対決ではなく、日本人選抜vs外国人選抜という方式で、名称は、“プライマル・カップ”。プライマル(Primal)は、スポンサーのようですね。
ピッチでは、メインゲームの前に、前座として、オールスターゲームの恒例であるという、“チームマスコット達によるドリームマッチミニゲーム”が行われています。こちらは、東西対決となっています。
そのドリームマッチは、前半がすでに終了していて、スコアは0-0。
試合は、後半がキックオフします。
・・・ボールを持つのは、WESTチーム・大阪ガンナーズのガンガン。
ガンガンは、ゲームメーカーのようです。
そこに、EASTチーム・FC札幌のコンスケがプレスをかけに行きますが、WESTチームもボールを落ち着いて回します。
WESTチーム・神戸のモーちゃんにボールが渡ったところで、名古屋のシャッチーが縦へ走り出します。見た目はアレだが、シャッチーはかなりの俊足のようです!
そこで、モーちゃんからパスを受けたガンガンは、シャッチーへスルーパス。
パスが通るとEASTチームの大ピンチとなる状況でしたが、そこをスライディングで止めたのは、オレたちのパッカくんだー!
実況に、“マスコット界の潰し屋”なんて言われたりして、観客からも喝采を浴びるパッカくん。
しかーし!
今のプレーは、レフェリーの笛が鳴りファール。
前半すでにイエローカードを1枚もらっているというパッカくんに歩み寄っていくレフェリーは・・・
なっ、なんと、2枚目のイエローカードが出され、パッカくんまさかの退場。
しかも、ファールをした位置はペナルティエリア内で、相手チームにPKを献上してしまったようです。
判定に納得できないパッカくんは、レフェリーに食って掛かっていますが・・・
・・・そんなやり取りを見て笑っているのは達海。
けど、達海は、パッカくんのガッツ溢れるプレーを褒めています。
「こりゃあもう 夏の補強でトップチームに加えるしかないね」
なんて言っているのは、冗談なのか本気なのか。
マスコットたち競演を、のんびり楽しんでいる達海に、有里は心配そうに声をかけますが、達海は、監督は平泉なんだから・・・と、チームの作戦等については、完全に人任せにしてしまっている様子。有里の発言から察するに、達海は、投票によって選ばれているようです。
達海は、お祭りとはいえ、このオールスターを「なかなかやり甲斐のありそうな企画」と、面白がってはいます。・・・が、「で 向こうはどんな面子なの?」・・・達海は、いつもの達海のようです。
・・・
場面は変わりまして、外国人選抜チームのロッカールーム。
カタコトの日本語で、ひとり元気に声を出してる、川崎のカン・チャンスに突っ込んでいるのは、同じく川崎の星野。
あれ・・・星野?
星野は、リーグジャパンに外国籍選手のGKがいないため、助っ人として外国人選抜チームに加わっているとのこと。
他を見回してみると・・・
名古屋のブラジルトリオが、全員揃って出場のようです。
ペペが何やら発見して、カルロス、ゼウベルトに報告。
3人がその場所をそっと覗いてみると・・・
新しい髪形を入念にチェックしている大阪のハウアーがいました!
(なんだアレ? 気持ち悪いな――!!)
「なんか新種の大型犬みたいだね」
ゼウベルトとカルロスに散々な言われようのハウアーの髪形・・・。
そんなハウアーもとに駆け寄っていったペペは、ユニフォームの中に隠し持っていたあんぱんを渡しますが、そのペペの行動にハウアーは戸惑っています。
・・・
また別なところでは・・・
「さすがにこれだけの選手が揃うと圧巻だわな
とはいえ各々の個性が強過ぎるかもしれんからね……
まとまるかどうかは別の話だわな」
と、川崎のネルソン監督。
「それでもこのチームの監督は勝ちに行くと思うよ?
彼はそういう男だろう」
と、名前は不明ですが、ネルソンと話している浦和の監督の視線を送った先には、ダルファーそしてソノダくん!
これまで登場した、いろんなチームの選手や監督たちが一同に姿を見せ、テンションが上がってくるところですが、今週号はここまでとなります。
■ 私的雑感
いやぁ、今週は神回でしたね!
今週は、やばいでしょ。面白すぎるわ!
今回は、大声を出して笑わずにはいられませんでした。
ひと通り読んでからここを見てくださってる方も、ふと思い出して笑っていることでしょう。
※
ということで、今回のメインは、何と言ってもオールスター。
マスコットたちのドリームマッチとか、もうね、想像するだけでも吹いてしまいますよ!
ハーフコートというのも、ちゃんと考えられていますよね。
ただでさえ、1チーム9キャラしかいないというのに、この夏の暑い中フルコートだったら、中の人が・・・ってことになってしまいますもんね(笑
各クラブのマスコットのデザインも、パッと見てどのクラブのキャラクターか想像つくように作られているのもいいですよね。あのセンスが好きです。本当にこういうのっていいですよね~。実際、あのキャラたちが動くところを見てみたいものです。
いろいろ個性豊かなキャラクターたちがいっぱい登場していますが、パッカくん以外で一番気を引いたのは、やっぱり、名古屋のシャッチーですね(笑
某タンノくんみたいなビジュアルもさることながら、腕振れない状態でどうやってそんなに速く走れてんだろうとか考えるだけで笑いが止まらなくなります。
(↑この文章自体、ひとりバカ笑いしながら書いてます)
また、パッカくんに倒されたシャッチーの画がシュールすぎて笑いを誘ってくれますね。
つーか、これ自力じゃ起き上がれない・・・よね?
・・・ダメだ、呼吸できなくなるぐらい笑ってしまう。
はぁー(落ち着いて、一息つきました)。
んで、我らのパッカくんもいろんな意味で魅せてくれました!
激しいスライディングでシャッチーを止めるも、ファールを取られ、しかも2枚目のイエローで退場とか・・・、最高のエンターテイメント(ネタ)を提供してくれるパッカくん!
お祭り行事なのにイエローカードとか・・・
どんだけ気合い入ったプレーしていたのでしょうか?
中の人の正体が気になるなぁ。タッツは、中の人を今すぐトップチームに上げるべきですよ!
それにしても、あのレフェリー、私にはどうしても某レフェリーにしか見えないのですが気のせいでしょうか?
あ、いや、ジャイキリは、毒のあるジョークは基本的に描かない作品なので、私が勝手に深読みのしすぎてるだけですよね~、きっと。
それにしても、パッカくんがスライディングで止めて、レッドカードが出されてしまうまでの流れは秀逸でした。観客の声とか、実況と解説の絶妙すぎる掛け合いが、さらに面白いものにしてくれたと思います。
オールスターの本編はここからなのですが、すでに期待通りどころか、期待を上回る面白さで、マスコットのデザインとか、いっぱい作るの大変だったと思いますがツジトモ先生(および、制作に携わってる皆様方)に感謝です。
ただのJリーグ好きの内輪ネタではなく、みんなが楽しめるイベントになったのではないかと思います。
※
オールスター話その2。
リーグジャパンのオールスターは、日本人選抜vs外国人選抜の旧JOMOカップ方式でした。
今回のスタジアムのモデルは、鹿島ですね。
今回は、外国人選抜のロッカールームが描かれていましたが、それまで登場した外国籍選手が揃い踏みですね。そんな中で、ひとりポツーンの星野が笑えます。GKの外国籍選手がいなくて、日本人GKが助っ人に入るというのは、リアル旧JOMOカップでもあった話ですね。
分かる範囲内でメンバーを挙げてみると・・・
GK:1番・星野(川崎)
DF:2番・リマ(大阪)、4番・浦和のDF
MF:8番・ゼウベルト(名古屋)、13番・シャリッチ(?)(東京V)、17番・カルロス(名古屋)
FW:10番・ペペ(名古屋)、11番・ハウアー(大阪)、18番・カン・チャンス(川崎)、レオナルド(東京V)
あと何人か、見知らぬ人物がいますね。
監督は、ダルファー。コーチに、ネルソンと浦和の監督(私は、勝手にギドさんと呼んでますが)。
名古屋のブラジルトリオとハウアーの場面は面白かったな~。
ペペは、いつもながらかわいすぎる!
ハウアーの髪型は、初めて見たときほどのインパクトはなかったですが、今回のもなかなか・・・(笑
本当みんなキャラが濃すぎますね。
この個性たちが試合でどんなハーモニーを奏でてくれるのか楽しみです。
そして、来週描かれるであろう日本人選抜のロッカールームの描写も期待大です。
※
クラブ事務所でのやり取りについて書こうかと思ってたのですが、なんかオールスター話を書いてたらお腹いっぱいになってしまったので、まぁいいかな。
ひとつ気になってるのは、副社長が「大江戸通運がスポンサーを解除したいと言ったら…… ウチはクラブ存続の危機なんだぞ?」と言ってましたけど、ETUの予算規模と、大江戸通運によってその予算がどの程度まかなわれているのかってことですね(リアルJ1では最低規模で10億円程度と言われてますが・・・)。
副社長のキャラクターがちょっと安易に思えるのが気になりますが、このスポンサー問題についてどこに終着点を見出すのかに注目したいです。まぁ、今はとりあえず、この問題忘れて、オールスターを純粋に楽しむとしましょう。
※
さて、来週号は、モーニングの予告ページには、オールスター開幕とありますね。
あ、そうそう、この予告ページに書かれているチケットを見て、“モンテリオ山形”と書かれていました。ゲキサカだと“モンテビア山形”ですが、正しくはどっち?
(4巻を見返して)あー、確かに、そう言われてみれば・・・筆記体のiの部分がちょっと分かりにくいけど、“モンテリオ”にも見えますね。どっちにも受け取れるだけに、気になるところですね。
話が脱線しましたが、日本人選抜には、とりあえずシムさんがいることが解かりました。
あとの日本人選手はどうなってるんだろうなぁ。
やっぱり、こういうお祭りは楽しいですね。
来週号を読むのが、今から待ち遠しいです。
・・・
・・・
ここからは、いただいたコメントの返信ですが、興味があり、お時間のある方は読んでいただければなぁと。
あの副社長は俺フィーで言うところのヤマキの社長さんですねぇ
儲からないところに金は出さないタイプの
Jでも地方クラブ、今年で言えば岐阜が経営が危ないと言われていますね。あと大分もヤバイか
昔の甲府も危なかったけど今は地域で支えるという形が見えてきて…今回はその辺りと関わってくるんだと思います
まだまだ日本ではスポーツ文化が未熟、Jの理念が理解されていないと感じますし、それは利益や投資とは違った場所から支えるという事で…
しかし実際は税リーグと揶揄されることもあったり、ジャイキリ読者でもサッカーに興味ない人にはわかりにくい所でしょう
だからこそパッと見てわかりやすい悪役(カタキ役かな)を出してETUに感情移入している読者に敵愾心みたいなものを起こさせるキャラが必要だったのではないかと思います
まぁでもサポクラブと切り離して現実で考えると副社長の言う事の方がわかる人は多いと思うんです
自分の会社がクソ弱いチームのスポンサーやってたりなんかしたら「そんなのいいから給料上げろ!」ですよ
地元にサッカー含めbjや野球独立リーグがあっても無関心な人は山ほどいるわけで、事実そういう読者もいるでしょう
だからこその税金の無駄遣い的なバッシングもあって(能田先生なんか行政との関係描いてますしジャイキリも自治体が撤退の動きを見せてますね)
だけど読んでるうちはETUサポ目線になっちゃってますから「なんだアイツ」「クラブを潰す気か」と(笑)
現実世界への問題提起、サッカー興味ない人たちにも考えさせる形を取っているのかな?
そういう流れの話になっていくんじゃないかと予想してます(深読み?)
そして作者が一番言いたい事が達海のセリフなんでしょう
地域とスポーツクラブの在り方。みんなもスタジアムに来て自分の肌で感じようよ、と
お話にあった甲府のように、ユニフォームのクリーニングを無償でやってくれるとか、髪を無料で切ってくれるだとか・・・直接お金は出せなくても、そういう形で地域全体がクラブを支えていく・・・ETUもそんな感じで描いてほしいなと思ってます。ETUは、東京のクラブですけど、下町情緒のあるところがモデルですし、地域クラブ的な色合いがあると思うので。
私自身は、サッカーに限らず、スポーツの文化がもっと根付いてくれればと思ってますが、現実問題、人それぞれ価値観も違いますし(そういう文化の土壌のない国ですから)、文化を熟成させていくのもなかなか難しいところではありますよね。
『オーレ!』なんかは、そのあたりがよく描かれている作品だと思うのですが、いかんせんシビアすぎるためか、全然売れなかったんですよね・・・。だからこそ、サッカーファン以外の方にも支持されているジャイキリには、上手いところ終着点を見つけて、地域とスポーツクラブの在り方について、描いていってほしいなと思います。
Jリーグクラブの現状については、現在発売中のサッカー批評という季刊誌で、“10年後も残るクラブ消えるクラブ”という特集が組まれているので、綱本先生のコラムの掲載されていますし、興味のある方は、お手にとって読んでみていただければなと思います。
タグ : GIANT-KILLING
コメント
プレーを実況のセリフ文字に頼って説明せずに絵だけで表現する稀有なサッカー漫画だったのに
まさかマスコットサッカーに実況がつくとは(さすがに今回は実況がいないと訳がわからんけど)
…浦和はたぶんヒトデの化物みたいな赤い星のキャラかな
観客が中身の人と言ってましたが、もし、中身の人がいるなら
パッカ君→黒田
シャッチー→板垣
ガンガン→志村
ってとこかな?と、勝手に予想してみました。
内容が内容だけに、拍手コメントも含めて、今回はいつもより反応が多いですね(笑
>Pさん
どこのクラブのサポーターか知りませんが、あの観客も面白いこと言ってくれますよね(笑
>名無しの方
この場合は、実況があるからこそ、面白いものになったと思います。
私も、基本的には実況がない方が好きですが、使い方によっては面白くもなるんだなということを今回学びました。・・・ピッチ内のリアルな音声を流すというのも、これはこれで爆笑ものになりそうで聞いてみたい気もしますが(笑
浦和のマスコットは、間違いなくそれでしょうね。
あまりに、そのまんまなシンプルさが好きです。
>サッキーさん
シャッチーは、いろいろなことを想像してみるたびに吹いてしまいます。
ジャイキリワールドでも、かなりの人気者ではないかと思います(笑
中の人については、シャッチーはかなりの俊足なようなので、私はあえて、その正体はドミンゴではないかと予想してみます。
新潟,神戸のマスコットは結構リアルでした。
私は川崎サポなのですが,川崎のマスコットは
イルカまんまでした(笑)
あと,姜と星野のカラミは面白いです。
GK ドリさん(ETU) 東京VのGK(山根って名前だっけ?)
DF 寺内(大阪),秋森(東京v)
MF 平賀,志村,(大阪)三雲,持田,城西(東京V)
ジ-ノ,村越,赤碕(ETU)八谷,近藤(川崎)
FW 畑,窪田(大阪),板垣(名古屋)
監督とメインのコーチは平泉とタッツですが,
他のコーチは多分,磐田の倉茂,名古屋の不破あたりでしょう。
↑の人は達海と馴染むのか?
それにしても来週が楽しみですね!
コメントありがとうございます。
マスコットは、モデルとなっているクラブのものをベースにしたものもあれば、クラブの土地や名前からイメージできるものもあったりと、いろいろバリエーションがあって面白いですね。
星野とカンの会話を見ていると、なぜ星野が外国人選抜に選ばれたか、よく理解できます(笑
東京VのGKは、きちんとした形で名前は出てきてないのですが、プレシーズンでの東京ダービーでは、ユニに"MAMIYA"と思われる表記がありましたね。
日本人選抜は、これまで登場した面子の他にも、個性豊かなメンバーが登場することに期待しています。本当に、来週号が楽しみで仕方ないですね!
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