今週の『GIANT KILLING』#120
2009.06.25 22:06
先週号のラストは、持田の見せる勝利への執念の強さに、恐怖感すら覚えている様子の椿、東京Vのペースで進む試合展開に危機感を覚えていた羽田の姿が描かれていましたが・・・
今週号は、その流れが続くわけではなく、東京VのDFからのロングフィードが城西に渡る場面から始まっていきます。
城西は、受けたボールを、右サイドに流れていく持田にシンプル渡し、持田は、中央の堀にダイレクトにパスを送ります。テンポの速い、東京Vのパス回しに、石神もちょっと慌て気味。
中央でパスを受けた堀は、レオナルドへとラストパスを送りますが・・・
ここは、杉江がレオナルドへ渡る前に、スライディングでカットします。
杉江にクリアの指示が飛ぶ中、それをさせるかとレオナルドが抵抗を試みますが、これはファールを取られてしまいます。ETU側から見ればホッと一息。
一方、東京V側は・・・
「ねえねえ堀―― 君ってさ――…… 一応プロだよねー
ハハッ 何? 今の動き」
どうやら、今の堀のプレーは、持田の逆鱗に触れてしまったみたいです。
「今はレオナルドに仕掛けさせるために皆が右寄りでプレーしてたんじゃん
何でそれを中央でDFも引きつけずにボール離すかなあ
キレイにつなぐことばっか考えてるからこうなるんだよ
もう少し点取ること考えてくんない?
ったくも―― 少し考えればわかるじゃん
相手はETUだよ? レオナルドが相手と1対1の形になれば負けるわけないんだからさ」
堀に、きっつい言葉でダメ出しをしつつも、さりげにETU(主に黒田)を挑発する発言もする持田。
挑発された(?)黒田もカッとなりますが、ここは無駄に体力を使うなと杉江が注意します。
それはそうと、試合も終盤に来て、さらにペースアップしていく東京Vのパスワークに、杉江も誰にターゲットを絞っていいのか困惑している様子。
持田に直接ダメ出しされた側の堀は、プライドを傷つけられ、密かに怒りに震えています。
・・・けれども、誰も持田には言い返さない。
この様子を見ていた城西は・・・
「チーム皆がわかっているんだ……
口は悪くとも…… 持田の言うことは的を射ているということも……
その言動すべて…… チームの勝利向けて発せられているということも……」
チームとしての方針が、しっかりと定まった今、城西をはじめ東京Vの人々が欲するのは結果、勝利以外の何物でもないと、改めて決意を胸にします。
・・・
なかなか攻撃の形が作れないでいるETU。
堺がヤマネとの競り合いから、村越にヘディングで落とします。
そこから、村越は、右サイドを走る赤崎へパスを送ります。
「狭い所でやろうとすんな! ピッチを広く使え!」
と、指示を送る達海に、「サイドをブチ抜きたいのは山々だが…… それしかない選手だと思われるもシャクなんでね」と言う赤崎は、左サイドフリーでいる丹波に大きくサイドチェンジします。
フリーでパスを受けた丹波でしたが、東京V・石田の寄せも早く、結局後ろにボールを戻すことに。そして、そうこうしているうちに、ボールを奪われ、再び東京Vの攻撃へ・・・
理想的な試合運びを見せる東京Vの選手たちの姿を見て、シーズン前半、なかなか結果が伴わない状況が続く中選手たちを信じ、選手たちもまた、ときにブーイングにさらされながらも自分たちで修正を繰り返し、自らの掲げたサッカーを具現化していってくれたことに想いを馳せる平泉。
「この国のトップに君臨する我々のサッカーこそが
日本サッカー最高の形なのだ
私こそが日本人の能力を一番引き出せる…… その証なのだよ……」
それは、一時期代表監督の有力候補にも挙げられながらも、ブランの就任によりそれが叶わなかった平泉にできる、ただひとつの抵抗なのかもしれません。
・・・
試合は、東京Vのコーナーキックへ。
「時間ない! 堀 蹴ってー!」と、指示を出す持田。
そんな持田の様子を見ながら、椿は、テクニック、視野の広さ、ゲームをコントロールする力、そして何よりメンタリティ・・・、すべてにおいて自分が持田に敵うわけがないと痛感します。
でも……
「どうせ適わないのならなおさらだ……
当たって砕けて当然なら 俺の持てる力すべてをぶつけてやる……!」
と、椿はいい意味での開き直りを見せます。
・・・と、ここで、東京Vが虚を突いたショートコーナーで攻撃を再開。
堀からパスを受けた、左サイドバック・オザワは、ファーサイドに大きくクロスを入れます。
そこに飛び込んできたのは城西!
城西は、クロスに倒れこみながら頭で合わせ、なんとボールはゴールの中へ・・・
といったところで、今週はここまでとなります。
■ 私的雑感
うわぁ・・・、まさか2週連続で失点シーンを見ることになるとは・・・。
何と言うか、あっさりとやられてしまいましたね・・・。
ショートコーナーでスキができてしまったのか、城西の動きに捕まえることができず、フリーにさせていました。片足だけ映っている、6番が何とも・・・。
バッキーが苦しい状況を打破してくれるかも・・・の描写があり、ポジティブな期待を持ち始めてみたところでの失点だったので、私の感想としては、呆気に取られてしまったといったニュアンスが一番近いかな・・・。
う~ん、まぁ、時間はあまりないですが・・・
うん、大丈夫、まだ1点返せるぐらいの時間は十分あるはずさ!
※
モッチー・・・、モッチー怖いよ!(笑
堀とのやり取り、ちゃっかりETU(クロを狙って?)を挑発しているところは、笑うところはないはずですが、笑ってしまいました。それにしても、持田の言動はきっつい。
確かに、持田の言ったことは、的を射ていると思いますし、チームの勝利に向けて発せられているという一面も間違いなくあると思います。先週号を見てもわかるように、誰よりも勝利に対して、命懸けでフットボールをする男ですから。
けど、モッチーのあの怒り(?)の表情には、「何だよお前、せっかく俺がレオナルドを活かすために、わざわざサイドに流れて引き立て役に徹したのにヘマしてんじゃねーよ」という意味合いも、少しは含まれているのではないかという気がしてなりません。(←あくまで、私の勝手な推測です)
堀へのダメ出しも、彼のプライドの高さを見越した上で奮起を促すという効果もあるけど、ちょっとイラッときたストレスの捌け口もあった・・・とすれば、まさに一石二鳥じゃないですか!
・・・と実際、持田にそういう気持ちがあったかどうかは知りませんが、ピッチの中ではやるべきことはしっかりとやっていますし誰よりも勝利のために命をかけて戦ってる。持田も多少何かを言っても許されるタイプではありますよね。ダーティーな面も含めて、モッチーは愛されるべきキャラなのではないかと思います。
※
平泉は・・・、代表監督候補だったという話が、さりげに組み込まれていたことに驚きでした。
この描かれ方だと、本当に代表監督就任の打診は来ていたんだと思いますし・・・
平泉自身も代表監督になる満々だったんですね! と。
最終的に、どのような経緯で、代表監督がブランに決まったのかは知る由もありません。
どういう理由であれ、代表監督になれなかった平泉は、チャンピオンクラブを率いて、最高のサッカーを掲げ体現し続けていくことで、監督としての自分の力を誇示し続けていくことしかない・・・それが、平泉のプライドってことなんだと思います。
ただ・・・、作中で、平泉が監督としての指導力についての描写が薄いというか、選手自身で修正を施してチームとして良くなっていたり、東京Vのサッカーの完成形が見えたのも、持田というひとりの選手の個の力がもたらしたものの方が大きいという印象が強いんですよね。平泉が監督でなければ今の東京Vはないんだ・・・って部分が、弱いような気がします(このあたりは、単行本で全体通してを読み返すとまた印象は変わってくるかもしれないんですが、今はそう思ったので、そのように書き留めておきます)。
正直、今ままでの印象では、平泉を代表監督に推すべきなのか、判断しかねます。
でも、自分が一番日本人の能力を引き出せるってプライドを覗かせているところに、変な言い方ですが、かわいげを感じてしまいましたね。
※
結局、ETUが先に失点することとなってしまいましたが、バッキーが何かやってくれそうな気配を見せ始めましたね。それが、光明と言えるのではないでしょうか。
「当たって砕けて当然なら
俺の持てるすべてをぶつけてやる……!」
いい感じに、自分の力で前を向いていけるメンタリティが備わってきているようです。
いい傾向だと思います。バッキーは、若いんだし、失敗してもいいから、もっともっとトライしていくべきです。失敗は、次なる成長につなげればいいだけの話なんですからね!
※
あとは、箇条書きで。
- クロは熱くなりすぎちゃダメだぞ?
- シロニー「持田が怖いとかいうのではなく……」・・・これは、どういう意味での“怖い”なんだろうか?(笑
- シロニー「キッ」
- タンさんは、「王子」なんですね
- そういえば、堀って結構年上な印象があったんですが、自分が思っているより若いみたいですね(24~25ぐらい?)
※
さて、来週以降についての話ですが・・・
逆転ゴールを許してしまったETU。
試合の残り時間は5分ちょっと・・・。まずは、同点に追いつかないと・・・。
これまででもかなり疲弊している中、DF陣の気持ちが切れてしまわないかちょっと心配でもあるのですが、何か兆しを見せてくれているバッキーに期待したいです。
あとは、王子ですね。
まっさか、このまま名言もなく、終わるわけにはいかない・・・よねぇ?
王子は、左足一振りで仕事ができる男なので・・・、ほら、この試合終わったら、リーグ戦は中断だから、ここらで一仕事してほしいですね!
それはそうと、個人的には、東京Vが逆転する展開はないと思っていたので・・・、う~ん、この試合の決着はどうするつもりなのかなぁ。
ここで負けてしまうと、優勝は、かなりきつくなってしまうので(というか、すでに無理?)、なんとか踏みとどまって、あわよくば逆転してほしいと願っていますがどうなりますか、続きはまた来週の更新にて。
タグ : GIANT-KILLING
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