『エリアの騎士 4』 / 原作:伊賀大晃 漫画:月山可也
2007.02.20 00:20
高校編に突入した、『エリアの騎士』の4巻です。
主人公・逢沢駆は、亡くなった兄貴が認めたパサー、荒木とプレーするために江ノ島高校に入学するのですが、江ノ島高校のサッカー部には複雑な事情があって、SC(サッカークラブ)とFC(フットボールクラブ)に分かれていました。
駆が、半ば強引に入部させられたFCは、同好会扱いで、ショートパスやドリブルなどを駆使した多彩な攻撃サッカーが持ち味。
かたやSCは、学校公認で、リトリートして相手のボールを奪ったら、ターゲットマンにロングパスを放り込んで攻めるサッカーが持ち味と、両者の特徴は正反対。
江ノ島高校には、10年以上続いてる伝統があって、FCとSCが公式戦出場を賭け、代表決定戦を行うわけですが、果たして・・・。
単行本で読み返して気付いたのですが、SCvsFCの選手紹介のシーンは、マガジン連載のものから、しっかりと修正されてますね。
3バックの両サイドを、"サイドバック"と言ってたのが、普通に左サイド・中央・右サイドって感じの言い方になっていて、"実質上の変則5バック"と言っていたのが、実質上の5バックと言葉的には違和感ないよう修正されてます。
しかしそれでも、3バックで"実質5バック状態"になってしまうというのは、通常は両アウトサイドの選手が高いポジションを保てず、自陣に押し下げられ、ディフェンスラインに吸収されてしまっているようなときに、使うのが一般的であって、まだおかしいです(私の言ってることが間違ってたら突っ込んでw)。それに、ボランチが守備に参加するのは当たり前のことじゃないかと(苦笑
まぁ、マンガなんだから、そんなこといちいち突っ込まなくたっていいじゃんって思われるかもしれません。
それでも、突っ込まずにはいられないのは、最もそうなことを言っておきながら、その中身はあまりに適当というか、サッカーへの理解度を疑うものが多いからなんですよ。
別に、サッカー知らない人間がサッカーマンガを描くんじゃないって言いたいわけではなく、知識をひけらかすようなことを言うならせめて、もう少し理解して正しく使ってほしい。
あと、ストーリーの都合上で、キャラにおバカなプレーをさせるのも、やめていただければと(^^;
"リアリティと呼べる範囲内の中にファンタジー"があるサッカーマンガが、私の理想のひとつとしてあるのですが、現状の『エリアの騎士』には、リアリティの要素が大きく欠けてしまっています。
それゆえ、エリアに対しては、否定的な発言がどうしても多くなってしまうのですが(苦笑)、FCの志向するサッカー自体は、私は好きなので、今後もう少し、リアリティを高めて、自然に読めるサッカー描写になっていってほしいなぁと思います。
もし、それができないのなら、いっそのこと、キャプツバのようなぶっ飛んだギャグマンガ状態にしてほしい(爆
とはいえ、2月16日発売の4作品の中では、これが一番売れているんですよね。
このブログ的には、お薦めできるものではないのですが、興味がある方はどうぞ。
タグ : エリアの騎士
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