今週の『GIANT KILLING』#1~#7
2009.01.18 10:37
今週の『GIANT KILLING』アーカイブ用に過去ログをまとめたものです。
加筆などは一切していませんので(現在とその当時とでは、また抱く印象は違ったりしますが、ここではあくまで読んだ当時の感想を大事にしたいと思ってます)、ひと通り読んだことのある方は、スルーしておいてください(笑
単行本1巻に収録されている分の、今週の『GIANT KILLING』の過去ログです。
■ 今週の『GIANT KILLING』#1
先日も、ちょこっと取り上げましたが、 『U-31』、『Goal Den Age』の原作を手がける綱本将也先生の、新たなサッカーマンガ『GIANT KILLING』の1話目の雑感。
イングランド5部のアマチュアチーム・イーストハムで監督を務め、チームをFAカップベスト32まで導いた(日本で例えるなら、普通の社会人の一般のチームが県予選を突破し、天皇杯を勝ちあがっていくようなもの??)主人公の達海猛(タツミタケシ)。
その達海を、彼がかつて中心選手としてプレーしていたチーム、イースト・トーキョー・ユナイテッド(通称ETU)の監督として迎えるため、イングランド中を探し回り、ようやく彼を見つけることができた、ETUのGM後藤に広報の永田有里。
イーストハムの会長は、達海を日本に帰す違約金として、100万ポンド(おおよそ2億円)という、アマチュアの監督としては法外な金額要求するが、貧乏クラブのETUには、そんな金額払えるわけもなく・・・。
しかし、後藤や有里の達海を信頼する心。
イーストハムとETUの皆で心を込めて町ぐるみでチームをしているという、お互いの共通した町の雰囲気。
直接言葉には出さずとも、達海自身の心の中にある、ETUへの強い愛情を感じ取った、イーストハムの会長は、町をひとつしてくれた、クラブを強くしてくれた、その上クラブに大金まで運んでくれた、彼への温情として、日本へ帰すことに承諾します。
そして、日本へ・・・
というのが、私なりの解釈も含めてますが(笑)、1話の大まかな流れです。
達海のイングランドでしてきたこと、FAカップベスト32の試合、プレミアのポーツマスの試合で、ジャイアントキリングを起こすべく戦う試合シーン、最後達海を送りだそうとサポーターたちに伝える会長のシーンあたりが、見どころかと思います。
先日も書きましたけど、とにかく、私的には、久々に自分の心を強く揺さぶるような神がかったサッカーマンガになりそうな予感がします。
クラブチームを舞台にして、チームへの、フットボールへの強い愛情を感じるような作風は、『オーレ!』同様に私のツボなんですよね~(笑
それに加えて、サッカーシーンもリアリティ路線なので(能田達規先生の作品だとサッカーシーンそのものはリアリティ路線とは言い切れない)、そのあたりが、神がかりそうな予感がしてる部分。
サッカー好きな人、特に、特定のクラブチームを熱心に応援している方なら、この作品の面白さを理解しやすいかなって思います。逆に、一般のマンガ読者にはそのハートが十分伝わりきってないのも、チラッと他ブログを覗いていて感じました、評価が悪いってわけではなさそうですが。
それは、軽くサクッと読める感じの絵柄がそうさせてるのかなぁ(主人公の性格に合った絵柄だなって感じるけど)。
一般のマンガ読者にいかに、フットボールを愛する人々の情熱を伝えていくかというのは、長期連載を勝ち取るためにも(笑)、この作品のこれからのテーマにもなりそうなので、綱本先生には頑張ってほしいっす。
今後、達海がETUをどのようにして、チームを勝利へ導いていくのか、リアリティ路線のサッカーマンガとして、楽しみに見守っていきたいと思います。
■ 今週の『GIANT KILLING』#2
連載の話よりも、欄外にあった、"週刊蹴球語録"の綱本先生のコメントの方が気になりました。
あぁ、あれって、阿部や坂本のことを言ってるんだよなぁ・・・。
その阿部は、99%レッズに決まっているわけで、ちょっと複雑な気持ちになりました(^^;
今週分かったこと。
ETUの会長と副会長は兄弟。
で、会長の娘が有里(広報)。
GMの後藤は、かつてETUの選手として達海とともに戦う。
平均観客数は、8000人を割り、ホームタウンの台東区が撤退の動きも?
ETUの若者サポは、チームの現状に不満を抱きクラブハウスに押しかけ、子持ちになった古いサポは、勝てないチームにかつての情熱を失う。その子供たちは、ETUのサポは学校じゃバカにされ、たぶん俺たちのほうが上手いと言う。
グラウンドで、達海と話をした子供は、父親(古株サポ)に新監督に会ったと言い、その正体が達海であることを知って、かつて自分を熱狂させた男の復帰に胸を躍らせるが、達海のイングランドでの実績を知らない彼らは、監督しての実力に疑問を抱く。
今週は、ストーリー的な進展は特にないですが、来週号では、"波乱の初練習"だそうで、そこで何を見せてくれるのか、楽しみにしたい。
それにしても、達海っていったい何歳なんだろ?
30代後半以上には見えないけど、イングランドで3年は監督してるんですよね~。まぁ、そのうち分かるのかな。気にしたら負けなんでしょうか?(笑
■ 今週の『GIANT KILLING』#3
最近、『GIANT KILLING』関連の、検索ワードが多いです。
私的にも、かなりのお気に入り作品になりそうな感じなので(まだ、始まったばかりだから今後評価は変わるかもしれないけど)、取り上げる機会も多くなりそう。
今週もなかなかいいんじゃないでしょうか。
30mダッシュの結果だけを見て、レギュラー候補(若手サブ中心の構成)を選んだ達海が、次号、紅白戦でどんな結果を見せてくれるのか、そのロジックに期待。やっぱり、走るサッカーになるのかなぁ。
■ 今週の『GIANT KILLING』#4
『GIANT KILLING』関係の検索ワードが今週も多いです。
当然、当ブログでも、プッシュしていくつもりで、まとめ記事を作成することも考えています。
さて、今週の『GINAT KILLING』ですが。
若手サブ中心で30mダッシュの結果を見て達海が選んだ"達海組"vs"旧レギュラー組"の紅白戦がスタート。
達海が試合前、"達海組"の選手たちに声をかけるんだけど、その言葉のかけ方が、少しずつ選手たちの意識を高めていくような話し方で、すごくいいなぁと思った。
このシーンを見て、そういえば、オシム監督も、試合前は選手たちをモチベートすることに重きを置くって話だったっけなぁということを思い出しました。
"達海組"は、ワンタッチプレー禁止の指示で、ボールを持ってもシュートまでは持ち込まず、ただボールを回すだけ。
しかし、ミスターETUこと(達海の新チームではサブ組に回されてしまった)村越は、達海の意図に気付き、無駄に走るなと"旧レギュラー組"に指示。
それを見た達海は、今度は"達海組"のワンタッチプレー禁止を解除するわけですが、それ以降は次回のお話で、そこで何を見せてくれるのか期待してます。
村越は、達海に対して、かなり強い対抗意識を持っているところが描かれていたけど、これはきっと、『U-31』の戸澤と同じような感じなんだろうなぁ。元々、憧れを抱いていたからこそ、チームを裏切り去っていった達海が許せないって感じだと私は見ております。
達海は、チームの試合のビデオはしっかり見て現状はしっかり把握していると思われ、ETUのために、目先の1点よりも大事なものを示そうとしている。そのロジックは何なのか、私をワクワクさせてくれることを期待しつつ、来週を待ちましょう。
■ 今週の『GIANT KILLING』#5
"達海組"vs"旧レギュラー組"の紅白戦の続き。
まずは、達海が30mダッシュで、"達海組"を選んだ基準について。
達海の選考基準は、"疲れた時でも速く走れるか"ということ。
30mダッシュを45分間延々と走らせ、最初の1本と最後の1本のタイム差を見て、その差の小さい者、それはすなわちスタミナがあるということで、その上、タイムの速いものを選んだという達海。
やっぱり、達海の目指すETUのサッカーは、オシム流の走るサッカーがベースってことになるんでしょうか。
試合の方は、ワンタッチプレー解禁後、徐々にスタミナの差が如実となっていき、それが3-0という結果になりました。
この紅白戦は、 "新しいETUを築こうとする者"と"ETUを今まで支えてきた者"の戦いとも言えますよね。
支えてきた者側のミスターETUこと村越のシーンが、今回私の心に強く印象に残りました。
"達海組"で、ETUの新たなエースになりそうな椿とのマッチアップのシーンで、30mダッシュとここまでの試合展開で走り回されスタミナを消耗させられた村越が、スピードとスタミナに勝る椿に完全に置き去りにされてしまった見開きのあのページ。
経験と技術が上であっても、どんなにETUを支えてきた誇りがあったとしても、足が前に進まず止めることができなかったという、あまりに残酷な現実。
それは、まさに、新旧交代の縮図。
振り切られ、少しずつ遠ざかっていく椿の姿を、彼はどんな気持ちで追いかけていたのだろうか。
そして試合終了後、ただ無言でビブスを脱ぎ捨てグラウンドを去る村越・・・。
プライドを粉々に踏み砕かれてしまった村越・・・。
彼の心情を思うと、 あぁ、すごく切ない・・・。
この後、村越はどういう処遇を受けることになるんでしょうかね。 <,/p>
私は達海が"自分の目指すサッカーのために選手を情け容赦なく斬り捨てる"タイプだとは思わないんですよね。
達海だって村越のETUに対する誇りの部分は理解できるだろうし、また村越のような、味方を鼓舞し自らも闘志あふれるプレーを見せる選手もチームには欠かせない存在だと私は思う。
だから、レギュラーでないにしても、例えば、後半の守備要員などで、必要とされる・・・いや、されてほしいなって思います。後半の疲れた状況下で味方を鼓舞する存在は、とても心強いじゃないですか。
綱本先生もジェフサポという話だから、チームを誇りに思い戦ってきた存在をないがしろにするようなことは、きっとしない・・・と、言いたいけど、厳しいプロの世界ですからねぇ。来週はどうなりますか。
それと、今までの流れとまったく関係ない話ですが、ツジトモ先生の描く試合シーンの人物が、妙に縦長いというか、まるでワイドテレビの16:9の画面を普通の4:3のテレビの画面で見てるような感覚がするのって私だけでしょうか?
いや、特に深い意味はないんですけど、どうしても、気になって仕方ないのでつい・・・(^^;
■ 今週の『GIANT KILLING』#6
今週は、素直に泣けたな。
先週号、紅白戦で敗れ、これまでチームを支えてきたという意地とプライドを粉々に打ち砕かれてしまった村越。
その上さらに、今週号ではキャプテンを外されるという仕打ちを受けてしまうわけですが、その後、達海とふたりきりで話をするシーン・・・。
村越は、かつて達海がETUを去った後の10年間、2部に落ちてしまい崩壊してしまったETUをいかに立て直し、自分のすべてをETUに懸けてきたのかという想いを、(自分のためにチームを見捨てていったと村越は思っている)達海に思いっきりぶつけます。
それだけでも、結構胸がいっぱいになったのだけど、その後の達海の、村越の気持ちを十分理解したうえで、
"だからキャプテンを外すんだよ"
という達海のセリフ以降が、本当に、泣けてきました。
そこは、ぜひとも、ご自身で読んでもらえばと思います。
この作品(綱本先生)のサッカー観が好きな方なら、理解してもらえるかな~と。
たとえ走れなくても、それでも勝てるという自分の武器を見つけて、再生していく(であろう)、村越の今後を見守っていきたいですね。
さて、次週はどうなりますか。
特に予告っぽいことは書かれてないので、次はどんな展開が待ち受けているのか、楽しみにしてます。
■ 今週の『GIANT KILLING』#7
今週は、有里のお話。
イマドキの若いOLなどと比べて、かなりズレてしまっている(?)彼女ですが、それでも、ETUを愛し、チームのために駆けずり回る彼女のエピソードは、本編的には一休みといった感じだったけど、なかなかよかったと思います。
それにしても、"味方のゴールが決まったら会社ぐるみで大喜び"し、連敗したら、"お通夜みたいに全員で暗くなる"っていう、ETUフロントのファミリーな雰囲気ってすごく好きだな~。日本に、もっとこんなクラブチームが増えてほしいなぁ。親会社の企業の倫理がうんぬんってのじゃなくて。
さて、次週はETUがキャンプインするみたいです。
今度はそこでどんな波乱が起こるのか?
達海が志向するサッカーの具体像も含めて、期待したいです。
タグ : GIANT-KILLING
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