『ANGEL VOICE 6』 / 古谷野孝雄
2008.08.12 22:31
Amazonおすすめ度:

※多少のネタバレがありますので注意
6巻では、いよいよ運命の選手権の県予選が始まっていきます。
八津野との練習試合は、市蘭サッカー部のメンバーたちに高いモチベーションを与え、チームは順風満帆に前進して行っているかと思われましたが・・・
"チームが県大会ベスト4以内に入らなければサッカー部は解散"
サッカー部廃部を目論む人々により(?)、この事実が校内へと広められ、部員たちの知るところとなってしまい、さらに、初戦の相手は、本来ならシードで1次予選にはいるべきではない強豪高・美浜学園幕張高校であることが、監督の黒木から伝えられ、チームの雰囲気はネガティブな流れに。
せっかく気持ちが高まってきたところでの衝撃の展開。
ここまでは、チームが成長していく、ワクワク・ニヤニヤ感を描いたものが多かったですが、6巻ではそれとは違った、なんて言うんだろう、ピンと張り詰めた緊張感だとか、精神的に追い詰められた状態での戦いだとかを描いたものが多くなっています。
美浜と初戦で戦うことを知った百瀬の絶望の淵に追い込まれたかのような表情だとか、美浜との戦いにおいて、絶対に負けられない戦い(このフレーズはできれば使いたくなかったですが w)であるにもかかわらず、先制点、2点目をも奪われてしまい、"格上のチーム相手になんとかしたいんだけど、どうにもできないやるせなさからメンバーたちが言い争いになり、チームがバラバラになっていく姿"は読んでいてなんとも痛々しい気持ちになりました。※
ですが、そんな流れを払拭したのは、作品のメインテーマである、"エンジェルボイス"でした。
エンジェルボイスの正体は、1話の最初の方で成田に告白し、バスケ部を経て、サッカー部のマネージャーとなった麻衣。
美浜戦でのハーフタイム。2点をリードされ、チームがバラバラになりそう(というか、すでになってたけれど)な状況を見かねた麻衣は、唐突に"翼をください"を歌いだす。
この麻衣の歌声に、安らかな心を取り戻した選手たちは、再び気持ちをひとつにして後半戦へのピッチへと向かっていくわけなんですが・・・(6巻はこのシーンまで収録)
単行本で改めて読み返しても、やっぱりなんか腑に落ちないものがあるよなぁ・・・
と、いうのが正直な感想でした。
結局、麻衣の歌声がメンバーたちの心にどう響いたのかが、いまいち理解しきれなかったので・・・。
ですが、全体を通しては、いい意味でも悪い意味でも、『ANGEL VOICE』らしい作りで、私もそうですが、作品が好きな人は熱い気持ちで読んでいけると思います。
※
さて、7巻以降について・・・。
2点差を追いかける市蘭サッカー部の反撃となっていくわけですが、市蘭側ばかりでなく、敵チームである美浜側にもスポットを当てたエピソードもあり、ますます熱い戦いが繰り広げられていきます。
一応連載の方も毎週チェックしているので先の展開は知ってますが、ここからが面白くなってくるところなので、改めて単行本で読み返すのを楽しみにしています。
■ 収録
第43話~第51話
週刊少年チャンピオン2008年14号~23号
美浜幕張戦ハーフタイム、エンジェルボイス発動まで収録
タグ : ANGEL-VOICE
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