『GOLDEN★AGE 9』 / 寒川一之
2008.07.22 21:00
8巻に引き続き、物語のメイン舞台であるかもめ中サッカー部を離れて、トレセン編が中心に描かれている、『GOLDEN★AGE』の9巻の感想です。
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県トレへの推薦を賭け、ペアを組んでトーナメントを戦う参加メンバー(かもめ中からは、唯、近江、トラ)たち。
で、今回のメインは、1つのボールを4チームが入り乱れてゴールを奪い合う、バトルロワイヤルになっています。
その中で、世代別代表でその中でもトップクラスの実力を持つ主人公・唯に、同じく代表でコンビを組み唯に匹敵する実力を持つプロクラブのJr.ユース所属の丹波、それに実質的な主人公的な存在とも言える近江、・・・というこの3人のFW。
周囲の状況を冷静かつ素早く判断し、ボールの動きを予測して動く唯。
自ら決めるばかりでなく、的確に味方を生かすプレーもできる。
周囲のことなんかおかまいなしに、自らの力で突き進んで(個の力での局面打開)シュートチャンスを作っていく丹波。
そして、本能の赴くままに動き、ズバ抜けた身体能力を生かして破天荒なプレーを繰り出す近江。
同じFWでありながら、それぞれのプレースタイルの違いを見ていくと面白いんじゃないかと思います。
それぞれ、同じゴールを狙うにしても、プレースタイルに個性があるからこそ、サッカーは面白い(これは、サッカーに限った話ではないか・・・)。
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あとは、G★Aらしい適度なコメディ描写や、姑息な手段で勝利を狙うトラ(唯に対して卑屈になってるところも)、相変わらずピリッと効いた存在感を発揮する蓮葉など・・・
普通にG★Aが好きな人なら、普通に楽しめる内容だと思います。
サッカーマンガとして見ると、やはり作画の力強さが・・・というのはありますが(けど、寒川先生の描くくキックモーションは好き)、多少ツッコミどころはあるとはいえベースとなるサッカー部分はしっかりしてますし、もうちょっと評価されてもいいんじゃないかなぁって・・・、まぁ、いつも同じことを書いてますが(苦笑
絵柄について、この作品の世界観で考えたら、GOAL79の扉絵のようなリアル画は、似合わないとは思うんですが、あんな絵柄のG★Aもちょっと見てみたい気もします(笑
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ここのところ巻末の恒例となっている、おまけマンガが相変わらず面白すぎる件について。
毎回毎回ネタ考えるのも大変かと思いますが、けど、毎回描いてくれるし面白いので、単行本が出るたびに期待し始めてる自分がいます(笑
一言だけど的確すぎるキャラ紹介とか、「行く前に作戦立ててくれだの」のナリアちゃんとか、身長2kmだとか、やべぇ、めちゃくちゃツボにハマってる(笑
寒川先生は、もし万が一、絶対にあってはならないことだけど、万が一にですよ、G★Aが打ち切られてしまうようなことがあったとしても、ゆる~い感じのコメディマンガを描けば十分にやっていけそうに思います。
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さて、次の10巻は、多少ひと悶着ありますが、引き続き県大会本戦を戦うかもめ中を描く展開となっていきます。
おまけマンガも描いてくれるなら楽しみにしてますが、何よりもサッカーマンガとして好きな作品ですので、10巻の発売が待ち遠しいです。なんだかんだで、巻数を重ねるにつれて、好きになっていってますね(笑
■ 掲載
GOAL77~GOAL86
週刊少年サンデー2008年2・3合併号~13号
県大会初戦vs逗子平成まで収録
タグ : GOLDEN★AGE
コメント
コメントどうもです。
私は、FW3人のスタイルの違いの方に着眼点がいっていたので、KTRさんが指摘する部分は、特に気に留めてなかったですが、1点目のシーンなんかよく見直してみると、丹波があのドリブルをするには、フィールドが狭すぎる感はありますね。
甲斐については、初期に比べれば弱体化が著しいですが、今後いつかまた存在感を見せるときがきっと来ると私は信じてます!(笑
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GOLDEN★AGE9巻…非常に面白かったのですが、
・丹波のスピードを生かしたドリブルがあんな狭いフィールドでも通用しまくる点
・それに比べて甲斐のドリブルシーンがまったくなかった点
以上の2点が個人的に納得いきませんでしたw
甲斐はもはや脇役扱いなのですかね…。