今週の『GIANT KILLING』#71
2008.06.19 23:45
遅れてスタジアムへやって来た、古株サポご一行。
自分たちの持ち込んだ横断幕を張るため、そのスペースを空けてもらおうとスカルズのメンバーにお願いするも拒否されてしまい、さらに、そこに登場したのは、スカルズのリーダーの羽田。
「俺たちとあんたらとは応援する意味が違う」
羽田は、古株サポにそう言い放ち、なんとも言いがたい雰囲気となっていた場面が、先週号に描かれていたわけですが、その話はまだ終わってないようで、この両者のやりとりの続きのシーンから今週号は始まります。
「なんだぁ!? お前偉そうに!」
横断幕を張ることを拒否されたことに腹を立てるシゲ。
そこから、言い争いが始まるのかと思いきや、後半を戦うため選手たちが出てきたこともあり・・・
「俺達はどんな時でもチームを見捨てたりはしない」
との言葉を残し、選手たちをサポートするために、元のポジションに戻る羽田。
意外にも(?)、吾郎のことを知っていることをうかがわせていました。
そして場所は変わり、放送室から試合を観戦する、ブラン日本代表監督ご一行。
後半も大阪が一方的に支配する展開になるのではないかと予想する通訳くんに対し・・・
「なんで?」
と、疑問を投げかけるブラン。
前半の試合の流れと後半に向けてのメンバーチェンジがないことを理由に(?)、そう予想する通訳くんの考えにブランは同意しかねる様子。さらにブランは、達海が仕掛けた何かがまだ見えてないとも言っています。
さぁ、そんなこんなで、ETUのキックオフで後半戦がスタート!
特に大きな変更もなしに後半を迎えたETUに対し、達海の意図を理解しかねるといった様子のダルファー。
ソノダくんは、この試合を投げ、若手に経験を積ませる方向なのではないかと言いますが、これにダルファーは、きっぱりと否定します。
「彼はこういう状況でこそ勝利を狙ってくる男だ」
プレスカンファレンスで握手をしたあの瞬間から、達海から自分を熱くさせる"何か"を感じていたダルファー。
しかし、ダルファーは、決して達海と素晴らしいゲームがしたいというわけではなく・・・
「彼みたいな男を完膚なきまでに叩き潰したいだけだ」ということのようです。
そして、ピッチに話を戻しまして。
王子は、世良にパスを送ろうとしますが、「取れる!」と踏んだ平賀は、それをインターセプト!
平賀から志村へパスは渡り、志村は前線のハウアーへとパスを送ります。
「ぎゃ――っ 後半のこのパターンかよ!!」
と、子供たちが叫ぶように、この流れはまるで前半と同じ流れのように見えます。
しかし、後半も引き続き、ハウアーをマークする黒田は、あの失点シーン以外は負けた気はしていないと、強気に、キープをしようとするハウアーからボールの奪取を試みます。
ボールを奪われそうになったハウアーは、ボールを奪われまいと、ちょっと黒田の袖を引っ張りますが、レフェリーはハウアーのファールを取り、黒田の好プレーにスタジアムは沸きます。
1点を取ったとはいえ、その後なかなか思うようにプレーさせてもらえないことに苛立ちを見せるハウアー。これに黒田もしてやったり顔。
前半に1失点してしまったとはいえ、あの体格差で黒田はよくやっていると、黒田のプレーを松ちゃん も褒めますが・・・
「いやいや まだまだでしょ」
と、それを否定する達海。
"面白がれるかどうか"という、この試合のテーマに対し、"負けてない"から"勝てる"へと変わってきて、面白くなってき始めたであろう黒田のプレーは、これからもっと良くなるはず踏んでいるいるようです。
しかし、黒田一人が手応えを感じていたってダメ。
選手全員が・・・、特に前のほうにいる選手が手応えを感じ始めていかないことには・・・。
再び、ピッチの中へと話は戻り・・・。
ハウアーがチャンスを潰したことに対し、「俺FWやねんぞ!! 点とらんで試合終われるか!」と、文句を言っているのは畑。
そんな畑とハウアーのやり取りを見て、何か感じるものがあった様子なのは、我らがETUのエースストライカーの夏木陽太郎。
「俺はどうなんだ…… 俺は――…」
もしかしたら、夏木の何かが変わっていくかもしれないって予感させてくれたところで、今週はここまでとなっています。
■ 私的雑感
とりあえず、スギと窪田のマッチアップについては、置いときまして・・・って展開でしたね。
いくつか思ったことはあったのですが、ポイントとなるべく簡単に書いていきたいと思います。
※
まずは、サポーターの話について。
「俺達は どんな時でもチームを見捨てたりはしない」
という、羽田の台詞はカッコよかったと思います。
と同時に、言葉になんかできない、すごく深いところにある"何か"を感じました。
達海が現役だった時代から、達海が去り2部に降格してしまった時代。
スタジアムへ観戦に来るサポーターの数が減り、クラブも2部でもがき続け、数年かけて1部に戻ってきても降格圏内をさまよい続ける10年間。
その間、ずっとスタジアムから声援を送り続けたであろう羽田の、その想いが集約されたものがあの台詞かと思うと、その重さは測り知れない・・・。
何やら、羽田は吾郎のことを知っているようですが(吾郎たちがかつてのETUサポの中心的存在であるのなら、知っていて不思議はないと思うけれど)、そのあたりの関連性も含めて、今後の展開を見守っていきたいですね。
今まで、他のどのサッカーマンガでも描いてない部分なので(多分)、じっくりと描いていってほしいと思います。
※
ダルファー&ソノダくんのやり取り。お約束の、グフフフ・・・展開にはならなかったですね(笑
あの場面から、私が感じ取ったのは、ダルファーのプライドですね。
フットボールに対する哲学も対極だと思いますし、その力はきっと認めているとは思うけれど、「お前みたいなヤツには絶対負けたくない!」っていう感情はあるんだろうなと思います。私は、そういうの好きです。
※
クロとハウアーのマッチアップも、よかったです。
クロに執拗なマークに苛立ち始めてるハウアーの描写がいい。
ハウアーの「この程度でかよ……!」には、吹きました。
あー、こういうのってあるあるって(笑
けど、今回のハウアーのは、完全に掴んで引っ張っちゃってると思うんですけどね?(笑
タッツミーが言うには、クロが見せ場を作ってくれるのかここからなようなので、この両者のマッチアップは、まだまだ見せてくれそうです。
※
恐ろしいほど単純だろうが・・・
悲しくなるほど単純だろうが・・・
試合展開に応じて、一喜一憂、個性豊かな表情を見せる・・・
そんな松ちゃんが大好きだー!
って、そんなわざわざ強調する必要性もないんですが(笑
※
さて、来週以降に向けて。
「Mr.タツミが仕掛けた何かがまだ見えてないじゃないか」
と、ブランも言ってましたが、そろそろその具体的な部分を試合の中で見たいかなーと思います。
とりあえず、来週号は、ナッツが"今度こそ"何か見せてくれそうなので、そこに期待。
クロに続いて、ナッツが、次また他の誰かが・・・
と、面白がっていく選手がひとり、またひとりと増えていくにつれ、読んでいる私たちもワクワク感が増していく。そんな感じになってくれればと。
0-2からの逆転劇をいかにドラマティックかつナチュラルに描いていくか。
ここからが、この作品のひとつの醍醐味であると思うので、来週以降の展開を楽しみにしています。
ジャイキリであるがゆえに、どうしてもそのハードル高くなってますが、よろしくお願いします(笑
タグ : GIANT-KILLING
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