『オーレ! 1』 / 能田達規
2007.01.15 00:41
待望の、『オーレ!』のコミック第1巻です。
上総市(袖ヶ浦、君津、富津、木更津の四市が合併してできたという架空の市。実現はしなかったものの、合併の話そのものは本当にあったみたいです)役所の、"市民の声を聞く課"に勤務していた主人公・中島順治。
ところがある日、市長命令でN2リーグ(J2に相当)に所属しているプロサッカーチーム・"上総オーレ"へ、ドイツ語通訳兼アドバイザーとして、研修の名目で1年間出向することに。
日本代表の試合を有給を取って観戦するとはいえ、「サッカー」は四年に一度みんなでバカ騒ぎしながら見るものと思ってる程度で、サッカーについてそれほど知っているわけでもなく、ドイツ語も単位がとりやすいと理由で修得しただけで特に話せるわけでもない。
何より、彼の理想は都市計画課や商工観光課など、創造的でアクアラインを作るみたいな大きな仕事で、最初はオーレでの仕事に決して意欲的とはいえなかった・・・。
けれども、年間4億という、N2リーグの中でも最低レベルの予算、順位もアマチュアリーグ降格危機に瀕しているほど低迷している厳しい現状、その中でもチームのために頑張っている人、内情に触れていくにつれて、少しずつオーレに対して、"ホンモノ"の愛情が芽生え始めていき、チームを良くしていくため、そして、活気を失っている上総市の復興のために、精一杯戦っていく・・・
というのが、大まかなストーリーです。
公務員が主人公で、チームのフロント側の立場で進んでいくという点では、異色の作品と言えますね。類似作品には、親会社からの出向社員が主人公の『フットボールほど素敵な商売はない!!』が挙げられると思います。
あとは、過去の発言の繰り返しのようになってしまいますけど・・・
能田先生が過去に描いたサッカーマンガ『オレンジ』と比べて、下部リーグの下位に低迷するチームのシビアな現実を描いた部分は同じですが、今作『オーレ!』の方が、熱血的な少年マンガの要素は失われ、下位チームの現状を描くリアリティは増したかなって感じです。今作の方が、大人向けテイストと言えるでしょう。
クラブチームを舞台に、チームのために、愛情を注ぎ、全力で戦っていくという、心揺さぶる熱さを持った作風が、思いっきりツボだったりするので(最近連載がスタートした『GIANT KILLING』もその路線だよね)、私は『オーレ!』のことが大好きだし、これからも応援していきたいと思います(笑
今回、内容についてはあまり触れられませんでしたが、そのへんは、連載の雑感をちょこちょこ話していければいいな~って思っております。
タグ : オーレ!
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