『友まっしぐら 3(完結)』 / 原作:七三太郎 漫画:飛永宏之
2008.03.02 21:47
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霊感系サッカーマンガ、『友まっしぐら』の3巻について、発売からだいぶ経過してしまいましたが、完結した作品なので、3巻の感想というよりは、作品の総評といった意味合いが強いですが、簡単に書いていきたいと思います。
まずは、3巻の見どころを簡潔に書きますと、夏の大会地区予選の1回戦の続きで・・・。
主人公・田中友の所属する快進中と、名門クラブを日本一に導いたという、MF・高久敏率いる北川中との対戦のクライマックス・・・作品は完結しますので、すなわち、作品のクライマックスへと向かう展開といったところになります。
霊感によってチャンスやピンチを"察知"して動く、友を中心とした快進中のイレブンと、優れた予測能力により、先の展開を"的確に読んで"プレーする高久との対決が見どころになっていくかと思います。
※
私は、この『友まっしぐら』という作品について・・・
(以下、微妙に3巻のバレ要素あり)
チャンスやピンチとなる箇所が光って見える絶対的な能力を、"霊感"という非常に都合のいいものとして利用し、サッカー描写に組み込んでいこうとする、そのアイデアは斬新で、そのファンタジーな部分と、リアリティの部分、それに、幼稚園児並み運動能力しかない主人公の成長と、チームメイトたちの連携を高めていく、といったあたりのバランスを上手く取っていけば、面白くなるんじゃないかなぁ、面白くなるだけの資質はあるんじゃないかなぁと考えていました。
ですが、連載していたコミックボンボンの休刊が決まり、ストーリーをまとめていく方向へとなっていったためか、最終的には、霊感のインフレ状態と言いますか、ばあちゃんによって友の霊感パワーがさらに引き出され、さらにはさらには、チームメイトたちにまで、霊感が開花してしまうという・・・、霊感の投げ売り状態となってしまいました(^^;
原作の七三太郎先生の実績から考えれば、もう少し長いスパンで作品を描いていける状態であったなら、おそらく、あんなメチャクチャな展開ではなく、もっと全体のバランスが上手く取れて、主人公がじわじわと成長していく過程を読んでいくことができたと思うので、そういう意味では残念な作品だったと言えるかもしれないです。
連載初期の頃にも書いてると思いますが、もっと面白くなれる可能性はあった作品だと思うんだけどなぁ・・・。その片鱗は、確かに存在していたと思ってますが、最終的に3巻をまとめて総評すると、失礼承知の上で書きますが、私の主観では、平均点に届かない作品でしたと、そう結論付けておきます。できれば、ボンボンが休載のない状態で、本当の完結となる部分まで読んでみてから、判断したかったですね。
■ 収録
Mactch No.8~11
コミックボンボン2007年9月号~12月号
最終話まで収録
タグ : 友まっしぐら
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