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サッカーマンガを読もう!

ひとりの"サッカー好き"が書く、主観的なサッカーマンガの読書日記。『GIANT KILLING』と『ANGEL VOICE』を猛烈にプッシュ中!

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『GIANT KILLING 4』 / 原作:綱本将也 漫画:ツジトモ 

2008.02.02 19:23


綱本 将也, ツジトモ / 講談社(2008/01/23)
Amazonランキング:位
Amazonおすすめ度:
我慢の時


お待たせいたしました。
『GIANT KILLING』4巻の正式版(?)レビューです。

バレ要素を嫌う方、初版限定ステッカーの画像が見たい方は、簡易レビューの記事をこの記事内はやんわりバレ要素がありますので注意)、モーニングの連載を読んだ当時の感想は、『今週のGIANT KILLING』のカテゴリーを遡ってご覧になっていただければと思います。

連載当時に読むのと、単行本で改めて読むのとでは、数ヶ月のラグがあり、その間に自分の作品に対する考えや意識などが微妙に変化してたりして、自分で読んでいて面白かったりします(笑

さて、4巻の見どころはと言いますと・・・

東京ヴィクトリーとのプレシーズンマッチで可能性を感じる戦いを見せ、開幕戦のジャベリン磐田戦の序盤でも、いい流れで試合を進めていましたが、たったひとつの不運ともいえる失点から一気にリズムを崩し、0-4と大敗を喫してしまったETU。その後どうなってしまうのか? ・・・というのが3巻までの流れでした。

そして4巻は、その後のETUのシーズン序盤の戦いぶりと、そこから派生していく、ETUを取り巻く人々(監督、フロント、選手、サポーター)のドラマがひとつ。

そして、シーズン序盤のヤマとなっていく、ETUとは因縁のある不破が監督を務める名古屋グランパレス戦。4巻では、キックオフ直後までの収録となっていますが、ETUの脅威となりそうなブラジル人トリオの登場などは、ジャイキリらしい楽しさがあって、"5巻への期待感"という意味合いも含めて必見です。まぁ、このあたりについては、5巻のレビューの方で触れていくことになると思います。

達海がETUの監督に就任したことにより、それを快く思わない者たちと、信じようとする者たち。それぞれの考え、思いが織り重なり紡がれていくドラマが、面白かったです。

達海のやり方が気に喰わず、反発し練習をボイコットする黒田(&杉江)に対し、達海のやり方の意図を汲み取ろうとし、再考を促す、子供っぽいキャラの多いジャイキリにおいて、その大人っぷりが際立つチーム最年長の緑川。そんな緑川の言葉を、真摯に受け止め、冷静に考え、黒田を説得し、最終的には、達海の下で戦う意思を見せるようになった黒田のシーン(達海のことは気に入らないままでしょうけどw)も、そのひとつ。

そして今回、私の心を一番強く揺さぶったのは、連敗続きで結果が出ない、達海率いる新生ETUに憤り(その根底には10年前の出来事も背景にはあることでしょう)、それで、まぁ・・・サポーターの抗議行動の代名詞とも言える"バス囲み"を実行した、ユナイテッド・スカルズのメンバーたち。その説得に当たった、達海をETUに招聘した張本人のGM(ゼネラルマネージャー)・後藤のシーンです。このシーン、読んでいて連載当時も、単行本で読み返したときも泣けました。

自分が連れて来た監督を、GMである後藤が信じるというのは、当然のことなのかもしれない。

けれど、そんな当然であるべき責任をまっとうできず、自己保身に走るようなお偉い人は、決して少なくないじゃないですか。

そんな中、後藤は、バスを囲む大勢いるサポーターの前に、たったひとりで説得に向かった。
監督である(その中には友人であるという意味も含まれてるかもしれない)達海を守るために。

そんな、後藤の男気に、それに1話の達海をETUの監督として迎えるためにイングランド中を探し回ったことや、達海を迎えようと思ったその経緯なんかを思い返しながら読んでいたら、本当に泣けてきました。

4巻は、サッカー描写よりも、こういった人間関係の描写に、心打たれるシーンが多かったと思います。

その一方で、監督としての達海はどうだったかいうと・・・
うーん、どうなんだろう。

負けグセ返上のために、達海が行ったサッカーテニス。

その意図は、ネガティブな状況の陥ったときにでも、素早く切り替える意識を浸透させるためであったと解釈してますが・・・。私には、少々納得しにくいものがあったかなぁ。

『GIANT KILLING』は、監督が主人公のサッカーマンガではありますが、戦術とか理論的な部分をマニアックな方向に強く求めすぎてしまうと、物足さがあるというか、"ハズレ"になってしまう可能性もあるかなぁと思います(達海の"奇抜さ"のイメージが先行しすぎてる印象が強いかなと)。

私も、心の隅でそう思っている部分は確かにあるんですけど・・・、だけど、『GIANT KILLING』という作品の面白さの本質は、"自分もETUサポーターになった気持ちで、ETUをとりまくドラマの数々を一緒になって熱狂し楽しんでいく"ところにあると思ってます。

その視点で考えると、私にとっては、他とは比較できないほど、最高に好きな作品です。それは、このブログ内での扱いを見てもらえれば、一目瞭然だと思います(笑

心の底からこみ上げてくるような熱さだけでなく、自分のひいきにしているサッカークラブを追いかける楽しさも兼ね備え(同じサッカークラブを舞台にした、『オレンジ』や『オーレ!』だとシビアな感情の方が強い、まぁ、みんな大好きですけどねw)、"適度にリアルサッカーの面白さのエッセンスを抽出しながらも、マンガとして、サッカーに詳しくない方でも、イキイキとした登場人物たちの魅力でもって楽しく読むことができる"

そんな、サッカー好きでも、そうでなくても楽しめる、非常にトータルバランスの優れたサッカーマンガだと思います。

私個人の主観で言わせてもらえば、有無を言わさずに「とりあえず読め!」と、押し付けてでも読ませたいほどなのですが(笑)、最近はいろんなメディアやブログなどで取り上げられることが多く、それをきっかけにジャイキリに興味を持った方は、ぜひ一度読んでもらえたなぁと思います。

さて、4月23日の発売が有力視される5巻ですが・・・

4巻の終盤からスタートしたグランパレス戦がメインとなっていきます。
今度は、サッカーマンガらしく、サッカー描写で魅せてくれます!
(やっぱり、私としてはサッカー描写を楽しみたいw)

グランパレスの選手たち、ブラジル人トリオに板垣、監督の不破など・・・は、敵役にしておくにはもったいほどの素晴らしい個性を見せてくれて(5巻のレビューのテーマはここですねw)、シーズン序盤のターニングポイントとなる試合して、面白い出来となっていますので、単行本派の方は、巻末の予告を眺めながら楽しみに待っていてくださいね!

いつもながら、この予告、ストーリーの"流れ"を的確に捉えた、素晴らしい出来です。単行本買うとき、1話と1話の間にあるカットもそうですが(半袖ネタに吹きましたw)、巻末の予告も楽しみにしています。

ていうか、予告読んで、毎週連載読んでる私の方がワクワクしまくりで、特に最後のコマ、あのシーンを思い出すだけで鳥肌立ちます。あぁ、5巻の発売が今から本当に待ちきれない!

■ 掲載

#28~#37
週刊モーニング2007年34号~44号
リーグ戦4節vs名古屋グランパレス キックオフ直後まで収録





あとがき。

いろいろと語りたい場面が多くて、いざ、単行本のレビューとしてそれらをまとめようとすると、すごく難しく、今回もうまくまとめられなかったなぁと反省。連載雑感で書くときは、頭に浮かんだことを、ひたすらに文章に書いてくだけなので、やりやすいんですけど・・・(笑

まぁ、また次。
気持ちを切り替えて、いいレビューが書けるように精進したいです。

タグ : GIANT-KILLING

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