『GOLDEN★AGE 6』 / 寒川一之
2007.11.25 21:50
Amazonおすすめ度:

万年1回戦負けの超弱小チームだったかもめ中が、前年20点以上の大差をつけて敗れた相手・東神学園と、今度は決勝戦という大舞台で対戦・・・というのが、6巻のメインとなっています。
唯を中心とした元ユース組、蓮葉や近江などのメインクラスのキャラたちはともかく、前年大差で敗れたときのメンバーだった先輩たち、サッカーをつい最近始めたばかりのヤンキー軍団たちは、決勝戦の雰囲気に飲み込まれて萎縮してしまう中、萎縮状態から解き放つため唯の取った行動とは?
かもめ中のディフェンス陣を苦しめる、王者・東神学園の攻撃を牽引する一色単のプレー、そして、一色を止めるために、なんとあの近江がマンマークにつくことになるのですが、その常識では考えられない一色を止めるための手段とはいったい?
守ることはできても、ビハインドを負った以上点を取らなければ勝つことはできない。 しかし、トラ→唯のホットラインが通る前に潰されてしまう。そのトラに足りないものとは?
そのあたりが、今回の見どころになっていくでしょうか。
※
6巻を読んで一番思ったことは、この作品のサッカーの描かれ方はいいとは思ってるんですけど、近江がサッカーシーンに絡んでいくほど、"リアリティ"という言葉から遠ざかっていくんだよなぁってことです。
先程、見どころに挙げた、近江が一色にマンマークにつくところの話なのですが、素人である近江をマークにつけたところで、質の高いランでマークを外しフリーでボールを受けラストパスを供給する一色を止められるはずもない。
そこで近江は発想を変え、一色の出すラストパスを、持ち前のずば抜けたスピードでもって反応し、相手FWよりも先にボールに触ることで対抗するという手段に出ます。
それが功を奏し、近江の反応できないパスコースを考える、一色のプレーの迷いを誘い、東神の攻撃の流れを止めることに成功するのですが、その近江のプレーは、さすがに物理的に無理なんじゃないかな(誇張表現の範囲を超えてしまってるのではないか)と思ってしまったんですね。
一色と東神のFWには、出し手と受け手コンビネーションがしっかりできていて、しかもそのパスはダイレクトで繰り出され出しどころは2箇所ある。
そんな状況で、パスを出した瞬間に反応して追いつくことができるのだろうか??
まぁ、近江の身体能力については前々から突っ込みどころではあったし、あれこれ深く考えてもしょうがないのですが、連載雑感でも取り上げてなかったので、あえて書き留めておくことにしました。
これが実際、(多少無茶であっても)物理的に十分可能だというなら、近江らしい破天荒なやり方で面白いとは思ってます。
6巻のサッカー描写で言えば、蓮葉→トラ→唯とダイレクトパスが通り、キックオフ直後の唯のドリブル突破のイメージが残ってる東神ディフェンス陣をあざ笑うかのようにラストパス→フリーになってた堤がシュートのシーンが一番好きでした。
てか、同じ元ヤンキー軍団の藤川やミヤッチには見せ場があったのだから、あの堤のシュートのシーンは決めさせてあげてほしかったなぁ!(笑
※
さて、コミック7巻は引き続き、東神学園との決勝戦が続いていくわけですが・・・
2点のリードを奪われてしまったかもめ中を、"トリックスター"の異名を持つ唯は、過去の実績通りチームを勝利へと導くことができるのでしょうか?
個人的には、この先の展開が好きなので、7巻の発売を楽しみにしています。
■ 掲載
GOAL47~GOAL56
週刊少年サンデー2007年20~31号
東神学園との決勝の途中まで掲載
タグ : GOLDEN★AGE
コメント
コメントの投稿
トラックバック
http://soccermanga.blog84.fc2.com/tb.php/182-b504856e