『ANGEL VOICE 2』 / 古谷野孝雄
2007.11.11 00:24
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不良たちの巣窟となってしまい、"県内最強軍団"とサッカーとは違ったところで有名となってしまったサッカー部を再生させるというストーリーのサッカーマンガ、『ANGEL VOICE』の2巻のレビューです。
舞台となる、市立蘭山高校(通称・市蘭)サッカー部を再生させるために、黒木が赴任してきて、ようやく初練習が始まるのですが(まぁ、それまでにいざこざはあるのですがw)、練習に参加した生徒は、主人公・成田信吾をたった3人。
信吾たちや黒木は、練習と並行して、まずは試合ができるだけの部員を確保するために、勧誘活動にも奔走していくわけですが・・・。
現段階での見どころは、少しずつかもしれないけど着実に、サッカー部再生のための骨格が作られていく過程にあると思います。
(個人的には、ナショナルトレセンに選ばれるほどの力を持ちながらも、とある事件がきっかけにサッカーをやめてしまった、"最強の4人"のひとり・乾清春が、再びサッカーの道へと進み始めるエピソードが、特に好きですね。)
激しく心が揺さぶられるようなインパクトには欠けるのですが、なんて言うのかなぁ、ひとつひとつのエピソードが丁寧に描かれていく過程は、じわじわ~っと作品の世界観に引き込まれていくような感じとでもいいましょうか。このじわじわ感が読んでいて何とも心地がいいんですよね。
はっきり言って、すごく地味!
けど、それがいいんだ!!(笑
ここのところは評価が分かれそうな気がしますが、目先の派手さや華やかな描写にとらわれることなく、じっくりと読ませていくようなタイプのスポーツマンガが好きな方には、お薦めできると思います。これはこれで私は好きです。
ストーリー展開だけでなく、サッカー描写についても、基本的なところから(初心者もいるという事情もあるのでしょうが)丁寧に描いていこうとする意図が感じられます。決して悪くはないのですが、もうちょっと、作画的に説得力があってくれればもっとよかったのになぁ(これは現在進行形の連載を読んでの感想ですけど)と思うところもあるかな。
この作品は、これからもっともっと面白くなってくると思います。
今あるこの"じわじわ感"が最高潮に達したとき、私に何を見せてくれるんだろう?
そんな期待感を抱きながら、まったりとストーリーの行方を見守っていきたいです。
地味な作品がゆえに、"隠れた名作"で終わらせないためにも、ちょっと強めにプッシュしておきますね!(笑
■ 掲載
第7話~第15話
週刊少年チャンピオン2007年28号~36・37合併号
乾、尾上が入部するところまで収録
タグ : ANGEL-VOICE
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