『GIANT KILLING 3』 / 原作:綱本将也 漫画:ツジトモ
2007.10.29 00:43
お待たせ(?)いたしました。
『GIANT KILLNG』3巻の正式版レビューです。
やんわりとバレ要素がありますので、それが嫌うなら、 簡易版レビューの記事へ。初版限定ステッカーの画像が見たい方も同様にお願いいたします。
連載当時に書いた記事を読みたい方は、 今週の『GIANT KILLING』のカテゴリーより遡ってみてください。ジャイキリ好きの方は、 コミックのレビュより、そちらを読んでもらった方がいいような気がします。
【3巻の見どころ】
3巻の見どころについて、簡易版レビューよりもう少し突っ込んで書いてみたいと思います。
大きく分けると3つ、ヴィクトリー戦のプレシーズンマッチのクライマックス、 開幕前のプレスカンファレンス編、(シーズン前日のエピソードを挟んで)いよいよ待ちに待った開幕戦 といったところが描かれています。
※
まずは、東京ヴィクトリーとのプレシーズンマッチの後半戦。
2巻の最後のところで、フリーキックを決められ同点に追いつかれてしまったETU。
後半に向けて、達海は、王者ヴィクトリーに対し、ガチンコの真っ向勝負を挑みに、より攻撃的にシステムを変えていくのですが、
そんなETUの後半の戦いぶりに注目です。
そして、フリーキックを与えるファールをしてしまったのが、 2巻のレビューでも個人的に取り上げましたが、試合の序盤では好プレーを見せ、先制のアシストもし、 輝きを放っていた椿でした。
意気消沈して、ハーフタイム中のロッカールームで、自分のミスをチームメイトに謝る椿。
それに対し、達海は、「ここでナヨっちまったら前半のお前は意味ねえぞ」と、 もう一度椿に気持ちを取り戻すよう言葉をかけ、ピッチを送り出します。
前半のミスを取り返すため、達海の期待に応えるために、 再び強いハートを持ってプレーし始めた椿。
その椿が、その後の展開に絡んでくるので、注目しておきましょう。
そしてそして、ヴィクトリー戦のクライマックス。
3巻の中で、ここがストーリー的に一番盛り上がるところだと思います。
達海によってキャプテンから外されてしまった村越。
いや、キャプテンという重圧から解放されたからこそ、見せてくれたものなのでしょう。
これには、もう言葉はいらないですね。
ジャイキリが好きで、感情移入しながら読んでいる方なら、 この"ミスターETU"と呼ばれる男が演出してくれた、 最高のクライマックスに、胸が熱くならずにはいられないはず!
※
続いては、プレスカンファレンス編です。
プレスカンファレンスとは、リアルJリーグでは、開幕前に毎年行われている、 全クラブの監督と選手(キャプテンが出るのが普通?)が集まったプレス向けのイベントで、 ジャイキリの世界(リーグジャパン)でも、プレカンは再現されているようです。
全クラブの監督が集まるということで、今後ストーリーに絡んできそうな新キャラ(他クラブの監督など)が 登場してきます。ジャイキリの世界らしく、個性的豊かな人々ばかりです(笑
そして、ここでの一番の見どころは、各監督がシーズンの抱負などを話す場面での、達海の発言。
「この国の今年のサッカー界……
俺が面白くしてやるよ」
と、関係者たちに向かって、思い切り宣戦布告しているシーンは、 達海の表情もイキイキとしていていいなと思います。
それからもうひとつ。
イベント後、監督会議が終了した後に、もうひとり新キャラとの出会いがあります。
それは、代表監督であるブランという名のフランス人なのですが、 似たような感性を持つこのふたりのやりとりにも注目です。
※
そして、いよいよシーズン開幕となっていくのですが、今回はその部分には触れません。 開幕序盤の展開として4巻の方でまとめて取り上げようと思っています。
【今回のメイン】
3巻のストーリー的に、最高に盛り上がるのは、先ほど取り上げたように、ヴィクトリー戦のクライマックスで、 もちろん私もそのシーンは大好きなのですが、それとはちょっと違った趣旨で個人的な大好きな部分を、 今回のメインとして書いてみようと思います。
それは、ETUというサッカークラブを取り巻くあらゆる人々の、 リーグ開幕前日のエピソードを描いた#25のお話です。
何が好きって、やっぱり、待ちに待った新シーズン開幕戦を直前に控え それぞれが期待に胸躍らせているワクワクしているところですよ!
選手名鑑を必死に覚えてるコウタ、達海を監督に迎え今までのETUとは違うを見せるために意気込む有里と後藤、 達海を男にしようと一丸となっているコーチ陣、達海に不満はあってもETUを勝利に導くために戦おうとするスカルズの面々など・・・
不安な気持ちも当然あると思うんですけど、何よりみんな楽しみにしてるんですよね!
その楽しみにしている気持ちが、個々のキャラクターの表情からすごくよく伝わってきて、
読んでいてこっちもワクワクしてしまいます。
私(だけではないはず!)も、その気持ちは、すっごくよく解るので(笑
簡易レビューで書いた・・・
"開幕に向かって加速していくワクワク感を一緒になって楽しもうぜ!"
というのは、主にここをイメージして書いたつもりです。
"ジャイアント・キリング"というタイトル名から考えれば、1話での達海の発言のように・・・
「弱いチームが強い奴らをやっつける
勝負事においてこんな楽しいこと他にあるかよ」
という部分が、一番の作品の本質であって、私自身もサッカーマンガとして、その部分に大きな期待をしていますが、 ETUという小さなクラブを愛する人々のイキイキとした表情も、 感情を大きく突き動かすインパクトはないかもしれませんが、私にとっては大きな魅力であるのです!
【コミックならではの要素】
3巻のコミックならではの+αの要素として・・・
キャラクター紹介がETUユニフォームとスポンサーロゴの紹介に3巻では置き換わっています。
・・・胸スポンサーの"OEDO EXPRESS(大江戸通運)"は運送会社の方だったかぁ。
まとめ記事で、いろいろ深読みして見事に外してるのは秘密です(まぁ、いつものことですがw)。
1話と1話の間に描き下ろしのカットが入っています
コミックを買うとよく見かけるあれです。
個人的には、ブランのやつが妙にツボでした(笑
手作り感のある4巻予告
次巻予告については、以前も絶賛してますが、いつもながら素晴らしく、ツジトモ先生は
これだけでもいい仕事してるなぁと思います。
断片的なのですが、コマのつながりがしっかり意識されていて、マンガなのだけど 映像が頭の中に流れてくるかのように、イメージできて、私はすごく好きなんですよね~。 "普通そこにはそんなに力入れないでしょう?"ってぐらいに凝ってると思います(笑
【4巻展望】
さて、続く4巻では、開幕戦後のETUの戦いぶりが描かれていきます。
開幕戦は、思わぬ大敗を喫してしまったETU。
果たして、達海はプレスカンファレンスでの宣言通りのサッカーを展開していくことができるのか?
コミック派の方は、巻末の予告を読んで(なんとなく展開をイメージできると思います)、 ワクワクニヤニヤしながら待っていてください(笑
【あとがき】
う~ん、思ったよりも時間がかかってしまいました(^^;
でも、結局いつも通り、グダグダになってしまった感が否めないなぁ。
また次、気持ちを切り替えて、記事の質を上げられるように、
ラーメン屋の親父を見習って、前向き頑張りたいと思います。
【掲載】
#24~#33
週刊モーニング2007年24号~33号
リーグジャパン開幕戦vsジャベリン磐田まで収録
タグ : GIANT-KILLING
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