『YATAGARASU 15』 / 愛原司
2007.10.21 16:16
元祖(?)トレセンを舞台にしたサッカーマンガ、『YATAGARASU』の15巻のレビューです。
14巻に引き続き、県トレセンの選考会を兼ねたサマーカップ、主人公・茂木但馬が所属する城ヶ丘トレセンは、何かと因縁ある香坂トレセンと決勝戦を戦っています。
茂木のサマーカップ初ゴールにより、先制したものの、香坂の早瀬によって逆転されてしまった城ヶ丘が、いかにして、逆転勝利を目指していくかが、今回のメインテーマとなってます。
反町の平林(香坂の監督)に対する暴言をなかったこととしてしまったり、平林のあくどさを強調するストーリー展開は、少々疑問を感じたものの(けど、平林ほどでないにしても、こういうタイプの指導者は多少はいるんだろうなぁ・・・)、純粋にサッカーシーンの面白さは、毎度のことながら素晴らしいなと思います。
前巻で一皮向けた森村と茂木が、真なる意味で信頼関係が、有機的なコンビネーションを見せてくれるシーンは、私をワクワクされてくれますね。
それと今回、堅実なカバーリングに的確な読みで、早瀬に決定的な仕事をさせなかった、スイーパー役の三枝(キャプテン)も、茂木や森村に比べて地味かもしれないけど、カッコよかったですね~。
あとは、平林のやり方に嫌気が差し、ラフプレーで森村を止めるように指示されてたことに背き、フェアに森村と対峙した、香坂の塚口と、それに触発されて、平林に屈せず自分たちのために戦い始めた香坂のメンバーたちのシーンもよかったです。
この作品も、"己の意地とプライド"をかけて戦うといったハートの部分を、強く感じることができるのも、私の好むところであります(笑
プレー間の他キャラのセリフがやたらと多かったり、実況風の試合展開の説明とか、シュートがやたらとポストやバーに当たることが多かったりなど(シュートが外れる要素があるのはいいと思ってますが)、ツッコんでみたいところもあったりしますが、"サッカーマンガとしてのベースの部分の出来はすごくいい"と私は思ってますし、いつも書いてることですが、サッカー純度の高いサッカーマンガを読みたい方には、お薦めの作品と言えると思います。
さてさて、連載の方をチェックしていないので、本当に先の展開を知らないのですが、とりあえず、サマーカップ編が終了し、16巻からの新たな展開がどうなっていくのか。楽しみに発売を待ちたいです。
■ 掲載
vol.56~59
月刊少年マガジン2007年5月号~8月号
サマーカップ終了まで掲載
タグ : YATAGARASU
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