『友まっしぐら 2』 / 原作:七三太郎 漫画:飛永宏之
2007.10.09 22:42
霊感系サッカーマンガ、『友まっしぐら』の2巻のレビューです。
紅白戦で霊感を生かしたプレーを連発し、チームメイトたちもその存在を信じざるを得なくなった状況の中、キャプテンは、その確証を得るべく、PK3本すべて止めればレギュラーの座を約束する(止められなければずっと補欠)という条件で、主人公の友は勝負をすることになります。
友はいかにして、PKを止めるのか?
結局は、最後のPKは入れられてしまうのですが、友の霊感の存在を確信したキャプテンは、友をレギュラーに抜擢。そして、友の霊感を軸に大会に向けてチーム作りをしていきます・・・。
しかし、友自身が成長し、パス出しのタイミングやスピードも上がっているため、紅白戦のときのようにパスが通らず、また練習が厳しいというのもあり、チーム内に険悪なムードが漂い始めます。
そこからいかにして、チームがまとまり始めていくのか?
そして、いよいよ大会が始まっていきます。
相手の全体レベルは決して高くはないものの、Jリーグの下部組織出身でU-15世代では県内ナンバーワンMF・高久敏がなぜか所属していて・・・
「サッカーは科学だ ちゃかすやつは許さない」
と、霊感を使う友の存在に不快感を示す高久と友のやりとりと、試合序盤の展開。
大体、このあたりが見どころになってくるでしょうか。
3巻に向けては、連載の方は全然チェックしてないので分からないのですが、霊感によってチャンスとなるスペースやピンチになるポイントを見つける友たちに対して、霊感を使わずとも試合全体の流れを的確に読みチームをコントロールする高久。
この両者のぶつかり合いが、さらに激しさを増してくという感じになっていきそうです。
※
"霊感系サッカー"というキーワードを除けば、"努力・友情・勝利"という、オーソドックスなタイプの少年マンガだと思います。七三太郎先生の作風(キャラのセリフの言い回しなど)は苦手だといつも書いてますけど(笑)、少年マンガとして安心して読める安定感はありますね。
その中に垣間見えるサッカー的な面白さ、"友の霊感というのを上手くサッカーの面白さに変換できれば・・・"という1巻のレビューに書いた、個人的な注目ポイントについては、もう少し読んでから結論付けたいですが・・・
複数のチームメイトが、同時に霊感をキャッチし、"わかった!"となるところまではいいのですが、そこからゴールにつながるまでのプレー(または演出)に、すごく主観的で感覚的な言い方しかできなくて申し訳ないんですが、私的にワクワク感が足りないかなぁと。
雑ではないけど、どこか手抜きっぽさのある作画の影響もあるのかもしれませんが、サッカー描写にもっとこだわりがあれば、もっと面白くなれるような気がします。決して、悪いわけではないのですが、もう一味何かがほしいといったところでしょうか。
ストーリーの方向性としては、今の路線でいいと思います。
霊感を駆使した超絶バトルマンガというパターンも読んでみたかった気もしますが、それは七三太郎先生原作の作品に求めるところではないですからね(笑
※
主人公の友は、良くも悪くも、特にサッカーに対してバカ正直で、見ていて結構面白い。 ありきたりのことですが、名言もあったりして・・・
友の"霊感パス(笑)"は、イメージ的にはかつての中田英ぐらい、厳しいコースへパスを出すのですが(いや、作中見てるとそれ以上に鬼かもしれないw)、そのパスが全然通らず、味方の足元に簡単なパスを出せと友のせいでポジションをDFに下げられてしまった先輩が怒りをあらわにするのですが、それに対して友の発言は・・・
「パスばっかつなげてても点取れませんよ」
と、先輩の怒り炎に油を注ぐようなことを言ってみたり、1巻でも、試合中ミスを繰り返す、誰よりもド下手な友が、周囲の空気を読まずに・・・
「サッカーはミスの連続のゲームですよ
みんなミスせず進んだら全部ゴールになっちゃうでしょ」
(さらに、"気にしない気にしない"の書き文字もあり)
と言い放ち周囲を唖然とさせたりなど、思わず、"お前が言うんじゃねぇーーー!"とツッコまずにはいられなくなる発言は、この作品の隠れた見どころなのかもしれません(笑
※
全然まとなりのない文章となってしまいましたが、コミック3巻は今冬発売とのことで、すでに休刊が決まっている少年ボンボンですが、果たして作品の行方はどうなるのか、気になるところです。
"休刊=連載終了"となるなら、3巻で完結ということになるはずですが、個人的にはもうちょっと先を読んでみたいところなので(かといって"霊感サッカー"で代表編というのは逆に見たくないですがw)、新雑誌に移籍できればいいなぁと思います。
■ 掲載
Match No.4~No.7
月刊コミックボンボン2007年5月号~8月号
大会初戦、vs北川中前半先制点が入るところまで掲載
タグ : 友まっしぐら
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