『ANGEL VOICE 1』 / 古谷野孝雄
2007.09.09 21:44
ケンカ自慢の生徒たちが集まり、"県内最強軍団"と、サッカーとは違うところで名が知られてしまっている、市立蘭山高校のサッカー部を立て直そうとする、というお話の作品です。
主人公・成田信吾は、一応経験者ではありますが、元々はサッカー部に入ろうとする意思を持っていたわけではありません。むしろ、校内でケンカをしてしまったため停学に、さらに、その停学中に学校へ来て、またケンカをしてしまったがために、退学処分を言い渡されるというありさま。
サッカー部再生のために、蘭山高校のサッカー部顧問に就任した黒木は、その手段として、成田の退学を取り消すことを校長(黒木を招聘した本人)に懇願し、職員会議でなんとか認めさせますが、それには、県大会でベスト4の成績を残すことを条件として突き付けられ、それが達成できなかったときは廃部ということに・・・。
んで、成田がなぜ黒木の目に止まったのといえば、成田は蘭山高校の新入生の中でもケンカが強く、"最強の4人"と呼ばれていたうちのひとりで、従来のサッカー部員たちに屈しない腕に覚えのある強い男が、サッカー部を変えるためには必要であるからとのこと。
そうして、黒木のサッカー部再生計画が始まっていくのですが、まずはサッカーをするための部員数を確保しなければならず、果たして部員を集め、ノルマである県大会ベスト4以上という成績を収めることができるのか。
と、大体そんな感じのストーリーです。
※
不良の巣窟から立て直す、ノルマ(この作品の場合県大会ベスト4)を達成しないと廃部、技術的に下手だけど身体能力はズバ抜けている主人公(一応経験者)など、設定は極めてオーソドックス。 それに加えて、絵柄は井上雄彦先生とか梅沢春人先生とか、そのあたりに近い感じで、私には読みやすくはありました。
特に否定するようなところもないですが、読む者を強烈に惹き込ませるようなインパクトもここまではない。サッカー描写も、まったくというほどないというところで・・・
うーん、なので、正直なところ、1巻読んだだけでは、サッカーマンガとして面白いのか、全然判断できません。
個人的には、1巻の段階でちょっとでもいいから、面白さの可能性を見せてほしかったところなのですが、作品を正当に評価するなら、部員がひととおり揃って、ストーリーが具体的に動き出し、方向性が示されてからということになると思います。
※
タイトル名である、『ANGEL VOICE』の由来となりそうなキーワードは、冒頭のプロローグ的に挿入されているロッカールームのシーンで・・・
「………バラバラだったチームを……
ひとつに……まとめてくれた………
あの歌声に応えよう」
と、涙しながら選手に語りかける黒木のシーンがあるのですが、その歌声(チャントのこと?)のことなのかなぁって気がします。
なんとなくだけど、黒木の涙の意味が、ストーリを読み進めていくにつれて、理解できるようになったとき、自分も読んでいて感動できるのかな、そんな気持ちにさせてくれるような作品であってほしいなと思います。
てなかんじで、すいません、あまりレビューになってないんですけど、これからの展開に期待しましょうということで(笑
■ 掲載
第1話~第6話
週刊少年チャンピオン2007年21~27号
タグ : ANGEL-VOICE
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