『オーレ! 3』 / 能田達規
2007.07.22 21:05
市役所で勤務していた公務員の主人公が、プロサッカークラブに出向し奮闘する姿と、貧乏サッカークラブのシビアな現実を描いた、『オーレ!』の3巻です。
今回も、降格圏内の崖っぷちというと厳しい状況の中、N2リーグに残留を果たすため、死にもの狂いで戦う姿が描かれています。
その中でも、降格圏内のままで迎えた最終節、N2リーグ首位であり、N1リーグへの昇格を目指して戦っている、横浜キングス戦が最大の山場であり、今回の見どころにもなっています。
横浜キングスは、横浜FCがモデルとなっていて、"キングヤス"をはじめとしたキングスの面々も、実在選手がモデルとなっているので、それだけでも好きな人には楽しめるのでは?
キングについて、よりによって、"ヤス"ってことはないだろう~?
と(いや、ほら、兄貴の名前が・・・ね?w)、最初は思ったりもしましたけど(笑)、得意のまたぎフェイントで見せ場を作ったりと、キャラとしてしっかりと立っていて、めちゃくちゃカッコよく描かれてます(笑
なぜオレが「キング」と呼ばれているか知ってるか……?
なぜならオレは「場の空気」を読まない男――
「キング」とは――
場の空気を作り出す男のことだ!!
のシーンのところは、敵役ながら、シビれましたね~。
実在のキングって、あらゆるギャグマンガで、目も当てられないほどにネタにされてしまっていることが多かったりするので、こういうところで、カッコよく描いてくれるのは、全盛期のキングを見てるものとしては、嬉しい限り。
それと、キングス戦の他のシーンでは、創造的なプレー描写というのはないのですが、"サッカーは本物の心理ゲーム"(湯浅健二さんがよく言ってるあれです)というところが、しっかりと描かれているので、よかったと思います。 他会場の結果を試合中に流したりとか、なりふり構わず、ピッチ外のところでの心理的駆け引きみたいなことをしているのが。
"クリエイティブなサッカー"のような、甘美な言葉が似合うような作品ではないのですが、上総オーレというサッカークラブを愛し、戦う人たちのハートというのは、私を熱くさせてくれるものがあります。
このあたりは、Jリーグを中心にサッカーを見る(オシムが就任してからは代表への関心も飛躍的に高まりましたけど)自分自身の、『GIANT KILLING』にも通じる、好きなポイントなんですよね。
さてさて、上総オーレのN2残留をかけた戦いは、次巻も続きます。
4巻は、"入れ替え戦"という、さらに熱い戦いが待っていますので(気に入らない部分もあるのですが・・・)、発売されるのが今から待ち遠しいです。
■ 掲載
18話~26話まで掲載
(コミックに記述がないので、いつ連載分かは不明)
横浜キングス戦終了まで掲載。
タグ : オーレ!
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