『YATAGARASU 14』 / 愛原司
2007.06.19 00:04
13巻に引き続き、県トレ選考会を兼ねた"サマーカップ編"です。主人公・茂木但馬が属する、城ヶ丘トレセンが、サマーカップの準決勝、決勝と戦っていきます。
今回の見所は、因縁の相手とでもいうべき、香坂トレセンとの再戦・・・といっても、因縁があるのは、監督の竹林と森村とライバル関係にある早瀬ぐらいですが(笑)、彼らの仕掛けてくるあらゆる"ダーティー"なこと乗り越えて、優勝を目指して戦っていくところでしょうかね。
それと、復活した(というか、目覚めたというべきかな)森村のプレーのキレもそうですが、彼の一皮向けた心情の変化、そして、今まで皆無と言ってもよかった茂木とのプレーのつながりが見え始めたシーン(ピッチの上でお互いを真の意味で認め始めている)は、私をワクワクさせてくれるものがありました。
まぁ・・・、これは個人的な意見ですが、 香坂トレセンの竹林監督の人間として最低の行為の数々、 特に早瀬のステップアップのため(=自分の実績を上げるため)なら、他のトレセンの選手たちでさえも捨て駒にしてしまうようなやり方は、所詮はマンガといえ、ちょっとやりすぎな感じもします。
県トレに選ばれるために、竹林の指示に従って、森村に故意に悪質ファールをさせられる、香坂の選手のシーン。 彼の内心はやりたくないけど、やらざるを得ない状況、彼の心情を思うと、すごく痛々しいです・・・。
それとは逆に、相手のラフプレーに負けずに、
"俺は必ず実力で相手をねじ伏せる!"
という、あくまで自分のスタイルを貫いて勝利を目指すという、森村のシーンは、カッコよくもあり、個人的にもこういうヤツを応援したくはなりますが、敵と味方、露骨に善悪を分けすぎな感は否めないですね(^^;
"勝ち方なんて所詮は敗者のいいわけだ"
"利用できるDF(バカ)はとことん利用する‥‥
キレイごとなんて言ってたら上には登れないんだよ‥‥"
という早瀬の言葉は、人間的に、教育的にも、問題はありますが、何が何でもステップアップするんだっていう、その執念もアリかなって思うんですけどね・・・。
身近に、こういうタイプがいたら、絶対嫌うとは思いますが(笑
そんな彼らも、将来的には、いいヤツになるかもしれないので(笑)、とりあえずは、先を見守ってみたいと思います。
次巻も、引き続き香坂トレセンとの決勝となりますが、 最初の方にも書いた、お互いを理解し始めた茂木と森村が、 どんなコンビネーションを見せて私をワクワクさせてくれるのか、ダーティーな香坂トレセンのプレーに負けずに、 勝利を収めることができるのか・・・
『YATAGARASU』は、単行本でしか読んでおらず、先の展開を全然知らないので(あえて、楽しみはとってあります。みんな先を知ってるのばかりじゃつまらないじゃないですかw)、次の15巻の発売を楽しみしてます。
今回は、否定的なことも書いちゃったりしましたが、 サッカーシーンは面白いし、普通に好きな作品ですので、 サッカー純度の濃いサッカーマンガを求めている方には、 ぜひとも読んでみてほしいと思います。
■ 掲載
月刊少年マガジン2007年1月号~4月号。
vol.52~vol.55
サマーカップ決勝、香坂トレセン戦後半始めまで収録
タグ : YATAGARASU
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