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サッカーマンガを読もう!

ひとりの"サッカー好き"が書く、主観的なサッカーマンガの読書日記。『GIANT KILLING』と『ANGEL VOICE』を猛烈にプッシュ中!

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『GIANT KILLING 17』 / ツジトモ(原案・取材協力:綱本将也) 

2010.10.30 22:18




※ネタバレとなりうる要素も含んでいますのでご注意ください




いろいろとあって、感想書くのは3巻ぶりになってしまったという・・・(苦笑
『GIANT KILLING』17巻を読んだ感想です。

内容の細かい部分については、毎週連載の感想を書いているのでそちらを読んでもらうとして、あまり気負わず気楽にサクサクとまとめてみたいと思います。

・・・

ETUは、現在夏季キャンプ中。

キャンプの2日目、港経済大学との練習試合に臨むETUですが、その練習試合は、(ETUの選手たちが)本来の自分のポジションでプレーすることができないという条件がつけられたもの。

選手たちは慣れないポジションと、弱点を的確に突いてくる“ミスターT”率いる港経大相手に苦戦を強いられます。

キャンプの目的は、あくまでチーム力の向上であり、達海の課したテーマを理解することであって、必ずしも試合への勝利は義務付けられたものではありません。・・・が、しかし、ETUの選手たちにはプロとしての意地もあります(負けたら屈辱的な写真を取られることにもなるw)。

果たして、この練習試合の行方は一体どうなっていきますか・・・といったところから17巻は始まっていきます。

17巻の内容は、練習時代を含めた夏季キャンプの総仕上げ、そして、リーグ戦が再開し第18節FC札幌戦の模様も描かれていきます。

単行本として17巻を読んだ感想として、一番強く思ったこと、主張しておきたいことは、読んでいてETUというサッカークラブことのがますます好きになってもっともっと応援したいって気持ちにさせられたなということですね。

17巻だけなく16巻後半から続いているものではありますが、夏季キャンプを通じて描かれたものの数々は、ETUにとっても、作品を読む自分としても、本当にいろんな意味で充実していたなと思います。

タッツミー流に言うとETUに新しいお友達が加わったり、キャラクター同士の笑えるやり取りなどジャイキリらしい明るく楽しい描写がたくさん見られたかと思ったら(ツジトモ先生の言い回しのセンスがまた絶妙w)、ベテラン選手から若い選手へアドバイスを送るといったニヤリとさせてくれる描写もあったりで・・・

それだけではありません。
達海の課したキャンプのテーマを探るため、各々がいろいろ考えて取り組んでいく中で、特にグッとさせてくれるものがあったのは、ミスターETUこと村越の描写でした。

村越というと、どうしてもこれまで悲壮感が漂いすぎるほどに、何かを自分で背負い込んでしまっていた部分があったんですけど、ついに、自分を信じ、周囲を信じて、後ろ髪引かれることなく、恐れず前へと突き進んで行く姿が見られるようになっていきます・・・!

その結果、相手の厳しいマークを受けながらもパワフルに突破していき、相手GKを手を弾くほどの豪快なミドルシュートを決めた村越のシーンは、自らを縛り付けていたものから解き放たれた、本当の意味でピッチの中で自由を得られるきっかけとなる描写という点でも(自分の中の“答え”を見つけ出すことができた!)胸を熱くさせられた場面でしたね。

こうして夏季キャンプが終わって、シーズン後半戦が始まろうとしていくわけですが、そこに向けた描写もまた良かったなと思いました。

14巻後半~16巻前半にかけて、ETUの辛く悲しい過去話が描かれてきましたが、そこから夏季キャンプのエピソードを通じてETUの現在、そして新しい未来へと向かってチームがひとつにまとまり動き出して行く・・・。

そのラストピースとなるのが、笠野さんだったんですよね。
確かにETUの暗黒時代を招いた要因の中に笠野さんの存在はかなりあると思う。けど、過去の痛みを嫌ってほど知っている笠野さんは、きっと同じ過ちは繰り返さないと思うし、達海が信じる笠野さんことを自分も信じてみたいと思うのです。

過去編のエピソードって、辛く悲しい話ですし、個人的にはあまり振り返りたくない部分もあるんですけど・・・、でもこうしてまとめて振り返ってみると、現在に戻ってきた夏季キャンプ以降の話は、そんな過去編があったからこそ効いているところがすごくあるんですよね。

過去編から夏季キャンプの話は、すべてがつながっていて、それらをまとめて読み切ることによって意味を成す。暗黒時代があるからこそ、現在の明るく楽しくあるチーム状況、新しい未来へ進もうとしていくETUの姿にさらなる強い愛情を抱いてしまう部分があるのかなと。

ま~、言葉にするとちょっと照れくさい部分もありますが・・・(苦笑
けど、とにかく、これらの一連の話の流れは、マンガの世界ではありますが、ETUというサッカークラブに対する感情移入度をより高めてくれた、自分にとってはそんなエピソードでした。

そして、17巻では、リーグ後半戦が始まり、18節のFC札幌戦の様子も描かれていきます。

そこで見せてくれたのは、キャンプを通じてまたひとつ成長したETUの選手たちの姿でした。

怪我の選手(杉江)もいましたが、シーズン前半戦終了時のレギュラーメンバーから3人を入れ替え、今季試合経験のない(限りなく少ない)選手を加えてFC札幌戦に臨む達海。

そんな達海の采配に対して、不快感を示す札幌の監督、懸念を示すETUの番記者・・・。彼らにそれ見たことかと言わせたいかのように、相手のシュートのコースが変わって不運な形で先制点を奪われるETU。それは、リーグ開幕戦の大敗を思い起こさせるような展開でもありますが・・・

現在のETUは、あの時とは違うのです!

先制されても下を向くことなく前向きに戦い試合の流れを引き寄せていく・・・、ここからの展開は、読んでいてスカッとさせてくれて、テンションが上がってきます。

ベンチ外の選手たちはチームの勝利のためボードを掲げピッチの選手たちにメッセージを送り(今回だけは、特別にベンチ外も含めて選手全員を帯同させる大盤振る舞い)、試合序盤こそ不安定なプレーを見せていたけど、シーズン前半戦ピッチ上で悔しい思いをした亀井が強気のプレーで奮闘・・・

そしてここでも私の胸を一番熱くさせてくれたのは、ミスターETU・村越茂幸でした。

亀井のインターセプトから王子へとつなぎ、“余裕を持って”状況を見極めていた王子は、仲間たちを信じ切って自らのポジションを空けスルリと上がってきた村越(これも先程も書いた通りキャンプの成果のひとつ!)にラストパスを送り・・・

ズッドーンと同点となるミドルシュートを決める!

ゴール後、その場でただ無言で拳を突き上げる姿も含めて、この村越のゴールシーンは最高でした。 もう、1巻のうちに2つもコシさんの豪快ミドルが見られて、それだけでも17巻は大満足といったものです。

・・・ということで、17巻も面白かったです。
久々に全編に渡って心から楽しんで読んでいける、現在のジャイキリらしさが存分に堪能できる巻だったと思います。

明るく楽しく笑える展開は本編ばかりはありません・・・
ということで、単行本描き下ろしカットの部分でも存分に楽しませてもらいました。

個人的には、『中井くん物語』がツボでした。

1~3まであったのは初めての試みでしたし、見た目のギャップに反して生意気キャラだった中井(いづれはETUへ加入を!)のいきさつを描いた話に笑ってしまいました。漫画のネタだからこそ、許される部分もありますけどね。

あとは、子供たちに見られたくない姿を見られてしまった松ちゃんとかも・・・ね?(笑

他には、冒頭のETUグッズボツ企画シリーズも面白かったです。

こういうのを見てると、本当ツジトモ先生のネタの引き出しの多さに脱帽させられますね。18巻では何を見せてくれるのかまた楽しみです。

毎回恒例の初版限定ステッカーは、今回は1巻と同じデザインのETUステッカーなので画像は載せません。

さて、続く18巻では、FC札幌戦の続きが描かれていきます。

果たして、村越のゴールで同点に追いついたETUは、その勢いで逆転することができるのでしょうか。

17巻では、いろいろと充実したものを見せてくれましたが、18巻でもそれに負けないぐらい心揺さぶってくれる展開が待ち受けているので、単行本での描き下ろし部分も含めてまた発売が楽しみです。

■ 掲載

#158~#167
週刊モーニング2010年19号~29号
ETUvs札幌、村越が同点ミドルを決めるところまで収録

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タグ : GIANT-KILLING

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