アニメ『GIANT KILLING』#22・感想
2010.08.29 23:43
今週の連載雑感(2010年8月23日~8月29日)
2010.08.29 19:52
■ 今週の雑感リスト
- ANGEL VOICE
- LOST MAN
- コラソン ~サッカー魂~
- 少年疾駆
- T.R.A.P
- キャプテン翼 海外激闘編 EN LA LIGA
- さよならフットボール
- 龍時
『さよならフットボール』は、今回が最終話となっています。
タグ : ANGEL-VOICELOST-MANコラソン少年疾駆T.R.A.Pキャプテン翼海外激闘編さよならフットボール龍時
今週の『GIANT KILLING』#176
2010.08.26 23:58
最新単行本17巻は、いつも通りのスケジュールではありますが、10月22日発売となるそうです。
今回はの初版限定ステッカーはどんなものになるのか。
楽しみではありますが、とりあえず続報を待つとしましょう。
タグ : GIANT-KILLING
アニメ『GIANT KILLING』#21・感想
2010.08.22 23:27
すでに他の記事でも触れていますが、9月25日(土)午後6時25分~ジャイキリアニメの地上波放送が決定しました!
こうして地上波放送が決まったということは、ジャイキリアニメがそれだけの支持を受けたからだということで、この件に関してはひとりのジャイキリファンとして素直に嬉しく思います。
また、地上波放送されることで、新たにジャイキリの魅力に触れてくれる人が増えれば・・・ね!
そして、地上波放送が決まったということは、アニメのシリーズ化にも期待できるだろうということで(というか、個人的にはもう確信していますがw)、まだ何の発表もされてないですしどうなるかは分かりませんが、そのうちに嬉しい発表がされることを楽しみにしています(笑
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タグ : GIANT-KILLING
今週の連載雑感(2010年8月9日~8月22日)
2010.08.22 23:07
先週更新しなかったので、本来先週書くべき分についてもサクッですが書いてます。
■ 今週の雑感リスト
- ANGEL VOICE
- LOST MAN
- 少年疾駆
- T.R.A.P
- キャプテン翼 海外激闘編 EN LA LIGA
- うるとらスーパーさぶっ!!
- 1/11 じゅういちぶんのいち
タグ : ANGEL-VOICELOST-MAN少年疾駆T.R.A.Pキャプテン翼海外激闘編うるとらスーパーさぶっ!!1/11
今週の『GIANT KILLING』#175
2010.08.19 22:55
すでにご存知の方も多くいらっしゃるかと思いますが(というか、うちでもひとつ前の記事でも触れていますしねw)、ジャイキリアニメの地上波放送が決定となりました!
地上波進出ということで、これまで見たくても見れなかった人にはもちろん、ジャイキリを知らない人にも触れてもらえるチャンスが増えるということで、この先ジャイキリがどれだけ飛躍していけるのかという意味でも楽しみですね。
放送は、9月25日より、毎週土曜午後6時25分からとなります。
まだ見たことないという方は、これを機にジャイキリワールドはアニメではどう描かれているのか(どう受け取るかその人次第ですが)、チェックしてみてはいかがでしょうか。
タグ : GIANT-KILLING
ジャイキリアニメの地上波放送が決定!
2010.08.19 00:13
現在、NHKBShiとBS2にて放送中のアニメ版『GIANT KILLING』ですが、9月25日よりNHK教育テレビ(地上波)での放送が決定したとのことです。
放送時間は、毎週土曜午後6時25分~となっています。
これまで見たくても見れなかったという方、あともう少しの辛抱です!
アニメ初期の頃に比べて、原作の消費ペースがゆっくりになってきたのを見て、状況としては決して悪くないんだろうなという予感はありましたけど、こんなにも早くも地上波放送が決まるとは思ってもませんでした。
あと期待されるのは、アニメのシリーズ化ということですが・・・
これもきっといけるでしょう!
地上波放送が決まったことですし、そのうち嬉しい知らせが届くものと、私は勝手に信じています(笑
(参考リンク:「GIANT KILLING」教育テレビで放送決定!9月25日(土)開始予定!)
※
それと、もうひとつついでに、8月29日(日)レベスタにて、第14回福岡県サッカー選手権大会の決勝戦に合わせて、ジャイキリアニメのタッツミー役を務める関智一さんを迎えてのトークショーを開催されるそうです。
よりによって、『イナズマイレブン』を発売しているレベルファイブの名がついたスタジアムでジャイキリ絡みのイベントか・・・なんて思ったりもしましたが、興味のある方は下記リンクより詳細をチェックしてみて下さい。
『ANGEL VOICE 17』 / 古谷野孝雄
2010.08.18 22:45
※ネタバレとなりうる要素を含んでいますのでご注意ください
ひたすらに面白くあり続ける、『ANGEL VOICE』17巻の感想です。
千葉県新人大会の1回戦。
市蘭サッカー部は、六原学館を相手に残り5分で8-0と圧倒。
一方で高い目標を持って戦う“強い”市蘭を相手に、自分たちの再出発のため何とか1点を取ってやろうと懸命に戦っていた六原学館のメンバーたちでしたが、さすがにこの状況には心が折れそうになっていたところで・・・
「キっ…… キミたちっ!! 頑張りなさい!!」
と、声をかけたのは、名目上監督という立場であるだけで、実質サッカーに関して素人である窪田先生でした。
敵役側のエピソードではありますが、この窪田の言葉をきっかけに、六原学館の“何か”が変わるのか・・・といったところから、17巻の話は始まっていきます。
そして、17巻では、六原学館戦の決着に、冬の選手権予選で戦い六原学館戦の偵察にも来ていた美浜学園幕張と再戦することになる3回戦の様子が描かれていきます。
いやぁ、今回も面白いです。面白すぎです!
エンボイらしいドラマを描いた部分にギャグ描写、そしてサッカー描写も地味なんですけど丁寧に練られていて面白かったですねー。
17巻は、“成長して強くなった市蘭サッカー部”というのをテーマに読んでいくと面白いかなと思いました。
※
まずは、六原学館戦の決着。
名目上監督という立場であるだけで、実質はサッカーに関して素人である窪田ではありますが、16巻のラストに続き17巻でも何とか生徒たちの力になりたいと、素人なりに自分にできることをやろうとしていきます。
・・・しかし、その気持ちは空回りする結果となり、生徒たちを落ち着かせるため残り試合時間を勝手に水増しして伝えた行為が相手チームを惑わす言動と取られ、主審から警告を受けてしまいます。
それだけならまだしも、自分の誤解を解きたいがために、主審の警告に対し思わず抵抗してしまった窪田は、なんと退席処分をも受けることになってしまうのです。
・・・本当すごいですこの作品。
悪意なき行動がきっかけで監督が退席処分とか・・・、そんな前代未聞の出来事を上手く物語の中に絡めてしまうんですから。その発想に驚かされます。
ですが、そんな窪田先生の思いは生徒たちに伝わったようで、六原学館は何とか一矢を報いる1点を市蘭から奪います。
喜びを爆発させる六原学館のメンバーたちの姿を見て、敵役ながら心打たれるものがありました。
そして、さらに試合を偵察に来ていた“美幕の江崎”(美幕の1年間出場停止のきっかけを作った男)が、退席処分となった窪田先生に1点を取ったことを伝え、試合を見るように促す・・・、この心憎い描かれ方がまたたまらなかったです。
窪田先生にとっても、六原学館のメンバーにとっても報われる結果となった結末。
そして試合終了後、「ありがとよ」という言葉を伝える六原学館のメンバー。
この“ありがとう”の持つ意味・・・。
市蘭イレブンもかつて船学から9点を取られた後に1点を取り返し、それが希望の光となったという経験があります。
なぜそこまで心から喜べるのかと言えば、それは相手が強いから。
「そうっ!! 相手が強いから」
対戦相手の六原学館を通じて・・・
「オレたち…… 強くなったんだなあ」
自分たちが“強者”の側に立ったことを実感する市蘭イレブン。
この描写がまたいいんです。
六原学館戦のその圧倒的なスコアを見れば、そればかりか、試合中に練習で取り組んでいたサイドチェンジを実戦の中で初めて成功させた描写を見たって、十分すぎるほどに市蘭イレブンが成長したことが見て取れますし、読む方も胸が熱くなりました。
しかし、古谷野先生はそれだけにとどまらず、六原学館という相手チームを通じて、敵役を上手く立てた物語で魅せながらも別の視点から市蘭サッカー部の成長をしっかりと見せている・・・、この2段仕掛けの見せ方がまた素晴らしかったです!
本当、古谷野先生は、どこまでも丁寧で読ませる物語を創り出してきますよね~。
※
六原学館を破った市蘭は、続く中山工業を4-0とサクッと打ち破り、3回戦へと進んでいきます。
3回戦の相手は、冬の選手権予選でも対戦した美浜学園幕張。
しかし、相手は決して弱くない相手なはずなのですが、メンバーたちのモチベーションがどこか噛み合わない。
その理由は、一度美幕を倒しているという事実からくる自信、そして、“初心者ばっかり”だった自分たちの方があの時よりも成長しているし伸びしろもあるという自負からくる自信でした。
そして、いざ蓋を開けてみると、嫌な予感が的中してしまう展開に・・・。
美幕戦では、サッカー描写の部分の面白さを見せてくれます。
前回対戦時とは違い、4-3-3の布陣で挑んでくる美幕。
4-3-3の布陣のメリットを活かしつつ積極的な攻撃を仕掛けてくる美幕に対して、初めて4-3-3の布陣と対峙し戸惑う市蘭守備陣は、相手の攻撃に上手く対応できず早々に先制点を許し、さらに2点目までも許してしまいます。この布陣の差と対応力が序盤の戦況が決めていったという描写は面白かったと思います。
そして、市蘭のサッカーが上手く働かない理由はもうひとつありました。
4-4-2の市蘭と4-3-3の美幕。中盤で数的有利を作れるはずなのにもかかわらず、攻撃の形がまったく作れないでいるのは、中盤特に両ワイドの尾上と二宮がボールを持ちすぎて球離れが悪くなっていることにありました。いくら練習を積んでボールを持てるようになったとは言っても、全体のレベルで見ればそれは決して高いものでもない。それが攻撃のリズムを崩してしまっている。
それには、新人戦前ひたすら個人技を磨き続け成長させたことがボールを持てるような状況を生んだという背景があり・・・、成長したことが逆作用をもたらすようになったという部分が面白いなと感じました。
しかし、個人技を身につけて、ボールを持ちたくなってしまうという、その心理を快く容認する黒木。
ボールをキープすることは楽しい・・・
楽しさを知ることが成長の原動力にもなるし、サッカーを楽しませてやりたいからボールを持つなとは言わないという黒木の親心みたい部分もまたいいなーと思います。
その後、ハーフタイムでの黒木は、いつも通りのプレーができてない者がいると指摘し、それは右サイドでボールを持ちすぎ無謀な突破を繰り返す尾上に対してかと思いきや、「今日のお前からは熱いモノを感じない」と百瀬のことを叱りつけるところを見せます。もちろん、ボールがキープできるようになった彼らの成長についての指摘も忘れません。
そして、ボールを持ちすぎる尾上に対しては、左サイドでシュートを打ちたいという彼の野望に理解を示し、の試合中での左サイド起用を約束して後半のピッチに送り出します。
本来のプレーを取り戻した市蘭が、中盤で人とボールが動き始め主導権を握り、ハーフタイムでお叱りを受けた百瀬が積極的に攻撃に絡みシュートを放つシーンも見られ、1点を返すのも時間の問題と思われた後半。
その状況を見た美幕の監督が布陣を本来の4-4-2に戻し、市蘭と布陣を合わせることで中盤での数的不利を消しにかかる。この采配は、実に的確なものだと思います。
これに対し黒木も動き、尾上には右サイド深くのスペースへ走り込むように指示。
何度か尾上を使った突破を狙ったところで、広能に代えて丹羽を投入。そして、まずは尾上と“百瀬”のポジションチェンジを指示する黒木。
これに尾上は納得いってない様子ですが、それは置いておくとして、右サイド深く突破した尾上のイメージを美幕ディフェンスに植えつけたところでポジションチェンジ。そこに尾上を中盤の底に位置取らせることで、相手のわずかなポジショニングのズレを突いて仕掛けていこうとする市蘭。
この攻撃が成功するのかどうかは、18巻で描かれるところですが、このあたりの両監督の見せる采配。試合の主導権をめぐる追いかけっこというのは、サッカーマンガとして見応えがあるところで個人的には楽しめました。
エンボイのサッカー描写も本当地味なんですけど丁寧で、面白いものを見せてくれます。サッカーマンガの中では、最も現実的なレベルのサッカー描写なのも好きなところです(もちろん、誇張部分も少なからずありますけどね)。
美幕戦は、サッカー描写の部分をクローズアップしましたが、もちろん人物描写やギャグ描写といったものもいつもながらに面白いです。
また長文になってしまうので細かくは取り上げられませんが、ハーフタイムで黒木からお叱りを受けた後の百瀬の言動、尾上の野望の深層部分、過信と受け取るべきかは分からないですが自分を持って戦う脇坂の描写やCBとしての頼もしさ、ギャグ描写も丹羽がバンダナを取ったら・・・とか、華麗にスルーされ続けるじっちゃんとか・・・、とにかく、今回も語りきれない魅力がいっぱいありました。
『ANGEL VOICE』って面白いです。
大事なことなので何度でも言いますけど、『ANGEL VOICE』って面白いです。
今、面白いサッカーマンガはたくさんありますが、その中でも個人的には強い推したい作品のひとつという思いは変わらずに持ち続けてますし、本当もっと多くの人に読まれるといいなと願っています。
※
さて、続く18巻は、美幕戦の続きが描かれていきます。
市蘭のポジションチェンジは成功するのか、尾上の願いはかなうのか、先の展開は知っていますが、また単行本としてまとめて読むのが楽しみです。
■ 掲載
142話~150話
週刊少年チャンピオン2010年17号~26号
市蘭vs美浜学園幕張、丹羽投入、尾上と百瀬のポジションチェンジ発動まで収録。
タグ : ANGEL-VOICE
『龍時 10』 / 原作:野沢尚 漫画:戸田邦和
2010.08.17 15:54
※ネタバレとなりうる要素を含んでいますのでご注意ください
連載開始から5年以上を経て10巻まで到達、『龍時』10巻の感想です。
アトランティコからベティスへと移籍したリュウジのシーズン2年目。
9巻では、バルセロナ戦でマッチアップしたプジョルにフィジカルの差を見せ付けられ完敗してしまったリュウジ。
そこでリュウジはリーガで戦い抜くための身体作りに励み、練習では少ないタッチでボールを動かして攻めるメニューにもかかわらず、それを無視しあえて強引なドリブル突破を仕掛ける無茶をしますが・・・、その結果ベンチ入りメンバーからも遠ざかってしまうことに。
4試合ベンチ入りできないでいたリュウジでしたが、エドゥが練習のケガのため大事を取って欠場、その代役としてベンチ入りのチャンスが巡ってきます。
対戦相手はバレンシア。
リュウジがU-17選抜チームの一員として出場した、あの国立でのスペインU-17代表として試合に出場し、リュウジにとっては因縁の相手とも言えるビクトル・ロペスが所属するチーム。
10巻では、ほぼまるまるそのバレンシア戦の様子が描かれていきます。
このバレンシア戦、コミック版の方ではしっかりと描かれてますが、原作の小説の方ではあっさりと流されている試合で、つまりは、10巻の大半がコミック版のオリジナルということになります。
試合は、まさにビクトル劇場(ビクトルのプレーをクラシックの名曲になぞらえている表現が面白い)と言わんばかりに展開され、バレンシアが前半のうちに2-0とリード。
両チームの圧倒的なパフォーマンス差に苛立ち、また、ビクトルとの再戦に執念を燃やすリュウジも早くオレを出せと監督に視線を送りますが・・・、なんとか流れを変えたいと考えてたのはチャパーロ監督も同じだったようで、あっさりと前半のうちに出番が訪れます。
リュウジは何とかしようと試みるも、好調バレンシア相手にカウンターを恐れる味方選手たちはチャンスの状況にもかかわらず攻撃に出てこようとせず、強い危機感を感じます。
そして後半、それでも諦めないリュウジは、いくら途中出場とはいえ、そんなに闇雲に全力ダッシュを繰り返したらあっという間に乳酸がたまってすぐに動けなくなるぞってぐらいに走り回ってチームを助けます。
そんなリュウジの動きに触発されたベティスの選手たちは、“動物園の檻”から抜け出し、積極果敢に攻めて1点を返すことに成功。このあたりは、少年マンガ的な熱さが感じられますね。
さらに同点に追いつくため攻め続けるベティスでしたが、再びビクトルが牙をむき、1-3と逆にバレンシアにリードを広げられてしまいます。
この時、リュウジの怒りをさらにかき立てたのは・・・
「捨て身に走ったベティスに反撃する力は残っていない……
確か……日本人は戦争の時帰りの燃料を積まない
“特攻隊”ってので戦ったと聞いたことがある……
今日のベティスはそんな感じ…… だろ“14番”!」
という、挑発的なビクトルの言葉でした。
試合前、以前国立で戦ったリュウジのことなど覚えていないというそぶりを見せたビクトルでしたが、実はしっかり覚えていた・・・!
なんとか、自分の存在をビクトルに刻み付けてやりたいリュウジは、3点を奪って試合への気力をオフしようとするビクトルに対し、イエロー覚悟で思いっ切り削りに行きます。
「……全くもって嫌になるよ……
雑音(ノイズ)がうっとうしくて仕方ない………!」
という態度を示すビクトル。
それでもリュウジは・・・
「……あの日
日本選抜対スペインU-17の試合があったからこそ
今のオレがある!!
そしてビクトル……オマエというプレーヤーと出会い……
オレの求めるサッカーを目の前で見せてくれたオマエとの出会いを……
オレは感謝すらしてるくらいだぜ……
……けどな まだ返してねぇ
オマエから味わった“敗北感”ってヤツを返してねぇんだよ……!!
たとえ今日の試合負けに終わるとしても
オレはこのまま終わるわけにはいかねぇんだ
わずかな傷跡でもオマエに刻み込まなきゃ
終われやしねぇんだよッッ 勝負だビクトル!!」
と、自分の思いのすべてをぶつけるため、1対1の勝負をビクトルに仕掛けていきます。
しかし、リュウジの動きを視線によってしっかり読んでいたビクトルに、軸足にボールを当てて股を抜くとっておきのリュウジのドリブルは止められてしまいます。
それでも諦めないリュウジは、ビクトルの死角から近づいてボールを奪おうとするも、身体を当てられ防がれてしまう・・・。
最終的には、自分の存在を刻み付けるどころか、逆にビクトルに実力差を見せ付けられる形。またもや“敗北感”のみを、血の味を味わわされることとなったリュウジの姿が描かれたところで10巻は終わります。
10巻は、コミック版オリジナルの部分なので、原作ファンの方にとっては、多少見方が分かれるかと思いますが、個人的には単行本としてじっくり読んでいって面白いなと感じました。
『龍時』という作品は、リュウジの(一般な主人公らしからぬ)歪んだエゴイスティックな感性の部分だったり、挫折感の中でそれを飲み込み、踏み越えながらステップアップしていく描写が面白いところだと思ってます。
9巻のプジョルに対する敗北も、今回のビクトルに対する敗北も、原作のもっともっと先が描かれていく時に、今回の描写がきっと生きてくる・・・、そういう今後の布石ということも踏まえて考えていくとより楽しんでいけるんじゃないかと思います。
10巻だけ切り取って読んでいくと、ビクトルが主役クラスで、リュウジは主人公の前に何度もしつこく立ちはだかろうとする小者・・・のようにも見えなくもないんですけどね・・・(苦笑
『龍時』は、原作の小説は今から7年ぐらい前が舞台の話ですが、海外リーグに挑戦していく若者の姿を描いていく作品として魅力的だと思いますし、現在はバルサに移籍しましたがビジャやモリエンテス、ベティス側にもワールドカップで日本戦にも出場したカメルーン代表のエマナといった実名選手たちも登場します(ついでに言うと、原作版のベティスの監督は、この記事を書いてる現在、日本代表監督候補のひとりに挙げられている、ビクトル・フェルナンデスだったり)。
現在、実名の海外クラブ選手たちが登場するサッカーマンガが読めるのは『龍時』だけ!
・・・ということで、個人的にも好きな作品の一つですし、読んだことのない方は一度手にとってみてはいかがでしょうか。
※
続く11巻では、ベティスでプレーするリュウジの姿が描かれていくわけですが、ピッチとは関係のないところでひとりの人物と出会うことになっていきます。
リュウジがベティスでその地位を確立していくのは、まだまだ先のお話ですが、続きを読んでいくのが楽しみです。
■ 掲載
第114節~第125節
ワールドサッカーキング2010年1/22号(No.134)~7/1(No.150)号
リュウジがビクトルに圧倒的な力の差を見せ付けられるところまで収録
タグ : 龍時
アニメ『GIANT KILLING』#20・感想
2010.08.16 00:02
【新連載】運動音痴の新キャプテンがピッチの外で手腕を振るう 『蹴児(ケリンジ)』第1話雑感
2010.08.09 21:46
アニメ『GIANT KILLING』#19・感想
2010.08.09 00:19
今週の連載雑感(2010年8月2日~8月8日)
2010.08.09 00:18
■ 今週の雑感リスト
- ANGEL VOICE
- LOST MAN
- コラソン ~サッカー魂~
- 少年疾駆
- T.R.A.P
- 龍時
- うるとらスーパーさぶっ!!
今週の『GIANT KILLING』#174
2010.08.05 20:55
今週のモーニングに、ジャイキリシートの9月開催分の募集要項が掲載されています。
締め切りは、8月13日までとなっています。
Jリーグ観戦に興味のある方は、スタジアムでの観戦はテレビとは違った迫力があるので、是非応募してみて下さい。
(参考リンク:《ジャイアントキリングシート2010》、9月開催分の募集がスタート!)
それと個人的にあまりにサプライズだったのが、蹴球魂+1に山田暢久選手が登場していたことです。ま、まさかこんなところで姿を拝見することになるとは(笑
浦和一筋17年・・・
そりゃあ自分も年取るよなぁ・・・と思いつつ、短いながらも“らしさ”のあるインタビューを読むことができて満足です。普段とちょっとテンションが違うまま本編へと入っていきたいと思います(笑
タグ : GIANT-KILLING
『ばもら! 2』 / 長田佳巳
2010.08.04 00:38
※ネタバレとなりうる要素を含んでいますのでご注意ください
ギスギス友情フットサルマンガ、『ばもら!』2巻の感想です。
人と接するのが苦手で暴力的な振る舞いをしてしまうところから、クラスでは孤立する存在だった主人公の釜ちゃんが、みんなと仲良し明るく活発な美少女・久米ちゃんにごく普通の高校生活を過ごす楽しさを教わり、誘われるままにフットサル部へ!
お気に入りの子もいれば、気に入らない、嫌いなヤツもいるフットサル部で、運動神経は良いけれどフットサル初心者の釜ちゃんはどんな部活ライフを送っていくのか・・・といったところが2巻では描かれていきます。
※
『ばもら!』という作品について、1巻の段階では、作品全般の評価はともかくとして、フットサルをしているシーンがほとんどなく、フットサルマンガとしてどうなんだといった部分がありましたが・・・、2巻では、しっかりとフットサルマンガなところも見せてくれます。
コピーの通り、普通の部活マンガ、フットサル部を舞台にした高校生たちの友情ドラマ、青春ドラマといった部分がメインなのは間違いありません。ですが、そういう位置づけの作品の中ではフットサル描写についてもよく描かれていますし、フットサルの描写も上手く絡めたうえで友情物語が描かれていくところが良いなぁと思いました。
2巻では、音羽西高フットサル部初めての練習試合の様子が描かれていきます。
部員7人のうち、スタメンとしてコートの上に立てるのは5人。
うちひとりは、カゼによって試合に出られず、自分にもスタメンのチャンスがあるのではと密かに期待する釜ちゃんでしたが・・・、そこはやはり初心者ということで、まずはベンチからのスタートとなります。
しかし、チームの勝利よりもみんなで仲良く楽しくをモットーにする久米ちゃんは、チームで誰よりも勝利を望む釜ちゃんとは1年からの同級生かつ不仲の油梨木っちには内緒としながらも、釜ちゃんを交代出場させることを約束します。
フットサル部初めての試合ですが、いざ始まってみると、久米ちゃんを中心としたコンビネーション抜群の攻撃が機能し先制することに成功。楽しそうにプレーするチームメイトたちの姿を見て、嫌いな油梨木っちのゴールを素直に認めてしまうほど、釜ちゃんも自分も出たいと願うようになっていきます。
そして、出番のときは突然やってきます。
プレー中、足を捻ってしまったカヨちゃん(=釜ちゃんのクラスメイト)と交代するよう釜ちゃんに命じる久米ちゃん。しかし、これからのフットサル部を盛り上げるために絶対勝ちたいという意気込みで試合に臨んでいた油梨木っちは、初心者・釜ちゃんの投入によって逆転されることを恐れそれに猛反発。
油梨木っちとは逆に、仲良し主義を貫きたい久米ちゃんは、そんな釜ちゃんを何かとハブろうとする油梨木っちの姿勢を嫌いだといい、勝ち負けはどっちでもいいとまで言ってしまいます。この久米ちゃんの姿勢は、油梨木っちに「楽しくない」と言わせ、さらには、ゴレイロの浦壁姉さん(釜ちゃんとクラスメイトの留年生)にも「つまらない」と言わせ、それぞれにわだかまりを作ってしまうことに・・・。
試合再開。
初めての試合となる釜ちゃんですが、やはり初心者、試合のスピードにまったくついていけず、久米ちゃんのお膳立てにも豪快にシュートミス、そして、そのプレーが響きミスを恐れ消極的に味方へ預けようとしたパスが相手に渡り失点するという結果に・・・。
釜ちゃんは、自分のミスを不仲の油梨木っちになじられるだけならまだしも、自分と仲良くしようと歩み寄ってくれた浦壁姉さんにまで・・・
「補欠でも出たからにはチームの足を引っ張るなよ……」
という、非難の言葉を浴びせられてしまいます。自分がチームのお荷物になって負けてしまったら、自分の居場所が部になくなるまたひとりになってしまう・・・。
急速に強い不安に駆られた釜ちゃんは・・・
「も… もうイヤだ! 出たくない
…もう 出たくない!!」
緊張感が極限に達し、嘔吐してしまいます。
そんなところで、ちょうど前半終了。
釜ちゃんは、久米ちゃんに抱えられ保健室へ・・・。
保健室で休む釜ちゃんは悩んでいました。
久米ちゃんは勝敗関係なく楽しもうと言ったけれど、自分はミスばかりでみんなに責められチームの役に立ててない。一体、久米ちゃんのいう楽しさとはどこにあったというのだろうか?
そんな釜ちゃんの問いかけに対し、久米ちゃんは、何も応えられず、汚れたユニフォームを洗うことを口実に、その場を去ってしまいます。
・・・久米ちゃんもまた思い悩んでいました。
「みんなの笑顔が見たいだけです!」
そのためだけに自分は動いているつもりなのに、結果として、釜ちゃんも、油梨木っちも、浦壁姉さんにもつまらない思いをさせてしまっている。自分はどうすればいいのか分からなくなっている久米ちゃん。
そんな久米ちゃんの悩みを解決したのが、サッカー部男子で試合に応援に来ていた高瀬(釜ちゃんのクラスメイトで隣の席)でした。
高瀬は、みんなが望んでいるのは勝利であること、チームってのは本来同じ目標を共有している仲間、つまりはその目標を達成すればみんな自然と笑顔になれるのではないかと言います。
そんな高瀬の言葉によって、久米ちゃんの気持ちは前へと向いていくわけですが、問題は、もう試合に出たくないと思ってしまっている釜ちゃんをどうすればいいのか・・・?
そんな頃、保健室では釜ちゃんの様子を見に来た岡田(サッカー部、釜ちゃんとは同じ中学出身)が、もうみんなに合わせる顔がないと泣きながら帰り支度をしようとする釜ちゃんに言葉をかけていました。
釜ちゃんの気持ちに理解を示しつつも、ここで抜けたら試合を続けられなくなる、それこそチームに迷惑をかけることになるんじゃないかと言う岡田は、釜ちゃんにもできる唯一チームに貢献できるプレーを伝授します。
それは、ディフェンスを頑張ること。
自分の体験談を踏まえ、岡田は・・・
「ドリブルやパスができなくても
がむしゃらに相手のボールを取りに行くことはできるだろ?
取れなくてもいい
とにかく走りまくってボールを追いかけろ!」
と、釜ちゃんのことを励まします。
微妙にいい感じに空気になりつつも(笑
そんな岡田の言葉に勇気付けられた釜ちゃんは、後半のコートへと向かっていきます。
んで、後半は、ボールを奪えなくてもひたすらチームのために走りディフェンスを頑張る釜ちゃんの姿が見られます。あわやゴールというピンチもギリギリクリアしたり、チームの一員として居場所を見つけつつあった釜ちゃんでしたが、コーナーキックのこぼれ球を思い切りボールを蹴ってしまい、それが油梨木っちに当たってオウンゴールという痛恨のミス・・・。
このプレーをめぐって言い争い釜ちゃんと油梨木っちでしたが、それを止めたのは久米ちゃんでした。
「試合に勝つことでみんなが喜ぶなら私も勝つために頑張るよ!」
周囲に気を使うことで仲良し主義を貫こうとした久米ちゃんが、みんなの笑顔のためにチームで協力して勝利を求めようとする・・・
今までとは変わった久米ちゃんの姿に呼応するように、勝利のためにチームがひとつになりつつある西高フットサル部。
・・・でしたが、油梨木っちは、やはり初心者である釜ちゃんのことは信用できず、釜ちゃんがフリーの状況でもあえて無視して自分で勝負に行ってシュートをブロックされてしまいます。
しかし、そんなことは気にせず、「ドンマイ あとは私にまかせろ」とディフェンスに走る釜ちゃん。自分に対して何も文句を言ってこない釜ちゃんに、油梨木っちは、少し感じるものがあるようでした。
今の強引な油梨木っちのプレーを男子サッカー部員に指摘されても、釜ちゃんは・・・
「油梨木 気にするなよ
自分でもオフェンスでは何の役にも立たないのはわかってるから記号
それよりも油梨木… ゴール頼むぞ…
最初の先制点のようなすごいゴールをもう一度見せてくれ」
不仲だった油梨木っちが相手なだけに、なおさら恥ずかしそうにしながら声をかけ、これにはさすがに油梨木っち本人もまんざらではない様子。
こうして、1年の時から不仲だった2人距離が少し縮まり、2人のチームプレーで相手のボールを奪うシーンも見せてくれます。
そして最後は、ゴール前の久米ちゃんを囮にしたハイボールを釜ちゃんがヘディングで合わせて勝ち越しゴールを決めてチームは勝利します。
・・・とまぁ、ひたすらにストーリー描写を書き連ねてしまい、分かりにくくなってしまいましたが(苦笑)、とにかく、フットサルの描写を通じて友情物語が描かれていく、それが良いなぁと思いました。
特に、釜ちゃんと油梨木っちの2人の関係性。
言うなれば、“いけ好かない者同士”の2人が、フットサルを通じた描写の中で、お互いの距離が少しずつ縮められていく、そんなところが気に入っています。
2人の距離の縮められ方も絶妙だったと思います。
釜ちゃんが、自分から油梨木っちに歩み寄ろうとするきっかけには、自分と同じ学校内に久米ちゃんぐらいしか親しいと呼べる人がいない浦壁姉さんが自分に歩み寄ってきた描写があったからだと思いますし・・・
嫌いなヤツであっても、油梨木っちのフットサルに取り組む真摯な姿やそれを説明する描写・・・
「攻守に渡って誰よりも走ってるのは油梨木だ
フットサルでの走る量はそのままチームへの貢献度に比例するんだよ!
一番辛くて地味な方法だけどな」
というシーン(↑個人的に思うところあってこのセリフは好きです)の影響も、直接意識はしてないかもしれないけど、その根底にはあったように思います。
そして、油梨木っちも、初心者なりに自分にできることを懸命にやる“変わった”釜ちゃんの姿を見て、態度を軟化させていく・・・。
最後は、練習でやっていた鳥かご。
中の2人のうち、ひとりはコースを限定しつつプレスをかけ、もうひとりがボールを奪うというチームプレーが実戦の中で活かされるシーンを描き、湯梨木っちが釜ちゃんにラストパスを送ってゴールにつながる。この流れがすごく良かったなと思います。
まぁ、ダラダラと書いてしまいましたが、要は、作品を一番楽しむポイントは他にあるのかもしれないけれど、フットサルマンガとしても十分楽しめるポイントがあるよということです。
本格志向のフットサルマンガというわけではないですが、フットサル部を通じた高校生たちの青春・友情物語としては面白い。もっと身近なところのフットサル、部活マンガといった感じですね。
意図した男子向けの描写もあったりしますが(ユニフォームも上はタイトフィット仕様で下はスコート+スパッツだったりする)、そういったものを苦手としなければ、フットサルマンガって本当数少ないですし一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
いまだ本格志向のフットサルマンガが存在していない現状においては、ベスト・フットサルマンガではないかと思っています(それ自体問題というか、早いところガチのフットサルマンガの出現に期待したいところですが)。
※
さて、続く3巻では、男女合同夏合宿の様子が描かれていくようです。
連載の方は追ってないので、先がどうなっているのか分からないですが、あまりフットサルに絡んだ展開はないっぽいですが、冬発売予定という3巻を楽しみに待ちたいと思います。
□ 掲載
第7話~第12話
コミックフラッパー2009年9月号~2010年2月号
初めての練習試合に勝利するところまで収録
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アニメ『GIANT KILLING』#18・感想
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今週の連載雑感(2010年7月26日~8月1日)
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- 少年疾駆
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