『ANGEL VOICE 15』 / 古谷野孝雄
2010.04.19 21:32
※ネタバレとなりうる要素を含んでいますのでご注意ください
地味ではあるけれど面白さが止まらない、『ANGEL VOICE』15巻の感想を今回は時間の都合上なるべく手短にまとめます。
物語は、高校サッカー選手権千葉県大会決勝戦。
ピッチに市蘭の姿はないですが、船和学院vs八津野の決勝戦をスタンドから観戦に行くメンバーたち。
15巻では、他校同士の対戦ではありますが、前巻からの続きで船学と八津野の決勝戦の模様から描かれていきます。
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15巻では、ストーリーの大きな山場というのはありませんが、今回も地味ではあるけれど丁寧で、時に心憎さが感じられる物語が描かれていきます。ブレることのない面白さは健在です。
船学と八津野の決勝戦は、敵役同士の試合ではあるんですけど、とても見応えがありました。
特に、八津野の天城の心理描写が胸を熱くさせてくれましたね。
これまでチームを支えてくれた権藤のために国立を目指すことを胸に秘めて戦う天城。その頑張りが仇になって失点してしまうのはあまりに無情・・・。その後、気持ちを鬼にして戦うも最後は敗れることになる天城。チャラチャラした感じのキャラの天城が本気で涙を流すシーンは、強く印象に残っています。
また、試合中、本来なら強者の側である八津野が船学相手にひたすらに泥臭く戦う姿に、市蘭のメンバーたちが目を奪われ応援するといった描写にはニヤッとさせられましたし、船学と八津野両者の戦いから市蘭がサイドチェンジをチーム戦術に取り入れるという新たな目標を選手たちに伝え、メンバーたちが気持ちを高めるというシーンも良かったと思います。
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そして、15巻もうひとつの見どころとなっていくのが、旧サッカー部の負の遺産に関するエピソード。
そこでは、新生・市蘭サッカー部設立前に百瀬がなぜフットサルをしていたのかや、百瀬と尋猶の過去話。負の遺産の清算すべく旧サッカー部員にひとりで立ち向かっていく尋猶の姿が描かれていきます。
前者は、また心憎い古谷野先生らしいエピソードの描き方でニヤッとさせてくれますね~。純粋なサッカー小僧である百瀬に感化された今園と、なぜ尋猶がサッカーボールを誰にも触れさせようとしなかったのかという、作品序盤の伏線ともなっている話は必見です。
後者については、前者とのつながりがあるわけですが・・・、ヒロナオ△としか言いようがないですね(笑
いやぁ、『ANGEL VOICE』って本当面白いです。
何度も何度もしつこいようだけど、<大事なことなので何度でも言ってやります、『ANGEL VOICE』って本当に面白いです。
この作品は、まだまだ伸びていける子だと思うので、過小評価が解消されたと感じるまでは、私は今後もしつこく応援していきますよ?(笑
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続く16巻についてですが・・・
15巻ラストのところで、麻衣に関して、悲しい展開がいずれ起こってしまう・・・ということが、改めて示唆されて何とも言えない気持ちになってしまうのですが、ひとまずそのことは忘れて、新人戦を戦う市蘭サッカー部の物語を見守っていってほしいなと思います。
■ 掲載
第124話~第132話
週刊少年チャンピオン2009年49号~2010年7号
新人戦が始まろうとするところまで収録
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アニメ『GIANT KILLING』#03・感想
2010.04.19 00:11
朝の放送、思いっきり寝坊してリアルタイムでは放送を見逃してしまいましたが、録画したものを見て、今週も感想を書いていこうと思います。
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