『清く正しく美しく』 / ufotable×たあたんちぇっく
2010.03.07 21:25
※ネタバレとなりうる要素を含んでますのでご注意ください
ウェブ掲載を経てようやく単行本化された、女子サッカー部を舞台にした作品、『清く正しく美しく』の感想です。
まずは、作品の概要についてざっと書いていきますと・・・
ジャンプスクエアの創刊号から4話に渡って本誌に掲載されひとまず休載、その後はジャンプスクエアの公式サイトにてアニメマンガ(言葉の通り、漫画をアニメーションさせたもの)として完結(全20話)まで掲載されました。
今回の単行本には、アニメマンガと掲載されたものも含めて全話が収録されています。単行本は新書版なのに700円という定価が示すとおり、かなり厚めとなっています。
※
作品の方向性としては、県立星ヶ浜女子サッカー部を舞台に、少女たちの日常をさわやかに描いた青春ストーリーが主体となっています。
ジャンプスクエア本誌に掲載された1~4話は、アメリカからの交換留学生として日本にやって来た金髪碧眼の主人公・上野キッカと、女子サッカー部でサッカーも上手い、サッカーは嫌いじゃないけれど青春すべて注ぎ込んでしまうことにどこか抵抗を感じサッカーから離れようと考えている市原智美のふたりの築かれていく友情話を軸に・・・
ウェブでアニメマンガとして掲載された5話以降は、他の部員たち個々のエピソードも描きながら、女子サッカー部の日常を中心に描いていく・・・といった感じのものになっています。
※
こういうタイプ作品は、何を求めてサッカーマンガを購入するのかによって、見方がだいぶ変わってくるのではないかと思います。
私の読んだ感想として、先に結論を書いていくと・・・
純粋にサッカーそのものの面白さといったものを求めて購入しようとすると難があるのは確かですが、女子サッカー部を舞台に少女たちの日常をさわやかに描いた青春ストーリーを描いたものとして読んでいく分には、それなりに楽しめるものでした。
女の子の絵柄は結構好きですし、キッカと智美の友情を描いたものや作品全体から伝わってくるさわやかな清涼感というのはなかなか魅力的です。
サッカーシーンに関して言えば、動きのあるプレー描写は決して上手くはないと思います。ですが、サッカーを楽しくプレーしている表情を見せる部分こそこの作品の描くべきものですし、その点で言えばなかなか良いのではないかと考えます。
4話で描かれた、いくらシザースで仕掛けても抜けなかったキッカが、ヒントを得て、発想を変え、シザースではなく相手の裏をかいて股抜きで抜いたシーンは面白かったです。
サッカーマンガとして評していこうとすると、私の読みたいサッカーマンガ像の本流から外れているものなので、決して高く評価するものではないですが(サッカーを主体とした作品を読みたい方にはお勧めはしづらい)、前述の青春ストーリーという部分を読み取っていくと個人的には嫌いじゃない・・・私にとってはそんな作品ですね。
でも、私としては、4話みたいな感じで、運動センス抜群とはいえサッカー初心者のキッカが少しずつサッカーが上手くなっていく過程と青春ストーリーの中に組み込みながら、もっと長期に渡った連載として描いていく形が一番理想的だったかなと思います。そういう意味では、少し惜しい部分もあります。
※
アニメマンガに移行した5話以降については、アニメマンガのノリだからこそ伝わる面白さというか、本来はアニメマンガを想定してつくられたものだと思うので、ジャンプスクエアの公式サイト(ブログの右サイドバーのリンクにあります)の方でアニメマンガをご覧になることを個人的にはお勧めします。
作品に興味を持った方は、まずはジャンプスクエアの公式サイトでチェックしてみて、フィーリング的に自分に合いそうであれば、手に取ってみてはいかがでしょうか(私的には、アニメマンガでは見れない、キッカと智美の友情が築かれていくジャンプSQ本誌に掲載された1~4話の方が好きだったりする)。
■ 掲載
第1話~最終話(第20話)
月刊ジャンプスクエア2007年12月号~2008年3月号
ジャンプスクエアWEBに掲載分を収録(完結)
タグ : 清く正しく美しく
今週の連載雑感(2010年3月1日~3月6日)
2010.03.07 14:30
■ 今週の雑感リスト
週刊ヤングマガジンにて、今週より連載が始まった『コラソン ~サッカー魂~』については、こちらの記事で書いてます。
- ANGEL VOICE
- LOST MAN
- 龍時
- うるとらスーパーさぶっ!!
『MAGiCO』は、今月号お休み・・・?
佐久間先生は、来月号『岡崎慎司物語』を掲載するそうです。