今週の連載雑感(2009年11月30日~12月6日)
2009.12.06 18:24
■ 今週の雑感リスト
- ANGEL VOICE
- LOST MAN
- MAGiCO
あぁ、しまった。
草場先生が出ているサカダイに気を取られて、サカマガ買ってくるの忘れてました・・・orz
『MAGiCO 4』 / 佐久間力
2009.12.06 18:24
※ネタバレとなりうる要素も含んでいますのでご注意ください
少しずつ面白さが増してきていて、個人的には今後の注目作のひとつに挙げたい、『MAGiCO』4巻の感想です。
高校総体県予選を勝ち進む撫高。
2回戦終了後、弱小の撫高になぜか入学していた元U-15代表の右SBの片倉哲平がチーム加わり、迎える3回戦の相手は湘南育英。
“閃光の司令塔”の異名を持つ脇坂直人を擁する湘南育英を相手に、撫高はどんな戦いを見せてくれるのか。また、新戦力の哲平はどんなプレーを見せてくれるますでしょうか。
※
冒頭にも書きましたが、『MAGiCO』は、少しずつ面白さが増してきてると思います。
基本的に、名のある必殺プレーが飛び出す(と、言ってもマジコを使うのは主人公だけですが)マンガ的なサッカー描写の作品ではあるんですけど、その中でも、創造的な閃きやプレーといったサッカーの魅力的な部分を上手く作品に取り込めているので面白いなと思います。
巻数を重ねていく過程で、ファンタジーである部分とサッカーの面白い部分のバランスが取れてきて、磨かれてきていると感じます。
哲平が右SBにもかかわらず、中央からパス交換でボールを持って上がり、センターサークル付近でキープしてタメを作り相手を寄せ付けたところで、相手ディフェンスの裏を取った蔵希に絶妙なパスを送る。ボールを受けた蔵希は、“ヴァーラ ヂ ペスカ (海神の釣り竿)”というマジコを発動してGKをかわし、カバーで残ってる脇坂のタイミングをずらすようにトゥーキックでシュートを放つシーンや・・・
哲平がビックブリッジで相手をかわし中に切れ込み、2回のシュートフェイントを混ぜ、最後はシュートを見せかけて軸足に当て、それを蔵希が決めるといったシーンなどは、そういった面白さがあったと思います。
作画的には、熱さを持った少年マンガらしく、力強さを押し出したものになっていますが、このあたり、もう少し柔らかさとでも言いましょうか、演出面で緩急の表現が見られるようになってくれば、もうワンランク上の作品になれるのではないかと思ってます。
もしこれがリアリティさやウンチクといったものを前面に出すような作品だとしたら、もっと注文つけたくなる部分もありますけど、そういうものではないですし、これはこれでいいと私は思います。まだまだ発展途上にあると思っているので、今後にさらなる期待をしています。
※
ストーリーの方も、いつも通り、ありきたりなところはありますが、熱いものを見せてくれました。
湘南育英の脇坂は、不整脈が持病であり、そのため激しい運動をすることが許されない。その制限があるがゆえに、パスの精度を極限まで高め、試合の流れを的確に読むことによって、最小限の動きで最大限のプレーができるよう努力し続けた。その結果が、“閃光の司令塔”という異名を持つプレーヤーになったということ。
その脇坂は、蔵希のプレーを止めるため、そして勝利するために、自らの力を解き放って同点ゴールを決めます。
しかし、無理をしすぎたがゆえ、監督からは交替を命じられてしまいますが、これが最後の大会である脇坂に悔いを残させないため、一緒に最後までプレーさせてほしいと願い出るチームメイトたち。
その気持ちを汲み取った監督は、脇坂に1分だけのプレーを許し、それまでは休んでいるように命じるのですが、そこから両チームの全力を尽くした戦いというのが熱かったですね。
蔵希も蔵希で、ひたすらに走り続け、注意されますが・・・
「もし何もしないで負けちまったら いや勝ったとしてもだ…
残った体力の分だけ気持ち悪いんだよ!」
という蔵希の言葉には、グッとくるものがありました。
シンプルだけど熱を帯びたストーリーに、リアリティ路線ではないけれど創造的なプレーの面白さを感じられるサッカー描写。
手放しで絶賛するレベルとまではまだいかないですが、私は結構好きですし、期待もしています。まぁほら、中村憲剛選手も読んでますし、内容に興味があればぜひチェックしてみて下さい。
憲剛選手といえば、巻末のおまけマンガでは、月刊少年ライバル10月号に掲載された、佐久間先生と憲剛選手が対談された時のことが描かれています(残念ながら、対談記事の掲載はありませんでしが)。憲剛選手は、講談社から本を出版した事情もあるのでしょうが、講談社のサッカーマンガ絡みでよく見かけますねー。
※
さて、続く5巻では、次なる戦い、県1次予選の決勝が始まっていきます。
次もまた個性的なチームとの戦いになっていくのですが、撫高がどんな戦いを見せてくれるのかは、読んでみてのお楽しみです。
■ 収録
STAGE 12~STAGE15
月刊少年ライバル2009年8月号~11月号
湘南育英戦、試合終了のホイッスルが鳴る瞬間まで収録
タグ : MAGiCO