今週の連載雑感(2009年9月21日~9月27日)
2009.09.27 20:20
ETUの選手補強について考えてみよう
2009.09.26 23:24
※9月27日21時20分頃、記事を追記しました(追記部分は、記事の一番下にあります)
この記事は、『GIANT KILLING』の最新のネタバレが思いっきり含まれているので(単行本14巻あたりに収録されるもの)、単行本派の方のために(このブログの読者的には少数派と思われますが)念のため記事をたたんでおきます。“続きを読む”よりどうぞ。
タグ : GIANT-KILLING
今週の『GIANT KILLING』#132
2009.09.24 21:30
今週は、木曜日に更新です!
前回は、日曜に更新したばかりなので、なんか不思議な感じ(笑
最新単行本12巻の発売は、10月23日です。
毎度お馴染みの初版限定ステッカーの情報はまだですが、次はどんなデザインになるのか気になるところですね。
タグ : GIANT-KILLING
『清く正しく美しく』が最終回
2009.09.24 01:28
ジャンプスクエアの公式サイトにて、アニメマンガとして連載されていた、『清く正しく美しく』(ufotable×たあたんちぇっく)が最終話を迎えました。
『清く正しく美しく』は、ジャンプスクエア創刊号から4号に渡って漫画として本誌に掲載された後、第二部としてアニメマンガ(イメージとしては、Flashアニメではなく、ウェブマンガをアニメーションさせている感じ?)がジャンプスクエアの公式サイトで掲載されています。
内容的には、女子サッカー部に所属する女の子たちのゆるい日常やサッカーを通じた友情物語を描いていくのが主体で、サッカーの部分に関しては特に語るべきこともなかったので、ウェブへと移って以降は記事で取り上げることはしませんでした(苦笑
詳しいことは、ネタバレになるので書きませんが、物語の後半の方は、一応真面目にサッカーに取り組むようにはなっていきます(それでも、サッカーの部分について語るべきところはほとんどないのですが・・・)。
第二部は、現在のところ全17話見ることができる状態なので、作品に興味のある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。リンクもサイトが消されない限りは、右サイドバーに残したままにしておきます。
(参考リンク:ジャンプスクエア[清く正しく美しく]ufotable×たあたんちぇっく)
タグ : 清く正しく美しく
『ANGEL VOICE 12』 / 古谷野孝雄
2009.09.23 21:35
Amazonおすすめ度:

※ネタバレとなりうる要素も含んでいますのでご注意ください
記事のアップが遅くなってしまい、申し訳ないです。
『ANGEL VOICE』12巻の感想です。
王者・船和学院との準々決勝。
サッカー部存続のためのノルマであるベスト4入りを懸かった大一番ではありますが、王者相手に力の差を突きつけられることとなり、0-9と言葉にするまでもなく、勝利は絶望的な状況に・・・。
・・・しかし!
「――それでも…… それでも走るんだ」
勝利は絶望的であっても、せめて、船学の胸に自分たちの存在を刻み付けてやるために、気力を振り絞って走り続ける市蘭イレブン。
12巻では、試合時間が残りわずかとなる中、攻撃に出る市蘭は一矢を報いる1点を奪うことができるのか・・・といったところから始まっていきます。
※
熱くさせてくれたり・・・
虚しい、やるせない気分になったり・・・
憤りに近いものを感じたり・・・
今回もいろんな意味で、私の心を揺さぶってくれました。
まずは、船学戦の決着。
9点差をつけられても、もうサッカー部は存続できないと分かっていても、それでも最後まで全力で走り続けようとする市蘭イレブンの姿勢が実を結びます!
成田からパスを受けた乾。
船学DFに厳しいマークを受けながらも乾は、万代にスルーさせ、尾上へとスルーパスを通す。
パスを受けた尾上は、右足で打つシュートコースがないため、威力は弱いながらも左足でシュート。しかし、船学のGK・皆川がひじで当て防ぎます。そのこぼれ球を成田が押し込むも皆川はかろうじて身体に当て、市蘭にゴールを割らせませんが、一瞬ボールを見失った皆川、気づいたときには乾が走り込んでいて、なんとかボールをゴールに押し込もうとしますが・・・
すでに前後半90分近く走り続け、一度両足を痙攣させてしまっている乾(11巻参照)は、足がもつれ転んでしまいます。
しかし、ちょうど乾が転んだ先に、ボールが転がり込んできて・・・
ここで、視点が相手のカウンターに備えて、ハーフウェイラインにポジションを取っている脇坂に移るのですが、混戦模様になっていてゴール前の状況が見えずにイライラしている脇坂は・・・
「この日一番大きな歓声がわき起こった
その歓声が市蘭のゴールを伝えた」
観客の歓声によってゴールが決まったことを察し、声を張り上げる・・・
ゴールシーンを直接見せずに、ゴールが決まったことを悟らせる、この演出が心憎すぎんですよねー!
9点をつけられても、決して投げやりになることなく、自分たちの戦い方を貫いてもぎ取った1点。
絶望的な中でも、自分たちらしさを貫き続けたことが、しっかりと“結実”したことが、本当に良かったなぁと思います。それを成し遂げた市蘭イレブンはカッコいいと思いますし、見ていて泣けました。
・・・
・・・ですが、試合は1-9と大差をつけられ敗れてしまいました。
結果は、屈辱的な大敗と言えるものかもしれないけど、90分間懸命に走り続けた市蘭イレブンを笑うものは誰もいない。ピッチから引き上げる市蘭イレブンを観客たち。
彼らの戦いぶりは、確かに、観客たちの心を動かすことに成功しました!
そして、試合終了後、ござる君から借りたスパイクのお金を返すために、船学のロッカールームを訪れた成田は、船学選手たちから健闘を讃える言葉の数々受け・・・
彼らの戦いぶりは、確かに、自分たちの存在を船学の面々に刻み付けることにも成功しました!!!
だけど・・・
「次はねえ!! 終わったんだよ」
・・・そう、結局、どれだけ人の心を動かすことができたとしても、ノルマであるベスト4に入れなかった市蘭サッカー部は、廃部の運命を辿ることになる・・・。
このあたりは、連載を読んで、先の展開を知っている状態で読み返すと、少し感情的に薄らぎますが、市蘭サッカー部員の心情を思うと、切なさ、虚しさ、何とも言えないやるせなさがこみ上げてきますね・・・。
※
その一方で・・・
「いかん!! いかんぞ!!
このまま終わらせてはいかんだ!!」
サッカー部存続派の第一人者であり、サッカー部建て直しのために黒木を招集した張本人である湯島校長は、サッカー部を何とか存続させるため、ここにきてようやく本気になって動き始めます。
そのきっかけとなる、瑠華姐さんの男気ある言動はカッコよすぎるので要チェックです。
(瑠華と校長のやり取りは、シリアスだけど微笑ましさもあって好きですねw)
結果、サッカー部は、1週間後、市蘭のグラウンドで練習試合を全校生徒・教員に見てもらい、その上で再度廃部について考え直すという、サッカー部からすればもう一度チャンスを得ることに成功します(ここは、校長の行動力を褒めてあげよう!)。
そんな事情を知らないサッカー部メンバーたちは、百瀬の提案で、最後にみんなで部室の掃除をすることに・・・。
掃除をするにも、それぞれ個性が見られて面白いのですが・・・
このエピソードでは、サッカー部の看板の裏に、歴代の先輩たちが書き残したメッセージを見つけ、それが、廃部が決まり、少し熱が冷めかけていたメンバーたちの心に再び火をともしていく場面が見どころですね。
尾上と母親とのちょっとやり取りや、麻衣の署名活動もそうですが、古谷野先生は、こういうじわじわとくる物語を作るのがすごく上手い方だなぁと改めて思います。本当、この独特のじわじわ感がたまらないです。
※
勝てば存続が決まるわけではないとは言え・・・
もう一度、戦うチャンスを得た市蘭と戦う相手は、全国大会常連校でもある、東京の帝稜高校。
帝稜戦は、13巻にも続いていくところなので、というか、ここまで長々ダラダラ書いてしまっているのでここは手短にしたいと思いますが・・・
市蘭で行われる試合とはいえ、一般生徒や教員たちは、サッカー部の廃部を望んでおり、実質アウェイで戦っている状態。
市蘭は先制点を奪うことに成功し、一般生徒たちも、部分的に目を奪われることはあるけれど、サッカー部に対する偏見的な目、反サッカー部の風潮もあって、彼らのことを認めようとはしてくれない・・・。
そんなところに、帝稜の同点ゴールが決まる。
失点してしまった場面は、脇坂たちが一般生徒たちに自分たちを認めさせたいがゆえに、より高いレベルのプレーを目指した結果が本来のバランスを崩し失点につながってしまった・・・。
ホームなのに、アウェイチームのゴールに歓声を送る一般生徒たちに、脇坂たちの思いを考えると、切なくもあり、憤りに近いものを感じていましたね。
そして、市蘭イレブンは、ここまで、自分たちの限界を超える戦いの中で力を発揮してきたわけですが、今回は、自分たち本来のプレー以上のことを目指そうとして失点してしまったというのは何とも皮肉な話だなと・・・。
1-1の同点になった以降の話は、13巻で描かれていくことになります。
帝稜側の話で言えば、やたらとキャラは立っているけど、今はまだベンチにいる20番・坪井は、要チェック人物です(笑
※
面白い。
本当に、面白いなぁと思います。
地味ではあるんだけど、ひとつひとつのエピソードが丁寧に描かれ、効いていて、いちいち心を揺さぶってくれます。
巻を重ねるにつれて、面白さも着実に積み上げていくということは、本当に難しいことだと思うんですよ。けど、(古谷野先生の前作の野球マンガ・『GO ANd GO』も含めて言えることだと思うのですが)それをやってのけてくれている。
古谷野先生というと、絵柄があの人に似ているとか、どうしてもそういう目に付きやすいところに視線がいきがちになってしまうのですが、もっとストーリー構成の上手さの部分にも目を向けてあげてほしいなと思います。後者の部分こそが、古谷野先生の真骨頂ですからね!
『ANGEL VOICE』も、この作品らしく、地味にじわじわと評価されているかなというのは感じますが、もっともっと高いポジションに居るべき作品だと信じているので、これからもプッシュしていきたいなと思っています。
※
さて、続く13巻では、引き続き帝稜戦が描かれていきます。
「一度(ひとたび)くるい始めたリズムを元に戻すのは 容易なことではなかった」
同点に追いつかれてしまったうえに、少し気持ちが空回り気味の脇坂たち・・・
試合の流れは市蘭に厳しい状況へとなっていきますが、全国レベルのチームを相手に勝利を収めることができるのか。何があっても最後まで諦めない市蘭イレブンの戦いに今後も目が離せません!
私自身、先の展開は知っていますが、単行本で読み返すと、また違ったものが見えてきたりもするので、2~3ヵ月後が楽しみです。
・・・
今回は、あれこれ詰め込もうとしすぎて上手くまとまらず、無駄にダラダラと長く書いてしまい反省(苦笑
まぁ、それだけ、語りたい要素が多いということですが、そのあたりは連載雑感で書いて、次回はもう少しポイントを絞って、コンパクトにまとめたいと思います。
■ 掲載
第97話~第105話
週刊少年チャンピオン2009年20号~29号
帝稜の同点ゴールが決まるところまで収録
タグ : ANGEL-VOICE
今週の連載雑感(2009年9月14日~9月20日)
2009.09.21 22:19
■ 今週の雑感リスト
- ANGEL VOICE
- LOST MAN(スピリッツ発売日の都合で2週分更新)
- 龍時
- うるとらスーパーさぶっ!!
今週の『GIANT KILLING』#131
2009.09.20 21:46
お待たせしました。
いつもより3日遅れの今週のジャイキリです。
※
ジャイキリ本編とは何ら関係のない話ですが、現在発売中のサッカー批評は、“サッカー監督の取扱説明書”と題して、あらゆる視点からサッカー監督についての特集が組まれています。
私は、まだパラパラと目を通した程度で、これからゆっくりと読むつもりです。
ジャイキリを読む上で、多少は参考になる部分もあるかと思いますので、興味のある方は、チェックしてみてはいかがでしょうか。
タグ : GIANT-KILLING
ご心配おかけしました
2009.09.20 01:05
秋は、天国へと旅立って行きました。
先月、ピンチを乗り越え、その後は、(老齢の状況なりにというニュアンスにはなりますが)わりと平穏な日々を送っていたのですが、先週の中ごろから再び体調を崩して、そのまま最期を迎えるということになってしまいました・・・。
年齢的なものと、疾患を多く抱えていて外科的なアプローチが難しいことが予想されるため(要は、手術によって絶対的な回復が望める可能性が低いということ)、獣医さんとの話し合いで、むやみな延命処置はしないで、なるべく自宅で過ごさせてあげようという方向性でやっていたこともあり、最期は自宅で私の見守っているそばで息を引き取りました。
先月の時点で、ある程度の覚悟はできていたというのもあってか、初めてお迎えした子の時に比べれば、受けたショックも小さく、素直に事実を受け入れることができていると思います。
とはいえ、秋も含め過去3頭のフェレットを飼っていて(秋は最後の子です)、フェレットのいる生活のオートマティズムが完全に浸透していた私なだけに、いざそれが必要なくなるとなると、何か持て余してしまうものがありますね・・・。
今回の件に関して、コメントしてくださったり、拍手してくださったり、メールしてくださった方、ありがとうございました。ご心配おかけして、すみませんでした。まだ、完全に・・・とは言えないですが(苦笑)、私は大丈夫です。メールは、後々返信させていただきます。
それと、同じフェレ飼いの方からのお言葉も、私にとってはすごく心強かったです。
私もフェレ飼い歴は10年以上で結構長い方だと思います。
何か困ったことが起きた時、もしかしたら、力になってあげられるかもしれないので、その時は、私に声を掛けて下さればと思います。
※
さて、ここからは、更新再開についての話です。
今週のジャイキリと、連載雑感は、(すでに日付が変わったので)今日明日中には、更新したいと思います。周回遅れにはしたくないので、普段より手短になるかもしれないですけど、なるべく早いうちに更新しときたいです。
ジャイキリも含め、この記事を書いてる時点では、今週発売分の雑誌類は一切目を通していないので、これから読んでいきます。これまで、当日中に記事を更新できないことはあっても、モーニングを発売日に読まないってことはなかったので、ちょっと不思議な感じです。
あと、『ANGEL VOICE』の単行本の記事も、世間的な連休の間にはやりたいですね。
再開と言っても、いきなり全開のテンションでというわけにはなかなかいかないと思いますが、自分なりに更新を続けていきたいと思っているので、今後も当ブログにお付き合いいただけると幸いです!
更新をお休みします
2009.09.15 17:46
前にもちょこっと書きましたが、うちで飼ってるフェレットが、かなり危機的な状況なので、ブログの更新をお休みします。
いつ再開できるかは断言できませんが、正直、いつ天国へと飛び立ってもおかしくないような状況なので、自分でこんなこと書きたくないけど、それほど遠くないうちに再開できる・・・でしょう。
ペットロスは、過去2回経験してるので、それほど引きずるようなこともないと思いますし、状況が落ち着いたら、また更新を再開したいと思ってます(いつも通り、木曜にジャイキリは無理かも・・・)。
・・・ということで、いつも見に来て下さっている皆様には、大変申し訳ないのですが、そのうちここに戻ってくることは間違いないので、気長に待ってていただけると幸いです。それでは、また。
今週の連載雑感(2009年9月7日~9月13日)
2009.09.13 18:58
『龍時 8』 / 原作:野沢尚 漫画:戸田邦和
2009.09.08 02:23
※ネタバレ要素となりえる要素を含んでいますのでご注意ください
今回も1年以上待たされることはなかった!(笑
第1部がクライマックスを迎える、『龍時』8巻の感想です。
「オレ…… スペイン人になって
この国のサッカーを自分のものにしたい……
何もかも捨ててこの場所から始めたいんだ……!!」
「オレにはまだ自分の手で捨てなきゃならないものがあるッ
母…… 妹…… 故郷…… 日本サッカー 国籍……
……そして もう一つのもの!!」
スペイン人に帰化することを決意したリュウジが、もうひとつ捨てなければならないもの・・・。
それは、自分のサッカーの原点であり・・・
自分に対して嘘をつき金ヅルとして利用することを目論む、父・時任礼作。
8巻では、父との決別を決意したリュウジが、礼作と会い、自分の気持ちを伝えるところから始まっていきます。
※
父・礼作との決別・・・
「いつか恩返しをしたいと思っていた!!
だからこそ見てほしかった!!
アナタが育ててくれた『オレ』(サッカー)が世界の舞台に旅立つ姿を!!」
と、7巻で礼作の陰謀が発覚した時、リュウジ自身がそのように言っている通り、自分の成長を誰よりも礼作に見てほしい願っていました。
しかし、リュウジの願いとは裏腹に、礼作は、リュウジを金儲けの道具として利用としようと目論んでいた父・・・。
リュウジにとって礼作は、実の父親というだけではなく、フットボーラーとしての原点、育ての親でもあり、自分の心の支えとなっていた存在。そんな礼作の“裏切り”とも取れる行為を知ったときは、言葉にできないほど大きなショックだったでしょう。
けど、フットボーラーとして前進していくために、決別を決心した自分の気持ちを伝えなければならない。
リュウジの礼作に対する想いの強さというのは、作品を通して見られるだけに、リュウジの心境を考えると複雑なものがあります・・・。
ただ、そんな中でも救いだったのは、礼作に息子を想う良心が残されていたこと。
「ならば一つだけ親らしい忠告をさせてくれ……
帰化すれば後で思い直しても簡単に日本人に戻れなくなる……
日本がいつかお前を必要とする時が必ず来る……
自分は日本サッカーに捨てられたと思ってるかもしれないが
助けれてやれ!! いつの日か『日本』(あのくに)を
お前は父親まで捨てるんだ 国まで捨てることはない」
父親からの最後の忠告、そして別れ・・・
この場面は、本当に泣けました。
『龍時』は、こういうタイプの泣かせる場面って、結構ありますよね・・・。
※
もうひとつの見どころは、リーグ最終節のアトランティコvsバルセロナ。
ロナウジーニョ、シャビ、プジョル、メッシ、エトー・・・
メンバーは少し古いですが、あのバルサの選手たちが実名で登場し、ピッチの中を駆け回る姿をお楽しみください、と!(笑
また、コミック版では、小説版とは違い、シティオで一緒にプレーをしていたエミリオとアントニオ、そして、以前U-17選抜チームで一緒にプレーし、リュウジのライバル的な存在だった梶が(あと、FWの三村も)、リュウジの試合を観戦に訪れています。ハーフタイム中でのリュウジと梶のやり取りは、ニヤニヤとさせてくれるものがありました。
そして、物語は第1部のクライマックスへ。
「好きにやってこい……!」
いかなるときでも守備偏重の布陣を敷く、リュウジとは相性が良くないタイプであるアルバレス監督からの思わぬ言葉に驚きながらも、ピッチへと送り出されるリュウジ。
ついに訪れたリーガデビュー。
両チームの選手が80分間命懸けでピッチに放ってきた熱を肌で感じながら、「ならばオレも……!」と、その熱と同化してピッチを駆け回るリュウジ。
途中、プジョルに手荒い洗礼を受けるものの、
それがリュウジの中に眠る“龍”が目を覚ますこととなり・・・
そして、“その瞬間”はやって来ます!
後半ロスタイム、1点のリードを守るため時間稼ぎに入るバルサから味方がボールを奪い、そのボールはリュウジの下へ。
リュウジは、さっきのお返しと言わんばかりに、切れ味鋭いシザースでプジョルをかわし、空いたシュートコース・・・
迷わずシュートを狙いにいくリュウジ。
ふと、リュウジの脳裏には、幼い頃、父と一緒に河川敷で蹴った4号球の姿が浮かび、そのイメージを重ねながら放たれたシュートの行方は・・・!
・・・あえて、その結末は書きませんが、第1部のクライマックスは、2巻でリュウジがスペインU-17代表からゴールを奪った時と同じくらい、私の気持ちを昂ぶらせてくれました!
※
『龍時』は、非常に質の高い小説をベースに、リアリティのあるサッカー描写と、サッカーを主体とした人間ドラマが魅力的な作品だと思います。
実名のリーガ・エスパニョーラの選手たちも作中に登場しますし(9巻以降も登場します)、 サッカーの要素の強いサッカーマンガ(サッカーマンガと言っても、サッカーが一番大切な要素になって作品は結構多い)を読みたい方には、手に取ってもらいたいと個人的には思います。
※
さて、続く9巻では、第2部が始まっていきます。
リュウジはスペインでの2シーズン目を迎えることになるのですが、原作の小説を読んでいない方には、ちょっとした驚きがあるかもしれません。
リーガ・エスパニョーラを舞台に、コミック版のリュウジがどんなプレーを見せてくれるのか。
実在選手たちとの競演という点でも、先の展開が楽しみです。
■ 掲載
第89節~第101節
ワールドサッカーキング2009年1/8号(No.105)~7/2号(No.120)
第1部終了まで収録
タグ : 龍時
今週の『GIANT KILLING』#129
2009.09.03 22:33
※先週分の拍手コメントの返信を追記しました
今週号のモーニングに、ジャイキリシートの10月開催分の応募要項が掲載されています。
締め切りは、9月11日となっていますので、応募する予定のある方はお忘れなく。
(参考リンク:「GIANT KILLINGシート」でサッカーを観よう! 10月開催分の募集開始です。)
タグ : GIANT-KILLING
『LOST MAN 5』 / 草場道輝
2009.09.01 21:05
※ネタバレ要素となるえる要素を含んでいますのでご注意ください
「漫画のキャラだろうとサッカーでマツモトには負けたくない!!」
という、本田様の帯が目を引く(というか、びっくりしたw)、『LOST MAN』第5集を読んだ感想です。
マツモトが、ファゼンダからローカスツへ電撃移籍をした直後に行われた、ローカスツvsファゼンダの因縁の運命をかけた大一番。
試合は、マツモトに対して私怨の炎を燃やすガイアーナがゴールを決めファゼンダが先制。
その後は、自力で勝るローカスツがボールを支配するも、それに屈せず、ラインを押し上げ中盤の激しいプレスで必死の食い下がりを見せるファゼンダ。
そんな中、ファゼンダを潰そうと目論むカルロスを失脚させるため、裏で動きを見せるサカザキ・・・
第5集では、(ルーマニア編と比べて)長く続いたファゼンダ編が完結。
そして、新天地・イングランド編がスタートしていきます。
※
まずは、完結したファゼンダ編についてから。
私的には、とても面白く読ませていただきました。
それを支えていたのは、ファゼンダの人々(とマツモト)の人間ドラマによるものが大きかったと思います。
4巻でマツモトと約束した通り、ファゼンダFCを守るために、スタジアムの外で署名活動をし、自分たちにできることを実行に移す子供たち。
スタジアムには入れなかったけど、スタジアムの外から、消滅の危機にあるファゼンダFCへ懸命に声を送るサポーター。
その規模は大きくないかもしれないけれど、生まれ育ったファゼンダという土地に対する誇り、その象徴であるファゼンダFCに愛情を示す人々の姿は、心打たれるものがありました。やっぱり、私は、こういう話に弱いなぁ・・・。
試合シーンでは・・・
ファゼンダからローカスツへ移籍したマツモト自身のゴールによって2-1とファゼンダを逆転しますが、それにより心が折れてしまったオルテガを煽るマツモトの言動。
「サポーターが諦めとらんのに、お前らが諦めてどないすねん!!
サポーターに恥かかすなドアホ!!」
4巻の子供たちに対してもそうですが、記憶喪失のマツモトには持つことのできない、故郷の誇りを持てるファゼンダの人々に対して垣間見せた、マツモトの人間味ある言動が私は好きです。
そして、マツモトの煽りによって、闘争心を蘇られた選手たちは、ファゼンダを愛する人々のために、自分たちの誇り、未来のために戦っていきます。
ファゼンダから、ローカスツへと移籍したマツモト。
ファゼンダにとって、マツモトは、いつしかとても大きな存在になり、チームに多くのものをもたらしていた。だからこそ、とてもショックが大きく、“裏切られた”という想いが強くなっていく・・・(若干ひとりの私怨を除くw)。
「その大きすぎたマツモトの存在がくやしいのなら…
オレがマツモトと同じ存在になるしかない!!
それが、チームを去ったマツモトに対する本当の決別だ!!」
メンバーの誰よりも、マツモトに対する思い入れが強かったであろう、チームの大黒柱・ティアーゴのさらなる覚醒から始まった、ファゼンダFCの同点ゴールの場面もまた熱かったですね。
・・・しかし、“勝利請け負い人”であるマツモトは、主人公でもありますし、当然このままでは終わらない。
タイトなマークで自由にプレーさせまいとするティアーゴを一瞬で振り切り、再度ファゼンダFCを突き放すゴールを決めるマツモト!
この見開きを連続させたゴールシーンは圧巻でした!
『LOST MAN』は、全体的にサッカー描写は少なめですが、その中でも草場先生のサッカー描写力は素晴らしいです。
ファゼンダFCは、結局、試合に敗れてしまいましたが、カルロスの失脚により(このへんは、私には茶番にしか見えなかったのですがw)、街の平和は守られることに。
マツモトたちは、ビジネス主体でサッカーをしている流浪の勝利請け負い人なのだから、ルーマニア編のように後味の悪さが残る結末というのは、それはそれでアリだと思います。
ですが、ファゼンダ編のように、周囲の人々に受け入れられ、温かさが感じられる結末というも、やっぱりいいですよね~。
子供たちが「なんでやねん」の地上文字で飛行機で飛び立ったマツモトにメッセージを送る別れの場面はジーンときたなぁ。
これまでの感想の中でも度々書いていることですが、短期集中連載だったルーマニア編と違って、ファゼンダの人々との関わり合いを、しっかりと描いていたからこそ、これだけ胸が熱くなれたんだと思います。
・・・ということで、ファゼンダ編は、人間ドラマ色の強い物語ではありましたが、私的には、すごく面白かったです。
※
ファゼンダの地を飛び立ち、マツモトたちの次なる目的地となるのが、フットボールの母国・イングランド。
今回は1話分、ほんのさわりの部分しか描かれていないのですが・・・
「だからイングランドのサッカーは熱い!!」
マツモトたちが、スタジアムへ試合を見に行った場面で描かれた、スタジアムの臨場感は、なかなか素晴らしいものがあったと思います。
草場先生のコメディ描写も大好きだけど、やっぱり、私はサッカー描写を描いている時が一番好きなので、イングランド編では、もっとサッカーを多く描いてくれることに期待したいですねー(笑
また、巻末では、イングランド編を描くにあたってのちょっとした裏話が描かれていて、そちらも要チェックです。。
※
さて、続く第6集では、イングランド編が本格的に描かれていきます。
次なる舞台は、イングランドのビッグクラブ、マンチェスター・ユニオン(通称・マンU)。
これからチームへの加入を試みようとする段階ですが、『LOST MAN』という作品物語の核心部分に迫っていくことも予感される、イングランドでのマツモトたちの物語に注目です。
■ 掲載
第38話~第47話
週刊ビッグコミックスピリッツ2009年14号~25号
マツモトたちがイングランドへ渡ったところまで収録
タグ : LOST-MAN