『YATAGARASU 20』 / 愛原司
2009.06.20 21:21
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※ネタバレとなり得る要素を含んでいますのでご注意ください
ついに20巻到達となりました、『YATAGARASU』20巻の感想です。
高円宮杯全日本ユース選手権への出場を目標に掲げ、全日本クラブユース選手権の地域大会を戦う、グランヴォーチェ城ヶ丘SC。
予選リーグを無事首位通過し決勝トーナメントを迎える、グランヴォーチェの次なる相手は、故意に予選リーグを2位通過を狙い、グランヴォーチェと戦うことを臨んだ御陵川FC。
20巻では、その御陵川FC戦が描かれていきます。
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で、読んだ感想ですが・・・
いつも通り、安定して面白いです!
今回の対戦相手は、鉄壁を誇るGK・藤を中心に徹底して守備的に戦い、(茂木に匹敵する俊足をである)FW・村主のスピードを活かした一発のカウンターを狙う御陵川FC。
ディフェンス陣全体の能力が高い御陵川の中でも、特筆すべき存在はGKの藤。
ボガータユースのテストも受けていたという藤は、驚異的な反応速度によるセービング、カウンターの起点にもなれる精度の高いキック、シュートコースを的確に見極める目、そして何より、"シューターの心理"を読み取ることに優れ、グランヴォーチェ攻撃陣にゴールを奪わせません。
それに対して、グランヴォーチェも、森村を中心に(というか、ほとんど森村)あらゆる思考を凝らして、御陵川のゴールに迫るも、藤の方が一枚上手であと一歩のところでゴールが奪えない。PKでさえも、止められてしまう(これは、逆に森村だからこそ読まれ止められてしまったという一面もありますが)。
相手が守備に絶対的な自信を持っているチームに対して、なかなかゴールが奪えない。
それによって、刻々と時間が迫ってくるにつれ、どうしても疲労の色も濃くなってくるし、焦りから集中力を欠いたプレーや、普通ではありえないような凡ミスも出てきてしまう・・・。
このあたりの攻防というが、すごく見応えがあって面白かったです。
特に、シューターの心理の話が、個人的には好きですね。
また、相手は素晴らしい能力を持ったGKではありますが、その中でも、同じGKの宮が意地の好プレーを見せてくれたり、江守くんもギリギリのところでシュートを止めたりなどの活躍も描かれていたので大満足です!(笑
やっぱり、きちんとサッカーを描いているサッカーマンガは面白い!
サッカー好き以外の方に対しては、強くプッシュできる要素に欠ける感も否めないですが、ここはサッカーマンガを題材にしたサイトであり、私自身が好きな作品ですから、(いつも主張していますけど)お薦めサッカーマンガのひとつに挙げておきます。もし未読の方で、きちんとサッカーしてる作品が読みたい方は是非、お手に取ってみていただけたらなと思います。
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さて、続く21巻では、単行本派なので、本当に何も知らないのですが、御陵川FC戦の決着が描かれていくことになると思います。
延長後半も残り時間3分・・・
どうやって、藤の牙城を打ち破るのか?
一度止められてますが、フリーキックで?
それとも、シューターの心理を読む藤の上を行くのは、意外と茂木の破天荒さだったりして?
その続きは、4ヵ月後のお楽しみにしておきます(笑
『YATAGARASU』も、『VIVA! CALCIO』に並ぶ20巻まで到達しました。
この作品の結末は、まだまだ見えませんが、愛原先生の描くサッカーマンガを、この先も読み続けることができればいいな~と思ってます。
■ 掲載
Vol.76~Vol.79
月刊少年マガジン2009年1月号~4月号
御陵川戦延長後半残り3分のところまで収録
タグ : YATAGARASU