『MAGiCO 2』 / 佐久間力
2009.04.04 00:26
※ネタバレとなり得る要素を含んでいる可能性がありますのでご注意ください
2巻は、前半は部の存続をかけた横浜港南戦のクライマックス、後半は蔵希が撫子高校入学後初めての公式戦・全国高等学校総合体育大会一次予選が始まっていきます。
『MAGiCO』という作品について、1巻の感想のところで、"熱を帯びたシンプルな王道ストーリー+主人公が魅せる「マジコ」という名の創造的なスーパープレー"を楽しむものと書きましたが、今回もそんな『MAGiCO』の魅力に触れることができます。
個人的には、横浜港南戦で、カトパンが相手選手に誘われ痛恨のオウンゴールを喫し、逆転を許してしまった場面から、蔵希が相手と同じプレーでオウンゴールを誘ってやり返すところが一番気に入ってます。
強豪・横浜港南相手とはいえ、勝てなければ廃部という厳しい条件の中、逆転を許してしまったけれど、それでも戦う姿勢を見せていく撫高のメンバーたち姿は、シンプルではあるけれど、熱い気持ちにさせてくれます。
「オレはあんたとサッカーやるためにユース蹴ったんだぜ 最後まで付き合えよな」
という、蔵希が疲労も限界に達しようとしているカトパンにかけた言葉も好きです。
カトパンの屈辱的なオウンゴールを、まったく同じプレーでやり返す蔵希の閃きもいいですよね(これは、"マジコ"ではないですがw)。
サッカーマンガとして、リアリティを追い求める作品ではないですが、カトパンをはじめとする撫高サッカー部員たちの見せる熱さや、蔵希の見せるマジコなど、作品の軸はしっかりとしているので、今後佐久間先生の描き手としての経験値が上がっていくほどにもっと面白くなっていくのではないかと個人的には期待しています。
特に、"マジコ"の描写は、トンデモ系に寄ったものではありますが、"創造性"は感じられるので(『イナズマイレブン』のようなぶっ飛んだトンデモではないです)、ここはもっと磨いていってほしいな個人的には思います。
あと、横浜港南戦には負けたのにもかかわらず、結局あっさりと存続が決まってしまったのには吹いてしまいました。総体一次予選の1回戦も、"ウサギ狩り"なんて言葉も出しておきながら、あっさりと勝っていましたね(笑
さて、続く3巻は、2巻の後半から描かれている総体一次予選の2回戦、海老名東戦の続きからになっていきます。
1-0で勝利し続ける海老名東を相手に、先に失点してしまうことの意味。
撫高の右サイドハーフ・斉藤と何やら因縁のある海老名東の別所という男。
蔵希のマジコを止めてしまう海老名東のGK・糟谷。
いろいろ気になる要素はありますが、撫高は無事2回戦を突破することができるのか。
先の展開は知らないので、どんな物語を見せてくれるのか楽しみです。
■ 掲載
STAGE4~STAGE7
月刊コミックライバル2008年12月号~2009年3月号
総体一次予選2回戦vs海老名東、先制点を許すところまで収録
タグ : MAGiCO