今週の連載雑感(2009年2月2日~2月8日)
2009.02.08 23:47
■ 今週の雑感リスト
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『龍時 7』 / 原作:野沢尚 漫画:戸田邦和
2009.02.08 20:41
※ネタバレ要素がありますのでご注意ください
今回は、1年以上待たされることもなく(戸田先生を褒めてあげよう!w)、最新7巻が発売された『龍時』7巻の感想です。
"リュウジ、衝撃の岐路に立つ!!"
このように、帯のコピーに書かれていましたが、7巻では、サッカーシーンではなく、主人公・志野リュウジの人間ドラマが描かれています。
トップチーム入りの1枠の座をかけた紅白戦で、ライバルではあるが親友とも呼べる存在だったエミリオをプレー中のアクシデントから骨折させてしまったリュウジ。
試合後、すぐさま見舞いに行ったエミリオの病院から、悲痛な気持ちのまま帰路に着くリュウジの場面から7巻は始まっていきます。
帰宅したリュウジを待ち受けていたのは、リュウジをスペインに案内してくれたセルヒオに、現在リュウジが所属するアトランティコBの監督のスチュアート、そして、代理人業をしているというディエゴ・ペドロサという男。
そこでリュウジは、しばらくはアマチュア契約のB所属としながらも、トップチームへの昇格が告げられます。さらには将来を見越して、ペドロサが代理人が付くことも。 リュウジは、アマチュア契約でB所属の選手であるとはいえ、ペドロサという代理人が付き、念願のトップチーム入りを果たすことになります。
"親友に怪我を負わせておきながらも自分はしっかりチャンスをつかんだ"
という罪悪感にさいなまれながらも、現実を呑み込み、前進していくことを決意するリュウジ。
しかし、この出来事は、さらなるリュウジの苦悩へのほんの序章にしか過ぎませんでした・・・。
※
・・・ということで、今回は念願のトップチーム入りを果たすことが出来たものの、フットボーラーとして、さらには"志野リュウジ"というひとりの人間としての苦悩を描いた人間ドラマを中心に描かれています。守備的な負けないための組織サッカーを志向するトップチームの監督からは、リュウジのような高いテクニックを持った攻撃的な選手は必要とされておらず・・・と、またもや、監督と戦わなければならなかったり・・・
「何もかも捨ててこの場所から始めたいんだ……!!」
フットボーラーとしての未来を切り開くために、日本・・・そして家族を捨てることになるとしても、スペイン人になることを決心するリュウジの心理描写の数々(特に4年ぶりに再会した父親に関するエピソードは見どころですが、9巻にも続くところなので今回は触れません)。
もう何と言えばいいのだろう?
とにかくサッカーに対してストイックであり続けようするリュウジ。
サッカーのためにそこまでしなければならないのか?
そんな想像を絶するリュウジのメンタリティを軸にしたストーリー展開は必見です。
※
リアリティ路線のサッカー描写+シリアスなストーリー展開
やっぱり、私はこういうのが大好きですね。
かなり前に書いた、好きなサッカーマンガベスト10も(読んだことのない方はサイドバーのメニューよりどうぞ・・・あれもいい加減リニューアルさせないとなぁ)、そういう系統の作品が多いですし(笑
シリアス一辺倒に近いバランスなので、マンガとして明るく楽しいといった方向性を望む方には、好まれにくいかもしれないですが、サッカーの要素が多いサッカーマンガを読みたい方にはお薦めしたいです。
※
これは、すごく個人的に思ったことなのですが・・・。
リュウジが、なんとか監督の目を引こうと、意図的に派手プレーをしたものの、監督は見てすらいなかった場面。
リュウジの場合は、「何と惨めな行為だろうか……」とシリアスな方向に進んでいきますが、このシーン、『GIANT KILLING』だったらギャグ展開になるところだよなぁ(6巻に収録されている夏木のシーンを参照)とか思ってみたり(笑
※
この作品は、原作の小説の"'01-'02"をマンガ化しているものだったはずなのですが、作中に出てくるバルセロナの選手にメッシやイニエスタの名が挙げられているところを見ると、実は'01-'02シーズンをモデルにしていたわけではないようです。
確かに、今になって'01-'02シーズンは古すぎるかもしれないですが、・・・となると、残念ながら、原作の小説の"'01-'02"の部分をマンガ化しきったら、それで連載終了となってしまいそうですね・・・。
けど、ここから小説を全部マンガ化したら、どれだけ年月かかるかも分からないし、まぁ何より原作どおりやっていくと権利関係が大変そうですからね・・・これも仕方がないのかな。
・・・とはいえ、まだどうなるかは分からないので、かすかに続いてくれることを期待しながら、読んでいこうと思います(苦笑
※
さて、続く8巻について。
自分に嘘をついていた父と再び会うことになるリュウジ。
そこでリュウジは、父に何を伝えるのか?
そして、リーガ最終節のバルサ戦。
リュウジは、ベンチ入りの18人の中に滑り込むことができるのでしょうか?
できれば、次もあまり待たせないで発売してくれると嬉しいなぁ・・・と、半分期待しながら楽しみに待っていますよ!(笑
■ 掲載
第77節~第88節
ワールドサッカーキングNo.091(H20年7/3号)~No.104(H20年12/18号)
親父の嘘が発覚したところまで収録
タグ : 龍時