『やんちゃぼ -和久実村FCのキセキ- 3(完結)』 / 高田靖彦
2007.06.25 22:08
コミックの発売から、ずいぶん時間が経過してしまいましたが、『やんちゃぼ -和久実村FCのキセキ-』の、最終3巻の雑感。
知名度はかなり低い作品だと思うんですけど、個人的に期待してた部分もあったので、中途半端な終わり方(=打ち切り??)、天皇杯での優勝を目指してたストーリーだったのに、本戦どころか、福井県予選の決勝すら描かれず、完結してしまったことは残念に思います。
元々は、草サッカーチーム同然だった和久実村FCが、合併によって消滅してしまう和久実という土地の名前を、少しでも多くの人に知ってもらうため、天皇杯優勝を目指すという、その物語のスケールの大きさに惹かれるものがあったんですけどね・・・。
サッカーはしていても、プレーそのものについて語られる(解説がある)ような作品性ではなかったとはいえ、小規模のアマチュアクラブが、天皇杯を勝ちあがっていくその過程は、まさに、"ジャイアントキリング"の連続だったわけで、それらは、"きっと私をワクワクされてくれるに違いない!"って期待してたので、せめて、そのへんまでは描いてほしかったな~って、今でも思ってます。
これで、サッカーの"勝負のあや"的な部分も描かれていれば、本当に神がかった面白さになるかもとも思ってたのにな~!(笑
とにかく、作品の素地を生かしきれなかったことは、非常に残念です。
あとはですね、大まかなところは、2巻の感想で書いた内容と被ってしまうので、そちらを読んでみてください。
3巻の見所としては、和久実の名前を残すために活動してる小茂田たちとは反対に、和久実の名前を消すために活動してきた(合併を推進してきた)者のエピソードや、小茂田自身にとって一番大切な家族との問題が修復していく過程あたりでしょうか。
和久実という小さな村の人々の、それぞれが織り成す人間ドラマは、どこか温かみがあって、個人的には好きです。
サッカーを主体で見ると、物足りなさがあるのは事実ですが、少年誌的なノリや感覚がなく、そういうのが苦手な大人にも読みやすい、作品だと思います。興味のある方は、読んでみてはいかがでしょうか。
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