『ふたりサッカー』 / 倉敷保雄 あらゐけいいち
2010.10.31 22:16
厳密にはサッカーマンガというわけではないのですが(コピーの言葉を借りるなら“ステップ・アップ・サッカーよみもの”)、内容的にマンガもありますし、やっぱり何と言っても個人的にお気に入りなので(そこがとても大切だと思うんだ!)、ショートレビューみたいな感じで紹介してみたいと思います。
待望の単行本化!!
強力ツートップによつ絶妙コラボ。
すべてのサッカーファン+活字ファン+コミックファンに捧げる、
“サッカーよみもの”です!
『ふたりサッカー』とは、ヤングアニマル2008年6号(3月14日発売)より始まった、『ふたりサッカーいとをかし』という連載コラムを単行本化したものです。
内容としては、サッカーファンにはスカパーのサッカー実況などでお馴染みのクラッキーこと倉敷保雄アナのテキストと、『日常』などで知られるあらゐけいいち先生の漫画(倉敷さんのコラムと一応微妙にリンクしてます、連載初期はイラスト+コメント)で構成されています。
今回、単行本化するにあたって、ヤングアニマル増刊あいらんどで掲載された漫画の収録、さらには、単行本用に書き下ろされたものもあります。
私がこのコラムを知ってチェックし始めたのは、第19回からなのですが、その時からずっと過去のコラムも読んでみたいと願っていたので、今回の単行本化はすごく嬉しかったです。
まずは、何と言っても倉敷さんのテキストが面白いです。
倉敷さんと言えば、サッカーに関する小さな小ネタも含めた知識が豊富で、時にアニメや漫画、特撮のネタなども織り交ぜたりしながら(そのネタの引き出しの多さにはいつも感心してます)、軽妙かつユーモラス溢れる実況で楽しませてくれる方ですが、そんなクラッキー節がそのまま文章として楽しめて(他誌のコラムでもこのへんの才能は見せていますけどね)、いちクラッキーファンとしてはたまりません。
取り扱うネタは国内外、クラブに代表、時には自身の実況話など幅広く(とは言っても基本海外話が中心で、個人的にはもっとJリーグネタがあってほしかった)、連載は2008年のJリーグが始まった時のコラムから始まって今となって少々色褪せた話もありますが、そのあたりは単行本化に合わせ文章を追記してフォローしています。
そして、あらゐけいいちせんせいの漫画&挿絵も、サッカーをより親しみやすくしているのではないかと思います。
※画像クリックでamazonのページへ、ブクログに画像がなかったので・・・(笑
表紙を見ての通りのかわいらしい絵柄ながらも、独特の不条理でシュールな作風は、サッカーよみものの中でも健在です(個人的には、この連載がきっかけであらゐ先生の作品を読むようになったw)。
本の最後の方で、クラッキーとポジションチェンジして文章を書かれているところも注目です(もちろんクラッキーの挿絵もw)。あらゐ先生もクラッキーの実況がきっかけで、サッカーにのめりこむようになっていったそうですよ。
とにかく、サッカーが好き、クラッキーが好き、あらゐ先生が好き・・・
このうちの2つが当てはまるなら、楽しめる内容かなと思うので、興味あれば是非チェックしてみて下さい。
単行本の裏表紙側の帯に試し読み用のQRコードもついています。
まぁ、ぶっちゃけ本屋でコミック手に取ってQRコードを読み取るってあらぬ誤解を受けそうでやり辛いと思うのですが・・・。
(そもそもそれには本屋行かないといけないですし、ネット上で試し読みできれば良かったのに・・・)
文体がすごく親しみやすいので、サッカーにそれほど詳しくない方にも、いやむしろ、あまり詳しくはないけどサッカーに興味は持ってる方にこそオススメかも。読んでいくうちに引き込まれ、“ステップ・アップ・サッカーよみもの”の言葉通り、きっとサッカーのことがもうワンランク好きになれるはず(だと思っていたいw)。
今回は、連載40回分(ヤングアニマル2009年21号)が掲載されていています。
タイトルに巻数がついてないのがちょっと気にかかるんですが、本が売れればきっとまた発売してくれるはずなので、次はいつになるか分からないんですけど2巻の発売を楽しみに待っていたいです。
『サッカー監督はつらいよ』 / 平野史
2007.07.16 23:44
本が発売されたのは、半年ほど前の話なのですが、私自身が最近購入したというのと、内容的にうちのブログでも取り上げておくべきものだなとも思ったので、この本を紹介させてもらいます。
この本は、サッカー専門紙エル・ゴラッソで連載されていたコラムを、大幅に加筆修正し、さらに書き下ろしを加えて、単行本化したものです。当時、『U-31』の小説版が、水曜発売のエル・ゴラッソに連載されていて、毎週水曜版だけは購入してたので、これも好きで読んでました(笑
内容は、その名の通り、サッカー監督のさまざま事情について書かれていて、最初の2/3ほどは、架空のJリーグ監督をモデルに、サッカークラブの監督の1シーズンの仕事のあれこれを、残りの1/3ほどは、オフト~オシムまでの実際の日本代表監督の事情について書かれています。
それで、なぜゆえ、うちのブログで取り上げようと思ったかといいますと、『GIANT KILLING』がきっかけで、国内サッカー(=Jリーグ)や実際の監督の仕事について、興味を持った方には、まさにうってつけのものだなぁと思ったからです。
一応架空の話とはなっていますが、実際の話をベースにしていると思われ、具体性があって解りやすく、それほどサッカーについて詳しくない方が読んでも、楽しめると思います。Jリーグファンが読んだら、「あれって、もしかして、○○○のことじゃない?」みたいな感じで、さらに楽しめるかもしれません(笑
・・・とはいえ、『GIANT KILLING』ファンが、"監督はマジックを使うか"あたりの項目を読むと、
「なんだよ、夢がない話だな」
って思ってしまうかもしれませんけどね(^^;
ま、まぁ、それはともかく、Jリーグから日本代表と、国内サッカーについて、いろんなことが幅広く書かれている本ですので、興味のある方は、手にとってみてはいかがでしょうか。個人的には、お薦めの本です。
雑記
2007.04.22 23:26
いやぁ、ここのところ忙しかったせいか、『エリアの騎士』とか『キャプテン翼 GOLDEN-23』の単行本(それだけじゃない、実際に他に買おうと思ってたマンガも含めて)の発売日を素で忘れておりました( ̄▽ ̄;)
明日の仕事帰りに、『GIANT KILLING』とともに、一緒に購入してきます。前者たちの感想とか書くのは、ゴールデンウィークに入ってからになりそうですが、さっくりとでも、雑感程度には書きますので、気長に待っててくださいね(^^;
いよいよ、『GIANT KILLING』のコミックが発売になるのですが、さきほどamazonのページを見てきて、初版本にはETU特製ステッカーがつくことを知りました(モーニングのサイトにそんなこと書いてありましたっけ?)。
明日中に、コミックを改めて読んでの感想の記事をアップすることはできないと思うのですが、とりあえず、ステッカーの写真ぐらいは、掲載してみようかと思ってます。たぶん、私が写真をアップする前に、みなさんはすでにステッカーを手にしていることと思いますけどね?(爆
『野洲スタイル』 / 山本佳司
2007.01.05 22:44
今年はすでに3回戦で敗退してしまいましたが、昨年の高校サッカー選手権で優勝した野洲高校の監督である、山本佳司監督の書いた本です。
山本監督が就任したときは、部員がたった12人だったという野洲高校のサッカー部を全国制覇に導くまでの道のりや、監督がクリエイティブなサッカーを目指すルーツ、サッカー観などについてが熱く語られています。
選手のことを第一に、ポジティブに自分たちの長所を生かしたスタイルを貫こうとする考えた方は、私も共感できるものがありますね。山本監督の飾らない性格も、私は結構好き(笑
すごく、興味深く読ませてもらったんですけど、書いてる内容的には、過去に掲載されたスポーツナビの記事と重複してる部分が多かったりしますね・・・(^^;
なので、雑誌などで山本監督の記事を熱心に読んでいるような方には、 少し新鮮味に欠けるところはあるかもしれませんね・・・。
それと、あまりコアなサッカーの話もそれほどないので、そのあたりを期待している人も、肩透かしを喰らうかも。
あと、少し内容はそれますが、読んでいて改めて、『エリアの騎士』は、野洲高校のコピーなんだなぁと。てか、山本監督の言ってることそのまんまじゃんみたいな・・・(^^;
そのへんの話は、別な機会にするとして(笑)、野洲高校のサッカーを見て、山本監督に興味を持ったと言う方は、監督の個性あふれるスタイルは十分に伝わってくるので、読んでみてはいかがでしょうか? サッカーに詳しくなくても、読めるないようだと思います。
『ワールドサッカークリニック』
2006.12.05 12:35
"ワールドカップ・ドイツ2006に学ぶ戦術、指導法、フィジカル"
ということで、ワールドカップ上位国の戦術や日本代表の今回のワールドカップの分析、指導者は「世界から」何を学んだか(レッズユース監督の広瀬さんが書いた記事もあります)などの記事が掲載されています。
先日のワールドカップを見て、私自身がいろいろ感じたり思ったことと記事の内容とをすり合わせながら、『ふむふむ、やっぱりそういうことなんだよね~』と納得したり(笑)、日本代表のフィジカル分析などを見て、改めて今の日本代表に足りないものを痛感させられたり、全体を通して、いろいろと勉強になり、すごく面白かったです。
最近は、サッカーの戦術とか理論関係の書籍ってほとんど読まなくなっていたので(サッカークリニックは、7~8年ぐらい前はちょこちょこ読んでました、経験者でも指導者を目指してたわけでもないのにw)、なおさら興味深く読めたのかもしれない(笑
サッカーそのものに深い興味のない方には向かないと思いますが、個人的にはサッカーマンガ家さんにはひと通り目を通してほしいなぁなんて思いました。
引いてきた相手をどのように切り崩していくべきかという話もあるので、参考になると思いますよ?(爆