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サッカーマンガを読もう!

ひとりの"サッカー好き"が書く、主観的なサッカーマンガの読書日記。『GIANT KILLING』と『ANGEL VOICE』を猛烈にプッシュ中!

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『LOST MAN 5』 / 草場道輝 

2009.09.01 21:05


草場 道輝
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※ネタバレ要素となるえる要素を含んでいますのでご注意ください




「漫画のキャラだろうとサッカーでマツモトには負けたくない!!」

という、本田様の帯が目を引く(というか、びっくりしたw)、『LOST MAN』第5集を読んだ感想です。

マツモトが、ファゼンダからローカスツへ電撃移籍をした直後に行われた、ローカスツvsファゼンダの因縁の運命をかけた大一番。

試合は、マツモトに対して私怨の炎を燃やすガイアーナがゴールを決めファゼンダが先制。
その後は、自力で勝るローカスツがボールを支配するも、それに屈せず、ラインを押し上げ中盤の激しいプレスで必死の食い下がりを見せるファゼンダ。

そんな中、ファゼンダを潰そうと目論むカルロスを失脚させるため、裏で動きを見せるサカザキ・・・

第5集では、(ルーマニア編と比べて)長く続いたファゼンダ編が完結。
そして、新天地・イングランド編がスタートしていきます。

まずは、完結したファゼンダ編についてから。

私的には、とても面白く読ませていただきました。

それを支えていたのは、ファゼンダの人々(とマツモト)の人間ドラマによるものが大きかったと思います。

4巻でマツモトと約束した通り、ファゼンダFCを守るために、スタジアムの外で署名活動をし、自分たちにできることを実行に移す子供たち。

スタジアムには入れなかったけど、スタジアムの外から、消滅の危機にあるファゼンダFCへ懸命に声を送るサポーター。

その規模は大きくないかもしれないけれど、生まれ育ったファゼンダという土地に対する誇り、その象徴であるファゼンダFCに愛情を示す人々の姿は、心打たれるものがありました。やっぱり、私は、こういう話に弱いなぁ・・・。

試合シーンでは・・・

ファゼンダからローカスツへ移籍したマツモト自身のゴールによって2-1とファゼンダを逆転しますが、それにより心が折れてしまったオルテガを煽るマツモトの言動。

「サポーターが諦めとらんのに、お前らが諦めてどないすねん!!
サポーターに恥かかすなドアホ!!」

4巻の子供たちに対してもそうですが、記憶喪失のマツモトには持つことのできない、故郷の誇りを持てるファゼンダの人々に対して垣間見せた、マツモトの人間味ある言動が私は好きです。

そして、マツモトの煽りによって、闘争心を蘇られた選手たちは、ファゼンダを愛する人々のために、自分たちの誇り、未来のために戦っていきます。

ファゼンダから、ローカスツへと移籍したマツモト。
ファゼンダにとって、マツモトは、いつしかとても大きな存在になり、チームに多くのものをもたらしていた。だからこそ、とてもショックが大きく、“裏切られた”という想いが強くなっていく・・・(若干ひとりの私怨を除くw)。

「その大きすぎたマツモトの存在がくやしいのなら…
オレがマツモトと同じ存在になるしかない!!
それが、チームを去ったマツモトに対する本当の決別だ!!」

メンバーの誰よりも、マツモトに対する思い入れが強かったであろう、チームの大黒柱・ティアーゴのさらなる覚醒から始まった、ファゼンダFCの同点ゴールの場面もまた熱かったですね。

・・・しかし、“勝利請け負い人”であるマツモトは、主人公でもありますし、当然このままでは終わらない。

タイトなマークで自由にプレーさせまいとするティアーゴを一瞬で振り切り、再度ファゼンダFCを突き放すゴールを決めるマツモト!

この見開きを連続させたゴールシーンは圧巻でした!
『LOST MAN』は、全体的にサッカー描写は少なめですが、その中でも草場先生のサッカー描写力は素晴らしいです。

ファゼンダFCは、結局、試合に敗れてしまいましたが、カルロスの失脚により(このへんは、私には茶番にしか見えなかったのですがw)、街の平和は守られることに。

マツモトたちは、ビジネス主体でサッカーをしている流浪の勝利請け負い人なのだから、ルーマニア編のように後味の悪さが残る結末というのは、それはそれでアリだと思います。
ですが、ファゼンダ編のように、周囲の人々に受け入れられ、温かさが感じられる結末というも、やっぱりいいですよね~。

子供たちが「なんでやねん」の地上文字で飛行機で飛び立ったマツモトにメッセージを送る別れの場面はジーンときたなぁ。

これまでの感想の中でも度々書いていることですが、短期集中連載だったルーマニア編と違って、ファゼンダの人々との関わり合いを、しっかりと描いていたからこそ、これだけ胸が熱くなれたんだと思います。

・・・ということで、ファゼンダ編は、人間ドラマ色の強い物語ではありましたが、私的には、すごく面白かったです。

ファゼンダの地を飛び立ち、マツモトたちの次なる目的地となるのが、フットボールの母国・イングランド。

今回は1話分、ほんのさわりの部分しか描かれていないのですが・・・

「だからイングランドのサッカーは熱い!!」

マツモトたちが、スタジアムへ試合を見に行った場面で描かれた、スタジアムの臨場感は、なかなか素晴らしいものがあったと思います。

草場先生のコメディ描写も大好きだけど、やっぱり、私はサッカー描写を描いている時が一番好きなので、イングランド編では、もっとサッカーを多く描いてくれることに期待したいですねー(笑

また、巻末では、イングランド編を描くにあたってのちょっとした裏話が描かれていて、そちらも要チェックです。。

さて、続く第6集では、イングランド編が本格的に描かれていきます。

次なる舞台は、イングランドのビッグクラブ、マンチェスター・ユニオン(通称・マンU)。
これからチームへの加入を試みようとする段階ですが、『LOST MAN』という作品物語の核心部分に迫っていくことも予感される、イングランドでのマツモトたちの物語に注目です。

■ 掲載

第38話~第47話
週刊ビッグコミックスピリッツ2009年14号~25号
マツモトたちがイングランドへ渡ったところまで収録

タグ : LOST-MAN

『LOST MAN 4』 / 草場道輝 

2009.05.31 22:38


草場 道輝
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※ネタバレとなり得る要素を含んでいる可能性がありますのでご注意ください




第3集に引き続き、ファゼンダ編が描かれていく、『LOST MAN』第4集を読んだ感想です。

・・・

ファゼンダFCから、ファゼンダを潰そう企てる、カルロス・ゴードンがオーナーを務める、ローカスツFCに電撃移籍したマツモト。

マツモト移籍によって、ファゼンダの人々に絶大なショックを与えるものの、それが逆にファゼンダFCのメンバーたちのハートに火をつけ士気を高めることにも・・・

第4集では、ローカスツvsファゼンダの命運を懸けた大一番が描かれていくことになります。

・・・ということで、やはり、第4集の見どころは、ローカスツvsファゼンダ。

前回も書きましたが、ファゼンダ編では、人々との関わり合いが深く描かれているので、主人公であるマツモトがローカスツに移籍したとしても、ファゼンダにも愛着みたいなものをすごく感じるんですよ。

マツモトを慕っていた子供たちと決別のシーンなんかは、"勝利請負人"という冷徹なマツモトのイメージばかりでなく、記憶喪失である自分にはない地元を愛する"誇り"を意識させる言葉をかけてあげるなど、マツモトの人間味のある一面を感じられたところは、すごく温かい気持ちになれましたね。

恋する大人の女性を演じてくれたイリアーヌ先生も魅力的だったと思いますし、そんなイリアーヌに想いを寄せていたガイアーナは、私怨をパワーへと変換しゴールを決めたり(・・・けど、何かすごく切ない気分になるのはなぜだろう?)・・・

あとは、主人公のマツモト、何かを企むサカザキ、自分なりの信念で故郷を裏切ったカルロス・ゴードン、ファゼンダの地を守るために戦うティアーゴなど・・・

試合を直前に、ローカスツがファゼンダを吸収合併するというニュースが駆け巡り(当然、リークしたのはカルロス)、両クラブを取り巻く因縁だとか想いなどが交錯する中で行われる、ファゼンダ編の集大成となるこの戦いは、いろんな方向に心揺さぶられます。

このあたりは、短期集中連載だったルーマニア編と違って、時間をかけて描いていったことによる"成功"だと私は考えています。

試合描写でも、1トップのマツモトが最前線でキープし、全体を押し上げてコンパクトして、ショートパスを回して攻めようとするローカスツに対し、ラインを下げることをせずに、こちらもコンパクトさを保ったまま中盤でやり合うファゼンダなど・・・

圧倒的な戦力を持つローカスツに対し、自分たちの持てる武器を活かし最大限の戦いを見せるファゼンダは、なかなか迫力があって面白かったです。

ただ、やっぱり、『ファンタジスタ』と比べてしまうと、全体的にサッカー分が足りないと思います(それでも、4巻は多め)。このあたりは、作品の特性上仕方のないことと考えるべきなのでしょう。

その少ないサッカー分は、(人間ドラマもそうですが)コメディ・ギャグ描写が補ってくれます!(笑

今回は、シリアスなシーンが多かったため、なおさら、コメディ描写が際立っていたような気がします。

最近、すっかりギャグ・コメディ担当のキャラが板についてきた、メインヒロイン(?)の詩乃の爆発シーンは、見どころになっております。

女性としての魅力は、イリアーヌ先生の方が数段上ですが、詩乃のそういう役回りは嫌いじゃないんだぜ?

その他にも、モドキっぽいキャラもそうですけど、小ネタ系が散りばめられていたりするので、そういうのを探しながら読んでいくのも楽しみ方のひとつかもしれません。"あなたを殺して・・・" って、それが元ネタだったのか・・・。

『LOST MAN』という作品を評するとすると、サッカー描写は迫力ありますし魅力的ではあるのですが、純粋なサッカーマンガと言うには、サッカー描写の分量は少なめで、ギャグ・コメディの色も強く、『ファンタジスタ』とは、やはり毛色が違う作品・・・。

ルーマニア編と違って、ファゼンダ編は、周囲の人々の描写もすごくいいし、ギャグ・コメディパートも好きなので、私の中ではかなり面白いんですけど、草場先生の前作のサッカーマンガが、『ファンタジスタ』であるがゆえに、ファンタが好きな人に素直に薦めていいのかと問われると、ちょっと考えてしまいます。

ごめんなさい、意見としてあまり参考にならないと思いますが、そのあたり興味がある方は、ご自身で確かめてみてください(個人的には、第2集まで読めば判断できるかと思います)。

続く5巻は、ファゼンダ編が完結します。

試合の決着はどうなるのか? ファゼンダの人々の運命はどうなる? 次なる、作品の舞台となる場所はどこ?

続きは、数ヵ月後のお楽しみです。

■ 掲載

第28話~第37話
週刊ビッグコミックスピリッツ2008年51号~2009年13号(うち休載2回)
サカザキが大臣にけしかけるところまで収録。

タグ : LOST-MAN

『YATAGARASU 19』 / 愛原司 

2009.02.22 00:02




※ネタバレとなり得る要素を含んでいますのでご注意ください




チームの目標である、高円宮杯出場に向けた第一歩、日本クラブユース選手権の地域予選が始まりました。

初戦の相手は、前年度2位だった虎池FCガーズ。
虎池FCは、かつて反町(&諸見里)が当時所属していた高校のサッカー部をやめることになる原因にもなった因縁の相手。

19巻では、18巻の最後のほうから始まった、虎池FC戦がメインとなっています。

フィジカルを前面に押し出したハード・・・というよりは、少々ラフなプレーを仕掛けてくる虎池のサッカーに対し、グランヴォーチェの選手たちはどんな戦いを見せてくれるのかが今回の見どころです。

今回も、江守くんや宮がカッコ良さを見せてくれて個人的には大満足でした(笑

江守くんについては、ディフェンスラインを上げるように塚口に提案する場面や・・・

「逆に相手を追いつめていくには…
相手の一番得意なところに真正面からブツかっていかなきゃって…」

と、結局は負傷して交替となってしまったけれど、怪我をすることを恐れずに相手ボールになるのを阻止しに行った場面は、すごくカッコ良かった。

また、その江守くんの勇気を持ったプレーが、茂木の同点ゴールを生むきっかけになっているところも良かったと思います。

江守くんは、最初の頃は、茂木に振り回されるだけの役回りのキャラかと思っていたのですが、地味にだけど着実に成長を見せてくれていますね。

宮については、最初は練習した成果を見せられずに失点してしまいますが、江守くんの提案でディフェンスラインを上げてからは、浅いディフェンスラインの裏を突かれてもエリア外まで飛び出してクリアしたり、PKを止めたり、試合終了間際の相手の強烈シュートをナイスセーブしたりなど、19巻のMVPとも言えるほどの大活躍!

18巻の感想にも書きましたが、愛原先生の作品は、主役クラスを中心にストーリーを動かしていく傾向が強い中、彼らのような日陰系のキャラが活躍は、読んでいてとても嬉しくなってしまいます。

あとは、虎池FCと因縁のある反町と諸見里。

反町は、相手の挑発にも乗らず精神的に成長したところを見せてくれたのが良かったですね。
決勝点はアクロバティックなゴールを決めてくれたりと、反町らしいところも見せてくれました。

ただ、諸見里には、もうちょっと見せ場を作ってあげてほしかったかな。

個人的には、相手の激しいコンタクトプレーを反町が個人技で軽くいなし突破したところでクロスを上げ、それを諸見里が決める展開が見たかったかも。

あ、でも、面白かったですよ。

相手の虎池FCも、プレーにラフなところはあったし、どこからどう見てもヒールでしたが、"勝ちたい!"という気持ちの強さ、身体を張ったディフェンスなどは悪くなかったと思います。

サッカー描写的には、(特に江守くんの提案でラインを上げるようになるまでの)GK(宮)とディフェンスライン(塚口、大沢など)の微妙な関係が面白かったですね。

あとは、虎池FCのスタイルにもあってか、コンタクトプレーの描写が多めだったような気がするんですけど、その描写力はさすがと言いますか、力強さがあって見ごたえがあったと思います。

一定のサッカーマンガファンの層以外には、なかなか評価されにくいのかなという印象はありますが(『YATAGARASU』の感想って検索してもほとんど見つからないんだもの・・・)、愛原先生はサッカー描写で勝負できる数少ない方なので、個人的には応援したいです。

さて、次の20巻では、予選リーグを突破し、決勝トーナメントを戦っていくことになります。

グランボーチェの次なる相手は御陵川FC。
御陵川は、守備偏重のシステムに加え、GKもかなりの実力者な様子。

この作品は、単行本でしか読んでいないので、先の展開はまったく知らないのですが、19巻を読む限りでは、反町がキッカーとして練習してたセットプレーが鍵になりそう?

とにかく、20巻の発売が楽しみにしています。

■ 掲載

Vol.72~Vol.75
月刊少年マガジン2008年9月号~12月号
江守くんたちが御陵川のGKのすごさを知るところまで収録

タグ : YATAGARASU

『龍時 7』 / 原作:野沢尚 漫画:戸田邦和 

2009.02.08 20:41


戸田 邦和,野沢 尚
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※ネタバレ要素がありますのでご注意ください




今回は、1年以上待たされることもなく(戸田先生を褒めてあげよう!w)、最新7巻が発売された『龍時』7巻の感想です。

"リュウジ、衝撃の岐路に立つ!!"

このように、帯のコピーに書かれていましたが、7巻では、サッカーシーンではなく、主人公・志野リュウジの人間ドラマが描かれています。

トップチーム入りの1枠の座をかけた紅白戦で、ライバルではあるが親友とも呼べる存在だったエミリオをプレー中のアクシデントから骨折させてしまったリュウジ。

試合後、すぐさま見舞いに行ったエミリオの病院から、悲痛な気持ちのまま帰路に着くリュウジの場面から7巻は始まっていきます。

帰宅したリュウジを待ち受けていたのは、リュウジをスペインに案内してくれたセルヒオに、現在リュウジが所属するアトランティコBの監督のスチュアート、そして、代理人業をしているというディエゴ・ペドロサという男。

そこでリュウジは、しばらくはアマチュア契約のB所属としながらも、トップチームへの昇格が告げられます。さらには将来を見越して、ペドロサが代理人が付くことも。 リュウジは、アマチュア契約でB所属の選手であるとはいえ、ペドロサという代理人が付き、念願のトップチーム入りを果たすことになります。

"親友に怪我を負わせておきながらも自分はしっかりチャンスをつかんだ"
という罪悪感にさいなまれながらも、現実を呑み込み、前進していくことを決意するリュウジ。

しかし、この出来事は、さらなるリュウジの苦悩へのほんの序章にしか過ぎませんでした・・・。

・・・ということで、今回は念願のトップチーム入りを果たすことが出来たものの、フットボーラーとして、さらには"志野リュウジ"というひとりの人間としての苦悩を描いた人間ドラマを中心に描かれています。

守備的な負けないための組織サッカーを志向するトップチームの監督からは、リュウジのような高いテクニックを持った攻撃的な選手は必要とされておらず・・・と、またもや、監督と戦わなければならなかったり・・・

「何もかも捨ててこの場所から始めたいんだ……!!」

フットボーラーとしての未来を切り開くために、日本・・・そして家族を捨てることになるとしても、スペイン人になることを決心するリュウジの心理描写の数々(特に4年ぶりに再会した父親に関するエピソードは見どころですが、9巻にも続くところなので今回は触れません)。

もう何と言えばいいのだろう?

とにかくサッカーに対してストイックであり続けようするリュウジ。

サッカーのためにそこまでしなければならないのか?

そんな想像を絶するリュウジのメンタリティを軸にしたストーリー展開は必見です。

リアリティ路線のサッカー描写+シリアスなストーリー展開

やっぱり、私はこういうのが大好きですね。
かなり前に書いた、好きなサッカーマンガベスト10も(読んだことのない方はサイドバーのメニューよりどうぞ・・・あれもいい加減リニューアルさせないとなぁ)、そういう系統の作品が多いですし(笑

シリアス一辺倒に近いバランスなので、マンガとして明るく楽しいといった方向性を望む方には、好まれにくいかもしれないですが、サッカーの要素が多いサッカーマンガを読みたい方にはお薦めしたいです。

これは、すごく個人的に思ったことなのですが・・・。

リュウジが、なんとか監督の目を引こうと、意図的に派手プレーをしたものの、監督は見てすらいなかった場面。

リュウジの場合は、「何と惨めな行為だろうか……」とシリアスな方向に進んでいきますが、このシーン、『GIANT KILLING』だったらギャグ展開になるところだよなぁ(6巻に収録されている夏木のシーンを参照)とか思ってみたり(笑

この作品は、原作の小説の"'01-'02"をマンガ化しているものだったはずなのですが、作中に出てくるバルセロナの選手にメッシやイニエスタの名が挙げられているところを見ると、実は'01-'02シーズンをモデルにしていたわけではないようです。

確かに、今になって'01-'02シーズンは古すぎるかもしれないですが、・・・となると、残念ながら、原作の小説の"'01-'02"の部分をマンガ化しきったら、それで連載終了となってしまいそうですね・・・。

けど、ここから小説を全部マンガ化したら、どれだけ年月かかるかも分からないし、まぁ何より原作どおりやっていくと権利関係が大変そうですからね・・・これも仕方がないのかな。

・・・とはいえ、まだどうなるかは分からないので、かすかに続いてくれることを期待しながら、読んでいこうと思います(苦笑

さて、続く8巻について。

自分に嘘をついていた父と再び会うことになるリュウジ。
そこでリュウジは、父に何を伝えるのか?

そして、リーガ最終節のバルサ戦。
リュウジは、ベンチ入りの18人の中に滑り込むことができるのでしょうか?

できれば、次もあまり待たせないで発売してくれると嬉しいなぁ・・・と、半分期待しながら楽しみに待っていますよ!(笑

■ 掲載

第77節~第88節
ワールドサッカーキングNo.091(H20年7/3号)~No.104(H20年12/18号)
親父の嘘が発覚したところまで収録

タグ : 龍時

『LOST MAN 3』 / 草場道輝 

2009.01.31 23:52


草場 道輝
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※微妙にネタバレ要素がありますのでご注意ください


4ヶ月ぶりの発売となった、『LOST MAN』の第3集。
この第3集から、スピリッツ掲載分となっていきます(とはいえ、話は普通に前巻の続きとなっていますが)。

第2集に引き続き、話の舞台は、ブラジル・ファゼンダ編。

これまで、降格の危機に陥っていたファゼンダFCでしたが、主人公である、さすらいの勝利請負人・マツモトが加入し、勝利を重ね上位進出も狙えるポジションに。

マツモトは、ファゼンダFCではイギータもびっくりの超攻撃的GKとして活躍し、瞬く間にチームの絶対的な中心プレーヤーとなっていくのですが、その裏では、ファゼンダFCを潰そうと目論む、ローカスツのオーナーであるカルロス・ゴードンと接触するマツモトの代理人のサカザキ。

そんなところに、短期集中連載版のヒロイン的存在であった、桂木詩乃がマツモトたちを追いブラジルまでやって来て、おいおい話は一体どうなってしまうんだ?

そんな状況から、第3集は始まっていきます。

まず、第3集を読んだ感想の結論から書きますと・・・

"草場先生の描く"、サッカー描写もコメディ・ギャグ描写もどっちも高次元に面白ぇー!

なんですよね(笑

1~2集の感想のところ・・・というか常々書いていることですが、サッカーマンガとして、草場先生の前作である『ファンタジスタ』と同等の、決定機を演出するプレーの創造性へのドキドキワクワク感を求めていくのはちょっと難しいのですが・・・

リスクを負ってでも超攻撃的GKとしてプレーし続けるマツモトを見ているのは面白いですし(ゴール前がガラ空きにして戻りきれず失点してしまうというご愛嬌を描いているところもいい)、また、マツモトがFWとして5秒以上確実にキープできることの意義について描いた場面は、草場先生のサッカーマンガらしい面白さがあったと思います。描写力も高い水準にありますしね。

サッカー描写に見どころは確かにあります。

・・・けど、ピッチの中のサッカー描写が少なめであることと、先程も書いた『ファンタジスタ』のあのフィーリングを求められないことをどう受け取るか。それによって、この作品に対する評価が変わってくるのではないかと思います。

私自身は面白いと思ってますが、ファンタのような高揚感が得られるサッカーマンガをまた読みたいという気持ちがあるのもまた事実・・・。あ、でも、もしかしたら、マツモトの最終形はファンタジスタになるって可能性は残させているんですよね。そのあたりは、今後に期待してみるとしましょう。

ピッチの中でのサッカー描写が少なめだけれど、それでも、私がこの作品を毎週楽しみしているのは、草場先生描くのコメディ・ギャグ描写も面白いから!

そのへんのツボというのは、読む人個々の感性によって結構違うところだと思いますが、私は大好きなんですよ!

前編のヒロインの詩乃の登場により、ファゼンダ編のヒロイン的存在のイリアーヌとの間でラブコメ展開になっていかなかったのは、ちょっぴり残念ではありましたが、お互いの本心は知らずとも、同じ人を想うところで気持ちがシンクロするふたりの描写は今回の個人的な密かな見どころです(笑

少し話は横道にそれますが、現在刊行中の『ファンタジスタ』の文庫版を読んでいて思うのは、草場先生はキャラの表情を描くのがすごく上手くなったなぁということ。

それを一番感じさせてくれるのは、マツモトに恋するイリアーヌの表情なんですよね~。

逆にカルロスに対しては、これでもかってぐらいに憎しみの表情を見せたり、時には大胆な行動に出て見たり(第2集参照)、このマツモトに恋するイリアーヌは注目ポイントのひとつに挙げていいのではないでしょうか。

あとは、無駄にゴージャスに作られた"最高級のたこやき"とか、塩じゃなくて砂糖をまいたティアーゴ、えせロナウジーニョがマツモトに絡むところがツボでした(笑

基本的にシリアス系の作品ではあるのですが、この適度なコメディ・ギャグ描写が、アクセントになって、私にとってはすごく面白い作品になっているのだと思います。

さて、続く4巻は、まだまだファゼンダ編が描かれていきます。

いよいよファゼンダとローカスツの因縁の対決がスタートしていくわけですが・・・。

ブラジルへと舞台を移した、現在描かれているファゼンダ編では、周囲の人物との関わり合いがよく深くなっています。

マツモトがファゼンダFCで活躍し、ファゼンダの人々との関わり合いが深く描かれているからこそ、マツモトがファゼンダからローカスツへと移籍が決まったときのファゼンダの人々の受けたショックは大きいのだけれど・・・

それが逆にファゼンダFCのメンバーたちの闘志に火をつけていくことにもなり、彼らの意地・プライドと勝利だけが自分の存在証明であるマツモトの命運を賭けた闘いに注目です!

とりあえず、私的には、かなり面白い部類に入る作品ではあるので、興味のある方はチェックして見てはいかがでしょうか。

■ 掲載

第19話~第27話
週刊ビッグコミックスピリッツ2008年第42号~第50号
マツモトがゴードンに頭を鷲づかみにされるところまで収録

タグ : LOST-MAN

『U-31 完全版』 / 原作:綱本将也 漫画:吉原基貴 

2009.01.11 12:27


綱本 将也,吉原 基貴
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かなり今さら感が強いですが(笑)、せっかく書いたので、『U-31 完全版』の感想をアップします。

今回は、レビュー寄りに書いているので、作品のもっと細かいところでの感想は、また別途に記事を書きたいなぁと思っています。

■ ストーリー

元アトランタ五輪代表の10番で、"マイアミの奇跡"と呼ばれたブラジル戦にも出場していた主人公・河野敦彦だったが、いつしかかつての輝きを失い、所属していたクラブ・東京ヴィクトリーから戦力外通告を受けてしまう・・・。

そんな河野にオファーを出していたのは、古巣であるジェム市原。

ジェムからヴィクトリーへ移籍した際のわだかまり、「あんな人気のないチームに戻れるわけ・・・」というプライドがあったものの、出場したアトランタ五輪のビデオを見ながら、こうなってしまった現在自分を見つめ直した河野は、意地やプライドを捨て、古巣のジェム市原に復帰することを決断します。

もう一度輝きを取り戻すために・・・

■ 『U-31 完全版』の概要

モーニングKCより発売されているコミックの単行本1~2巻に加え、エル・ゴラッソに掲載されたコミックで描かれなかった部分を補完する内容の小説版、ドイツワールドカップの時期に週刊モーニングで読みきりとして掲載された、真の最終回とされる「特別編」、さらには、未掲載原作の「LOVE AFFAIR」(原作をテキスト化しただけのもの)と、『U-31』として描かれたもののすべてが収録されています。

・・・と思われたのですが、小説版の最終回のエピローグ的に書かれていた部分は、掲載されてませんでした。

「特別編」を真の最終回としているので、これは仕方のないことなのかもしれませんが、個人的には、この部分を描き下ろしとしてマンガで掲載してほしかったんですけどね。それだけが唯一残念に思うところ。

■ 私的感想

もう、ただただ・・・

スター扱いから戦力外にまで堕ちて
それでもサッカーを捨てられなくて
10番にしがみついた

主人公の河野が、紆余曲折を経ながらもプレーヤーとしての輝きを取り戻していく姿に、読んでいてとてもじゃないけど言葉では言い表せないほど熱く激しく心揺さぶられました。

ジェムに復帰しても客寄せパンダとしてしか見られていなかったり、闘争心を失ってしまった先輩選手がシーズン途中で引退していまったり、代表復帰に近づいたかと思ったら怪我をしまったり、若手選手の突き上げによってポジションを失ってしまうかもしれないって状況になったり、大事な一戦を一発レッドで退場してしまったり・・・

どこかで見たことあるようなリアリティのある設定というか、リアルネタをベースにストーリーが構成されている部分が多いというのと・・・
(個人的にこういう小ネタを散りばめてるようなものは好きです)

私は部活動以上レベルでのサッカー経験者ではないけれど、アトランタ世代の選手たちには強い憧れを抱いていて、河野のモデルになっているとされる選手のアトランタ後について、いろいろ思うところがあったこと。

そのあたりが、ひとりのサッカーファンとして思わず共感、感情移入しながら、作品を読んでいたのかなぁと思います。

読んでいて、「あ~、クサイな」って感じることもありましたが、いやむしろ、私はそういうのが好きなんですよ(笑

あと、もうひとつは、作中の時代設定中でもある2003年から、リアルジェフの監督を務めていた、イビチャ・オシム前日本代表監督をモチーフにした、シニーシャ・クラリィの放つ存在感がまた格別なものがあります。

「サッカーにおいて善人がいつも勝利を手にするのなら
私もそうするがね――」

「システムは3-6-2。
今日は最強の中盤をピッチの上に創造しよう」

などなど・・・。
原作の綱本先生が、オシムになったような気で考えたという、クラリィの深い含蓄を含んだ言葉の数々は、(私自身、ひとりのサッカーファンとしてオシムさんに心酔しているというのもありますが)好きな人にはたまらないと思います。

あぁ・・・、久々に読み返しましたが、やっぱり熱いなぁ。

「成功とか名誉とかそういうことじゃない。
俺は代表に戻って確かめたいことがあるんです」

いろんなことがあったけど、結局は、サッカーを捨てられずに執着し続ける、そんな河野のハートに心底痺れますね!

■ 『U-31』とジャイキリ

同じ綱本先生が原作を努めている(現在は、原案・取材協力)ということで、『GIANT KILLING』がきっかけで、『U-31』に興味を持った方も多いかと思います。

絶対的な特定人物のモチーフはない『GIANT KILLING』に、リアルネタをベースにしている部分が多い『U-31』。

明るくポジティブな世界観な『GIANT KILLING』に対し、ひたすらにシリアスさを描いていることの多い『U-31』は、決して万人に受け入れられるとは言えないかなぁと思います。

作画の部分に関しても、暑っ苦しいほど生々しさのある人間ドラマを描いている世界観には、吉原先生の絵柄はものすごくマッチしていると私は思いますが、やはり、こちらも万人受けしやすいは言いがたいのかな・・・と。

なので、同じ綱本先生が原作の作品でも、世界観や方向性は対極にあると思うので、『GIANT KILLING』から入った人が、『U-31』を受け入れられるかどうかというのは未知数というか、感じ方は人それぞれなので私的には何とも言えません。

ですが、両作品とも根底に流れている綱本先生の持つサッカーに対する感性というのは共通していると思いますし、方向性は違っても、"私にとってはどっちも同じぐらい好きであるということ"、これはハッキリと言い切れます!(笑

■ 『U-31』と私

私がこの『U-31』の存在を知るきっかけになったのは、サッカー専門紙エル・ゴラッソのサッカー関係の本を紹介するコラムがきっかけでした(ごめんなさい、今はエルゴラは全然読んでいないので、何てコーナー名だったか忘れてしまいました)。

先程書いたことなので、ここでは省略しますが、そのあらすじをちょっと知っただけで、作品に強い興味を持ったんですよね。

それで、どうしても読みたくて、すぐさま本屋に探しに出かけて、買ってきて読んだら一発でこの作品に魅了されてしまいました(笑

それまで、サッカーは好きでも、ほとんどサッカーマンガを読んだことはなかったのですが(キャプ翼、Jドリ、シュート、ビバカル、俺フィーの序盤のほんの少しって程度)、『U-31』と出会ったことがきっかけで、他の未読のサッカーマンガに興味を持ち、あれこれ集めるようになりました。

だから、もし、この作品に出会ってなかったら、私は元々それほどマンガを熱心に読んでいるほうではなかったので、今こうしてサッカーマンガのブログをやっていることはなかったかもしれません。

そういう意味では、『U-31』は、もちろん、大好きなサッカーマンガではありますが、それ以上に自分にとっては特別な存在であると言えます。

私も含めて、熱心なファンは存在しているものの、元々の連載は打ち切られてしまったという作品という事実もあるので、個人的には狂信的にプッシュしたい気持ちはあるのですが、上下巻揃えるには金額的な負担も大きいので、お薦めするのはちょっと控えめにしておきます(笑

ですが、サッカー好き、特にJリーグやアトランタ世代に強い思い入れを持っている方はもちろん、サッカーにそれほど強い関心がない方でも、一見華やかそうに見えるプロスポーツの世界の裏側で、苦悩の中戦い続けるスポーツ選手のドキュメントを見るのが好きな方には、お薦めしやすいかなと思います。

リアルネタをベースにしているところは多いですが、用語を説明しているページも随所に挟まれているので、サッカー好きな方もそうでない方も、それらも合わせて読むとより作品楽しめます。

この作品を読むと、あえて具体名を挙げませんが、将来を嘱望されながらもいつしか輝きを失ってしまった選手の復活を願わずにはいられない・・・

私にとっては、そんな気持ちにされてくれる作品です。
もし、興味を持ってくれたなら、『U-31』の世界観に触れていただければと思います。

『YATAGARASU 18』 / 愛原司 

2008.11.15 23:24



※多少ネタバレ要素がありますのでご注意ください



記事のアップも遅れまくりで申し訳ないのですが、 あまり更新に時間が割けないため、簡単にいきます。

元城ヶ丘FCで私たちにも馴染みの深い反町をはじめ、新メンバーが加わったグランヴォーチェ。

18巻では、かつての城ヶ丘FCのチームメイトだった三枝が所属する柴山一高との練習試合に、そしていよいよ、チームの目標である高円宮杯出場に向けての第一歩、日本クラブユース選手権の地域予選が描かれていきます。

今回のところで、個人的に気に入っているのが、どちらかというと陽の当たらないポジションにいる、江守くんや宮にもスポットが当てられていたところでしょうか(笑

ボガータユースを蹴って、新生の街クラブ・グランヴォーチェでプレーすることを選んだ、茂木や森村に対し、懐疑的な視線な見方をする柴一のメンバーふたりへの怒りから、気持ちの入ったプレーを見せる江守くんは、すごくカッコよく・・・

そして、おそらくこの作品一番のヘタレと思われる宮のほうも、新メンバー+経験の少ないメンバーも含めた面子で構成された未成熟のディフェンスラインという影響もあると思うんですけど、不安定なプレーぶりを見せ、反町にボロクソ言われたりしながらも、地道に練習を重ね成長を見せていきます。

愛原先生の作品は、主役クラスを中心にストーリーを動かしていく傾向が強いほうだと思うんですけど、そんな中で、こういう日陰系のキャラの見せ場もたまにはあってもいいよねって思い、嬉しくなってしまいます(笑

あとは、日陰系キャラではないですが(笑)、暴力行為で出場停止になり、高校のサッカー部もやめるきっかけとなった、因縁の虎池FCと戦うことになる反町。それに関連した、反町のさまざまな心理描写というのも見どころですね。

サッカー描写は、いつもながらに面白く、サッカーをしている動きを描く上手さは、愛原先生の最大の魅力ですよね!

さて、次の19巻では、引き続き、虎池FC戦が描かれていくようですが、フィジカルを前面に押し出したハード・・・というよりは、少々ラフなプレーを仕掛けてくる虎池のサッカーに対し、グランヴォーチェの選手たちはどんな戦いを見せてくれるのか(特に、因縁のある反町、それに諸見里・・・にも出番は来るはず)

19巻の発売が今から楽しみです。

純粋にサッカー描写で勝負する(できる)、硬派なサッカーマンガというのは、すごく貴重な存在なので、愛原先生には頑張って連載を続けてほしいなと思います。

あ、あと最後にひとつ書き忘れていていたのを思い出したのですが・・・

「なんで俺のシュートは肝心なときにバーやポストに当たりやがんだぁ」

という、茂木のセリフなんですが、過去のシーンをいろいろ思い返して笑ってしまいました(13巻の感想でもそのへんのことに触れていましたね、私はw)。

■ 掲載

Vol.68~Vol.71
月刊少年マガジン2008年5月号~8月号
日本クラブユース選手権地域予選初戦、vs虎池FCガーズ キックオフ直後まで収録

タグ : YATAGARASU

『LOST MAN 1・2』 / 草場道輝 

2008.09.03 21:47





※ネタバレ要素がありますのでご注意ください



かつて、創造力とリアリティを感じさせてくれるサッカー描写で、私たちを魅了してくれた『ファンタジスタ』。

その『ファンタジスタ』の草場道輝先生の新作サッカーマンガ、『LOST MAN』の単行本が1・2巻同時発売となりましたので、2冊まとめて、その感想を書いていきたいと思います。

まずは、連載を読んでない人のために、作品の概要を説明していきますと・・・

この『LOST MAN』、ちょっと変わった設定のため(と、2巻のおまけマンガに書かれてました)、とりあえず5話分を短期集中連載として、週刊ヤングサンデーに掲載されたものが、本格連載に昇格し、同じく週刊ヤングサンデーで連載がスタートしました。

短期集中連載版と本格連載版とでは、ストーリーは普通に繋がっていて(というか、短期連載版は、ひとつのお話として完結してます)、短期集中連載分が1巻の1~5話で、本格連載分の1話は、1巻の6話として以下続いていくという形になっています(ヤンサンの連載ほうでは、本格連載分は1話となっていました)。

そして、連載されていた週刊ヤングサンデーは、7月をもって休刊なり、現在は休載状態となっていますが、すでに週刊ビッグコミックスピリッツへの移籍は決定しており、9月13日発売分より連載が再開されることになっています。

今回の単行本2冊は、ヤングサンデー掲載分がすべて収録されています。
連載を読んでなかった人は、連載再開時に、タイムラグなく、2巻終了後の続きから読むことができますので、連載再開までに追いついておきたいならば、早めにチェックしておいたほうがいいと思います。

ストーリーを大雑把に書いていきますと・・・

主人公の名はマツモト(本名ではないっぽい)。
記憶喪失で日本語(関西弁)を話すけど、国籍不明で瞳の色は茶色く緑がかっている。
見た目的には、いぶし銀の輝きを放つ職人肌のプレーヤーって感じですが、ボケ系のキャラの持ち主。けど、サッカーの実力は、超越しすぎてるほどに確かなもの。

もうひとり、マツモトの代理人を務める"サカザキ"という男。

要は、サカザキが、ビジネスとして、強力な助っ人を必要としているクラブを探し出し、勝利請負人としてマツモトのことを、法外な契約金で売り込んでいく・・・というのが、ストーリーのベースで、先程書いた、"ちょっと変わった設定"というのは、この部分を指していると思われます。

短期集中連載版として掲載されている1~5話は、ルーマニアを舞台に。
本格連載としてスタートしている6話以降は、ブラジルが舞台となっています(この話はまだ継続中)。

ここからは、作品を読んだ個人的な感想を。

草場先生の描くサッカーマンガということで、対峙する相手のサイドバックの選手との心理的駆け引きだとか、人数的なハンデがあるとはいえ子供たちを率いるマツモトが大人のチームに勝利したそのロジック、イギータばり(いや、それ以上の)攻撃的キーパーぶりを見せるマツモトのプレーなど、サッカー描写はそれなりに見ごたえはあると思います。

けど、『ファンタジスタ』のときに感じた、決定機を演出するプレーの創造性へのドキドキワクワク感を求めようとすると、ちょっと期待外れになってしまうかもしれません。主人公・ マツモトの能力も凄すぎですしね。

記憶喪失だとか、あくまでビジネスとしてサッカーしているという設定など、ピッチの中でのプレー描写に主眼を置いた作品性ではないことを、あらかじめ理解して読んでいくものだと思います。

その分、人物描写やストーリー展開が面白く描かれていると思います。

話数を少なくまとめた、ルーマニア編はちょっと違いますが、ブラジルへと渡ったファゼンダ編では、周囲の人物との関わり合いがよく深くなり、草場先生のコメディ描写がより冴え渡っていて、私は楽しく読んでいました(そのあたりの経緯は、連載雑感で書いたものを読んでもらえれば)。

本当、ときに思わぬ方向に話が進み、先の読めないストーリー展開に翻弄されたりするんですけど、その翻弄される感覚がたまらず好きだったりします(笑

そのあたりの面白さが見えてくるのが2巻を過ぎてからなので、もし、読んでみようと興味がわいたなら、とりあえず2巻まで読んでから判断してもらえればなぁと思います。

読み切りから連載を勝ち取り、ヤンサンの休刊で連載終了の危機もスピリッツへの移籍でそれをも乗り越えたということは、それなりに支持の得られている作品だと思います。

ですが、傑作クラスのサッカーマンガ、『ファンタジスタ』と比較すると、サッカー描写の点では、ドキドキワクワク感が足りないことは否めず(全然悪くはないのですが、ファンタには特別な高揚感があったのでそれと比べてしまうと・・・)、とりあえずは、それを差し引いて、草場先生の描く、ギャグ・コメディ描写も含めて好きだという人にオススメしておくことにします。

あと、2巻とも巻末におまけマンガが書かれているのですが、私的には、ちょっと衝撃的でした。
ま、まさか、サッカーマンガ以外で連載の準備を進めていたとは・・・。

とはいえ、今こうしてサッカーマンガとして、連載がスタートしてしまったからには、もうしばらく、『LOST MAN』を楽しませてほしいと思います。

3巻以降の展開について。

単行本が連載に追いついてしまっているので、先のことは一切分かりません。

ストーリー的に、ここからが、ファゼンダ編の佳境に入っていくところで、黒く渦巻いた部分がストーリーの中心に絡んできて、それに加え、短期集中連載版だったヒロインもマツモトたちを追いかけてルーマニアからブラジルに渡ってくるなど、とにかくこの先どうなっていくのか展開が読めず、連載が再開される、9月13日発売にスピリッツを楽しみにしています。

本当、どうなってしまうんでしょうね?(笑

■ 掲載

1巻
第1話~第8話
週刊ヤングサンデー2007年49号~2008年1号
2008年21・22合併号~24号

2巻
第9話~第18話
週刊ヤングサンデー2008年25号~35号
詩乃ブラジルの地に降り立つところまで収録

タグ : LOST-MAN

『龍時 5・6』 / 原作:野沢尚 漫画:戸田邦和 

2008.08.12 22:33





※多少のネタバレ要素がありますので注意



「また一年も待たせやがって!!」(笑・5巻の巻末近況報告のページを参照)

またもや1年ぶり、2巻同時発売となった、『龍時』の5巻と6巻一緒に、(他の記事との兼ね合いもあってなるべく簡単にですが)感想を書いていきたいと思います。

5巻は、4巻に続いて、主人公・リュウジの所属するシティオ(アトランティコFCの下部組織)vsアルカラ から始まっていきます。

これまでチームに馴染めないでいたリュウジが、ちょっとしたきっかけでチームメイトたちとの歯車がかみ合い始め、チーム全体が本来持っている高いポテンシャルを発揮していき、チーム全員が一丸となって戦っていくところが見どころであり、個人的にも好きなところです。

そこから6巻にかけては、リュウジが下部組織ではなく、アトランティコのトップチーム昇格を目指して、戦っていく姿を描いていくことになっていきます。

その中で、ストーリー的に大きなドラマとなっていくのが、トップチーム昇格を懸けた紅白戦。

シティオからアトランティコBへとステップアップしたリュウジは、同じくシティオからステップアップしてきた、エミリオ、アントニオらとともに、たったひとつのトップチームへの椅子をめぐって、紅白戦を戦います。

リュウジ、エミリオ、アントニオ・・・

シティオの頃から同じチームメイトとして一緒に戦ってきた3人。
・・・ではあるけれど、それと同時にトップチームへのステップアップを争うライバルでもあり、紅白戦ではエミリオ、アントニオとは敵チームとして戦うことに。

特に、エミリオは、スペインへ渡ってきたばかりでチームに馴染めない頃のリュウジに親切に接してくれ、普通のチームメイト以上の関係とも言える存在。

けれども、生存競争に勝ち抜いていくために、例え友人であっても、いや友人以上の存在だからこそ、エミリオに対してでも決して手を抜かずに全力で戦おうとするリュウジ。

・・・しかし、サッカーの神様は、リュウジに残酷な試練を与える。

全力で戦ったがゆえのアクシデントとはいえ、リュウジは自らの脚でエミリオのことを負傷退場させてしまいます。

"友をけがさせて蹴落としてまでトップを目指す
これがオマエが日本を捨ててまで求めてきたものなのか……?"

エミリオの想いを知るリュウジは、自分のしてしまったことの事の重大さに我を失う中、残りの試合時間をどう戦っていくのか・・・と、いったところで、ストーリーの行方はご自身で読んでいただきたいのですが、リュウジの人間味のある激しく揺れ動く感情の変化は、私の感情も強く揺さぶられるものがありました。

原作の小説を読んだときから、ここはマンガでどう描かれるんだろう?
と、注目していたところだったのですが、エミリオにスポットを当てた描写があった分だけ、リュウジの心の痛みも自分に伝わってきた気がしました。

けど、それ以上に、マンガ版を読んで涙したのは、試合後リュウジがエミリオの病院へ行ったとき、ロビーで検査の結果を待っているエミリオの父親が、どんな顔をしてエミリオの家族に接していいのか戸惑い立ち尽くすリュウジのもとへ歩み寄り、ただ黙ってリュウジを抱きしめたときでした。

「何も言わなくていい」と言わんばかりにリュウジの気持ちを察し、決して感情的に非難などせず、そっと抱きしめるエミリオの父親のその優しさは、リュウジの心に強く突き刺さったんだろうな。

そんなことを考えていたら、自然と涙が出てきました。とにかく、このあたりのストーリー展開は必見です。

その他のシーンについては(主に5巻のところ)、時間的な都合で割愛させてもらいますが、そのあたりは、書ける余裕のあるときに、連載雑感の中で触れていければなぁと思ってます。

『龍時』は、原作の小説をベースにした、リアリティのあるサッカー描写と心理描写が魅力だと私は思っています。

やはり、原作もののマンガということで、"原作の方が面白い"という真理は確かにこの作品にも当てはまりますが、マンガ版にはマンガ版なりの良さもあり(私個人としては、リュウジ視点で描かれる場面は原作と遜色なく好きです)、まぁ、うちはサッカーマンガのブログなので、マンガ版の方にスポットを当てますが、どちらでもお好みの方を選んでいいのではないでしょうか(笑

さて、7巻に向けては、いよいよトップチームへと上がり、原作小説1巻目'01-'02のクライマックスへと突き進んでいきます。それらは、連載の方でもこれから描かれていくところのため、どのように描かれていくのかすごく楽しみにしています。

次の単行本の発売時期は、今度こそは、1年間も待たせないようにしていただけると嬉しいのですが、戸田先生もいろいろと大変そうなので、あんまりプレッシャーをかけずに、のんびりと発売されるときを待つとしましょう(笑

■ 掲載

5巻
第53節~第64節
ワールドサッカーキングH19年6/21号(No.060)~12/6号(No.074)
手紙のやりとりのシーンまで収録

6巻
第65節~第76節
ワールドサッカーキングH19年12/20号(No.075)~H20年6/19号(No.090)
紅白戦終了後、エミリオの病院のシーンまで収録

タグ : 龍時

『YATAGARASU 16』 / 愛原司 

2008.02.26 22:28


記事の作成にあまり時間をかけられないので、雑感を手短に。

16巻からは新展開となり、カテゴリーがJr.ユース→ユース年代となっていきます。

今回は、試合シーンではなく、ユース世代へと進んでいくにあたっての進路問題が、ストーリーのテーマとなっています。

その内容に触れてしまうと、思いっきりネタバレとなってしまうので、ちょっと書けないのですが、作品を読んだ私の率直な感想を言いますと・・・

結局は、こういう展開になっていくのね(笑

と、いったところでしょうか。
作品によっては、こういうのは"甘い"と描かれてしまうこともあるかと思いますが、私はこういうの嫌いじゃないですよ?(笑

進路を決めるにしても、さまざまな選択肢があって、サッカーを取り巻く環境(志向するスタイルやプレイヤーのレベルなど)だとか、自分はどんなサッカーがしたいのかとか、それらをめぐるキャラクターたちのそれぞれの考え・想いなどを読み取りながら、読んでいくのが面白いんじゃないかと思います。

まぁ、彼らが目指していくところは、(リアリティの観点で見れば)少々非現実的な目標かもしれないけど、今後の戦いぶりに注目していきたいです。

それにしても・・・

主人公・茂木但馬は、ビッグマウスなところとか、その性格的な部分は、ユース世代になっても相変わらずといったところですが、サッカー選手としては、身体能力だけでなく高度なテクニックも高いレベルで身につけ、普通に"できる子"となってしまっていて、ちょっと面白みに欠けてしまったかなぁと思っている私がいます。この先、まだ何か試練が訪れるのかもしれないのですが・・・。

次の17巻は、サッカーシーンがメインとなっていくと思うので(この作品ついては単行本派なので、先は本当に知りません)、楽しみにしています。やはり、『YATAGARASU』は、サッカー描写が一番の魅力だと私は思っていますので。

■ 収録

vol.60~vol.63
月刊少年マガジン2007年9月号~12月号
ボガータとの練習試合のキックオフまで収録

タグ : YATAGARASU

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